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2012年東京都知事選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2012年東京都知事選挙
東京都
2011年 ←
2012年12月16日 (2012-12-16)
→ 2014年

投票率 62.60% (増加 4.80%)
 
候補者 猪瀬直樹 宇都宮健児 松沢成文
政党 無所属 無所属 無所属
得票数 4,338,936 968,960 621,278
得票率 65.27% 14.58% 9.35%

選挙前知事

石原慎太郎
無所属

選出知事

猪瀬直樹
無所属

2012年東京都知事選挙(2012ねんとうきょうとちじせんきょ)は、2012年(平成24年)12月16日に執行された東京都知事選挙である[1][2]

前職の石原慎太郎から後継指名された前東京都副知事猪瀬直樹が圧倒的多数の得票数で当選を果たした[3]

概要

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第二次世界大戦後、東京都知事が民選による選出という形式を採るようになって以降、1947年から2011年まで統一地方選挙に内包する形で執行されて来たが、初めて統一地方選挙から離脱する形での選挙執行となった。

2012年8月8日、野田佳彦首相が、自民党が要求した衆議院解散の確約について「近いうちに国民の信を問う」と発言[4]。これにより、消費増税関連法案成立後の遠くない時期に解散総選挙が行われるとの観測が一気に強まった[5]。同年10月25日、東京都知事の石原慎太郎は、たちあがれ日本平沼赳夫らと新党を結成し国政復帰を目指すとして、都議会議長に辞職願を提出した[6]。同日夕方、石原はたちあがれ日本の所属議員との会合で、副知事の猪瀬直樹を後継候補に挙げた[7]。10月29日、東京都選挙管理委員会は臨時会を開き、石原の辞職に伴う知事選の日程を「11月29日告示、12月16日投開票」と決定した[8]。11月14日、野田は首相官邸で会合を開き政府・民主党の幹部らと協議した結果、総選挙の日程を「12月4日公示、12月16日投開票」とする旨を決定した[9]。このため都知事選と総選挙の執行日が同一となった。

同年12月16日の投開票の結果、猪瀬が他候補を大差で破り初当選を果たした。

選挙データ

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告示日

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執行日

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同日選挙

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イメージキャラクター

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立候補者

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9名、届け出順[14][15]

立候補者 年齢 党派 新現元 肩書き
マック赤坂
(まっく あかさか)
64 スマイル党 スマイル党総裁、セラピスト
トクマ
(とくま)
46 幸福実現党 幸福実現党青年局長、ロックミュージシャン
松沢成文
(まつざわ しげふみ)
54 無所属 神奈川県知事、元民主党衆議院議員
笹川堯
(ささがわ たかし)
77 都民のくらしを守る会 自由民主党衆議院議員、元自民党総務会長
宇都宮健児
(うつのみや けんじ)
66 無所属
日本未来の党共産党社民党緑の党
新社会党東京・生活者ネットワーク 支持)
日本弁護士連合会会長、弁護士
猪瀬直樹
(いのせ なおき)
66 無所属
公明党日本維新の会 支持・自民党 支援)
作家、前東京都副知事
中松義郎
(なかまつ よしろう)
84 無所属 発明家
吉田重信
(よしだ しげのぶ)
76 無所属 ネパール大使
五十嵐政一
(いがらし まさいち)
81 無所属 社団法人『セリーマレーシア協会』副理事[16]

立候補者の都政政策関連

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選挙のタイムライン

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  • 10月29日 - マックが記者会見で出馬を表明[20]
  • 11月7日 - トクマが記者会見で出馬を表明[21]
  • 11月8日 - 松沢が記者会見で出馬を表明[22]
  • 11月9日 - 宇都宮が記者会見で出馬を表明[23]
  • 11月13日
    • 吉田が記者会見で出馬を表明[24]
    • 笹川堯が記者会見で出馬を表明[17]
  • 11月13日から19日の間 - 五十嵐政一が表明方法不明の出馬を表明[16]
  • 11月19日 - 中松が記者会見で出馬を表明[25]
  • 11月21日 - 猪瀬が記者会見で出馬を表明[26]
  • 11月27日 - 五十嵐が記者会見で出馬を表明[27]

立候補を取りやめた人物

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選挙結果

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各候補の得票率(得票数の多かった順)

