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「完全数」の版間の差分

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* ''N''は重複も数えて少なくとも75個の素因数を持つ(Hare, 2005)。
* ''N''は重複も数えて少なくとも75個の素因数を持つ(Hare, 2005)。


また、<math>e_1=e_2=...=e_k=\beta</math>のとき、どの<math>\beta</math>に対しても、奇完全数は高々有限個しか存在しない。[[山田智宏]]
また、完全数が無限に存在するかどうかということも分かっていない。

完全数が無限に存在するかどうかということも分かっていない。


上記のことから現在知られている完全数は、すべてメルセンヌ素数と一対一の対応がついている。数表は参照:[[メルセンヌ数]]
上記のことから現在知られている完全数は、すべてメルセンヌ素数と一対一の対応がついている。数表は参照:[[メルセンヌ数]]

2006年5月14日 (日) 11:48時点における版

完全数 (かんぜんすう) とは、その数自身を除く正の約数の和が、その数自身と等しい自然数のこと。6 = 1+2+3, 28=1+2+4+7+14 など。

古代の人は、最初の完全数が6なのは「神が6日間で世界をつくったから」、次の完全数が28なのは「月の公転周期が28日」と関連があると考えていたとされる。

完全数は、メルセンヌ素数と関係が深く、M がメルセンヌ素数ならば M×(M+1)/2 が完全数であることが、ユークリッドによって証明されている。このことから、紀元前には、6, 28, 496, 8128 が完全数であることが知られていた。

その後、オイラーが登場するまでは、33550336, 8589869056, 137438691328 が完全数であることしかわからなかった。オイラーは、全ての偶数の完全数が、メルセンヌ素数 M を用いて M×(M+1)/2 で表せることを示した(オイラーの定理)。

ただし、奇数の完全数が存在するか否かは、未解決である。もしNが奇数の完全数ならば、Nは次の各条件を満たさなければならない。

  • である。ここでは相異なる素数でを満たす。(Euler)
  • 上記で、のとき、でない。 (Steuerwald)
  • Nは12k+1または36k+9の形をしている(Touchard, 1953およびSatyanarayana, 1959)。
  • Nは二つの平方数の和でなければならない(Stuyvaert, 1896による?)。
  • (Brent, Cohen, Te Riele, 1991).
  • Nは少なくとも9個の相異なる素因数を持つ(Nielsen, 2006)。
  • Nは107より大きい素因数を持つ(Jenkins, 2003)。
  • Nの2番目に大きな素因数は104より大きい(Iannucci, 1999)。
  • Nの3番目に大きな素因数は100より大きい(Iannucci, 2000)。
  • Nは重複も数えて少なくとも75個の素因数を持つ(Hare, 2005)。

また、のとき、どのに対しても、奇完全数は高々有限個しか存在しない。山田智宏

完全数が無限に存在するかどうかということも分かっていない。

上記のことから現在知られている完全数は、すべてメルセンヌ素数と一対一の対応がついている。数表は参照:メルセンヌ数

約数の和を考えることで特徴付けられる数の種類には他にも次のようなものがある。その数を除いた約数の和がその数より小さいとき、この数を不足 (deficient) 数という。和がその数より大きなとき、過剰 (abundant) 数という。完全数と合わせて、これらの名称には古代ギリシャの数秘学の影響が見られる。この和が互いに等しいような数のペアを友愛 (amicable) 数といい、これがペアよりももっと大きな組からなっているとき、その組を社交 (sociable) 数という。

準完全(Quasiperfect)数 とは、約数の和が 2n + 1 に等しいような数をいう。これは過剰数である。そのような数はいまだに見つかっていないが、存在するならばそれは奇数の平方数で 1035 より大きく、少なくとも7つの約数を持つということが示されている。

概完全(Almost perfect)数 とは約数の和が 2n - 1 に等しいような数である。これは不足数である。2k の形をした自然数はこの条件を満たしているが、この形であらわされる自然数以外でこの条件を満たすものが存在するのかどうかはわかっていない。

参考文献

R. Steuerwald, Verscharfung einen notwendigen Bedingung fur die Existenz einen ungeraden vollkommenen Zahl, S.-B. Bayer. Akad. Wiss. 1937, 69–72.

Pace P. Nielsen, Odd perfect numbers have at least nine different prime factors, arXiv:math.NT/0602485, 2006.

Richard P. Brent, Graeme L. Cohen, H. J. J. Te Riele, Improved techniques for lower bounds for odd perfect numbers, Math. Comp. 57(1991), 857--868, MR 92c:11004.

J.E.Z. Chein, An odd perfect number has at least 8 prime factors, Doctoral Thesis, Pennsylvania State University, 1979.

Graeme L. Cohen, Ronald M. Sorli, On the number of distinct prime factors of an odd perfect number, J. Discrete Algorithms 1(2003), 21--35.

R.K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory, 3rd Edition, Springer-Verlag, New York, 2004.

P. Hagis Jr., Outline of a proof that every odd perfect number has at least eight prime factors, Math. Comp. 35(1980) 1027–1032.

Kevin G. Hare, New techniques for bounds on the total number of prime factors of an odd perfect number, (preprint). [1]

Douglas E. Iannucci, The second largest prime divisor of an odd perfect number exceeds ten thousand, Math. Comp. 68(1999), 1749--1760. [2]

Douglas E. Iannucci, The third largest prime divisor of an odd perfect number exceeds one hundred, Math. Comp. 69(2000), 867--879. [3]

Paul M. Jenkins, Odd perfect numbers have a prime factor exceeding 107, Math. Comp. 72 (2003), 1549--1554. [4]

M. Satyanarayana, Odd perfect numbers, Math. Student 27(1959), 17--18.

J. Touchard, On prime numbers and perfect numbers, Scripta Math. 19(1953), 53--59.

関連項目

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