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巡礼 (通俗)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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この項目で説明する巡礼(じゅんれい)とは、熱心なファン心理から、自身の好きな著作物などに縁のある土地を聖地と呼び、実際に訪れる事を指す俗語である。宗教的な聖地を訪れる本来の巡礼から転じた言葉。

概要

本来巡礼とは、宗教において、重要な意味を持つ聖地に赴く宗教的な行為の事である(本来の巡礼に付いての詳細は巡礼の項を参照)。

ここから転じて、物語の舞台となった場所やスポーツなどの名勝負の舞台となった場所等、本人にとって思い入れのある場所を「聖地」と呼び、この「聖地」を実際に訪れ、憧れや興奮に思いを馳せることを、「巡礼」と呼ぶ様になった。

自身に取って特別な思い入れのある土地の事を聖地と呼ぶ事自体は、「○○のメッカ」といった表現がある様に決して新しい物ではなく、こうした「自身にとって思い入れのある土地を訪れる事」は古くから観光の目的の一つとして一般的であり特に珍しい物ではない。従って比喩表現としての巡礼は古くから使われていた可能性が高い。

しかし、その概念が広まったのには近年の事であり、インターネットの普及による所が大きいと思われる。様々な作品等のファンサイトによって聖地が特定され、そのファンの間で広まる事が多いほか、巡礼を果たしたファンがWebページを用いて「巡礼の概要報告」を行うこともある(漫画やアニメ等、絵のある作品の場合は作中の場面とそれに該当する現地の写真を掲載して、それらを比較するという形態を取る事も多い。更に、その場面に登場するキャラクターコスプレをして、同じポーズをとって写真に収まっているというものも存在している)。

巡礼の対象となる著作物は幅を広げており、古くから対象となっていた小説や映画はもちろんの事、近年は特にサブカルチャーに分類される作品が対象となる事が多い(外国のアダルトゲームファンが来日して、エルフ本社(ゲームソフト会社)を巡礼したという例も存在する)。

地域への影響

メリット
多くの人が訪れる事となり、観光資源としての価値が生ずる。このため近年では、町興しの一環として地元自治体、観光協会およびフィルム・コミッション等が積極的に作品制作に協力したり、作品の舞台となった事実を宣伝し活用する例も増えている(地元の商店などが作品ポスターを掲示して盛り上げたり、地元サイドによって来訪者用のノートが設置される事もある)。
デメリット
巡礼の対象となっている場所には一般の住宅街等が含まれている場合もあり、住民の日常生活に影響を与える場合がある。また、近年問題化している「小学生女児が被害者になっている事件」や、住民への迷惑などの影響で、作品によっては発行元が「聖地巡礼自粛のお願い」を呼びかける事象も発生している。
また、『頭文字D』(峠の走り屋を題材としたアニメ)では、舞台となったに走り屋が集結したため、地元警察が対策に乗り出した事例がある。『ひぐらしのなく頃に』では、神社の建築物等にいわゆる萌え絵などを巡礼記念に書き残した行為が批判の対象となった(特に2ちゃんねる等で話題となった)。

聖地

巡礼の対象となる場所は「聖地」と呼ばれるが、この「聖地」の主な種類には以下の物が挙げられる。

  • 作品のモデルとなった場所
    • 実際に作中に舞台として出て来た実在の場所
    • 地名等は変えられながらもモデルと推定出来る場所
  • 映像作品の撮影場所
  • 出生地等といった作者等の縁の土地
  • 制作会社
  • イベント・大会・試合等の会場となった場所

この他にも様々な種類があり、「登場キャラクターの名前の元ネタとして使われた」等と、直接的な関わりがない様な場所であっても巡礼の対象となる場合もある。

関連項目

外部リンク

聖地巡礼サイト

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