投票率は62.60%で、前回2011年の57.80%をやや上回った(前回比 +4.80%)。当日の有権者数は1061万9652人で、投票総数は644万7744票となった[30]

候補者別の得票数の順位・得票数[31]、得票率・惜敗率・供託金没収概況は以下のようになった。供託金欄のうち「没収」とある候補者は、有効投票総数の10%を下回ったため全額没収された。得票率と惜敗率は未発表のため暫定計算とした(小数3位以下四捨五入)。

  順位 候補者名 党派 新現元 得票数 得票率 惜敗率 供託金
当選 1 猪瀬直樹 無所属 4,338,936 65.27% ----
  2 宇都宮健児 無所属 968,960 14.58% 22.33%
  3 松沢成文 無所属 621,278 9.35% 14.32% 没収
  4 笹川堯 都民のくらしを守る会 179,180 2.70% 4.13% 没収
  5 中松義郎 無所属 129,406 1.95% 2.98% 没収
  6 吉田重信 無所属 81,885 1.23% 1.89% 没収
  7 トクマ 幸福実現党 47,829 0.72% 1.10% 没収
  8 マック赤坂 スマイル党 38,855 0.58% 0.90% 没収
  9 五十嵐政一 無所属 36,114 0.54% 0.83% 没収

前知事の石原から後継指名された猪瀬は石原都政の継承を訴え、公明党日本維新の会など支援を受けて選挙戦を優位に進め、無党派層の票もまとめて他の候補を寄せ付けない圧勝となった。猪瀬が得た433万8936票は、個人として日本の選挙史上最多得票記録となった[32]

対抗の宇都宮は脱原発を掲げる市民団体から支援を受けたのを始め、日本共産党社民党日本未来の党などの支援を受けて立候補した。都知事選としては1983年松岡英夫以来29年ぶりの共社共闘であったが、宇都宮が主張する脱原発そのものが大きな争点にならず得票数2位で、法定得票にも届かなかった。松沢は神奈川県知事時代の実績を強調しながら新銀行東京の清算などを訴えたが、東京での知名度不足が響き得票数3位止まりで供託金を没収される惨敗となった。

その後

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猪瀬は上記の通り史上最多の得票数で圧勝したものの、この選挙の直前に医療法人徳洲会グループから5000万円を受領していた徳洲会事件が発覚したため、当選から僅か1年後の2013年12月24日をもって辞職に追い込まれた[33]。現職の東京都知事が不祥事によって任期途中で辞職したのは史上初である。

このため、2014年2月9日付で早くも2014年東京都知事選挙が行われたが、これによって当選した舛添要一も2016年6月に辞職を発表したため、2011年から5年の間に東京都知事選挙が4回も行われる異常事態となった。

2022年、猪瀬は第26回参議院議員通常選挙日本維新の会より比例区で出馬し当選した。

脚注

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注釈

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  1. ^ 横山由依は2012年12月8日で20歳となり、当時の公職選挙法の規定で選挙権を得る。

