「オングストローム」の版間の差分
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2009年7月22日 (水) 05:44時点における版
オングストローム (ångström) | |
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水素分子 水素のファンデルワールス半径は1.2Å | |
記号 | Å, Å, ÅE |
系 | 非SI単位 |
量 | 長さ |
SI | 0.1 nm = 100 pm |
定義 | 10-10メートル |
オングストローム(ångström, 記号:Å)は長さの単位である。原子や分子、可視光の波長など、非常に小さな長さを表すのに用いられる。
1Åは10−10m = 0.1ナノメートル(nm) = 100ピコメートル(pm) と定義されている。原子や分子の大きさ、また可視光の波長は数千オングストロームというオーダーとなることから、分光学などにおいて数値的に都合がよく、かつては広く使われていた。
一物理量一単位を原則とする国際単位系(SI)では正式な単位とされていないが、広く使われていることからSIの国際文書には掲載されており、使用するときには「対応するSI単位による定義を明示しなければならない」としている(SI併用単位を参照)。日本の計量法では、電磁波の波長、膜の厚さ、表面の粗さ、結晶格子にかかわる長さの計量にのみオングストロームを使用することを認めている。SIではないため、理化学分野、工業分野、教育分野で積極的に使われることはないが、その利便さから今日でもオングストロームの表記をすることが多々ある。
歴史
分光法の先駆者であるスウェーデンの物理学者アンデルス・オングストロームが、1868年に 10-10 m を単位として使ったことに由来する。ただし、特に単位名称は名づけなかった。のちに、その単位がオングストローム単位 (ångström unit) と呼ばれ、さらにオングストロームと略されるようになった。
オングストロームが使った単位は 10−10 m であったが、当時メートル原器で定義されていたメートルより高精度の長さの単位が分光学では必要とされていた。そのため、1907年、国際天文学連合 (IAU) が初めてオングストロームを国際標準として定めたとき、国際オングストローム (international ångström) を、「カドミウムの赤線の指定条件下における波長の1/6438.4696」と再定義した。1927年に国際度量衡局 (BIPM) もこれを採用した。メートルの精度が低かった時代は、この定義は 10-10 m とする定義と矛盾することはなかった。
1960年、メートル自体もクリプトンの橙色線の波長から分光学的に再定義され、国際オングストロームと同等の精度を持つようになった。しかし、国際オングストロームを新しく定義されたメートルで表すと、1.0000002×10-10 m となったため、10-10 m とされるオングストロームと2つのオングストロームが並立することとなった。
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
Å | U+212B |
1-2-82 |
Å Å |
オングストローム |
Å | U+00C5 |
1-9-18 |
Å Å Å |
オングストローム |