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ボアスコープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ボアスコープとは

ボアスコープは英語ではBorescopeと書きますが、「Bore(銃孔)を覗いて検査するためのScope」が語源とされています。日本語では硬性鏡と訳され、金属チューブ内に映像を伝播する光学系と光を伝播するライドガイドの両方を独立して配置した光学 製品で、直接目視出来ない奥まった部位の観察や検査をする工業用内視鏡です。Borescope先端から光を出すためには、外部の光源装置が必要で、ランプから出る光を集光し、ライトガイドケーブルを通して先端に光を届けています。ボアスコープの太さは1ミリ以下からあり、長さも1mを超えるものがあります。視野方向は多様で、チューブから真っ直ぐ先を見る直視スコープ、チューブの斜め前方を見る前方斜視、チューブの横方向を見る側視、チューブの斜め後方を見る後方斜視があります。これらの視野のほとんどを一つのスコープで広範囲にカバーするスイングプリズム・ボアスコープやズームレンズを内蔵したボアスコープもあります。


ボアスコープの構造

ボアスコープの映像を伝播する光学系は大きく3種類に分けられます。 1. リレー・レンズ式 画像を上下反転させながら伝播するレンズセットを組み合わせています。通常4ミリ以上のボアスコープに採用される構造です。スコープの挿入部(金属チューブ)が曲げられるとケラレ等の画像異常が発生します。 2. セルフォック・レンズ式 一本の細長いロッド・レンズにより映像を伝播するボアスコープです。3ミリ未満の細いボアスコープに採用される構造です。スコープの挿入部が曲げられるとロッド・レンズが破損し、画像の伝達が不可能になります。 3. ファイバー・イメージガイド式 ファイバースコープと同じような画像を伝播するイメージガイド・ファイバーを採用したボアスコープです。1ミリ以下のボアスコープも実現していますが、ファイバースコープと同じで画像がファイバードットの集まりで映し出されるため、解像度が他の光学系より劣ります。細いボアスコープでも挿入部が少し曲げられても画像に異常が発生し難い耐久性に優れた構造です。


ボアスコープの用途

ボアスコープは真っ直ぐにアクセス出来る部位の検査が対象ですが、構造が簡単なため操作も簡単であると言う特徴があります。主な用途として、金属部品切削後のバリ確認、鋳物の残留物確認、ジェットエンジンの検査等が挙げられます。ロボットの目として自動検査装置に組み込まれる事例も多いのがボアスコープの特徴です。


ボアスコープの今後

目で見ることを目的に作られたボアスコープですが、CCDカメラやデジタルカメラに接続して、テレビやパソコンに映像を取り込むことが一般化していますが、スコープ先端にCCDカメラを内蔵したビデオスコープが1990年後半から画質・耐久性・汎用性を向上させ、4ミリ径以上のボアスコープを置き換えています。ビデオスコープの径が細くなるにつれ、ボアスコープがビデオスコープに置き換わると考えられます。


外部リンク

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