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森博嗣

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森博嗣(もり ひろし、1957年12月7日 - )は日本小説家推理作家研究者愛知県生まれ。出身校や勤務先などの経歴は非公開としている。妻は、イラストレーターのささきすばる

人物

推理小説を中心として執筆している。「粘塑性流体の数値解析手法」の研究を続ける傍ら、小説家としても活動。森博嗣の作品の多さは有名であり、1996年のデビュー以来、2007年現在、出版された作品は100冊を超える(文庫化·ノベルス化の冊数を含まない)。なお、著作の中での著者プロフィールでは「国立N大学助教授」または「某国立大学の工学部助教授」であった。大学を退職した現在は、工学博士となっている。ちなみに自身の体調と合っていることを理由として1日1食である。

森が「ミステリー」とは表記·呼称せず「ミステリィ」としているのは、工学系で語末の長音を省略するのが慣用(英単語の語尾がor、erの場合はカタカナでの語尾は省略、語尾がyの場合は長音符号「ー」をとり、「ィ」とする、など。詳しくは「日本語の誤用」参照。)となっているため。

1996年、『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞。なお森博嗣を衝撃的にデビューさせるためにメフィスト賞が設立され、『すべてがFになる』が「第一回受賞作」になった、と言われている。「すべてがFになる」を書き上げた時点で『冷たい密室と博士たち』『笑わない数学者』『詩的私的ジャック』も完成させており、最初に投稿したのは『冷たい密室と博士たち』であったが、編集部の戦略により最もインパクトの強い『すべてがFになる』が第1作として刊行された。それに合わせて、続く3作についても登場人物の年齢やコンピュータ技術等が書き直されることとなった。森が担当者に次の作品の内容を尋ねられ、「孤島の研究所で殺人が起きる」という設定などを電話口で話した時点で担当者は「それをデビュー作にしましょう」と決断したといい、後に森は「英断だった」と語っている。

大学や研究所等が舞台となることが多く、本作が刊行されると作風も相まって理系ミステリと評され、話題を呼んだ。また、作品内ではコーヒーや煙草に関する描写が多い。近年は、恋愛小説、絵本、詩集といった分野に進出している。

大学時代に同人サークル「グループドガ」を堀田清成(漫画『ヒカルの碁』の原作者ほったゆみの夫)と主宰し、同人誌即売会「コミックカーニバル」を主催する。グループドガ解体後「出版JETPLOPOST」を主宰。同人漫画家としては「森むく」というペンネームを使っていた。 極めてセンシティブなタッチのコミックとコミカルなタッチのコミックを描き分け、創作ジャンルの同人界でも有名であった。JETPLOPOSTの同人には、のちに商業誌で活躍する山田章博などが在籍していた。

自宅に5インチゲージの「欠伸軽便鉄道、弁天ヶ丘線」を開業し、5インチのミニ列車を走らせている。この庭園鉄道の駅長を長く務めていた愛犬のシェットランド·シープドッグ、森都馬は2005年3月24日に永眠した。

自ら「作家·森博嗣が創作者として崇拝する唯一の存在」と認めるほどの大の萩尾望都ファンで、愛犬の森都馬(もり とーま)の名前は萩尾の作品『トーマの心臓』に由来(「都」は彼女の名前から一字拝借したもの)していた。この森都馬は『S&Mシリーズ』に登場する西之園萌絵の愛犬で西之園都馬というシェットランド·シープドッグのモデルでもあった。なお現在の森の愛犬は同じくシェットランド·シープドッグのパスカル。

自身は常に執筆活動を「アルバイトとしてやっているだけにすぎない」というスタンスであり、2007年現在においても数年後に小説を書くことをやめると自身のブログで発言している。

作品リスト

  • 『すべてがFになる The Perfect Insider』
  • 『冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room』
  • 『笑わない数学者 Mathematical Goodbye』
  • 『詩的私的ジャック Jack the Poetical Private』
  • 『封印再度 Who Inside』
  • 『幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic』
  • 『夏のレプリカ Replaceable Summer』
  • 『今はもうない Switch Back』
  • 『数奇にして模型 Numerical Models』
  • 『有限と微小のパン The Perfect Outsider』
  • 『黒猫の三角 Delta in the Darkness』
  • 『人形式モナリザ Shape of Things Human』
  • 『月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks』
  • 『夢・出逢い・魔性 You May Die in My Show』
  • 『魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge』
  • 『恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits』
  • 『六人の超音波科学者 Six Supersonic Scientists』
  • 『捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest』-講談社ノベルス創刊20周年「密室本」の一冊でもある。
  • 『朽ちる散る落ちる Rot off and Drop away』
  • 『赤緑黒白 Red Green Black and White』

四季

  • 『四季 春 The Four Seasons Green Spring』
  • 『四季 夏 The Four Seasons Red Summer』
  • 『四季 秋 The Four Seasons White Autumn』
  • 『四季 冬 The Four Seasons Black Winter』
  • 『四季 The Four Seasons』(『春』『夏』『秋』『冬』の合本)
  • 『φは壊れたね Path connected φ broke』
  • 『θは遊んでくれたよ Another playmate θ』
  • 『τになるまで待って Please stay until τ』
  • 『εに誓って Swearing on solemn ε』
  • 『λに歯がない λ has no teeth』
  • 『ηなのに夢のよう Dreamily in spite of η』

Xシリーズ

*タイトルに×が入っているため。

  • 『イナイ×イナイ Peekaboo』

 今後の予定

  • 『キラレxキラレ』

短編集

  • 『まどろみ消去 Missing under the Mistletoe』
  • 『地球儀のスライス A Slice of Terrestrial Globe』
  • 『今夜はパラシュート博物館へ The Last Dive to Parachute Museum』
  • 『虚空の逆マトリクス Inverse of Void Matrix』
  • 『レタス・フライ Lettuce Fry』

