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「萌え擬人化」の版間の差分

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[[2001年]]11月、[[2ちゃんねる]]掲示板のスレッド「IEの中止マークがしいたけに見えて困る」に[[Internet Explorer]]の中止ボタンを擬人化したキャラ「しいたけちゃん」が発表された。このキャラが[[インターネット]]上で人気を集めて以降、2ちゃんねる掲示板([[半角二次元板]])や[[ふたば☆ちゃんねる]](二次元裏@ふたば)などの匿名掲示板において「萌え擬人化」が流行し、匿名の者により[[アスキーアート]]が製作されたり、しばしばイラストとしても発表された。2002年3月には2ちゃんねる掲示板の「ケンタッキーのビスケットってうめぇよ」スレッドにおいて「[[ビスケたん]]」が発表されている。2003年8月には「[[ふたば☆ちゃんねる]]」にて「Windows Me」の萌え擬人化([[OSたん]])が発表されている。また、2003年には半角二次元板の「陸海空兵器少女造兵廠」スレッドにおいて多数の「兵器萌え擬人化」が発表されている(その中で、後に「[[メカ娘]]」として商業展開される一連の作品を制作したのが[[島田フミカネ]]である)。「朝まで起きてたのに・・・」スレッドで生まれた「コンビーフたん」など、独立したキャラなのか、萌え擬人化なのかは曖昧なキャラもあった。
[[2001年]]11月、[[2ちゃんねる]]掲示板のスレッド「IEの中止マークがしいたけに見えて困る」に[[Internet Explorer]]の中止ボタンを擬人化したキャラ「しいたけちゃん」が発表された。このキャラが[[インターネット]]上で人気を集めて以降、2ちゃんねる掲示板([[半角二次元板]])や[[ふたば☆ちゃんねる]](二次元裏@ふたば)などの匿名掲示板において「萌え擬人化」が流行し、匿名の者により[[アスキーアート]]が製作されたり、しばしばイラストとしても発表された。2002年3月には2ちゃんねる掲示板の「ケンタッキーのビスケットってうめぇよ」スレッドにおいて「[[ビスケたん]]」が発表されている。2003年8月には「[[ふたば☆ちゃんねる]]」にて「Windows Me」の萌え擬人化([[OSたん]])が発表されている。また、2003年には半角二次元板の「陸海空兵器少女造兵廠」スレッドにおいて多数の「兵器萌え擬人化」が発表されている(その中で、後に「[[メカ娘]]」として商業展開される一連の作品を制作したのが[[島田フミカネ]]である)。「朝まで起きてたのに・・・」スレッドで生まれた「コンビーフたん」など、独立したキャラなのか、萌え擬人化なのかは曖昧なキャラもあった。


イラストの形態で匿名掲示板に発表された擬人化キャラは、プロによる作品や、後にプロとして商業デビューすることになる者による作品もあった。後に記の作品として商業展開されたり、あるいは素人の作品だったとしても、その特徴的な絵柄や、同人イベント「[[ふたば学園祭]]」「[[にじけっと]]」への参加によって原作者が「公然の秘密」となる場合もあったが、匿名掲示板においてはあくまで「匿名」の者による作品(すなわち「コミュニティ」による作品)として扱われ、匿名のコミュニティ参加者によって多くの二次作品が発表された。
イラストの形態で匿名掲示板に発表された擬人化キャラは、プロによる作品や、後にプロとして商業デビューすることになる者による作品もあった。後に記の作品として商業展開されたり、あるいは素人の作品だったとしても、その特徴的な絵柄や、同人イベント「[[ふたば学園祭]]」「[[にじけっと]]」への参加によって原作者が「公然の秘密」となる場合もあったが、匿名掲示板においてはあくまで「匿名」の者による作品(すなわち「コミュニティ」による作品)として扱われ、匿名のコミュニティ参加者によって多くの二次作品が発表された。


ネットを発祥とするこれらの作品は、雑誌『[[ネトラン|ネットランナー]]』(ソフトバンク・パブリッシング)などの商業誌でも取り上げられた。ネットで生まれた他のキャラと同様、二次創作がやり放題の事実上の著作権フリーキャラとして利用され、2003年11月にはビスケたんと[[ファイル共有ソフト]]の[[Winny]]をテーマにした『もっと激しくぶっこぬき Winny娘。featuring ビスケたん』(ソフトバンク・パブリッシング)が発売された。
ネットを発祥とするこれらの作品は、雑誌『[[ネトラン|ネットランナー]]』(ソフトバンク・パブリッシング)などの商業誌でも取り上げられた。ネットで生まれた他のキャラと同様、二次創作がやり放題の事実上の著作権フリーキャラとして利用され、2003年11月にはビスケたんと[[ファイル共有ソフト]]の[[Winny]]をテーマにした『もっと激しくぶっこぬき Winny娘。featuring ビスケたん』(ソフトバンク・パブリッシング)が発売された。

