「和歌山毒物カレー事件」の版間の差分
間違い直し |
m Cewbot: ウィキ文法修正 104: Unbalanced quotes in ref name |
||
191行目: | 191行目: | ||
*眞須美が「調理済みのカレーの入った鍋のふたを開けるなどの不審な挙動をしていた」という目撃証言についても、服の色や髪の長さなどから、目撃者が見たのは眞須美ではなく、次女である可能性が高い。しかも次女がふたを開けた鍋は、2つあったカレー鍋のうち、ヒ素が混入されていない方であった。ヒ素が混入された鍋は、目撃者からは[[死角]]になり見えなかったことが、死刑確定後の再調査によって明らかになっている<ref name="huff"/>。 |
*眞須美が「調理済みのカレーの入った鍋のふたを開けるなどの不審な挙動をしていた」という目撃証言についても、服の色や髪の長さなどから、目撃者が見たのは眞須美ではなく、次女である可能性が高い。しかも次女がふたを開けた鍋は、2つあったカレー鍋のうち、ヒ素が混入されていない方であった。ヒ素が混入された鍋は、目撃者からは[[死角]]になり見えなかったことが、死刑確定後の再調査によって明らかになっている<ref name="huff"/>。 |
||
; 鑑定の不確かさ |
; 鑑定の不確かさ |
||
* 裁判で林の犯行と断定される上での唯一の物証で決定的な証拠となっていた亜ヒ酸の鑑定において、犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)、林宅の台所のプラスチック容器についていたヒ素、カレーに混入されたヒ素の3つが[[東京理科大学]]教授の[[中井泉]]による鑑定の結果、組成が同一とされた。しかし、中井は鑑定依頼内容を、林宅のヒ素と紙コップのヒ素とカレーのヒ素の3つにどれだけの差違があるかを証明することではなく、'''3つの試料を含む林宅周辺にあったヒ素のすべてが同じ輸入業者経由で入ってきたもの'''だったかどうかを調べることだと理解し、それを鑑定で確認したに過ぎなかった。このため有罪の決め手となった3つの試料の差違を詳細に分析はせず、3つの試料を含む10の試料のヒ素がすべて同じ起源であることを確認するための鑑定を行っていたにすぎなかった。林が自宅にあったヒ素を紙コップでカレーに入れたことを裏付けるためには、3つのヒ素の起源が同じであることを証明しただけでは不充分であり、その3つがまったく同一でなければならない<ref name="videonewsdotcom20130831>{{Cite web |url=https://www.videonews.com/news-commentary/20130831-01 |title=ニュースコメンタリー:和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか |access-date=2023-07-20 |publisher=ビデオニュース・ドットコム |authorlink=神保哲生 |date=2013-08-31}}</ref>。 |
* 裁判で林の犯行と断定される上での唯一の物証で決定的な証拠となっていた亜ヒ酸の鑑定において、犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)、林宅の台所のプラスチック容器についていたヒ素、カレーに混入されたヒ素の3つが[[東京理科大学]]教授の[[中井泉]]による鑑定の結果、組成が同一とされた。しかし、中井は鑑定依頼内容を、林宅のヒ素と紙コップのヒ素とカレーのヒ素の3つにどれだけの差違があるかを証明することではなく、'''3つの試料を含む林宅周辺にあったヒ素のすべてが同じ輸入業者経由で入ってきたもの'''だったかどうかを調べることだと理解し、それを鑑定で確認したに過ぎなかった。このため有罪の決め手となった3つの試料の差違を詳細に分析はせず、3つの試料を含む10の試料のヒ素がすべて同じ起源であることを確認するための鑑定を行っていたにすぎなかった。林が自宅にあったヒ素を紙コップでカレーに入れたことを裏付けるためには、3つのヒ素の起源が同じであることを証明しただけでは不充分であり、その3つがまったく同一でなければならない<ref name="videonewsdotcom20130831">{{Cite web |url=https://www.videonews.com/news-commentary/20130831-01 |title=ニュースコメンタリー:和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか |access-date=2023-07-20 |publisher=ビデオニュース・ドットコム |authorlink=神保哲生 |date=2013-08-31}}</ref>。 |
||
* 2012年、弁護側の依頼で鑑定結果の再評価を行った[[京都大学]]大学院教授の[[河合潤]]により、この3つの間には重大な差違があることがわかり、'''3つは同一ではない'''と評価された<ref name="videonewsdotcom20130831"/><ref name="huff"/><ref>{{Cite web |url=https://www.videonews.com/marugeki-talk/732 |title=マル激トーク・オン・ディマンド (第732回):和歌山カレー事件に見る、科学鑑定への誤解が冤罪を生む構図 |access-date=2023-07-20 |publisher=ビデオニュース・ドットコム}}</ref>。また、河合は最高裁でも林を有罪とした根拠とされる、被告人の頭髪からも高濃度のヒ素が検出されたとする鑑定結果についても、過誤があったと指摘している<ref name="huff"/>。 |
* 2012年、弁護側の依頼で鑑定結果の再評価を行った[[京都大学]]大学院教授の[[河合潤]]により、この3つの間には重大な差違があることがわかり、'''3つは同一ではない'''と評価された<ref name="videonewsdotcom20130831"/><ref name="huff"/><ref>{{Cite web |url=https://www.videonews.com/marugeki-talk/732 |title=マル激トーク・オン・ディマンド (第732回):和歌山カレー事件に見る、科学鑑定への誤解が冤罪を生む構図 |access-date=2023-07-20 |publisher=ビデオニュース・ドットコム}}</ref>。また、河合は最高裁でも林を有罪とした根拠とされる、被告人の頭髪からも高濃度のヒ素が検出されたとする鑑定結果についても、過誤があったと指摘している<ref name="huff"/>。 |
||
2023年8月11日 (金) 01:15時点における版
本記事の死刑囚・林眞須美は、実名で著書を出版しており、削除の方針ケースB-2の「削除されず、伝統的に認められている例」に該当するため、実名を掲載しています。 |
和歌山毒物カレー事件 | |
---|---|
場所 | 日本・和歌山県和歌山市園部1013番地の5(事件現場:夏祭り[注 1]の会場)[1] |
座標 | |
標的 | 夏祭りに集まった園部地区の住民 |
日付 |
1998年(平成10年)7月25日[1][2] 17時50分ごろ(夏祭りの開始時刻)[1] – 19時ごろ(終了時刻)[1] |
概要 | 夏祭りで提供されたカレーライスに毒物(亜ヒ酸)が混入され、カレーを食べた67人が急性ヒ素中毒を発症[3]。うち4人が死亡した[3]。 |
