のだめカンタービレ
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『のだめカンタービレ』は、 女性漫画誌「Kiss」(講談社)で2001年から連載されているクラシック音楽をテーマとした二ノ宮知子作の漫画作品である。 2004年、第28回(平成16年度)講談社漫画賞少女部門受賞。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
あらすじ
- ピアノ科にいながら指揮者を目指すエリート音大生千秋真一は、将来に行き詰まり教授に見捨てられ彼女にも振られ思い悩んでいた中、ゴミ溜りと悪臭の中で美しいソナタを弾く変態女の姿を見た。彼女の名前は野田恵(通称「のだめ」)。千秋の住むマンションの隣の部屋に住む同じ音大のピアノ科の生徒だった。第一印象は最悪極まりないものだったものの彼女に天賦の才を感じた千秋は、彼女の才能を引き出すべく、まず初めに彼女の部屋を掃除するのだった。
- その人の良さからのだめをはじめとする音大の変人たちに懐かれ順調に道を踏み外しながらも、千秋は指揮者への道を一歩一歩切り拓いていく。
登場人物・団体など
主要人物
- 野田恵(のだ めぐみ)
- 通称「のだめ」。激しく汚い部屋、アニメ「プリごろ太」の大ファンで、「ぎゃぼー・げは・むきゃ・むほぅ・がぼ」等といった奇声を発する変人。福岡県大川市出身。耳が良いため、楽譜や初見演奏が苦手。よって演奏は超自己流だが、その音色は千秋を唸らせるほどに美しい。将来は幼稚園か学校の先生になってピアノを弾くのが夢だったが、千秋と出会い次第に上昇志向が芽生えてくる。現在はピアニストを目指しフランスに留学中。素直でひとなつっこいが幼稚さとだらしなさが目立ち、落ち込みやすいところがある。千秋にベタボレしている。意外とグラマー(作中でDカップと判明)。実は同姓同名の実在の人物がモデルらしい。コミックスではその人物を「リアルのだめ」とされている。
- 千秋真一(ちあき しんいち)
- 指揮者を目指す有名ピアニストの息子。留学を夢見るも飛行機・船舶恐怖症で長らく日本から脱出することができないでいた。R☆S(ライジングスター)オーケストラの創始者兼初代指揮者であり、「プラティニ国際指揮者コンクール」優勝後、現在はシュトレーゼマンと同じ事務所に所属し、彼の弟子として海外公演に付き従っている。途中シュトレーゼマン急病の上海公演で指揮者デビュー。海外育ちで金持ちで見目好し頭良し、自分にも周りにも厳しい「オレ様」な男だが、器用で面倒見のよい面もあるカリスマ的存在。何でも水準以上にこなしてしまう。この度めでたく「変態の森(?)」に踏み込んでしまった。2005年9月、R☆Sオケを指揮した伝説的名演、ブラームスの交響曲第1番がCDリリースされた。
音楽家
- フランツ・フォン・シュトレーゼマン
- 世界的に有名なドイツ人指揮者。だが中身はただのスケベジジイ。かつてお忍びで来日したときには「ミルヒ・ホルスタイン」と名乗っていた(ミルヒ=牛乳、ホルスタイン=乳牛の品種)。千秋のもう一人の師匠。元ルー・マルレ・オーケストラ常任指揮者。
- セバスチャーノ・ヴィエラ
- 千秋が師と仰ぐ世界的指揮者。シュトレーゼマンとは犬猿の仲。理由は「買おうとしたおもちゃを奪われそうになったから」「自分の妻を口説いた」から。
- ジャン・ドナデュウ
- ヴィエラの弟子。フランス人指揮者。「プラティニ国際指揮者コンクール」で千秋と優勝を競った。日本人の彼女がいる。デシャン・オーケストラの常任指揮者。
- 孫・ルイ
S(エス)オケとそのメンバー
Sオケとはシュトレーゼマンにより結成されたオーケストラ。ショトレーゼマン自身が大学内を歩き回って見つけた選りすぐりの学生たちで構成される。しかしその自体は桃ヶ丘音楽大学の落ちこぼればかりが集められたオーケストラ、であるように見える。ちなみに、のだめはマスコットガール。
最初の練習では、直前のトラブル(のだめがシュトレーゼマンを殴り飛ばした)により急遽千秋が指揮台へ上ることとなる。曲目はベートーベンの交響曲第7番。本人たちは自身満々演奏に望むのだが、ぼろぼろ。千秋は何とか立て直そうともがくものの、ついには泣き出すメンバーまで出る始末。そこで、のだめといっしょに客席で聞いていたシュトレーゼマン本人が指揮者台へとのぼる。相変わらずの演奏ではあったものの、オーケストラが鳴り出した。ちなみに、これが千秋が指揮者としてオーケストラの前にたった初めての経験であった。このあと、千秋はピアノ科の学生を続ける傍らシュトレーゼマンの弟子となる。
