マオ 誰も知らなかった毛沢東
マオ 誰も知らなかった毛沢東 (Mao: The Unknown Story) は、作家ユン・チアンとイギリス人歴史学者ジョン・ハリデイの夫婦による毛沢東の伝記である。前作『ワイルド・スワン』から10年以上の歳月をかけて2005年に発表され世界25ヶ国で出版された。ヨーロッパ、アメリカでベストセラーの1位になり日本では11月に発売されて以来17万部を超える売上げを示した。今回も前作同様、講談社から土屋京子訳で出版されている。
冷戦の頃からは考えられなかったロシアとアルバニアの公文書館から閲覧した資料や毛沢東と接触した数百人もの中国国内や海外の人々とのインタビュー、関係した場所に足を運び新たな事実を発見した。その結果単なる毛沢東批判ではなく中国現代史を引っくり返すショッキングな暴露の連続となった。
ワイルド・スワンと同じく中国では出版される見込みはまったくない。(週刊朝日でコメントした)
内容
毛沢東の出生から死に至るまで当時の社会情勢とともに詳細に書いたノンフィクションである。青年時代に国民党に入党し、共産党に入ってからは卑劣な手を使って党を乗っ取り、アヘンを密売し、長征では軍を壊滅状態に追いやり、抗日戦争にはほとんど参加しようとせず、中国を征服すると7000万人を死に追いやった、自己中心的な良心のない人間として書いている。豊富な資料をもとに書かれており、これによれば蒋介石の義姉、宋慶齢は共産党のスパイだったとのことである。
反響
台湾では、国民党が共産党に負けたのは国民党幹部がスパイだったからと書かれていたため、遺族や関係者が怒り2006年4月19日に出版予定だったが発売中止になった。日本では石原慎太郎などの有識者が絶賛したが、専門家の間からは事実関係が異なるといった批判がでている(例:張作霖の謀殺はソ連の仕業だったという記述がある)。
執筆協力者
世界中の多くの人物にインタビューし執筆された。その中には宮本顕治や不破哲三などの日本共産党関係者も含まれる。
関連項目
書籍詳細
日本語版
- ユン・チアン、ジョン・ハリデイ…著(土屋京子…訳) 『マオ - 誰も知らなかった毛沢東』 講談社
- 単行本 2005年11月 <上> ISBN 4-06-206846-X、<下> ISBN 4-06-213201-X
その他
- Jung Chang, Jon Halliday, Mao, hardcover, Random House. (June 02, 2005) ISBN 0-224-07126-2
- Jung Chang, Jon Halliday, Mao: The Unknown Story, hardcover, Knopf, London: Jonathan Cape. (October 18, 2005) ISBN 0-679-42271-4