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「ニューヨーク市地下鉄」の版間の差分

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== 運行系統一覧 ==
== 運行系統一覧 ==
各系統は色付きの丸の中に記番号(6・7ラインの急行のみ、菱形の中に番号)で表される。2009年度中のZ線の廃止が決定しているほか、M線、W線の廃止も検討されている。
各系統は色付きの丸の中に記番号(6・7ラインの急行のみ、菱形の中に番号)で表される。2009年度中のZ線の廃止が決定しているほか、M線、W線、V線の廃止も検討されている。
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|Queens Boulevard-6 Avenue Local(クイーンズ大通り線/6番街線・各駅停車:平日日中のみ運行)
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2010年5月23日 (日) 22:42時点における版

ニューヨークシティの地下鉄

ニューヨーク市地下鉄(ニューヨークしちかてつ、New York City Subway)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市にある同国最大規模の地下鉄・高架鉄道を中心とする鉄道網である。路線の総延長は1,056km、468の駅を抱える。所有は市であり、現在はニューヨーク市都市交通局 (New York City Transit Authority: NYCTA) によって運営されている。

マンハッタン島を中心に、ブルックリン地区クイーンズ地区ブロンクス地区に広がっており、スタテン島を除く、ニューヨーク市内のほぼ全域をそのネットワーク下に置いている。現在のところ、3つのシャトル線を含む26の鉄道路線があり、それぞれに色分けと系統番号が振られている。また、大半の路線で各駅停車線と急行線がある。詳細は、路線一覧および運行系統一覧を参照。

歴史

IRT路線図(1906年)

ニューヨークの地下鉄は現在、公営のニューヨーク市都市交通局が路線を管理・運営しているが、元は3つの鉄道会社が独自に路線網を展開していた。都市高速交通会社 (Interborough Rapid Transit Company、IRT) が1904年に最初の地下鉄路線 (City Hall - 145th Street) を開業して以降、ニューヨーク市は、ブルックリン高速交通 (Brooklyn Rapid Transit、BRT)(1923年に一旦倒産し、ブルックリン・マンハッタン交通会社 (Brooklyn-Manhattan Transit Corporation、BMT) と改称)とも別個の地下鉄建設契約を1913年に締結し (Dual Contracts)、この2社に競わせる形で市内の地下鉄の建設を推進した。またニューヨーク市も独自に独立地下鉄網 (Independent Subway System、IND) を1932年に開業させ、路線の更なる拡充を図った。こうして20世紀初頭から中期にかけて、ニューヨーク市において、3つの異なる鉄道会社が地下鉄と高架鉄道を中心とする路線を拡大した。なお、高架鉄道は1871年に最初の路線が開業したが、地下鉄の整備が進むにつれて多くの路線がそれに接続されるか廃止され、マンハッタン島内では1956年に全廃された。

しかし、1940年に、ニューヨーク市は両社を買収し、IRTとBMTの路線の公社路線化とINDへの統合を決定した後、一部の路線を廃止し、一つの鉄道網を構築することになった。車体長15mの小型車を使用するIRTの路線はDivision A として、19m以上の大型車を使用するBMTとINDの路線はDivision B と称して運営されている。その後、ニューヨーク市は、1953年にニューヨーク市都市交通局を開設し、全路線をその管轄下に置いた。また、ロングアイランド鉄道 (LIRR) から老朽化した一部の高架路線を買収・修復して既存のAラインと接続した。NYCTAは、1968年ニューヨーク州都市交通局 (Metropolitan Transportation Authority: MTA) の管轄下に組み込まれ、米国内では珍しい充実した公共交通ネットワークを持つ、ニューヨーク都市圏の重要な交通体系を担っている。

タイムズスクウェアの駅

ニューヨーク市地下鉄は、24時間運行や複々線による急行運転で高い評価を受けてきたが、1970年代以降、施設の老朽化・車体全体を覆いつくすことすらあった車両へのスプレー落書き(グラフィティ)・車内、駅構内での凶悪犯罪行為が目立つようになった。これらは米国内のみならず、メディアを通じ海外にも広く知れ渡る悪評と化していた。このため1980年代中盤以降、駅のリニューアル工事・ステンレス車両の導入・警備体制の強化等が行われ、犯罪や落書きは減少し、評価を取り戻した。しかし未だに世界の他の都市のそれに比べると駅や電車は不衛生で電車の時刻はいい加減、現業職員の接客態度の悪さなど課題は多数残っている。特に2005年に行われたストライキは、利用者を顧みない現業職員の身勝手な行為として市民の不評を買った。