攻撃手段 | カレーライスに毒物を混入[2] |
攻撃側人数 | 1人[3] |
武器 | 亜ヒ酸[3] |
死亡者 | 4人[3] |
負傷者 | 63人[3] |
犯人 | 林 眞須美(冤罪を主張) |
容疑 | 殺人・殺人未遂・詐欺[4] |
動機 | 未解明[5] |
対処 | 和歌山県警が林を被疑者として逮捕・和歌山地検が林を被告人として起訴 |
刑事訴訟 | 死刑(上告棄却により確定[6] / 未執行) |
管轄 |
和歌山毒物カレー事件(わかやまどくぶつカレーじけん)とは、1998年(平成10年)7月25日に日本の和歌山県和歌山市園部で発生した毒物混入・殺傷事件で、和歌山カレー事件とも呼ばれることがある[8]。事件の被告人として起訴された林 眞須美(はやし ますみ)は2009年(平成21年)5月19日に死刑が確定している[9][10]。
事件の概要
本事件は、1998年(平成10年)7月25日夕方に和歌山市園部地区で開催された夏祭り[注 1]において、提供されたカレーライスに毒物が混入されていたことから、67人が急性ヒ素中毒となり、うち4人が死亡した毒物混入・無差別殺傷事件である[注 2][14]。
現場の近所に住んでいた主婦の林が被疑者として逮捕され、殺人・殺人未遂・詐欺の罪で起訴された[4]。被告人の林は刑事裁判で無罪を訴えたが、第一審の和歌山地裁で死刑判決を受け[15]、控訴・上告も棄却されたため[16][17]、2009年(平成21年)5月19日に最高裁判所で死刑が確定[9][10]、林は戦後日本で11人目の女性死刑囚となった[18]。2020年(令和2年)9月27日時点で[19]、林は死刑囚(死刑確定者)として大阪拘置所に収監されている[20]。冤罪の可能性を指摘する声もあり、林は事件から25年となる2023年(令和5年)7月時点で第2次再審請求中である(詳細は後述)[21]。
地域の夏祭りでの毒物混入事件であり、不特定多数の住民らを殺傷するという残忍性、当初の「集団食中毒」から、「青酸化合物混入」、「ヒ素混入」と原因の見立てや報道が二転、三転したこと、住民らの疑心暗鬼や犯人に関する密告合戦、さらには住民の数を上回るマスメディア関係者が2か月以上も居座り続けるという異常な報道態勢などが連日伝えられた[22]。
事件の経緯
事件発生
1998年7月25日、和歌山市園部地区の新興住宅地にある自治会(和歌山市園部第14自治会)が開いた夏祭り[注 1]で[25]、出されたカレーライスを食べた未成年者30人を含む合計67人[注 3][3]が腹痛や吐き気などを訴えて病院に搬送された[11]。異変に気付いた人が「カレー、ストップ!」とスタッフに提供を直ちに止めるよう命じ、一連の嘔吐がカレーによるものと発覚した。
中毒症状を起こした被害者67人のうち、計4人が死亡した[7]。死亡した被害者4人は、園部第14自治会の自治会長を務めていた男性A(当時64歳)、副会長の男性B(当時53歳)、和歌山市立有功小学校4年生の男子児童C(当時10歳)、そして私立開智高校1年生の女子生徒D(16歳)である[7]。被害者は会場で食べた人や、自宅に持ち帰って食べた人などで、嘔吐した場所も様々だった。
和歌山県警察および[11]和歌山市保健所は事件発生当初、集団食中毒を疑っていた[注 4][27]が、和歌山県警科学捜査研究所が被害者の吐瀉物や容器に残っていたカレーを検査したところ、青酸化合物の反応が検出された[11]。和歌山県警捜査一課は「何者かが毒物を混入した無差別殺人事件の疑いが強い」と断定し、和歌山東警察署に捜査本部を設置した[7]。
毒物
当初、死亡した自治会長Aの遺体を和歌山県立医科大学において司法解剖した結果、心臓の血液や胃の内容物から青酸化合物が検出されたため、死因を青酸化合物中毒と判断[7]。また、事件発生直後の鑑定では、青酸化合物を使った農薬などの二次製品に含まれる他の物質は検出されなかったため、県警は混入された毒物を「純粋な青酸化合物」に絞り、県外も含めて盗難・紛失事件がなかったか否かを捜査していた一方、ヒ素など他の毒物の検査は行っていなかった[28]。しかし、A以外の死者3人の遺体からは青酸化合物は検出されなかった一方、Bの胃の内容物や、Cの吐瀉物、Dの食べ残しカレーからそれぞれヒ素が検出され[29]、8月2日には捜査本部が「食べ残しのカレーからヒ素が検出された」と発表[30]。同月6日には「混入されたヒ素は、亜ヒ酸またはその化合物」と発表された[30]。
これを受け、捜査本部から「死因はヒ素中毒だった疑いがある」と報告を受けた警察庁科学警察研究所が新たに鑑定を実施した結果、4人の心臓および自治会長以外の3人の心臓から採取した血液から、それぞれヒ素が検出された[注 5][29]。これを受け、捜査本部は10月5日、4人の死因を当初の「青酸中毒(およびその疑い)」から「ヒ素中毒」に変更した[32]。
毒物学の専門家である山内博(当時、聖マリアンナ医科大学助教授)によると、厚生省(現在:厚生労働省)からの要請で山内が和歌山市中央保健所へ向かったのは中毒発生9日目で(事件発生の当日、山内はアメリカ合衆国に滞在)、山内が患者の尿を検査して急性ヒ素中毒であると正式に確定したのは中毒発生10日目だった。原因解明までの10日間、被害者に対して急性ヒ素中毒に有効な治療薬・BAL(British Anti Lewisite)の投与は行われず、対症療法のみであった。
山内によると、急性ヒ素中毒の原因は、カレールーを作る鍋に混入された三酸化ヒ素(無機ヒ素に属す,iAs)であった。三酸化ヒ素は無味無臭で刺激性がない毒物である。鍋に投入された三酸化ヒ素の結晶は大部分が溶解し、カレールーに含有していたヒ素は約6mg/gと極めて高濃度であった。三酸化ヒ素の致死量は成人でおよそ300mgとされるので、わずか50gのカレールーを口にしただけで致死量に達する計算になる。被害者のヒ素摂取量は、重症者では200mg以上のヒ素摂取者が確認され、軽症者では20mgから30mgであった[33]。
逮捕・起訴
林 眞須美 | |
---|---|
生誕 |
1961年7月22日(63歳)[20] 日本・和歌山県有田市(矢櫃地区)[34] |
住居 | 日本・和歌山県和歌山市園部1014番地の1(逮捕当時)[23] |
職業 | 元保険外交員[35] |
刑罰 | 絞首刑(未執行) |
配偶者 | 林 健治[注 6][35] |
有罪判決 | 死刑(確定:2009年5月19日)[9][10] |
殺人 | |
犯行期間 | 1998年7月25日–同日 |
国 | 日本 |
都道府県 | 和歌山県 |
死者 | 4人 |
負傷者 | 63人 |
凶器 | 亜ヒ酸 |
逮捕日 | 1998年10月4日[35] |
収監場所 | 大阪拘置所[20](2020年9月27日時点)[19] |
1998年10月4日、知人男性に対する殺人未遂と保険金詐欺の容疑で、元保険外交員で主婦の林 眞須美[35](はやし ますみ、1961年〈昭和36年〉7月22日[20] - 、事件当時37歳)が、別の詐欺および同未遂容疑をかけられた元シロアリ駆除業者の夫・林健治[注 6]とともに和歌山県警捜査一課・和歌山東警察署による捜査本部に逮捕され[35]、2人とも同月25日に和歌山地方検察庁から起訴された。当時マスコミは眞須美は地元の子供に「祭りのカレーは食べたらあかん。」と発言した等と報道された。
10月26日には、眞須美が別の殺人未遂[注 7]および詐欺容疑で、健治も眞須美と同じ詐欺容疑[注 8]でそれぞれ再逮捕され、11月17日に追起訴された[38]。