スカイ・クロラ シリーズ

あえて、最終巻の『スカイ・クロラ』から刊行した、と作者は述べている。また、ハードカバー版の表紙に使われている空の写真、ノベルズ版(C★NOVELS)の鶴田謙二によるカバーイラストは人気が高い。

Mシリーズ

  • 『工学部・水柿助教授の日常 The Ordinary of Dr.Mizukaki』
  • 『工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki』

Zシリーズ

  •  『ZOKU』
  •  『ZOKUDAM』

女王シリーズ

  • 『女王の百年密室 God Save the Queen』
  • 『迷宮百年の睡魔 Labyrinth in Arm of Morpheus』

シリーズ外の小説

  • 『そして二人だけになった Until Death Do Us Part』
  • 『墜ちていく僕たち Falling Ropewalkers』
  • 『奥様はネットワーカ Wife at Network』
  • 『探偵伯爵と僕 His name is Earl』
  • 『カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep』
  • 『少し変わった子あります Eccentric persons are in stock』
  • 『どきどきフェノメノン A phenomenon among students』

小説以外の文章系(エッセイ集など)

  • 『工作少年の日々 Under Construction forever』
  • 『森博嗣の TOOL BOX』
  • 『悠悠おもちゃライフ The Leisurely Life with Toys and Models』
  • 『森博嗣のミステリィ工作室 Mori's Mystery Workshop』
  • 『100人の森博嗣 100 MORI Hiroshies』
  • 『臨機応答・変問自在 森助教授VS理系大学生』
  • 『臨機応答・変問自在2』
  • 『大学の話をしましょうか—最高学府のデバイスとポテンシャル』
  • 『人間は考えるFになる』(土屋賢二教授と共著)
  • 『アンチ・ハウス ANTI HOUSE』(阿竹克人と共著)

浮遊研究室シリーズ

  • 『森博嗣の浮遊研究室 MORI Hiroshi's Floating Laboratory』
  • 『森博嗣の浮遊研究室2 未来編 MORI Hiroshi's Floating Laboratory 2』
  • 『森博嗣の浮遊研究室3 宇宙編 MORI Hiroshi's Floating Laboratory 3』
  • 『森博嗣の浮遊研究室4 鳳凰編 MORI Hiroshi's Floating Laboratory 4』
  • 『森博嗣の浮遊研究室5 望郷編 MORI Hiroshi's Floating Laboratory 5』

庭園鉄道シリーズ

  • 『ミニチュア庭園鉄道  欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の昼下がり』
  • 『ミニチュア庭園鉄道2 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の大躍進』
  • 『ミニチュア庭園鉄道3 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の野望』

日記シリーズ

  • 『すべてがEになる I say Essay Everyday』
  • 『毎日は笑わない工学博士たち I say Essay Everyday』
  • 『封印サイトは詩的私的手記 I say Essay Everyday』
  • 『ウェブ日記レプリカの使途 I say Essay Everyday』
  • 『数奇にして有限の良い終末を I say Essay Everyday』

モリログシリーズ

  • 『MORI LOG ACADEMY 1 モリログ・アカデミィ 1 』
  • 『MORI LOG ACADEMY 2 モリログ・アカデミィ 2 1年のケーキ元旦に飽き』
  • 『MORI LOG ACADEMY 3 モリログ・アカデミィ 3 日のないところに書け無理絶えず』
  • 『MORI LOG ACADEMY 4 モリログ・アカデミィ 4 投げたらあかん!』
  • 『MORI LOG ACADEMY 5 モリログ・アカデミィ 5 なんとなくクリスマス』
  • 『MORI LOG ACADEMY 6 モリログ・アカデミィ 6 指揮者必衰のおことわり』

写真集、絵本、詩集

  • 『アイソパラメトリック Isoparametric』
  • 『詩集 MATEKI -魔的 Magical Words behind me』
  • 『君の夢 僕の思考 You Will Dream While I Think』
  • 『議論の余地しかない A Space under Discussion』
  • 『的を射る言葉 Gathering the Pointed wits』
  • 『STAR EGG 星の玉子さま』
  • 『STAR SALAD 星の玉子さま2』
  • 『悪戯王子と猫の物語 Fables of Captain Trouble and Cat』(妻・ささきすばるとの共著)
  • 『猫の建築家 A Cat of Architect』(絵・佐久間真人)
  • 『蜥蜴 Salamander』 (妻・ささきすばるとの共著)
  • 『蛟竜 Dragon』 (妻・ささきすばるとの共著)
  • 『DAY & NIGHT 昼も夜も』(ささきすばるとの共著)

ビデオゲーム

コミック

ラジオドラマ

TVドラマ

映画

学術著書

  • 『建築系のためのBASICプログラミング』
  • 『C言語によるマトリックス演算』 C言語による構造解析シリーズ
  • 『C言語による有限要素法入門』 C言語による構造解析シリーズ
  • 『建築材料 ―その選択から施工まで―』

関連本

  • 『別冊宝島「森博嗣本」』-西尾維新との対談が収録されている。

発刊予定

  • 『キラレ×キラレ』(Xシリーズ)
  • 『ゾラ・一撃・さようなら Zola with a blow and goodbye』(シリーズ外の単発小説)
  • 『MORI LOG ACADEMY 7 モリログ・アカデミィ 7』
  • 『もえない』 

備考

  • 『発音がうまくならないと英会話は上達しない』という書名の本があるが、これは同姓同名の別人の著書。
  • 『εに誓って』第一版85ページ後ろから二行目の「山吹」は「赤柳」の、「赤柳」は「海月」の誤植である。

外部リンク

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