コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

白ロシア軍管区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

白ロシア軍管区(ロシア語: Белорусский военный округ)はソ連地上軍軍管区

歴史

[編集]

もともとロシア内戦で西部戦線として編成され、1924年4月に西部軍管区と改名された。1926年10月にベラルーシ軍管区に再改名され、スモレンスクに本拠を置いた。この軍管区はベラルーシSSRの領域とRSFSRの西部、スモレンスク、ブリャンスクカルーガなどの地域を管轄していた。

1928年最初の軍管区の兵の演習が行われ、第6、第7騎兵師団と第5、第8、第27歩兵師団、第33地方守備師団、モスクワ軍管区の戦車旅団、砲兵、航空機、通信、工兵などの部隊が参加した。演習は出席したソビエト連邦の国防相クリメント・ヴォロシーロフに管区内の兵の戦闘能力の成長を示した。

1932年、国内からゲオルギー・ジューコフの率いる第4レニングラード騎兵赤旗勲章ヴォロシーロフ師団が配置された。1932年から1933年、装甲車両の発展に伴って、軽戦車T-24T-26、中戦車T-28、快速戦車BT-2BT-5、水陸両用のT-37、重戦車T-35、豆戦車T-27などのソ連製の戦車による7つの独立した戦車旅団が編成された。1937年、軍管区は5つの歩兵軍団と5つの騎兵軍団に分けられ15個歩兵師団を展開していた。

1938年7月26日、軍管区はベラルーシ特別軍管区(ロシア語: BOVO)に改名、1939年9月ポーランド侵攻後、ポーランド領だった地域のほとんどがベラルーシ特別軍管区に編入された。1940年7月の西部特別軍管区に再改名され、1941年6月22日のドイツのソ連侵攻以降は、この軍管区は西部戦線と呼ばれるようになった。

この軍管区は1943年10月にスモレンスクのモスクワ地帯防衛隊のスタッフから再編され、1944年8月にはミンスクに移動した。1944年12月から1945年7月まで、この軍管区はベラルーシ、リトアニアの領域を管轄するベラルーシ・リトアニア軍管区とされ、7月9日からは1946年1月26日までは第3軍英語版の人員からなるミンスク管区と第3ベラルーシ戦線英語版の人員からなるバラノヴィチ管区に分割されていたが、1946年には白ロシア軍管区として統一された。軍管区はベラルーシSSRを管轄内としていた。

1950年代の初期から、訓練部隊を含む9個戦車師団と2個自動車化狙撃師団を擁する第28軍英語版第5親衛戦車軍英語版、第7戦車軍の3個軍が地区に配属された。1988年当時、第5親衛戦車軍は第8親衛、第29、第193戦車師団英語版、第7「赤星」戦車軍は第3親衛、第34英語版、第37親衛戦車師団からなった[1]。1970年代後半から軍管区は西方戦略方面最高司令官の指揮下に入った。

ソ連の解体じ第28軍はグロドノに本拠を置き第6親衛戦車師団(グロドノ)、第28戦車師団(スロニム)、第50親衛自動車化ライフル師団(ブレスト・リトフスク)、第76戦車師団(ブレスト、恐らくカテゴリV[2]の幹部部隊)が存在した。直接軍管区の指令下にあった第120「ロガチェフ」親衛自動車化狙撃師団英語版は軍管区で最も名声の高い師団だった。防空軍は1980年代にソ連防空軍から第11、第28防空軍団を含む第2防空軍が派遣されていた。

軍管区内の軍は1992年のソ連崩壊後の軍管区解体でベラルーシ陸軍の基礎となった。ベラルーシ軍管区は消滅し、ベラルーシ議会の決定に基づき、非戦略部隊も含め多くの部隊がベラルーシ国防省のもとに置かれている。

第1航空軍

[編集]

1949年2月半ば、1949年1月10日に発行された指令に従って、管区内に存在した第1航空軍英語版は第26航空軍に改名された。第26航空軍はベラルーシ軍管区の指揮下に入っていた。1962年には第26航空軍は第95戦闘飛行師団(シチュチン英語版)、第1親衛爆撃飛行師団(リダ)、第10独立偵察飛行連隊(シチュチン)、第248独立混成飛行中隊(ミンスク)、第95独立混成飛行中隊(グロドノ)などから構成された[3]。第26航空軍はVVSベラルーシ軍管区に改名され、1988年5月再度第26航空軍に名前が戻された。第95戦闘飛行士弾は1988年に解散された[4]

1990年には第26航空軍は以下の部隊を含んでいた。

  • 第1親衛爆撃飛行師団英語版 (リダ)
  • 第50独立混成飛行連隊 (ミンスク)
  • 第151独立飛行連隊 (電子戦用、シチュチン)
  • 第927戦闘機飛行連隊(ベレザ)
  • 第206独立強襲飛行連隊(プルジャヌイ英語版)
  • 第378独立強襲飛行連隊 (パスタヴィ英語版)
  • 第397独立強襲飛行連隊 (コブリン)
  • 第10独立偵察飛行連隊 (シチュチン)
  • 第302独立ヘリコプター飛行中隊 (電子戦用、コブリン)
  • 第56独立通信連隊 (ミンスク)