出典

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  1. ^ a b c 2012年(平成24年)11月29日東京都選挙管理委員会告示第142号「東京都知事選挙の選挙期日」
  2. ^ 都知事選、12月16日投開票…出馬表明者なし : 地方選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) - ウェイバックマシン(2012年11月2日アーカイブ分)
  3. ^ 都知事選:猪瀬氏「日本変える」 記録的得票で圧勝、「反石原」層も取り込み- 毎日jp(毎日新聞) - ウェイバックマシン(2012年12月19日アーカイブ分)
  4. ^ “【政治混迷】「近いうち解散」3党首合意、増税法案成立へ”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2012年8月8日). http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120808/stt12080821150021-n1.htm 2012年9月14日閲覧。 
  5. ^ 藤田直央 (2018年11月8日). “「早く解散のつもりが」悔やむ野田元首相 12年の内幕”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASLC77SBJLC7UTFK01K.html 2020年5月22日閲覧。 
  6. ^ 石原都知事、正式に辞職 都議会が同意”. 日本経済新聞 (2012年10月31日). 2024年7月3日閲覧。
  7. ^ 12月中旬までに都知事選 「後継指名」の猪瀬氏、出馬明言せず”. 日本経済新聞 (2012年10月26日). 2024年7月3日閲覧。
  8. ^ 石原氏の辞職に伴う都知事選、12月16日投開票に決定”. 朝日新聞 (2012年10月29日). 2024年7月3日閲覧。
  9. ^ 野田首相:「16日に解散」表明 党首討論で”. 毎日新聞 (2012年11月14日). 2012年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月1日閲覧。
  10. ^ 前日に繰り上げ投票が執行された小笠原村第2投票区では12月14日まで
  11. ^ 2012年(平成24年)11月29日東京都選挙管理委員会告示第145号「東京都知事選挙において繰上投票する投票区及び投票期日」
  12. ^ ウィキソース出典 2012年(平成24年)12月4日詔書『平成二十四年十二月十六日に、衆議院議員の総選挙を施行することを公示する詔書』。ウィキソースより閲覧。 
  13. ^ 2012年(平成24年)11月16日詔書「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する詔書」
  14. ^ 2012年(平成24年)11月30日東京都知事選挙選挙長告示第2号「東京都知事選挙における候補者の届出」
  15. ^ 時事ドットコム:9新人の争いに=東京都知事選告示 - archive.today(2013年4月26日アーカイブ分)
  16. ^ a b 畠山理仁チャンネル主催 東京都知事選挙 公開討論会2.0(ニコニコ生放送)、2012年11月27日開催。<11月13日出馬表明の吉田と、19日表明の中松のあいだに名前と肩書き記載>
  17. ^ a b 都知事選、笹川尭・元自民総務会長が出馬表明 : 地方選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) - archive.today(2013年5月1日アーカイブ分)
  18. ^ “発明家の中松氏が立候補表明 都知事選”. 日本経済新聞. (2012年11月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1903K_Z11C12A1000000/ 2013年1月19日閲覧。 
  19. ^ a b 畠山理仁チャンネル主催 東京都知事選挙 公開討論会2.0(ニコニコ生放送)での発言、2012年11月27日開催。
  20. ^ “マック赤坂氏が出馬表明=都知事選”. 時事通信. (2012年10月29日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012102900742 2013年1月19日閲覧。 [リンク切れ]
  21. ^ 【都知事選】幸福実現党、ミュージシャンを擁立 - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2012年11月7日アーカイブ分)
  22. ^ “都知事選出馬表明の松沢氏、新銀行東京の清算を明言”. 日本経済新聞. (2012年11月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08048_Y2A101C1CC1000/ 2013年1月19日閲覧。 
  23. ^ “宇都宮氏、都知事選に出馬表明 脱原発・反貧困掲げる”. 日本経済新聞. (2012年11月10日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0903O_Z01C12A1CC1000/ 2013年1月19日閲覧。 
  24. ^ 朝日新聞デジタル:元ネパール大使の吉田氏、立候補表明 東京都知事選 - 政治 - ウェイバックマシン(2012年11月13日アーカイブ分)
  25. ^ ドクター・中松氏、無所属で都知事選出馬を表明 : 地方選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) - archive.today(2013年5月1日アーカイブ分)
  26. ^ “猪瀬副知事、都知事選出馬を表明”. 日本テレビ. (2012年11月21日). https://news.ntv.co.jp/category/politics/218068 2013年1月19日閲覧。 
  27. ^ 都知事選:10新人出馬表明 29日告示- 毎日jp(毎日新聞) - ウェイバックマシン(2012年12月1日アーカイブ分)<文章中に五十嵐が出馬表明と掲載>
  28. ^ 都知事選に雄上氏出馬へ - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2012年11月9日アーカイブ分)
  29. ^ フリーライター・畠山理仁のTwitter [1][2]
  30. ^ 東京都知事選挙(平成24年12月16日執行) 投票結果(東京都選挙管理委員会)
  31. ^ 東京都知事選挙(平成24年12月16日執行) 開票結果(東京都選挙管理委員会)
  32. ^ 個人以外の名義で獲得した得票数に関する日本選挙史上最多得票記録は、2009年の第45回衆議院議員総選挙の11比例区で2984万4799票を獲得した民主党が最多である。
  33. ^ <猪瀬知事>正式に辞職 都議会が全会一致で議決

関連項目

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外部リンク

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