2024年11月9日 (土) 13:01時点における版

ウィキペディアを萌え擬人化したウィキペたん
ルイス・ウェイン画。本来の擬人化。猫が猫の姿のままで人間のようにゴルフをしている。

萌え擬人化(もえぎじんか)は、現代の日本漫画アニメゲームなどにおいて人間以外の生物や無生物を人間(の姿)に見立てて萌えと結びつける概念、及びそうした創作物のこと。

概要

生物・無生物を人間に近い姿に擬したイラストを描く際に、“萌え属性”を追加したもの。一般的に美少女幼女含む)・美女化が多く見られるが、漫画『Axis powers ヘタリア』の様にイケメン化している作品も存在する。

本来の擬人化はもとのものに人間の特徴(会話機能など)を加える事だが、日本のサブカルチャーにおける擬人化の場合バニーガール人魚などの様な“該当する事物のイメージを反映した人間”として描かれる事も多い。もとの事物の特徴を殆ど外見に反映していないものも存在するが、その場合はキャラクターの性格や人間関係などにモチーフの特徴が反映される[1]

ただし服を着ているキャラがもとの場合は、それと同じ服を着用(コスプレ)した人間として描かれる事が多い。

歴史

2003年、ゲーム会社「アルケミスト」のホームページに掲載された漫画『びんちょうタン』が人気を集め、翌2004年には日本オタク大賞において大賞を受賞。京都国際マンガミュージアム研究員の伊藤遊は、この作品を「新たな擬人化」(萌え擬人化)ブームの発端としている[1]。このムーブメントにおける擬人化は、「これまでは動物や物の原形を残したが、最近は形をとどめず人そのもの」「モデルとしている物の形を残さず、完全に人間化しているのが特徴」という。

2005年には、国家を擬人化したちまきingのweb漫画『あふがにすタン』の単行本が発売され、また同年には『エヴァンゲリオン』の使徒を擬人化した『使徒XX』発売されるなど、『びんちょうタン』のヒット以後、萌え擬人化作品が市場に多数現れることになる。

また、硬派なシリーズを萌え擬人化した派生作品も製作された。2005年、OVA『戦闘妖精雪風』(2003年)に登場した戦闘機を萌え擬人化した『戦闘妖精少女 たすけて! メイヴちゃん』が発売、2007年大戦略シリーズの派生として兵器を萌え擬人化したパソコンゲーム萌え萌え2次大戦(略)』が発売。

2013年軍艦を萌え擬人化したブラウザゲーム艦隊これくしょん -艦これ-』が運営開始され話題に。2017年には同じく「艦隊萌え擬人化ゲーム」である『アズールレーン』が運営開始している。

2015年日本の名刀をイケメン擬人化したブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』が運営開始され、人気に。

2017年哺乳類鳥類爬虫類などを萌え擬人化したアニメけものフレンズ』が放送され社会現象となった。

2021年競走馬を萌え擬人化したスマートフォンゲームウマ娘 プリティーダービー』が運営開始され、ヒットを記録している。

ネットコミュニティとのかかわり

インターネットにおいては、CGコミュニティの草創期から擬人化ジャンルが存在しており、その題材は動物または無生物が中心であった。やはりネコミミが多く、当時の主だった作品としては『CGネットワーカーズ自選作品集Ⅸ 鳥獣戯画』(ソフトバンク、1998年11月)などにまとめられている。

2001年11月、2ちゃんねる掲示板のスレッド「IEの中止マークがしいたけに見えて困る」にInternet Explorerの中止ボタンを擬人化したキャラ「しいたけちゃん」が発表された。このキャラがインターネット上で人気を集めて以降、2ちゃんねる掲示板(半角二次元板)やふたば☆ちゃんねる(二次元裏@ふたば)などの匿名掲示板において「萌え擬人化」が流行し、匿名の者によりアスキーアートが製作されたり、しばしばイラストとしても発表された。2002年3月には2ちゃんねる掲示板の「ケンタッキーのビスケットってうめぇよ」スレッドにおいて「ビスケたん」が発表されている。2003年8月には「ふたば☆ちゃんねる」にて「Windows Me」の萌え擬人化(OSたん)が発表されている。また、2003年には半角二次元板の「陸海空兵器少女造兵廠」スレッドにおいて多数の「兵器萌え擬人化」が発表されている(その中で、後に「メカ娘」として商業展開される一連の作品を制作したのが島田フミカネである)。「朝まで起きてたのに・・・」スレッドで生まれた「コンビーフたん」など、独立したキャラなのか、萌え擬人化なのかは曖昧なキャラもあった。

イラストの形態で匿名掲示板に発表された擬人化キャラは、プロによる作品や、後にプロとして商業デビューすることになる者による作品もあった。後に記名の作品として商業展開されたり、あるいは素人の作品だったとしても、その特徴的な絵柄や、同人イベント「ふたば学園祭」「にじけっと」への参加によって原作者が「公然の秘密」となる場合もあったが、匿名掲示板においてはあくまで「匿名」の者による作品(すなわち「コミュニティ」による作品)として扱われ、匿名のコミュニティ参加者によって多くの二次作品が発表された。