以降、桃ヶ丘音楽大学第28回定期演奏会に向けてベートーベンの交響曲第3番をシュトレーゼマンを正指揮者、千秋を副指揮者として練習が重ねられるのだが、些細なトラブルからシュトレーゼマンはSオケから退き、千秋が正指揮者となった。千秋のスパルタ式特訓の甲斐もあり腕を上げるSオケであったが、千秋は演奏会(ここで、シュトレーゼマン指揮するAオケ(桃ヶ丘音楽大学正規のオーケストラ)との対決をすることになっていた)直前に、あることに気づき本番では自由に演奏させることにする。実力もだいぶついてきていたSオケは聴衆に受け入れられる演奏をすることができた。ちなみに、この演奏会でAオケは急病?のシュトレーゼマンの代理として一度も練習に参加していない指揮科学生大河内守のもと歴史にのこる大失敗の舞台を作り上げてしまう。
この後もSオケは、文化祭では大河内指揮のもと黒の和装でラプソディーインブルーを演奏し好評を得るなど活動を続ける。のだめはここでマングースの扮装でピアニカを演奏。ちなみに、この文化祭で千秋はシュトレーゼマン指揮Aオケとラフマニノフのピアノコンチェルト第2番を共演している。
- 峰龍太郎(みね りゅうたろう)
- 桃ヶ丘音楽大学の裏にある中華料理屋「裏軒」の一人息子。千秋とのだめの友人。Sオケのコンサートマスター(コンマス)を担当。当初はエレキバイオリンでロック志向だったが、千秋と出会ってからクラシック志向が強くなる。卒業後も大学院に進み、Aオケメンバーに選ばれる。R☆Sオケにも結成当初から参加する。
- 奥山真澄(おくやま ますみ)
- 体は男でも心は常に乙女チックなティンパニー奏者。山形県出身。あだ名は「モジャモジャ」「打楽器の女王」。極度の閉所恐怖症で、練習室に長時間篭れない。人間メトロノームと言っていいほどの、正確なテンポを刻める。最初千秋は好みのタイプではなかったが、大学の階段で助けられて以来、千秋を熱烈に慕うようになった。卒業後は在京オーケストラのオーディションに合格しプロとして活動する一方、R☆Sオケにも参加する。
R☆S(ライジングスター)オーケストラとそののメンバー
R☆Sオーケストラとは、ニナ・ルッツ音楽祭で組まれたオーケストラメンバーのメンバーを中心に結成されたアマチュアオーケストラ。千秋が初代指揮者を勤める。
- 三木清良(みき きよら)
- 実力派美人ヴァイオリニスト。ウィーン留学中だが師匠のカイ・ドゥーンに従い一時帰国、R☆Sオケのコンサートミストレス(コンミス)を務める。峰の彼女。
- 黒木泰則(くろき やすのり)
- オーボエ奏者。印象は「いぶし銀の武士」。何を間違ったのか、のだめに一目惚れしてしまう。現在、のだめと同じパリの音楽院に留学中。リード作りが日課。
- 菊池亨(きくち とおる)
- 実力派チェロ奏者。コンクール荒らしで女たらし。そのため彼女のうちの一人、いずみちゃんの夫から暴力をうけ、足を骨折した。
のだめ・真一のパリのアパルトマンションの仲間
- フランク
- コンセル・ヴァトワールのピアノ科に通うフランス人。プリごろ太オタクで、一時期のだめに惚れていた。
- ターニャ
- コンセル・ヴァトワールのピアノ科に通う男好きのロシア人。意外と世話好きなで、化粧が濃い。
- ユンロン
- 中国人留学生。神経質で、お金に細かい。ホームシックになりがち。
- 長田克広(おさだ かつひろ)
- 画家。昔、真一の父親と友達だった。幼い真一からお金を奪って逃げた経験あり。
大学関係者
- 多賀谷彩子(たがや さいこ)
- 千秋の元彼女で、声楽家を目指すお嬢様。千秋に未練がある。意外とスケベで酒に酔うとなにを言うかわからない。前回は「ふふふセックスもねぇ」
- ミナコ・モモダイラ
- 桃ヶ丘音楽学園の理事長。いろんな理由で海外に行けない千秋を気にかけていた。若かりし頃は美貌の天才ピアニストと言われ、シュトレーゼマンとロマンスを繰り広げたこともあった。また、清良の師匠のカイ・ドゥーンとシュトレーゼマンは、彼女をめぐって死闘を繰り広げたらしい。これにより、「魔性の女(by千秋)」の気があることが判明。
- 江藤耕造(えとう こうぞう)
