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飛行船

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飛行船気球に推進用の動力をつけて操縦可能にした物である。

現在、旅客を運ぶ飛行船は役割を終えているが、宣伝用、大気圏の観測用等で、ヘリウムガスを利用した、可燃性のない飛行船が小規模に使われている。

また、政府による「ミレニアムプロジェクト」の一つとして、「成層圏プラットフォーム」(成層圏滞空飛行船)を利用した通信・放送サービスが計画されている。

歴史

  • 1852年9月23日フランスのアンリ・ジファルによって蒸気機関をつけた飛行船の試験飛行が成功。
  • 1897年にはオーストリアのシュバルツによって、硬式飛行船が試作された。
  • 1911年9月20日に、山田猪三郎が開発した山田式飛行船が東京上空一周飛行に成功した。
  • 1891年のドイツではツェッペリン伯爵が退役後に独力で硬式飛行船の開発に乗り出し、1900年には飛行に成功。1909年にはドイツ国内航路を開設した。ツェッペリン伯爵の成功によりツェッペリンは飛行船の代名詞となった。
  • 第一次世界大戦においては、ドイツ軍により軍用飛行船が用いられ、ロンドン空襲などを行った。
  • 1929年にツェッペリン伯爵の跡を継いだエッケナー博士がツェッペリン伯爵号で世界一周飛行を行い、当時の飛行機の限界をはるかに超える長距離・長時間の飛行性能を見せ付けた。ドイツは第一次世界大戦の敗戦国ではあったが、飛行船の製造および運用技術ではアメリカやイギリスなどを引き離していた。
  • 1937年に大西洋横断航路に就航していたドイツのヒンデンブルグ号が、アメリカ合衆国ニュージャージ州のレイクハースト空港に着陸する際に、原因不明の出火事故を起こし爆発炎上した。当時は水素ガスを利用していたため、極めて引火性が高かった。この事故によって水素ガスを使用する飛行船の安全性に対する信用は失墜し、航空機が発達して航空輸送の主力を占めるようになった、飛行船は使われなくなってきた。

種類

軟式飛行船

浮揚のためのガスを詰めた気嚢と船体が同一で、ガスの圧力で船体の形を維持する形式。ガスの放出によって圧力が弱まると船体を維持できなくなる。突風などによって船体が変形するとコントロールを失ってしまう。いった、気嚢に穴が開くとガスの漏出が全体に影響する。大型化に適しない。

硬式飛行船

金属の枠組みを作ってそれに外皮を貼り、複数の気嚢をその内部に収納する形式。船体の強度が高いため大型化、高速飛行が可能。

半硬式飛行船

ゴンドラを吊り下げる部分にだけ金属製の骨格を用いた軟式飛行船。

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