ロワー・マンハッタンにはA・Cラインのブロードウェイ/ナッソー通り駅と、J・M・Zラインのフルトン通り駅、2・3ラインのフルトン通り駅、4・5ラインのフルトン通り駅が至近距離にあるにもかかわらずバラバラに存在するため、これら四つの駅を統合して総合駅 (Complex) 化する Fulton St Transit Center Project が2009年の完成に向け進行中だが、予算をオーバーしたため当初の計画より縮小される。

2007年4月には、1972年に着工されたが、直後に中断されていた Second Avenue Subway (125丁目 - ハノーヴァー・スクウェア)の建設が30年ぶりに再開された。まずは一部区間(Qラインの延長という形で2番街96丁目まで)が開通する予定で、全線が開通した時は、北半分を走るこのQラインに加え、全線通しのTライン(ラインカラーは水色)がお目見えする計画である。

また、7ラインが2013年までに現在の終点であるタイムズ・スクウェア42丁目駅から11番街34丁目駅まで延伸される計画だが、途中に設けられる予定だった10番街41丁目駅については予算の問題で建設しないことが検討されている。

路線一覧

  • Aディヴィジョン(小形車両) (IRT)
ブロードウェイ/7番街線(1、2、3)・レキシントン街線(4、5、6)、フラッシング線(7)、42丁目シャトル
  • Bディヴィジョン(大形車両) (BMT・IND)
8番街線(A、C、E)、6番街線(B、D、F、V)、ブロードウェイ線(N、Q、R、W)、ナッソー通り線(J、M、Z)、クロスタウン線(G)、14丁目/カナーシー線(L)、フランクリン街シャトル、ロッカウェイ・パーク・シャトル

運行系統一覧

各系統は色付きの丸の中に記番号(6・7ラインの急行のみ、菱形の中に番号)で表される。2009年度中のZ線の廃止が決定しているほか、M線、W線、V線の廃止も検討されている。