- 桃ヶ丘音楽大学ピアノ科教授。スパルタ指導で恐れられ「ハリセン」と呼ばれる。千秋に見放され、谷岡と担任交代してまで指導しようとしたのだめにまで拒否され、ついにハリセンを捨てる。
- 谷岡肇(たにおか はじめ)
- 桃ヶ丘音楽大学ピアノ科教授。主におちこぼれ気味の生徒を担当とする。
その他
- 佐久間学(さくま まなぶ)
- 音楽評論家。『クラシック・ライフ』で『夢色☆クラシック』を担当している。流麗(で難解)なポエム記事にはファンが多い。千秋の才能に惚れ込んで、音楽活動にアドバイスをする。
- エリーゼ
- シュトレーゼマンのマネージャー。ジャンのファンで、用心棒のオリバーを従えてシュトレーゼマンを裏で操る。
小道具
- 「プリごろ太」
- 作中に登場する幼児向けアニメ。海外でも放映されるほどの人気があり、大ファンであるのだめはこれでフランス語を習得した。
- 「もじゃもじゃ組曲」
- のだめ作曲、谷岡肇・江藤耕造編曲の全12曲からなる組曲。のだめの世界を知る上で欠かせない怪曲。
CD
- のだめカンタービレ
- 2003年9月発売。作中で取り上げられた楽曲を収録したオムニバス盤。現在品切れ・廃盤のため入手困難。
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第1楽章 / アンドレイ・ガブリーロフ、リッカルド・ムーティ指揮、フィラデルフィア管弦楽団
- リスト:メフィスト・ワルツ 第1番《村の居酒屋での踊り》 / レイフ・オヴェ・アンスネス
- ブラームス:交響曲第1番 第1楽章よりハイライト / ジョン・バルビローリ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- ブラームス:交響曲第1番 第4楽章よりハイライト / ジョン・バルビローリ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー / アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団
- ベートーヴェン:交響曲第3番 第1楽章 / ルドルフ・ケンペ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番《春》 第1楽章 / ユーディ・メニューイン、ヘフツィバー・メニューイン
- ショパン:幻想即興曲 / ジョン・オグドン
- のだめカンタービレ Selection CD Book
- 2005年8月発売。作中で取り上げられた楽曲を収録したオムニバス盤の続編だが、コミック扱い。作中の架空の音楽評論家佐久間学による意味不明のポエム解説付き。
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》 第2楽章
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第1楽章(前半部分)
- ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(ハイライト)
- リスト:メフィスト・ワルツ 第1番《村の居酒屋での踊り》(ハイライト)
- モーツァルト:オーボエ協奏曲 第1楽章
- ドビュッシー:喜びの島
- ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
- R・シュトラウス:交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》(ハイライト)
- ベートーヴェン:交響曲第7番 第1楽章
- 海老原大作※1:ロンド・トッカータ
- ※1えびはらだいさく:作中の架空の作曲家。ここでは合唱曲「Let's search for Tomorrow」の作曲で知られる実在の作曲家大澤徹訓が作曲を手がけている。
- ブラームス:交響曲第1番~のだめカンタービレ
ドラマ化
実は、2005年10月期のTBS金曜ドラマ枠において上野樹里主演でドラマ化される予定だったが、共演する予定だった岡田准一の所属するジャニーズが岡田が主役級の扱いになる様に脚本を大きく変え、また主題歌までをV6の曲ににしようとした為に作者が大激怒。あとは撮影だけという段階まで企画が進んでいたが、結局ドラマ化が中止されることになった。
外部リンク
- Tomoko Ninomiya's Web : 二ノ宮知子公式サイト