1-オクテン-3-オン
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1-オクテン-3-オン Oct-1-en-3-one | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 4312-99-6 |
PubChem | 61346 |
ChemSpider | 55282 |
UNII | 7LT7Z4Q9XR |
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特性 | |
化学式 | C8H14O |
モル質量 | 126.20 g/mol |
外観 | 淡黄色ないし黄色の液体 |
匂い | マッシュルーム臭、またはいわゆる「鉄の匂い」 |
嗅覚閾値 | 0.03-1.12μg/m3[2] |
沸点 |
60℃[1] |
危険性 | |
引火点 | 35℃[1] |
関連する物質 | |
関連するエノン | メチルビニルケトン |
関連物質 | 1-オクテン 1-オクテン-3-オール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1-オクテン-3-オン(英語: Oct-1-en-3-one)は、化学式CH2=CHC(=O)(CH2)4CH3で表されるケトンの一種である。アミルビニルケトンとも呼称される。1-オクテンの3位に酸素原子1つが二重結合した構造である。日本の消防法では危険物第4類第2石油類(非水溶性)に分類される[1]。
匂い
[編集]マッシュルームのような臭いとも、金属臭とも称される匂いを持ち、嗅覚閾値は0.03 - 1.12 µg/m3とごく低濃度でも感じ取れる強さを持つ[2]。
皮膚などの脂質から、2価の鉄イオンを触媒として発生する。鼻血や、錆の浮いた鉄棒を握った手のひらなどから感じる、いわゆる「鉄の匂い」、「血の匂い」とされる匂いは主にこの物質による[3][4]。
自然界での合成
[編集]自然界ではブドウのうどんこ病の原因の真菌であるUncinula necatorによって合成される[5]。また、他の化合物とも共存するものの、様々なキノコ類で、この化合物は検出される[6]。
出典
[編集]- ^ a b c 製品情報(1-Octen-3-one)東京化成工業
- ^ a b The Two Smells of Touched or Pickled Iron – (Skin) Carbonyl-Hydrocarbons and Organophosphines (PDF)
- ^ 『食品の匂いと異臭』 p.20
- ^ 血のにおいの化合物、有機化学美術館・別館、2015年11月15日、同年11月25日閲覧
- ^ Darriet, Philippe; Pons, Monique; Henry, Robert; Dumont, Olivier; Findeling, Vincent; Cartolaro, Philippe; Calonnec, Agnès; Dubourdieu, Denis (2002-05-01). “Impact Odorants Contributing to the Fungus Type Aroma from Grape Berries Contaminated by Powdery Mildew ( Uncinula necator ); Incidence of Enzymatic Activities of the Yeast Saccharomyces cerevisiae” (英語). Journal of Agricultural and Food Chemistry 50 (11): 3277–3282. doi:10.1021/jf011527d. ISSN 0021-8561 .
- ^ キノコの香気とその生合成に関わる酵素
参考文献
[編集]- 加藤寛之・渡辺久夫『食品の匂いと異臭』幸書房、2011年5月。ISBN 978-4-7821-0352-4。