記番号 系統名 区間 リンク
  A 8 Avenue Express(8番街線・急行:フルタイム、深夜各駅停車) インウッド207丁目 - ロッカウェイ大通り - ブロード・チャネル - ファー・ロッカウェイ/モッツ街
- ロッカウェイ大通り - オゾン・パーク/レファーツ大通り(深夜運休)
- ブロード・チャネルからロッカウェイ・パーク・シャトルに直通(ラッシュ時のみ)
[1]
C 8 Avenue Local(8番街線・各駅停車:深夜運休) ワシントンハイツ168丁目 - ユークリッド街 [2]
E Queens Boulevard Express-8 Avenue Local(クイーンズ大通り線・急行/8番街線・各駅停車:フルタイム、クイーンズ区内は深夜以外急行) ジャマイカ・センター/パーソンズ・アーチャー - ブライアーウッド/ヴァン・ウィック大通り - チェンバーズ通り/ワールドトレードセンター
ジャマイカ179丁目 - ブライアーウッド/ヴァン・ウィック大通り - (ラッシュ時のみ)
[3]
  B Concourse-6 Avenue-Brighton Express(コンコース線/6番街線/ブライトン線・急行:平日日中のみ運行) ベッドフォード・パーク大通り - 145丁目 - ブライトン・ビーチ
(ベッドフォード・パーク大通り - 145丁目間はラッシュ時のみ)
[4]
D Concourse-6 Avenue-West End Expess(コンコース線/6番街線/ウェスト・エンド線・急行:フルタイム、深夜はブルックリン区内各駅停車) ノーウッド205丁目 - コニーアイランド/スティルウェル街 [5]
F Queens Boulevard-6 Avenue-Culver Local(クイーンズ大通り線/6番街線/カルヴァー線・各駅停車:フルタイム) ジャマイカ179丁目 - コニーアイランド/スティルウェル街 [6]
V Queens Boulevard-6 Avenue Local(クイーンズ大通り線/6番街線・各駅停車:平日日中のみ運行) フォレスト・ヒルズ71番街 - ロワー・イースト・サイド2番街 2010年6月に廃止される [7]
  N Astoria-Broadway-Sea Beach Express(アストリア線/ブロードウェイ線/海岸線・急行:フルタイム、深夜各駅停車) アストリア/ディトマース大通り - 運河通り - パシフィック通り - コニーアイランド/スティルウェル街
(運河通り - パシフィック通り間、日中はマンハッタン橋経由、深夜はモンタギュー通りトンネル経由)
[8]
Q Broadway Express-Brighton Local(ブロードウェイ線・急行/ブライトン線・各駅停車:フルタイム) 57丁目 - コニーアイランド/スティルウェル街 [9]
R Queens Boulevard-Broadway-4 Av Local(クイーンズ大通り線/ブロードウェイ線/4番街線・各駅停車:深夜はブルックリン末端部のみのシャトル運行) フォレスト・ヒルズ71番街 - 36丁目 - ベイ・リッジ95丁目
(深夜は36丁目 - 95丁目間のみ)
[10]
W Astoria-Broadway Local(アストリア線/ブロードウェイ線・各駅停車:平日日中のみ運行) アストリア/ディトマース大通り - ホワイトホール通り 2010年6月中に廃止される [11]
  J Jamaica-Nassau Street Local(ジャマイカ/ナッソー通り線・各駅停車:ラッシュのピーク時のみ千鳥急行) ジャマイカ・センター/パーソンズ・アーチャー - チェンバーズ通り - ブロード通り
(チェンバーズ通り - ブロード通り間は平日のみ)
[12]
M Myrtle-Nassau Street-West End Local(マートル街線/ナッソー通り線/ウェスト・エンド線・各駅停車:深夜はマートル街のみのシャトル運行) ミドル・ヴィレッジ/メトロポリタン街 - マートル街 - チェンバーズ通り - ベイ・パークウェイ
(チェンバーズ通り - ベイ・パークウェイ間はラッシュ時のみ運行。マートル街 - チェンバーズ通り間は平日のみ運行)
[13]
Z Jamaica-Nassau Street Skip-Stop Express(ジャマイカ/ナッソー通り線・千鳥急行:ラッシュのピーク時のみ) ジャマイカ・センター/パーソンズ・アーチャー - ブロード通り 2010年6月に廃止される [14]
  G Crosstown Local(クロスタウン線・各駅停車:フルタイム) フォレスト・ヒルズ71丁目 - ロング・アイランド・シティ/コート・スクウェア - スミス9丁目
(フォレスト・ヒルズ - コート・スクウェア間は夕方以降のみ)
[15]
  L 14 Street-Canarsie Local(14丁目/カナーシー線・各駅停車:フルタイム) 8番街 - カナーシー/ロッカウェイ・パークウェイ [16]
  S 42 Street Shuttle(42丁目シャトル:深夜運休) タイムズスクウェア42丁目 - グランド・セントラル42丁目 [17]
Franklin Avenue Shuttle(フランクリン街シャトル:フルタイム) フランクリン街 - プロスペクト・パーク
Rockaway Park Shuttle(ロッカウェイ・パーク・シャトル:フルタイム) ブロード・チャネル - ロッカウェイ・パーク/海岸116丁目
  1 Broadway-7 Avenue Local(ブロードウェイ線/7番街線・各駅停車:フルタイム) ヴァン・コートランド・パーク242丁目 - サウス・フェリー [18]
2 White Plains Road-7 Avenue Express(ホワイト・プレーンズ街道線/7番街線・急行:フルタイム、深夜各駅停車) ウェイクフィールド241丁目 - フランクリン街 - フラットブッシュ街/ブルックリン大学
- フランクリン街 - ニュー・ロッツ街(ラッシュ時のみ)
[19]
3 Lenox Avenue-7 Avenue Express(レノックス街線/7番街線・急行:深夜は区間運転) ハーレム148丁目 - タイムズ・スクウェア42丁目 - ニュー・ロッツ街
(深夜は148丁目 - タイムズ・スクウェア間のみ)
[20]
  4 Jerome Avenue-Lexington Avenue Express(ジェローム街線/レキシントン街線・急行:フルタイム、深夜各駅停車) ウッドローン - クラウン・ハイツ/ユーティカ街 - ニュー・ロッツ街
(クラウン・ハイツ - ニュー・ロッツ街間はラッシュ時および深夜のみ)
[21]
5 Dyre Avenue-Lexington Avenue Express(ダイアー街線/レキシントン街線・急行:深夜はダイアー街のみのシャトル運行) イーストチェスター/ダイアー街 - 東180丁目 - ボウリング・グリーン - フランクリン街 - フラットブッシュ街/ブルックリン大学
(ボウリング・グリーン - ブルックリン大学間はラッシュ時のみ、深夜はダイアー街 - 東180丁目間のみ)
- フランクリン街 - クラウン・ハイツ/ユーティカ街またはニュー・ロッツ街
(ラッシュアワーのピーク時のみ)
ネレイド街 - 東180丁目 - (ラッシュ時のみ)
[22]
6 Pelham-Lexington Avenue Local(ペラム線/レキシントン街線・各駅停車:フルタイム) ペラム・ベイ・パーク - パークチェスター - ブルックリン橋/シティ・ホール
(ラッシュのピーク時はパークチェスター - シティ・ホール間のみ)
[23]
Pelham Express-Lexington Avenue Local(ペラム線・急行/レキシントン街線・各駅停車:ラッシュのピーク時のみ) ペラム・ベイ・パーク - ブルックリン橋/シティ・ホール
(パークチェスター - 3番街138丁目間のみ急行運転)
[24]
  7 Flushing Local(フラッシング線・各駅停車:フルタイム) フラッシング/メインストリート - タイムズスクウェア42丁目 [25]
Flushing Express(フラッシング線・急行:ラッシュ時のみ) フラッシング/メインストリート - タイムズスクウェア42丁目 [26]

