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mP6

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Rise mP6
Rise Technology mP6 マイクロプロセッサ。387ボールのBGAパッケージが296ピンSocket 7 PGA変換基盤に搭載されている。
生産時期 1998から1999まで
販売者 Rise Technology
設計者 Rise Technology
生産者 TSMC[1]
CPU周波数 166 MHz から 250 MHz
FSB周波数 83 MHz から 100 MHz
プロセスルール 0.18 µm から 0.25 µm
アーキテクチャ x86-16, IA-32
マイクロアーキテクチャ 8段 (整数)/4段 (浮動小数点)、3命令同時発行
コア数 1
ソケット Super Socket 7
パッケージ

BGA-387


PPGA-296
コードネーム

Kirin


Lynx
L1キャッシュ 16 KiB
L2キャッシュ マザーボード依存
L3キャッシュ なし
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Rise mP6Rise TechnologyによりIntel Pentiumと対抗するべく設計されたスーパーパイプラインスーパースカラー[2]マイクロプロセッサである。

歴史

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Rise Technologyx86互換マイクロプロセッサの開発に5年を費やし[3]、1998年11月にSuper Socket 7プラットフォーム向けの低コスト、低消費電力の製品として投入した。

設計

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mP6はMMX命令セットを採用し、3つのMMXパイプラインを有することで、最大3つのMMX命令を1サイクルで実行することを可能にした。3つの整数ユニットにより3つの整数命令を1サイクルで実行することも可能になっており、完全にパイプライン化された浮動小数点ユニットにより2つの浮動小数点命令を1サイクルで実行することが可能であった。性能をさらに向上させるため、コアには分岐予測が搭載され、データ従属性英語版による競合を解消するための手法がいくつも用いられた[2]。 同周波数でmP6はIntel Pentium IIとほぼ同等の性能を有するとRiseは主張した[4]

性能

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先進的な特徴にもかかわらず、mP6の実使用での性能は期待外れであることが明らかになった。これは主にL1キャッシュの容量が少ないことに由来した[4]。もう1つの理由としては、主な競争相手がIntel Celeron 266IDT WinChip 2-266、そしてAMD K6-2 266であったにもかかわらず、Rise mP6のPR 266レーティングが旧世代の製品であるIntel Pentium MMXに基づいていることがあった[4]。競争相手はいずれもほとんどのベンチマークやアプリケーションにおいてより高い性能を発揮した[4]。Intel CeleronやAMD K6-2は実際に266MHzで動作しており、IDT WinChip 2のPRレーティングはAMDの製品に基づいていた[4]

採用

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1998年の製品発表後、mP6が幅広く採用されることはなく、Riseは翌年の12月に市場から静かに撤退した。

競争相手であったCyrixIDTと同様、RiseはIntel及びAMDに立ち向かうことはできないことを認識した。

遺産

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Vortex86DX

Silicon Integrated Systems (SiS) がmP6の技術のライセンスを受け、SiS 550に使用した。SiS 550はmP6 CPU、チップセット(ノースブリッジ及びサウスブリッジ)、サウンド、ビデオを統合したSystem-on-a-chip (SoC)であった。SiS 550はいくつかのコンパクトPCやDVDプレイヤーのような民生機器に採用された。SiS 551チップはDM&PからVortex86 (M6127D) として販売された。

後にDM&PはmP6の設計をSiSから引き継ぎ、Vortex86 SoC製品ラインの下で開発を続けている。

DM&Pは後にXcoreがVortex86をXcore86としてリブランドすることを許可する契約を行った[5]

ラインナップ

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PRレーティングに基づくRise mP6の各種モデル[2][4]
モデルナンバー 周波数
(MHz)
L1キャッシュ
(KB)
FSB
(MHz)
倍率 電圧
(V)
TDP
(W)
CPUソケット 発表日 部品番号 価格
PR 166 166 8 (データ) +
8 (命令)
83 2x 2.75–2.85 7.28 Super Socket 7
BGA 387
PPGA 296
1998年10月13日 MP6441RPFE4-Q $50
PR 233 190 8 (データ) +
8 (命令)
95 2x 2.75–2.85 8.11 Super Socket 7
BGA 387
PPGA 296
1998年10月13日
PR 266 200 8 (データ) +
8 (命令)
100 2x 2.75–2.85 8.54 Super Socket 7
BGA 387
PPGA 296
1998年10月13日 MP6441DPFH4-Q
MP6441RPFH4-Q
$70
PR 333 240 8 (データ) +
8 (命令)
95 2.5x 2 10.18 Super Socket 7
BGA 387
PPGA 296
1999年5月26日
サンプルのみ
MP65RPAPG5-ES
PR 366[6] 250 8 (データ) +
8 (命令)
100 2.5x 2 10.72 Super Socket 7
BGA 387
PPGA 296
1999年5月26日
サンプルのみ
MP65RPAPH5-DS

脚注

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  1. ^ 32 BITS: SUPERSCALAR: 4.26. Rise iDragon mP6”. 2017年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  2. ^ a b c Shvets, Gennadiy (2011年10月8日). “Rise Technology MP6 family”. CPU World. 2024年12月31日閲覧。
  3. ^ Rise mP6”. CPU-collection.de. 2024年12月31日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Gravrichenkov, Ilya (1999年5月15日). “Rise mP6 266 Review”. X-bit Laboratories. 2009年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  5. ^ Xcore Corporation Ltd. has entered into an agreement with DMP Electronics Inc.”. ロイター通信 (2009年1月6日). 2009年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  6. ^ Shvets, Gennadiy (2011年10月8日). “Rise Technology MP6 PR 366”. CPU World. 2024年12月31日閲覧。

外部リンク

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