ネットを発祥とするこれらの作品は、雑誌『ネットランナー』(ソフトバンク・パブリッシング)などの商業誌でも取り上げられた。ネットで生まれた他のキャラと同様、二次創作がやり放題の事実上の著作権フリーキャラとして利用され、2003年11月にはビスケたんとファイル共有ソフトWinnyをテーマにした『もっと激しくぶっこぬき Winny娘。featuring ビスケたん』(ソフトバンク・パブリッシング)が発売された。

萌え擬人化ブームとなった2004年以降は商業展開が加速した。当時はミニフィギュアブームということもあり、2005年からコナミ島田フミカネの「メカ娘」シリーズを立体化したトレーディングフィギュアを展開するなど、フィギュア化されたものも多い。

『ネットランナー』は2004年8月号より「リカヴィネ」を模した「ネトヴィネ」として毎号萌えミニフィギュアを1体付録に付けていたが、第2弾(9月号)の「ビスケたん」、第3弾(10月号)の「ハバネロたん」(東ハトの菓子『暴君ハバネロ』の擬人化)が「萌え擬人化フィギュア」であった(製作:アオシマ)。ちなみに、第1弾(8月号)のフィギュアは「バーチャルネットアイドル ちゆ12歳」であり、これらのネット発のキャラクターは特に区別なく消費された。半角二次元板で生まれた硬貨の擬人化「硬貨たん」など、匿名作家による「萌え擬人化」キャラはネット掲示板で一時的に流行してそのまま消えてしまったものも多いが、特にビスケたんは商業誌で広く紹介されたことで有名になった。しかし、これらのキャラは「2ちゃんねる」および「ふたば☆ちゃんねる」で生み出されたキャラにもかかわらず、商品化がこれらのコミュニティに断りなく行われた。そのため、「ふたば☆ちゃんねる」コミュニティの協力のもと製作されたOSたんのファンブック『とらぶる・うぃんどうず OSたんファンブック』(宙出版、2005年)では、表紙に「ネットランナー厨房お断り」の但し書きが付いている。やはりミニフィギュアブームであるから、ふろくとして「OSたんフィギュア」が3体ついている。

『ネットランナー』誌は、コミュニティの著作物の簒奪に加え、ソフトウェアの違法コピーが蔓延していたWinMXWinnyネタを積極的に扱っていたことからも、当時のふたば☆ちゃんねるコミュニティから嫌悪されていた。ふたば☆ちゃんねるの「落書き@ふたば」掲示板における上記の萌え擬人化イラストはお絵かき掲示板(しぃペインター)で製作されていたのに対し、winnyではPhotoshopなどの有料ソフトウェアの違法コピーが公然と出回っていた。なお、『ネットランナー』2005年9月号付録フィギュア「ふぉくす子」(Firefoxの萌え擬人化)の製作者はもえじら組であり、ふたば☆ちゃんねるではない。

2005年6月、当時ネットで人気のあった萌え擬人化漫画『あふがにすタン』の作者であるちまきingは、Winny上のAntinnyウイルスを踏んだことで個人情報がネットに流出し、ソフトウェアの違法コピーが発覚。商業単行本の発売直前という時期であり、単行本こそ(やはり『ゲームラボ』誌でwinnyを積極的に扱っていた三才ブックスより)7月に発売されたものの、流出したデスクトップ画像を画像掲示板に貼り付けられたり、流出した住所により自宅の様子が掲示板に報告されるなど、ネットコミュニティからの批判を受けて同年中に公の活動を停止した。なお、続編である『ぱきすタン』が2008年に発売されており、出版社とは連絡が取れた模様。

2007年10月、pixiv開設。やがてネットのCGコミュニティの中心は「2ちゃんねる」や「ふたば☆ちゃんねる」などの匿名掲示板からpixivやtwitter(現・X)などのSNSに移って行き、製作者も「匿名の不特定多数」から「特定の作者」へと移り変わっていく。一方、匿名掲示板は政治的に過激化して行き、「萌え擬人化」もそれを反映したものとなっていく。

サブジャンル

兵器萌え擬人化

元々「美少女漫画」と言うジャンルの成立当初より、兵器と美少女の親和性は高く、1982年頃よりガンダムと美少女を組み合わせた「MS少女」と言うジャンルが流行している。ただし、当時これはあくまで「モビルスーツの擬人化」ではなく「美少女がモビルスーツのコスプレをしたもの」として扱われていた。

「萌え擬人化」と言うジャンルが成立した2003年頃にはネットコミュニティにおいて既に多数の作品が見られ、2005年頃よりそれらが商業展開された。2006年には兵器萌え擬人化に特化した雑誌『MC☆あくしず』が発刊されている。

更にサブジャンルとして「艦船萌え擬人化」が存在する。詳細は「艦船擬人化」の項目を参照。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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