11月18日、眞須美は健治らに対する殺人未遂容疑などで、健治も詐欺容疑で再逮捕され[38]、12月9日には眞須美と健治がそれぞれ詐欺罪で起訴されたほか、眞須美は健治らを被害者とする殺人未遂罪でも追起訴された[39]。
さらに12月9日には、カレーの鍋に亜ヒ酸を混入した殺人と殺人未遂の容疑で眞須美が再逮捕された[40]。同年末の12月29日に眞須美は和歌山地検により、殺人と殺人未遂の罪で和歌山地方裁判所へ起訴された[41]。
当局が眞須美をカレー毒物混入事件の犯人と断定した理由は[42]、
- カレーに混入されたものと組成上の特徴を同じくする亜ヒ酸が、眞須美の自宅等から発見された[43]。
- 眞須美の頭髪からも高濃度のヒ素が検出され、その付着状況から亜ヒ酸等を取り扱っていたと推認できる[43]。
- 夏祭り当日、眞須美のみが上記カレーの入った鍋に亜ヒ酸をひそかに混入する機会を有しており、その際、眞須美が調理済みのカレーの入った鍋のふたを開けるなどの不審な挙動をしていたことも目撃されている[43]。
ことによる(これらに対する眞須美側の反論は #冤罪疑惑を参照)。さらに眞須美は、カレー毒物混入事件発生の約1年半以内という近接した時期に、保険金取得目的で、1997年(平成9年)2月6日から翌1998年3月28日まで合計4回にわたり人の食べ物にヒ素を混入したが、どれもカレー事件前には発覚せず、まんまと保険金をせしめることに成功した。当局は、眞須美が「カレー毒物混入事件に先立ち、長年にわたり保険金詐欺に係る殺人未遂等の各犯行にも及んでいたのであって、その犯罪性向は根深いものと断ぜざるを得ない」[44]と考えた。和歌山県警は眞須美による犯行を裏付ける直接証拠がない中、多数の間接証拠(目撃証言など)の積み重ねにより、事件当日の状況を分刻みで再現し、嫌疑を否認していた被疑者(眞須美)が犯人であることを立証するという捜査手法を取ったが、『毎日新聞』(大阪本社版)はその手法が京都・大阪連続強盗殺人事件(1984年発生)の際に取られた手法と同一である旨を報じている[45]。
刑事裁判の経緯
第一審
眞須美は容疑を黙秘したまま裁判へと臨み、1999年(平成11年)5月13日に和歌山地方裁判所(小川育央裁判長)で開かれた第一審の初公判では[46]、5,220人の傍聴希望者が傍聴券抽選会場の和歌山城砂の丸広場に集まった[47]。これはオウム真理教事件の麻原彰晃、覚せい剤取締法違反の酒井法子に次ぎ、事件前に無名だった被告人としては最多である。裁判で和歌山地検が提出した証拠は約1,700点。1審の開廷数は95回、約3年7か月に及んだ。2002年(平成14年)12月11日に開かれた第一審判決公判で和歌山地裁(小川育央裁判長)は被告人・林の殺意とヒ素混入を認めた上で「4人もの命が奪われた結果はあまりにも重大で、遺族の悲痛なまでの叫びを胸に刻むべきだ」と断罪し、求刑通り被告人・林に死刑を言い渡した[15]。すると林は黙秘から一転して無罪を主張するようになる。
被告人・眞須美は判決を不服として、同日中に大阪高等裁判所へ控訴[15]。同月26日、身柄を丸の内拘置支所[注 9]から大阪拘置所へ移送された[9]。
一方、保険金詐欺事件3件[注 10]の共犯として、詐欺罪で起訴された健治[注 6]は、2000年(平成12年)10月20日に和歌山地裁(小川育央裁判長)で懲役6年(求刑:懲役8年)の実刑判決を言い渡された[注 11][36][51]。判決は、眞須美の中心的役割を認めながらも、健治も保険金を支払わせる目的で大きな役割を果たしたと認定した[51]。和歌山地検[53]、健治ともに控訴せず、確定した[54]。健治は滋賀刑務所に服役し、2005年(平成17年)6月7日に刑期を満了して出所した[55]。
控訴審
大阪高裁(白井万久裁判長)での控訴審初公判は2004年(平成16年)4月20日に開かれ[56]、結審まで12回を要した。2005年6月28日の控訴審判決公判で、大阪高裁第4刑事部(白井万久裁判長)[57]は「カレー事件の犯人であることに疑いの余地はない」として、一審判決を支持し、被告人・林側の控訴を棄却した[16]。被告人・林は判決を不服として同日付で最高裁判所へ上告した[16]。
上告審
直接証拠も自白も無く黙秘権を行使し、動機の解明も出来ていない状況の中、弁護側が「地域住民に対して無差別殺人を行う動機は全くない」と主張したのに対し、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は2009年(平成21年)4月21日の判決で「動機が解明されていないことは、被告人が犯人であるとの認定を左右するものではない」と述べ、動機を解明することにこだわる必要がないという姿勢を示した上で[58]、「鑑定結果や状況証拠から、被告人が犯人であることは証明された」と述べ、林側の上告を棄却した[17]。
被告人・眞須美は、2009年4月30日付で死刑判決の破棄を求めて最高裁第三小法廷に判決の訂正を申し立てたが[59]、申し立ては同小法廷の2009年5月18日付決定で棄却され[6]、翌日(2009年5月19日)付で林の死刑が確定[9][10]。これにより林は、戦後日本では11人目の女性死刑囚となり[18][60]、同年6月3日以降は死刑確定者処遇に切り替わった[9]。
刑事裁判の補足
黙秘権の意義
第一審において被告人が完全黙秘を貫いたことに対して、メディアが批判的な報道を行ったため、和歌山地方裁判所の判決文において、黙秘権の意義に関し、もっぱらメディア向けとみられる一般的な判示がなされるなど、刑事裁判の在り方の点から見ても特異な事件となった。
ビデオ映像の証拠採用
裁判では、被告人が事件について語りテレビで放送された「ビデオ映像の証拠採用」についても争点となった。これは事案の重大性の中で黙秘を続ける被告人の事件に関する言葉が得られない中で、テレビ局の取材に対して被告人が事件に関するインタビューに応じているという事情があったため、真実解明という点で検察がテレビ局の被告人に対するインタビュー映像の証拠申請をしていた。
それに対し、報道機関はビデオ映像が証拠採用されることは取材方法に対する権力の介入として反発し、弁護側も誘導による不正確な発言および意図的な編集の可能性から証拠採用に反対した。
裁判所は数少ない被告人の事件に関する証言として、民放4社6番組から収録されたインタビュー映像計約13分間分を「言動が趣旨を異にすることなく再現されている」として供述録取書として採用した。また裁判所は「報道機関が報道し、国民の多くが知っている情報を、なぜ真実の追求を目的とする刑事裁判で証拠としてはならないのか、理解に苦しむ」と判決文で述べ、ビデオ映像採用に反発する報道機関に苦言を呈した。
再審請求
死刑囚となった林は2009年7月22日付で、和歌山地裁に再審を請求した(第1次再審請求)[61][62]。 なお、林は2020年9月27日時点で[19]死刑囚として大阪拘置所に収監されている[20]。
第1次請求
第1次再審請求は、和歌山地裁(浅見健次郎裁判長)が2017年(平成29年)3月29日付で出した決定により棄却され[63]、これを不服とした林は2017年4月3日までに大阪高裁に即時抗告した[64][65]。しかし、大阪高裁第4刑事部(樋口裕晃裁判長)[42]は2020年(令和2年)3月24日付で死刑囚・林の即時抗告を棄却する決定を出した[66]ため、林はこれを不服として同年4月8日付で最高裁に特別抗告を行った[67]が、後述の第2次再審請求に一本化するため、2021年(令和3年)6月20日付で特別抗告は取り下げられ、第1次再審請求は棄却決定が確定した[68]。
- ヒ素の鑑定方法
- 第1次再審請求に当たり、林とその弁護団は「無罪を言い渡すべき新たな証拠」として、「祭り会場に残された紙コップのヒ素が自宅から発見されたものとは異なる。京都大学の研究者の鑑定からも『事件当時のヒ素の鑑定方法は問題がある』ことは明らかだ」と主張した[63]。
