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TRAPPIST-1h

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TRAPPIST-1h
TRAPPIST-1hの想像図
TRAPPIST-1hの想像図
星座 みずがめ座
分類 太陽系外惑星
岩石惑星
軌道の種類 周回軌道
発見
発見年 2017年[1]
発見方法 トランジット法
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.0596 au[2]
(891万6160 km)
離心率 (e) 0.086 ± 0.032[2]
公転周期 (P) 18.76626 ± 0.00068 [2]
軌道傾斜角 (i) 89.80+0.10
−0.05
°[3]
通過時刻 7700.0875 ± 0.0018 BJD[2]
TRAPPIST-1の惑星
位置
元期:J2000.0[4]
赤経 (RA, α)  23h 06m 29.36s[4]
赤緯 (Dec, δ) −05° 02′ 29.2″[4]
赤方偏移 -0.000188[4]
視線速度 (Rv) -56.3 km/s[4]
固有運動 (μ) 赤緯: 922.1 ミリ秒/[4]
赤緯: -471.9 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 82.58 ± 2.58ミリ秒[4]
(誤差3.1%)
距離 39 ± 1 光年[注 1]
(12.1 ± 0.4 パーセク[注 1]
物理的性質
直径 9,121 km
半径 0.715 ± 0.047 R[2]
表面積 2.61×108 km2
体積 3.96×1010 km3
質量 0.086 ± 0.084 M[2]
平均密度 1.27 ± 1.27 g/cm3[2]
表面温度 168+21
−28
K[3]
年齢 30 - 80億年[5]
他のカタログでの名称
2MASS J23062928-0502285 h
Template (ノート 解説) ■Project

TRAPPIST-1hは、地球から見てみずがめ座の方向に39.4光年離れた位置にある赤色矮星TRAPPIST-1を公転している太陽系外惑星である。

発見

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発見時、すでにTRAPPIST-1系には、TRAPPIST-1bTRAPPIST-1cTRAPPIST-1dの3つの惑星の存在が知られていた[6][7]が、2016年9月19日から9月20日にかけて、スピッツァー宇宙望遠鏡がTRAPPIST-1を追加観測した際、新たにTRAPPIST-1efg、hの4惑星が発見された[8]

特徴

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大きさの比較
地球 TRAPPIST-1h
地球 Exoplanet
TRAPPIST-1系(真ん中)、太陽系の内惑星系(下)、木星ガリレオ衛星(上)の軌道を比較した図

TRAPPIST-1hは、半径が地球の0.715倍で、これは地球と火星のほぼ中間にあたる。TRAPPIST-1系の惑星では唯一、質量が分かっていなかった[3]が、2017年4月に、地球の8.6%しか質量がない事が判明した[2]。その大きさから、TRAPPIST-1hは地球のような岩石惑星であると推測されている。TRAPPIST-1の7つの惑星の中では、一番外側を公転しているが、それでも0.0596au(約892万km)しか離れておらず、これは太陽から水星までの距離(0.387au[9])の約5分の1しかない。しかし、主星のTRAPPIST-1が「超低温矮星」と呼ばれる、恒星の中でも最小級の分類に属されるため、主星から受ける熱やエネルギーはそれほど大きくないであろう。公転周期は約18.76日。また、TRAPPIST-1系の中では唯一、他の惑星との軌道共鳴を起こしていないとされている[3]

液体水の存在の可能性

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TRAPPIST-1hの表面温度は168K(-105℃)とされている[3]。TRAPPIST-1のハビタブルゾーンの外側を公転しているため、表面は氷で覆われている可能性がある。但し、中心核の過活動、もしくは、主星であるTRAPPIST-1と内側を回る6つの惑星との潮汐力のどちらかに因って起きる内部の熱が表層上にまで出現し、更にその熱によって氷が解けた結果、発生した気体に水素分子(H2)が大量に含まれている場合はその限りではなく、大気及び液体のが存在する可能性がある。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

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  1. ^ Planet TRAPPIST-1 h”. The Extrasolar Planet Encycloapedia. 2017年5月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h Wang, Songu; Wu, Dong-Hong; Barclay, Thomas; Laughlin, Gregory P. (13 April 2017). "Updated Masses for the TRAPPIST-1 Planets". arXiv:1704.04290 [astro-ph.EP]。
  3. ^ a b c d e Gillon, Michaël; Triaud, Amaury H. M. J.; Demory, Brice-Olivier; Jehin, Emmanuël; Agol, Eric; Deck, Katherine M.; Lederer, Susan M.; de Wit, Julien et al. (2017). “Seven temperate terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf star TRAPPIST-1”. Nature 542 (7642): 456-460. doi:10.1038/nature21360. ISSN 0028-0836. http://www.eso.org/public/archives/releases/sciencepapers/eso1706/eso1706a.pdf. 
  4. ^ a b c d e f g h 2MASS J23062928-0502285 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. 2017年5月8日閲覧。
  5. ^ Luger, Rodrigo; Sestovic, Marko; Kruse, Ethan; Grimm, Simon L.; Demory, Brice-Oliver; et al. (12 March 2017). "A terrestrial-sized exoplanet at the snow line of TRAPPIST-1". arXiv:1703.04166 [astro-ph.EP]。
  6. ^ Could these newly-discovered planets orbiting an ultracool dwarf host life?”. ガーディアン (2016年5月2日). 2017年5月9日閲覧。
  7. ^ Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star”. ヨーロッパ南天天文台 (2016年5月2日). 2017年5月8日閲覧。
  8. ^ 超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見”. AstroArts (2016年5月9日). 2017年5月8日閲覧。
  9. ^ Mercury fact sheet”. NASA. 2017年5月8日閲覧。

関連項目

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