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遠江国地震

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

遠江国地震(とおとうみのくにじしん)は、和銅8年5月25日(ユリウス暦715年6月30日・グレゴリオ暦7月4日)に、遠江国(静岡県)で発生した大地震。翌日の5月26日(715年7月1日・7月5日)には、三河国(愛知県)で大地震の記録があり、正倉47棟が倒壊。

天竜川麁玉河)が塞き止められ、数十日後に決壊して洪水が発生(『続日本紀』)[1]。山崩れで麁玉河が塞き止められ、敷智・長下・石田3郡の民家が水没し、田も損害を受けた(浜松市史)[2]

この地震に関する根本史料は『続日本紀』に限られ、また後に編纂された『扶桑略記』にもほぼ同様の内容の記録がある。ただし、『続日本紀』の地震の日付は和銅8年(霊亀元年)5月25日であるが、『扶桑略記』はその1年前の「和銅七年五月」となっている[3][4][5]

和銅八年(霊亀元年) 五月辛巳朔 乙巳

遠江地震ス。山崩レ壅麁玉河。水為之不流レ。経テ数十日ヲ潰ヘ。没シ敷智・長下・石田。三郡ノ民家百七十余区ヲ。并損苗。

また、埋没樹木の年輪による年代測定からは、714年に樹木が埋もれたという結果が得られている[6]

脚注

[編集]
  1. ^ 【温故地震】都司嘉宣 和銅遠江地震(715年) 巨大な土砂ダムで洪水被害 産経新聞ニュース 2016.11.21
  2. ^ 浜松地震年表 | 浜松情報BOOK”. www.hamamatsu-books.jp. 2021年2月19日閲覧。
  3. ^ 地震史料集テキストデータベース
  4. ^ 続日本紀
  5. ^ 扶桑略記
  6. ^ 村松武・ほか(2014)「西暦714年遠江地震に伴う長野県南部遠山地域の地変とその後の地形変化」『日本地質学会学術大会講演要旨』 2009, 2009 巻, 第116年学術大会(2009岡山),https://doi.org/10.14863/geosocabst.2009.0.330.0,