- 労働組合委員長との養子縁組
- 2014年(平成26年)3月、林は支援者である稲垣浩(釜ヶ崎地域合同労働組合委員長・北大阪合同労働組合執行委員長)と養子縁組している[69]。この養子縁組は、本人との定期的な面会を行うためと見られる[要出典]。
- 目撃証言のTシャツの色
- また、林は長男と手紙のやり取りをしており、長男が2019年(令和元年)5月3日にTwitterで公開した林からの3枚の手紙には、近隣住民の目撃証言で「白いTシャツ」を着ていたとされる点に触れ、他の主婦らは黒っぽい服装をしていたと証言し、当の眞須美も黒いTシャツを着ていたと述べていたが、この手紙の中でも再三「黒色のTシャツ」を着ていたことを強調して述べている[70]。
第2次請求
一方で第1次請求の特別抗告を取り下げるより前の2021年5月には、林が「事件は第三者による犯行」として和歌山地裁に第2次再審請求を行い、同月31日付で受理された[71]。担当弁護人は生田暉雄で[72]、第1次再審請求の弁護人とは別人である[73]。生田は同請求に当たり、「異なる申立ての理由があれば、さらに再審請求できる」と説明していた[72]。
申立書では、供述調書の中で示された被害者資料鑑定結果表では、青酸化合物とヒ素の両方が67人の被害者全員の体内に含まれているという鑑定結果が出ており、青酸化合物が入っていたのなら、犯行に及んだのは、林死刑囚以外の第三者となり、林は無罪だとしている。生田によれば、林眞須美からの依頼を受け、2020年9月に面会して引き受け、2021年6月までに20回近く面会を重ねたが、林は、「オリンピックが終わると死刑が執行される」と怯えているという[74][75][72][71]。
同請求については2023年1月31日付で和歌山地裁から請求棄却の決定が出され、林は同決定を不服として同年2月2日付で大阪高裁へ即時抗告している[76]。
- 眞須美の長女らの死
- 第2次再審請求を起こしたことが報じられた2021年6月9日には、眞須美の長女(当時37歳)とその長女(当時16歳)、および次女(当時4歳)が死亡した。眞須美の長女は自殺とみられ、次女とともに関西国際空港連絡橋から飛び降りたとみられる[77]。その後、半年以上経った2022年2月16日に、長女の長女を虐待したとして、父親(眞須美の長女の夫)である40歳男性を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕するとともに、眞須美の長女についても被疑者死亡のまま同容疑で書類送検した。長女の長女は眞須美の長女の前夫との間の娘で、離婚後は前夫と暮らしていたが、眞須美の長女が再婚するに当たって引き取られたものの、眞須美の長女と現夫が断続的に暴行するなど虐待を繰り返していたという[78][79]。
被害者の症状
本事件で生存した63名について、和歌山県立医科大学皮膚科が行った調査がある[80]。たとえば、事件後2週間に被害者の多くに共通して見られた兆候は、次のとおりであった。
冤罪疑惑
本事件の最たる特徴として、被告人・林眞須美による犯行動機が明確になっておらず、直接的な証拠も存在しないという点が挙げられる。
そのため、例えば「実際には家族や知人が毒を入れた可能性」や「被告人がその家族や知人を庇っている可能性」、「誰かに陥れられた可能性」などを否定できず、冤罪の疑惑がある事件として有識者からも問題点を指摘されている。
- ※誤解している人も多いが、ここで注意するべき点は、
- 「動機が一切ない」のではなく「動機が明確に解明されていない」という点である。
- 「批判を承知であえて言えば、本人が容疑を否認し、確たる証拠はない。そして動機もない(※)。このような状況で死刑判決が確定してよいのだろうか?」(田原総一朗)[81]。
- 「私のわだかまりも、この『状況証拠のみ』と『動機未解明』の2点にある。事件に、林被告宅にあったヒ素が使われたことは間違いない。ただし、そのヒ素に足があったわけではあるまいし、勝手にカレー鍋に飛び込むわけがない。だれかが林被告宅のヒ素をカレー鍋まで持って行ったことは確かなのだ。だが、果たしてそれは本当に林被告なのか、どうしたって、わだかまりが残るのだ。」(大谷昭宏)[82]。
- 「動機未解明で有罪にすること自体はありえますが、動機というのは非常に有力な状況証拠です。動機がないなら証拠が一部欠けているということなので、他の証拠はそのぶんしっかりしてないといけません。しかし、他の証拠をみても、自白はなく、鑑定に問題はあり、原則禁じられた類似事実による立証をやっている。本件の場合は動機がないなら、全体的な証拠構造が問題です」「人は普通、動機がないと人を殺しません。しかもこの事件の場合、犯人が誰を殺そうとしたのかもわからない。動機がないと真相がわからない事案だけに、余計に、動機なしでいいのかな、と思いますね」(白取祐司)[83]。
- 「動機なし、自白なし、物証なし。」、「現代の魔女狩り」と指摘している(宮台真司)[84]。
- 黙秘権の侵害
- 「2審判決は『誠実に事実を語ったことなど1度もなかったはずの被告人が、突然真相を吐露し始めたなどとは到底考えられない』と言ったが、これは実質的に黙秘権侵害です」(小田幸児:林の1審、2審、上告審弁護人)[83]
- 曖昧な目撃証言
- 事件当時から目撃証言などの状況証拠を積み重ねてきたが、その中には不自然でつじつまの合わない証言も多く、関係者から疑問視されるケースもある。
- 被告の次女は、「林死刑囚がカレー鍋の見張りを離れた時間が20分以上あり、他の人物が毒物を入れる機会はあった」と主張している。なお、身内による証言ということもあり、和歌山地裁はこの証言を証拠に採用しないことを決定した[22]。
- 「林眞須美しか、カレーにヒ素を混入する機会がなかった」という結論は、警察が住民らの証言をもとに1分刻みのタイムテーブルを作成し、「消去法」によって導き出したものであった。ところが事件直後の朝日新聞の報道では、時間の証言に裏付けのある人はまれで、総合すると最大で50分前後の開きがあった。ここから、1分刻みのタイムテーブルを作ったことが疑問視されている[22]。
- 事件発生直後、カレーライスを担当した主婦のうち1人が、「知らない人も出入りしたが、当番でコンビを組んだ相手の知り合いと思った」(朝日新聞)と述べている。それにも関わらず、「犯人は夏祭りの関係者の中にいる」という前提で、「消去法」による捜査が行われた[22]。
- 眞須美が「調理済みのカレーの入った鍋のふたを開けるなどの不審な挙動をしていた」という目撃証言についても、服の色や髪の長さなどから、目撃者が見たのは眞須美ではなく、次女である可能性が高い。しかも次女がふたを開けた鍋は、2つあったカレー鍋のうち、ヒ素が混入されていない方であった。ヒ素が混入された鍋は、目撃者からは死角になり見えなかったことが、死刑確定後の再調査によって明らかになっている[22]。
- 鑑定の不確かさ
- 裁判で林の犯行と断定される上での唯一の物証で決定的な証拠となっていた亜ヒ酸の鑑定において、犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)、林宅の台所のプラスチック容器についていたヒ素、カレーに混入されたヒ素の3つが東京理科大学教授の中井泉による鑑定の結果、組成が同一とされた。しかし、中井は鑑定依頼内容を、林宅のヒ素と紙コップのヒ素とカレーのヒ素の3つにどれだけの差違があるかを証明することではなく、3つの試料を含む林宅周辺にあったヒ素のすべてが同じ輸入業者経由で入ってきたものだったかどうかを調べることだと理解し、それを鑑定で確認したに過ぎなかった。このため有罪の決め手となった3つの試料の差違を詳細に分析はせず、3つの試料を含む10の試料のヒ素がすべて同じ起源であることを確認するための鑑定を行っていたにすぎなかった。林が自宅にあったヒ素を紙コップでカレーに入れたことを裏付けるためには、3つのヒ素の起源が同じであることを証明しただけでは不充分であり、その3つがまったく同一でなければならない[85]。
