買取専門店
買取専門店(かいとりせんもんてん)とは、販売は行わず、買取のみに徹した中古品売買業の形態。貴金属やブランド品の買取店が多く、全国にチェーン展開する「おたからや」(いーふらん)を始め、数多くの企業がフランチャイズ展開を行う。リユースブームや、2020年代に入ってからの金相場の急騰を受け、店舗数を拡大させた[1][2]。
概要
[編集]客から買った品物を店舗で買い取り、フランチャイズ本部や専門業者に売却することで店舗側の売上になるシステム[3]。 近年のリユースブームに乗り、店舗数を増やし取り扱う商品の種類も増加。名称もリサイクルショップを名乗ったり、ブランド品買取り店など多様である。2010年代頃までは買取専門店と言えば、金やプラチナなどの貴金属や古着や古本などが主な取扱商品であったが、2010年代後半あたりより商品券、携帯電話、スマートフォン、釣り具、楽器、家具、ゲーム機、パソコン、酒など様々な種類が買取対象になっており、買取を主体にしながらも店頭で買い取ったブランド品やチケット販売をする業者も存在する[4]。
似た業種に質屋があるが[4]、買取専門店が古物商の許可のみで営業できるのに対し、質屋では、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会より質屋営業の許可を受ける必要がある[5]。また、警察庁生活安全局生活安全企画課の調査によると、質屋の数は2012年(平成24年)から2021(令和3年)までの9年間で3,270件から2,594件へと大幅に減少しているのに対し、いーふらん(おたからや)のチェーン店舗数は2024年現在約1,300店あり、チェーン全体の売上高は701.2億円に達するなど、急増傾向にある。リユース企業「チェーン店舗数」でも、買取専門店を主力業態とする企業が15社中6社がランクインしており(リユース経済新聞調べ)、買取専門店が小売をする、もしくは小売店が買取専門店を出店するという傾向も活発となった[6]。
質店と違い、客はいったん売った商品を買い戻すことはできない[4]。
日本の主な買取専門店
[編集]全国展開する企業
[編集]- いーふらん - 『おたからや』の店名で1300店舗以上を全国展開。直営店150店舗、加盟店約1千店舗。買取専門店業界ではトップ。『おたからや』の運営のほか、不動産、フィットネス、水素吸引サロン、ゴルフ事業を展開している[7][8]。
その他、『ザ・ゴールド』、『さすがや』、『なんぼや』をはじめ、多数の企業がある。
脚注
[編集]- ^ “金の過去10年間の買取相場推移(チャート)”. いーふらん公式サイト. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “買い取り特化、店舗急増 貴金属やブランド中古品 金高騰や終活、「売りたい」客に対応”. 朝日新聞. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “エンパワー、買取専門店「大吉」が東京・新宿に旗艦店をオープン”. 日本経済新聞 (2018年6月29日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ a b c “「質屋と買取専門店」違いは何? 現役質屋が解説します。”. 須賀質店株式会社. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “質屋を営むには”. 京都府. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “1位は2000店舗超え!リユース企業「チェーン店舗数」をランキングで紹介【2023年版】”. リユース経済新聞 (2023年11月30日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ “会社概要”. 株式会社いーふらん. 2023年12月4日閲覧。
- ^ “「おたからや」が成長できた理由”. 47NEWS. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “【エンパワー 】1000店舗体制が射程圏内、店舗数業界1位に王手”. ビジネスチャンス. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “【カジママ×買取大吉】株式会社エンパワーと株式会社MOPSが業務提携契約を締結。『カジママ』ご利用者様へ特別価格の買取サービス提供開始!”. 愛媛新聞 (2024年3月27日). 2024年12月4日閲覧。