車両

営業用車

ニューヨーク市地下鉄の車両(125丁目駅)

ニューヨーク市地下鉄は、2002年の段階で6,400両以上に及ぶ車両数を抱えている。1940年にニューヨーク市がすべての地下鉄路線を公営化して以降、車両の発注は、すべてニューヨーク市が行っている。ニューヨーク市地下鉄の車両は、車両番号の前に「R」をつける慣習があり、また車両番号は市当局と車両メーカーとの購入契約時の番号に依っている。Rが何を意味するのかについては、以下の三つの説があるが、未だに不明である。

  1. Revenue(=Passenger Equipment、客車)という鉄道用語から来た説
  2. Rolling stock(=車両)という鉄道用語から来た説
  3. Rapid transit(高速輸送車)という一般用語から来た説

ニューヨークの地下鉄は、その発展段階で、IRTとBMT&INDという2つの異なる鉄道システムを構築したために、車両もDivsion AとDivision Bで異なる規格の車両が導入されている。なお、Division Bの車両(横3m、長さ18.4m及び22.8m)は、Divsion Aの車両(横2.67m、長さ15.5m)よりも大きめに造られている。

現有車両は、以下のとおり。廃棄された車両を含めたすべての車両リストは、en:New York City Subway rolling stockを参照。

この他、退役した代表的な形式がNYCTAにより多数保存されており、ブルックリンにある地下廃駅を活用した市交通博物館に展示されているほか、コニーアイランド車両基地の専用ヤードにも多くが保管されている。また、稼動状態に整備されている

  • BMT Brooklyn Union Gate Cars
  • BMT D-Type Triplex
  • IRT Low-V
  • R1-R9
  • R12-R36 SMEE

といった各車は、しばしば休日を中心に本線走行することもある。特に2004年の地下鉄開業100周年の際は、これら動態保存車がフル稼働し、一部は42丁目シャトルなどで一般営業列車にも使用された。

事業用車

事業用車両も存在して、変わったところでは現金輸送車 (Cash Carry Coach/Money Train) や各駅のホームから発生するゴミ収集塵芥用無蓋貨車 (Garbage Train)、工事用クレーン車 (Understruction Train)、廃車予定車からの転用工事車両、そしてゴミ収集塵芥用無蓋貨車とクレーン車を牽引するためのGE(ゼネラル・エレクトリック社)製のディーゼル機関車もある。日本の地下鉄における機関車といえば東京都交通局E5000形電気機関車を上げられるが、こちらは電車車両である都営大江戸線12-000形を、駆動方式の異なる都営浅草線区間を回送する際に牽引するのみ。当の12-000形は無動力状態でパンタグラフも下げられている。