- 2012年、弁護側の依頼で鑑定結果の再評価を行った京都大学大学院教授の河合潤により、この3つの間には重大な差違があることがわかり、3つは同一ではないと評価された[85][22][86]。また、河合は最高裁でも林を有罪とした根拠とされる、被告人の頭髪からも高濃度のヒ素が検出されたとする鑑定結果についても、過誤があったと指摘している[22]。
- 夫への誘導尋問問題、司法取引疑惑
- 林死刑囚の夫・林健治によれば、逮捕された際捜査員より「眞須美はオトせない!頼むから眞須美にヒ素を飲まされたと書いてくれ!書いてくれたらあんたを八王子の医療刑務所に入れるようにしてやる」と言われたという[87]。これは現在では司法取引に該当するが、当時は司法取引が認められていなかったことには留意が必要である。
- 上記の件に関しては、2020年10月27日に公開されたYouTube動画でも林健治自身が詳しく語っている。それによると、逮捕から約1週間後、19時ころに検察庁から小寺検事と事務官2名が健治の拘留されている警察署を訪れた。
健治が「確たる証拠も証人もなく、ワシも口割ってないのに、なぜ逮捕し勾留しているのか」と質問したのに対し、小寺は「アホ、こんだけ世間を騒がしてマスコミが騒いで、パクッて今さら、間違えましたではすまんやろ」と返答したため、健治が「死刑事案なのに、想像でパクッてしまうんか?」と質したところ「いや、今からそのストーリーをワシが考えてやる」、「しかし、証拠がないから困っている」と言い、健治に向かって眞須美にヒ素を飲まされて殺されかかった被害者として初公判で「私、今でこそ眞須美が憎くて仕方ない。どうぞ、この女を死刑にしてやってくれ」と言って泣けと言った。
さらに、小寺は健治の事件の公判も担当することから、求刑も自分が出すので塩梅してやる。ワシに乗れ。ワシに乗ったらお前は身体が不自由だから、エエとこに放り込んでやると言って、八王子の医療刑務所のパンフレットを出し健治に見せたが、そこにはMRIなど最新鋭の医療機器が写っていたという。さらに、今、八王子には角川春樹が収監されているので、彼に本を書いてもらえと言った。小寺は「この事件でワシを出世させてくれ」「ワシもお前と同じで4人子供がいる。よい正月を迎えさせてくれ」と事務官2人とともに土下座をしたという。
さらに「お前がどうしても口を割らないのなら、眞須美にひとこと言わせてやる。"私は元日本生命の外交員です。あの日昼頃帰って、主人が何か紙コップに入った薬品のようなものを私に渡して、これカレーの中に入れたら隠し味になって美味しいんで持っていって入れてこいというので、何かわからずに入れました。ヒ素は主人から預かっていたもので、私は知りません。主人の言うままにやっただけです"-これひとこと、眞須美にしゃべられたら、一生お前の人生は裁判になってしまうぞ!」と恫喝したというが、健治が応じなかったため、小寺は手を上げてしまったという。健治も眞須美も検察の供述調書には1枚もサインをしなかった[88]。 - ノンフィクションライターの片岡健も2021年5月28日に公開されたYouTube動画で、上記の健治の主張を裏づけるような話をしている。片岡によると、「林眞須美に保険金目的でヒ素や睡眠薬を飲まされた被害者」とされた男6人のうち、健治を含む多くの者がカレー事件発生以前は眞須美と保険金詐欺の共犯関係にあったという。そして健治以外の者たちの何人かは警察によって山奥の警察官官舎に3、4カ月隔離されるなどしており、このことは、林の死刑判決でも認定されているという。[89]
- 科捜研主任研究員による証拠捏造
- 2012年、カレー事件を捜査していた和歌山県警科捜研主任研究員が、他の事件で証拠を捏造したとして証拠捏造、有印公文書偽造および行使容疑で書類送検されたことが判明した。しかし、捜査関係者によれば、研究員が携わったカレー事件での捏造はなかったと結論づけている[90]。
事件の影響
林眞須美の家族
林夫婦には4人の子供がいたが、事件当時はマスメディアが24時間自宅を取り囲み、子供らは外出ができなくなり、通学もできなかった。当時中学3年生で高校受験を控えた長女が残した当時のノートには、「ポスト、誰かのぞく」「家の中みてる。じ~っと」など、家を取り囲むマスコミの姿が描かれていた。長男は、長女の中にはこの頃の記憶が鮮明に残っており、恐怖心として残り、自殺につながったのではないかと推測している[91][92]。
両親の逮捕後、子供らは児童養護施設に預けられるが、「カエルの子はカエル」と言われ、壮絶ないじめを受けた。長女は、他の3人の子供が警察に事情聴取に呼ばれた際には「分からないことは分からないと言いなさい」と諭すなど、母親代わりとなり、兄妹の面倒を見た。事件の7年後、長女は21歳で結婚し娘を出産。その4年後、最高裁で母・眞須美の死刑が確定。長女は境遇を隠すため、母や長男とは一切関係を断つよう、家族に告げたという。長女は名前を変え周囲には素性を隠して暮らし始めた。しかし、8年後には離婚。娘の親権は夫に渡る。その理由は、夫には両親がいることだった。このため長女は長く娘には会えなかった。長女が事件にとらわれる姿を離婚後に交際した男性が記憶しており、その男性の証言では、事件のことがいつ流れるかもしれないため、長女は部屋にテレビがあっても付けない。「見ていい?」と男性が聞くといつも音楽をかけていた。顔を撮られることを恐れ、男性の手元には後姿の画像しか残されていなかったという[91][92]。
子供らの中では、長男だけが唯一、無実を訴える母・眞須美と面会を続けてきた。長男も職場や友人には身分を隠しており、そのことによる罪悪感を感じながら生きているが、長女も自分を偽って暮らしていく中で、自分の付いている嘘に飲み込まれる感じがあり、虚しさみたいなものがあっただろうと推測している。長女は2015年に再婚。新たに娘を出産。第2次再審請求を起こしたことが報じられた2021年6月9日に、長女(当時37歳)とその長女(当時16歳)、および次女(当時4歳)が死亡した。眞須美の長女は自殺とみられ、次女とともに関西国際空港連絡橋から飛び降りたとみられる。16歳の長女は、虐待の痕があり不審死であったが、真相は不明で警察が夫から事情を聴くなど捜査中である[77][92]。
長女は、亡くなった2021年現在、長男とは10年以上も連絡を取っていなかった。長女の死は、長男によって眞須美に伝えられたが、眞須美は「この中にいて何もすることができず、守ってあげられなくて悔しい」と何度も言ったという。インターネット上には、2021年現在も家族への誹謗中傷が溢れている[91]。
カレーライスのイメージ悪化
和歌山毒物カレー事件では、報道で「毒入りカレー」の文字が前面に出ていたためカレーライスのイメージが悪化し、食品会社はカレーのCMを自粛。料理番組でもカレーライスのレシピ紹介を取りやめた。また、テレビアニメ『たこやきマントマン』と『浦安鉄筋家族』では、ストーリーにカレーライスが出る回が放送されなかった[注 12]。そして、日本ではちょうど夏祭りが各地で開催される時期だったことから、事件後は各地の夏祭りで食事の提供が自粛されるなどの騒動に発展した。