第2防空軍

[編集]

1988年第2防空軍ロシア語版英語版第11ロシア語版、第28防空軍団から構成されていた。

第11防空軍団は1960年3月15日にバラノヴィチで防空軍の第39戦闘飛行師団から編成された[5]。防空軍の第2独立軍から1960年3月から1977年11月まで第3防空師団が派遣されていた[6]。1992年初期にベラルーシに引き継がれ、1994年まで存在した。本拠地は白ロシアSSRバラーナヴィチ

1988年には以下の部隊から構成された。

  • 第61防空戦闘飛行連隊(バラノヴィチMiG-25/Su-27)[7]
  • 第201防空戦闘飛行連隊 (Machulischi、MiG-23)
  • 第15対空ミサイル旅団 (Fanipol)
  • 第115対空ミサイル旅団 (ブレスト・リトフスク)
  • 第127対空ミサイル旅団 (リダ)
  • 第377親衛対空ミサイル連隊 (ポラツク)
  • 第1146対空ミサイル連隊(オルシャ)
  • 第8無線技術連隊 (バラノヴィチ)
  • 第49無線技術連隊 (ポラツク)
  • 独立電子戦大隊

第28防空軍団は1992年まで第2防空軍の一部であった。本拠地はウクライナSSRリヴィウ

ソビエト連邦崩壊直前の1992年1月に、ウクライナ防空軍の前身である第8防空軍ウクライナ語版ロシア語版英語版に編入された。

1988年には以下の部隊から構成された[8]

  • 第179防空戦闘飛行連隊 (Stryy)
  • 第254戦闘飛行連隊 (Mukachevo)
  • 第540対空ミサイル連隊 (Kamenka-Bugskaya)
  • 第270対空ミサイル連隊 (リヴォフ)
  • 第312対空ミサイル連隊 (Nadvornaya)
  • 第438対空ミサイル連隊 (コーヴェリ)
  • 第521対空ミサイル連隊 (Borshschev)
  • 第1無線技術旅団 (Lipniki)
  • 第10無線技術旅団 (Stryy)
  • 第17独立電子戦大隊 (Kolomyya)
  • 第38通信所 (リヴォフ)

第二次大戦後の司令官

[編集]
  • ソ連邦元帥 セミョーン・チモシェンコ (-1946),
  • 上級大将 Sergei Trofimenko (1946年4月 - 1949年3月)(former commander of the 7th Army)
  • セミョーン・チモシェンコ (1949年3月 - 1960年4月),
  • 上級大将 V. I. Komarov (1960年4月 - 1961年7月)
  • 上級大将 V. A. Penkovskiy (1961年7月 - 1964年7月)
  • 上級大将 S. S. Маряхин (1964年7月 - 1967年9月)
  • 上級大将 I. M. Tretyak (Третьяк) (1967年9月 - 1976年6月)
  • 上級大将 M. M. Zaytsev (1976年6月 - 1980年11月)
  • 上級大将 E. F. Ivanovsky (1980年12月- 1985年2月)
  • 上級大将 V. M. Shuraev (02.1985年2月 - 1989年1月)
  • 上級大将 A. I. Kostenko (1989年1月 - 解散)

参考文献

[編集]
  • Feskov et al., "The Soviet Army in the Period of the Cold War, 1945-89"
  • А. Г. Ленский, Сухопутные силы РККА в предвоенные годы. Справочник. — Санкт-Петербург Б&К, 2000

関連文献

[編集]
  • I M Tret'yak, ed, "Krasnoznamennyy Belorusskiy voyennyy okrug", "Belarus'", Minsk, 1973; - Soviet history of district
  • E F Ivanovskiy, ed, Krasnozamennyy Belorusskiy voyennyy okrug", Voenizdat, 2nd edn, Moscow, 1983 - second edition

脚注

[編集]
  1. ^ Feskov et al 2004, p.36
  2. ^ Feskov et al. 2004
  3. ^ Holm, forces/armies/26VA.htm 26th Air Army, accessed September 2011
  4. ^ See http://scucin-avia.narod.ru/units/95iad/95iad_history.htm (Russian) for the history of this Division.
  5. ^ For 11th PVO Corps see Michael Holm, 11th Air Defence Corps, accessed March 2012
  6. ^ Michael Holm, 3rd Air Defence Division, accessed February 2012
  7. ^ 61st and 201st Fighter Regiments' details from Air Forces Monthly June 1993, 'Western CISAF', extracts.
  8. ^ 28th Air Defence Corps