エピソード

  • R142やR160などの新しい車両には、出入口ドアの上に新式の路線案内(車内案内表示装置)が取りつけられた。A Divisionの路線にはStrip Mapと呼ばれるその路線全駅を表示したパネルの駅名部分が光るもの(東京銀座線タイプ、所謂路線図式案内)、B Divisionの路線にはFIND (Flexible Information and Notice Display) と呼ばれる現在の地点より先の部分が表示されていくもの(日本に単体ではこのタイプはないものの、液晶の表示としては存在する)が採用された。どちらも非常に好評であり、とくにFINDは相当に話題となった。
  • 駅名表示が一定していない。たとえばFar Rockaway-Mott Avenue駅ではホーム上の駅名パネルでは「Far Rockaway」となっているが同じホームにある柱には「Mott Av」と表示されていて、駅自体の出入口には場所により「Far Rockaway Station」「Mott Av Station」という二種類の表示がある。かと思えば207 Street-Inwood駅では出入口の一カ所以外にはどこにも「Inwood」の文字がない。これら以外にもにもまちまちな表記法が見られる。交通局の見解では「正式な駅名は存在しない。わかればよい」とのことである。とはいうものの同じ行き先のまったく同じ系統であるにもかかわらず、車両によって「Coney Island」「Stillwell Av」などとまるで違うところに行ってしまうような表記が混在しており、慣れない乗客の誤乗(というよりも乗るべき列車を避けてしまう)の一因となっている。
  • Aラインは路線長が31マイル以上と世界最長である。ニューヨーク市直営としての初路線ということもあり、交通局ではAラインへの思い入れがひときわ強い。2007年10月にはAライン開業75周年のイベントがおこなわれた。これはインウッド207丁目駅 (Inwood-207 St Station) からチェンバーズ通り駅 (Chambers St Station) までの開業当時の区間を保存されていた旧型車両で走るというもので、「A列車で行こう」のサウンドが響きわたるなか、幸運にも乗車できたニューヨーク市民たちで大いに盛り上がった。
  • ニューヨークでは駅名・通り名などに独特の表記方法を用いている。たとえば42丁目なら、一般的には42nd Streetという書きかたをする。あるいは42の次にハイフンを書き、その上部に大文字で小さく“ND”と書く。ところがニューヨークでは“42 Street”または“42 St”という表記が使われる。Stのあとにピリオドも打たない(読みかたは通常どおり“Fourty Second Street”であり、決して“Fourty TWO Street”ではない)。番街名なども同様であるが、Avenueの略が通常どおりの“Ave.” ではなくeとピリオドが落ちてたとえば“7 Av”のようになる。これはニューヨーク市地下鉄が発祥であり、ニューヨーカーの誇りである。
  • ニューヨークの地下鉄には日本でよくある「待避」や「追い越し」がない。これは急行と各駅停車がそれぞれ専用線を走るため(複々線)で、同一線路上に種別の違う列車が走ることはない。末端区間でラッシュ時のみ急行が設定されているような場合でも三線となっていて、急行は中線を走る。こういう臨時急行的なものが片道運行なのはこのためである。
  • また、ニューヨークでは急行路線を基準としている。各駅停車路線は急行の補完線という位置づけである。だから列車本数が少なくなる深夜(Late nights、0時から5時あたりと定義されている)は、各駅停車路線を運休させ、急行路線が各駅に停まるという措置をとっている。これは、東京の中央・総武緩行線御茶ノ水三鷹間が早朝と深夜帯に総武線が御茶ノ水以西に乗り入れず、中央線電車が各駅停車となり本来停まらない中央緩行線の駅に停まるというシステムとよく似ている。
  • メジャーリーグにおいて、ニューヨーク・ヤンキースニューヨーク・メッツとの試合は、2チームの本拠地球場をニューヨーク市地下鉄で行き来できることから、サブウェイ・シリーズ(地下鉄シリーズ)と呼ばれる。
  • ダイヤがいい加減なのは上ですでに述べたが、列車の前後の間隔が開くと各駅停車が急行となることがある。また、高架駅近くで火災が発生した場合日本であれば列車の運転自体を見合わせるが、ここの場合該当駅を通過させた上で列車を運行させるなど、日本とはまったくもって運行体制が異なっている。

関連項目

外部リンク

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