この他、前述の犠牲者である小学4年生の男子児童は事件当時、和歌山市立有功小学校に通学していたが[93]、同小学校では事件発生から25年が経った2023年時点でも、学校給食の献立でカレーライスが出されていない[注 13][21]。
模倣犯の出現
和歌山毒物カレー事件の後、飲食物に毒物を混入させるといった模倣犯が日本では多数現れた。中でもアジ化ナトリウムは混入が相次ぎ、1999年にはアジ化ナトリウムの管理を徹底させるべく、日本においてアジ化ナトリウムは毒物に指定され、毒物及び劇物取締法による流通規制が行われるに至った。
林がした訴訟
最高裁判所判例 | |
---|---|
事件名 | 損害賠償請求事件 |
事件番号 | 平成15(受)281 |
2005年(平成17年)11月10日 | |
判例集 | 民集 第59巻9号2428頁 |
裁判要旨 | |
1 人はみだりに自己の容ぼう,姿態を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有し,ある者の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,撮影の態様,撮影の必要性等を総合考慮して,被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。 | |
第一小法廷 | |
裁判長 | 島田仁郎 |
陪席裁判官 | 横尾和子、甲斐中辰夫、泉徳治、才口千晴 |
意見 | |
多数意見 | 全員一致 |
意見 | なし |
反対意見 | なし |
参照法条 | |
民法709条,民法710条,憲法13条,刑訴規則215条 |
林眞須美は、本事件後に多数の訴訟を起こしたことで知られる。
その中で「カレー毒物混入事件法廷写真・イラスト訴訟」では、取材対象に無断で撮影した写真や、無断で描画したイラストを報道した時に、肖像権侵害となるのはどういった場合なのかについて、日本の最高裁判所として初めて基準を示すに至った[95]。この中で最高裁は、撮影や描画された人物の社会的地位、活動内容を鑑みて、撮影や描画を行った場所、目的、さらに、撮影や描画をどのように行ったか、そもそも撮影や描画の必要性があったかを総合し、撮影や描画された側の人物が社会生活上の我慢の限度を超えるかどうかで判断すべきとし、林眞須美の写真や一部のイラストについて違法と判断した[95]。
なお、この訴訟以外にも、例えば2012年に再審請求中の林は、事件の裁判において虚偽の証言をしたとして、100万円の損害賠償を求めて夫を提訴した。
その他、週刊朝日の調べにより、マスメディア関係者や事件の発生地の地元住民、生命保険会社に勤務していたときの同僚など、計50人ほどを相手に訴訟を起こしていることが判明。しかし、弁護士も立てていないため訴訟の遂行は難しいという。
かつてメディアを相手に500件以上の訴訟を起こしたロス疑惑の三浦和義は生前、林を支援しており、林に対しマスメディアを訴えることを勧め、手紙や面会で方法を伝授していた。これに対し林も「三浦の兄やん、民事で訴えちゃるって、ええこと教えてくれた」と答えた[96]。
2017年3月、和歌山地裁は請求を棄却したが、弁護団は即時抗告するとともに、有罪を根拠づけたヒ素鑑定を行った東京理科大学教授の中井泉らを相手取り、6500万円の損害賠償を求める民事訴訟を提起した[22]。
その他
- 障害者郵便制度悪用事件で村木厚子を取調べ中に、担当検察官である國井弘樹は村木に向かい「あの事件だって、本当に彼女がやったのか、実際のところは分からないですよね」といい、否認を続けることで冤罪で罪が重くなることを暗示し、自白を迫った[97]。
- 逮捕前、自宅を取り囲む報道関係者たちに笑いながらホースで放水している姿を撮った映像が繰り返し使用され、ふてぶてしい印象付けがメディアによりなされたが、これについて後に夫は、報道が過熱し夜中中取り囲まれたが、彼らが蚊に刺されないよう殺虫剤を持って行ったりしたにもかかわらず、郵便受けから郵便を抜き取ったり、塀にはしごをかけ2階の子供部屋を盗撮したりされたため、眞須美に「あいつらのぼせ上ってるから、記者会見する言うて集めて、上からいっぺん頭冷やしたれ」と命令したとした上で、「いかにもカレーに毒入れそうなおばはんの『絵』」にされたと語っている[98]。
- フジテレビ『ニュースJAPAN』で、キャスターの安藤優子が事件の注目人物であった逮捕前の林に電話インタビューを試みている。逮捕前だったこともあり、注目人物であった林の名前を自主規制音を被せて匿名化していたが、編集ミスで1か所だけ自主規制音が入っていなかったため、その部分だけ「林さんは…」という言葉がのって放送されてしまった。そのため、林から「おかげで外に買い物にも行けない。どうしてくれるのか?」と、猛抗議を受けた。
- 林夫婦が住んでいた家(木造2階建て住宅・約180㎡)は2人の逮捕後、無人となり、壁などに落書きされたり、無断で敷地内に侵入したりする者が相次いでいたため、和歌山東警察署がパトロールを継続していたが[99]、2000年(平成12年)2月16日未明に放火され、全焼した[注 14][100]。そのニュースを聞かされた獄中の林は「ああ、そう」と答えた。林の自宅はその後解体され[105]、土地(約360㎡)は競売に出された結果、2004年春に地元自治会が住民からの寄付を募って、380万円で買い取った[106]。そして、住民たちの協議により、花壇として整備された[注 15][107]。
関連書籍
- 週刊文春特別取材班『林真須美の謎 ヒ素カレー・高額保険金詐取事件を追って』ネスコ、1998年12月。ISBN 978-4890369935。
- 三好万季『四人はなぜ死んだのか インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」』文藝春秋、1999年7月。ISBN 978-4163554303。
- 林眞須美『死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら 林眞須美 家族との書簡集』講談社、2006年8月。ISBN 978-4062135139。
- 今西憲之「和歌山カレー毒物混入事件 林真須美被告の夫・健治氏 独占告白10時間「私たち夫婦は保険金詐欺のプロ。金にならんことはやらん。真犯人は別」」『週刊朝日』第111巻第56号、朝日新聞社出版部、2006年11月3日、36-39頁、NAID 40007455802。 - 2006年11月3日号・通号4782。
- 林眞須美、林健治(林眞須美の夫)、篠田博之(月刊『創』編集長)『和歌山カレー事件 獄中からの手紙』創出版、2014年7月15日。ISBN 978-4904795316。 - 林夫妻と本事件を取材し続けている篠田らによる共著書。
- 帚木蓬生『悲素』新潮社、2015年7月。ISBN 978-4103314226。 - 事件に関わった実在の医師の記録に基づく小説。
- 田中ひかる『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』ビジネス社、2018年7月。ISBN 978-4828420370。
- 和歌山カレー事件 林眞須美死刑囚長男『もう逃げない。〜いままで黙っていた「家族」のこと〜』ビジネス社、2019年7月。ISBN 978-4828421155。
関連サイト
- 和歌山カレーヒ素事件における頭髪ヒ素鑑定の問題点 河合潤
- 「ヒ素は自分で呑んだ。真須美はやっていない」/真須美被告の夫・健治さんが最高裁判決の不当性を訴え - videonewscom公式YouTube
- 和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか - videonewscom公式YouTube
- 【ダイジェスト】河合潤氏:和歌山カレー事件に見る、科学鑑定への誤解が冤罪を生む構図 - videonewscom公式YouTube
- 【WLP】薬毒物の分離・精製技術 - 和歌山毒カレー事件の真相究明 - 唯一の物証となった、ヒ素分析について中井泉自身が語っている(JST Channel)。
- 「和歌山毒物カレー事件」を林真須美死刑囚の長男と振り返る 小学生だった事件当時の状況を語りつくす||カンニング竹山の土曜The NIGHT#60 - 【アベマ】公式サイト YouTube
- [クロ現 和歌山毒物カレー事件の子どもたち 闇に追われた23年 | クローズアップ現代 | NHK] - YouTube
- [クロ現 自ら命を絶った長女 和歌山毒物カレー事件の子どもたち | NHK] - YouTube
- 【前編】和歌山カレー毒物事件 林眞須美 死刑囚の息子/保険金詐欺で数億稼ぎ報道陣に追い込まれ家族崩壊/無罪主張も逮捕された母 - 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜YouTube
- 【後編】林眞須美の長男/両親逮捕後の地獄の人生/不当解雇/婚約破棄/集団暴行/22年無罪主張の母と真犯人の可能性… - 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜YouTube
- 映画『死刑弁護人』予告編 - シネマトゥデイ
脚注
注釈
- ^ a b c 夏祭りは住民の親睦を図るため[11]、1992年(平成4年)から園部第14自治会が主導して毎年7月の最終土曜日に開催していた[12]。ただし、事件前年の1997年(平成9年)は病原性大腸菌O157の影響で中止されていた[11]。事件後、自治会の夏祭りは開かれていない[13]。
- ^ 後に混入された毒物は亜ヒ酸[3]と判明した。
- ^ 当初発表では患者数は66人とされていたが[11]、7月27日になって新たに1人(軽症)が入院した[26]。
- ^ 和歌山市保健所には25日22時ごろ、患者が搬送された一病院から「青酸化合物特有の瞳孔が閉じている症状が出た」という連絡があったが、他の病院に問い合わせても同様の報告はなかったため、保健所は毒物対応を具体的に指示しなかった[11]。
- ^ この際、使用された毒物の組成を調べるために、SPring-8が使用された。亜ヒ酸に含まれる特定の不純物元素の量を比較して、異同識別が行われた。この為の重元素不純物の検出には『SPring-8の性能が必要』とされたためである[31]。
- ^ a b c 林健治(1945年〈昭和20年〉5月6日[36] - )は2014年、実名で妻・眞須美や篠田博之(月刊『創』編集長)とともに著書『和歌山カレー事件 獄中からの手紙』(創出版)を出版している[37]。
- ^ 知人男性(当時35歳)にヒ素入りのうどんを食べさせて殺害しようとした容疑[38]。
- ^ 林夫婦が共謀し、健治の病状を偽って高度障害保険金約1億3,700万円を詐取したとされる容疑[38]。
- ^ 丸の内拘置支所は、和歌山市広瀬中ノ丁2丁目110に所在する[48]。眞須美が収容されていた当時は和歌山刑務所の下部組織だった[49]が、2007年(平成19年)3月30日付で交付された[50]平成19年法務省令第16号[49](同年4月1日から施行)により[50]、大阪刑務所の下部組織となった[49]。
- ^ # バイク事故偽装事件:1993年5月、健治が旅館で転倒して骨折したのをバイク事故が原因と偽装し、後遺障害保険金など2,052万円を詐取した[51]。
- ^ 健治は同判決について、月刊『創』編集部宛の手記(同誌2000年12月号〈11月7日発売〉に掲載)で、「長い刑期を願っていたこともあったが、懲役6年を言い渡されて『何と軽い量刑だ』と思った。毒物カレー事件は保険金詐欺とは質が違いすぎ、どうしても結びつかない。眞須美の無罪を心から信じている」と述べている[52]。
- ^ これらの回は、前者は再放送時に初放送され、後者はVHSソフト化の際に収録された。
- ^ 2017年に有功小学校の校長は『産経新聞』記者の取材に対し、その理由を「何年たってもわが子を失った痛みは消えない。重く受け止めたい」と述べている[94]。
- ^ 放火犯の男は同年4月3日に和歌山県警察に非現住建造物等放火容疑で逮捕されたほか[100]、放火する4日前(2月12日)には林宅に侵入して現金やセカンドバッグ・腕時計など(時価合計約21万3,500円相当)を盗んだとして、窃盗容疑でも追送検された[101]。男はそれらの罪で和歌山地方裁判所に起訴され[102]、2001年9月6日に「窃盗は計画的な犯行で、放火の手段も巧妙。また、住民に著しい危険・恐怖を与えた」として、懲役8年を求刑されたが[103]、同年10月30日に和歌山地裁(小川育央裁判長)から「放火は衝動的・快楽的な犯行だが、犯行時は心神耗弱状態だった」として、懲役4年の実刑判決を受けた[104]。
- ^ 事件から20年となる2018年(平成30年)には、事件の風化を防ごうと植樹する計画が持ち上がったが、被害者から「事件を思い出すのが辛い」という反対の声が上がり、中止された[13]。
出典
- ^ a b c d e 和歌山地裁 2003, p. 2.
- ^ a b 「和歌山毒物カレー事件から19年 犠牲の男児の通学先、今も給食にカレーのメニューなし」『産経新聞』産業経済新聞社、2017年7月24日、2面。オリジナルの2021年1月4日時点におけるアーカイブ。2021年1月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 最高裁第三小法廷 2009, p. 1.
- ^ a b 最高裁第三小法廷 2009.
- ^ 最高裁第三小法廷 2009, pp. 6–7.
- ^ a b 『中日新聞』2009年5月21日朝刊第一社会面35面「毒物カレー事件 林被告の死刑確定 判決訂正申し立て 最高裁が棄却」(中日新聞社)
- ^ a b c d e 『読売新聞』1998年7月27日東京朝刊第14版一面1頁「カレーに青酸 4人死亡 夏祭り会場で混入 和歌山 66人中毒、42人入院 無差別殺人で捜査」(読売新聞東京本社) - 『読売新聞』縮刷版 1998年(平成10年)7月号1425頁
- ^ 「林死刑囚の再審請求、地裁が棄却 和歌山カレー事件」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2017年3月29日。オリジナルの2021年2月23日時点におけるアーカイブ。2021年2月23日閲覧。
- ^ a b c d e f 林眞須美(和歌山毒物カレー事件の死刑囚)による国家賠償請求訴訟の控訴審判決 - 大阪高等裁判所第1民事部判決 2017年(平成29年)12月1日 『D1-Law.com』(第一法規法情報総合データベース)判例体系 判例ID:28263322、平成28年(ネ)第477号、『損害賠償請求控訴事件』「【事案概要】死刑確定者として大阪拘置所に収容されているX1並びにその再審請求のために選任された弁護人X2らが、大阪拘置所長が拘置所でX1とX2らが面会する際に面会時間を制限し、職員の立会いのない面会を許さなかったこと、パソコンの使用を認めなかったことが違法であるとして国に対して国賠法1条1項に基づき200万円の損害賠償等を求めた件の控訴審で、原審の判断を変更し約103万円の支払いを認める限度でXらの請求が認容された事例。 (D1-Law)」。
- ^ a b c d 大阪高裁 2020, p. 3.
- ^ a b c d e f g 『毎日新聞』1998年7月27日東京朝刊第14版一面1頁「和歌山・夏祭り カレーに青酸 4人死亡 何者かが混入の疑い 62人手当て、うち39人入院」(毎日新聞東京本社) - 『毎日新聞』縮刷版 1998年(平成10年)7月号1067頁
- ^ 『読売新聞』1998年7月28日東京夕刊第4版第一社会面11頁「青酸カレー 定番メニュー狙う? 段取り熟知か 30分前には混入」(読売新聞東京本社) - 『読売新聞』縮刷版 1998年(平成10年)7月号1399頁
- ^ a b 『中日新聞』2018年7月24日夕刊第三社会面24頁「毒物カレー20年 苦悩今も 地元「風化防ぐ」「忘れたい」」(中日新聞社 記者:豊田直也)
- ^ 「和歌山「毒物カレー事件」から22年 現場の空き地で静かに祈り」『NHKニュース』日本放送協会、2020年7月25日。オリジナルの2020年7月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c 『中日新聞』2002年12月12日朝刊一面1頁「林真須美被告に死刑 毒物カレー事件和歌山地裁判決 ヒ素混入と殺意認定 激高説否定 動機不明のまま 被告側が即日控訴」(中日新聞社)
- ^ a b c 『中日新聞』2005年6月28日夕刊1面「毒物カレー事件 真須美被告二審も死刑 大阪高裁控訴棄却『供述信用できず』被告側が上告」(中日新聞社)
- ^ a b 『中日新聞』2009年4月22日朝刊1面「林被告死刑確定へ 毒カレー事件 状況証拠で『犯人』 最高裁が上告棄却 動機解明されず」(中日新聞社)
- ^ a b 『産経新聞』2009年5月21日大阪朝刊総合一面「毒物カレー事件 林真須美被告 死刑確定」(産経新聞大阪本社)
- ^ a b c 年報・死刑廃止 2020, p. 271.
- ^ a b c d e 年報・死刑廃止 2020, p. 263.
- ^ a b 安西李姫「毒物カレー事件25年 いまだ地域に暗い影、被害者に残る後遺症」『毎日新聞』毎日新聞東京本社、2023年7月25日。オリジナルの2023年7月25日時点におけるアーカイブ。2023年7月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “なぜ林真須美が“犯人”にされたのか 検証「和歌山カレー事件」(1)「犯人は夏祭りの関係者の中にいる」という前提で、"消去法"による捜査が行われたのである。 田中ひかる(歴史社会学者)”. HuffPost Japan (2018年8月2日). 2018年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。
- ^ a b 『東京新聞』1998年10月5日朝刊一面1頁「保険金疑惑の夫婦逮捕 和歌山 妻には殺人未遂容疑 知人の食事にヒ素混入 夫も別の詐欺容疑で 容疑は否認 カレー事件関連捜査 和歌山事件」(中日新聞東京本社)
- ^ 真田嶺、白木琢歩「林死刑囚の再審請求、地裁が棄却 和歌山カレー事件 > 事件発生当時の和歌山市園部地区」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2017年3月29日。オリジナルの2021年2月23日時点におけるアーカイブ。2021年2月23日閲覧。
- ^ 和歌山地裁 2003, pp. 1–2.
- ^ 『朝日新聞』1998年7月27日東京夕刊第4版第一社会面19頁「新たに1人入院」(朝日新聞東京本社) - 『朝日新聞』縮刷版 1998年(平成10年)7月号1359頁
- ^ 『毎日新聞』1998年7月27日東京朝刊第14版第二社会面30頁「「食べやんといて」 対応遅れ「99%食中毒と…」」(毎日新聞東京本社) - 『毎日新聞』縮刷版 1998年(平成10年)7月号1096頁
- ^ 『中日新聞』1998年8月3日朝刊三面3頁「核心 青酸カレーヒ素混入 見直し迫られる犯人像 検出遅れ捜査に打撃」(中日新聞社)
- ^ a b 『中日新聞』1998年8月14日朝刊第一社会面27頁「毒物カレー 4人の体内からヒ素 警察庁鑑定で検出 死因の変更を検討」(中日新聞社)
- ^ a b 『東京新聞』1998年10月25日朝刊社会面25頁「毒物カレー事件の経過」(中日新聞東京本社)
- ^ “(7-1)和歌山毒物カレー事件の砒素分析はどのビームラインで、どの様に行われたかのでしょうか?”. 2016年6月4日閲覧。
- ^ 『東京新聞』1998年10月5日朝刊社会面23頁「死因は「ヒ素中毒」 カレー事件 県警が変更 和歌山カレー事件」(中日新聞東京本社)
- ^ 聖マリアンナ医科大学予防医学教室 教授・高田礼子 客員教授・山内博(文責)「和歌山毒物カレー事件における22年間の活動:小児と成人での急性ヒ素中毒の症状の違いに関与するヒ素代謝の解明」掲載日:2021年1月7日
- ^ 八木澤高明 (2017年4月19日). “殺人風土記 - 漁師町の女――和歌山毒物カレー事件”. ウェブマガジン「あき地」. 亜紀書房. 2020年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月23日閲覧。 - 『日本殺人巡礼』(2017年7月発汗)の著者によるウェブマガジン。
- ^ a b c d e 『中日新聞』1998年10月5日朝刊一面1頁「「保険金疑惑」の夫婦逮捕 詐欺容疑、妻は殺人未遂も 和歌山 ヒ素、知人の食事に 夫婦は全面否認」(中日新聞社)
- ^ a b 林健治の第一審判決 - 和歌山地方裁判所刑事部判決 2000年(平成12年)10月20日 『D1-Law.com』(第一法規法情報総合データベース)判例体系 判例ID:28065004、平成10年(わ)第533号、『詐欺被告事件』。
- 判決主文:被告人を懲役6年に処する。未決勾留日数中500日を右刑に算入する。訴訟費用は被告人の負担とする。
- 裁判官:小川育央(裁判長)・遠藤邦彦・安田大二郎
- 被告人:林健治 昭和20年5月6日生まれ 無職 本籍:和歌山市園部1014番地1 住居:和歌山市園部1014番地の1
- 検察官:小寺哲夫、古﨑孝司
- 弁護人:豊田泰史、木村哲也、太田健義
- ^ 林眞須美, 林健治 & 篠田博之 2014.
- ^ a b c d 『中日新聞』1998年12月31日朝刊特集一面5頁「あの事件あの感動 主なニュース98年(6/6) 和歌山の毒物カレー事件」(中日新聞社)
- ^ 『東京新聞』1998年12月10日朝刊一面1頁「毒カレー事件から138日 真須美容疑者らを再逮捕 殺人容疑、ヒ素混入動機特定せず」(中日新聞東京本社)
- ^ 『中日新聞』1998年12月9日夕刊一面1頁「真須美容疑者 毒物カレーで再逮捕 殺人と未遂 亜ヒ酸混入の疑い 和歌山県警 状況証拠重ね特定」(中日新聞社)
- ^ 『中日新聞』1998年12月9日朝刊一面1頁「真須美容疑者を起訴 毒物カレー 容疑否認のまま殺人罪 和歌山地検 動機は特定せず」(中日新聞社)
- ^ a b 大阪高裁 2020.
- ^ a b c 大阪高裁 2020, p. 2.
- ^ 最高裁第三小法廷 2009, p. 2.
- ^ 『毎日新聞』1998年12月8日大阪朝刊社会面27頁「[攻防]毒物カレー事件/1 決め手は消去法 「真須美容疑者しかいない」◆広田事件と共通の手法」(毎日新聞大阪本社)
- ^ 『中日新聞』1999年5月13日夕刊1面「毒物カレー事件全面否認 真須美被告初公判 他のヒ素関連事件も 健治被告とも 詐欺は認める 和歌山地裁」(中日新聞社)
- ^ 『中日新聞』1999年5月13日夕刊11面「毒物カレー事件初公判 真須美被告震える声 221日ぶり再会…夫を見ず」「傍聴の列5220人 初公判で史上2番目」10面「『何ぬかしとんのや』被害者怒りこみ上げ」(中日新聞社)
- ^ “施設所在地及び面会受付時間一覧”. 法務省 (2021年1月14日). 2021年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月27日閲覧。 “丸の内拘置支所 640-8128 和歌山市広瀬中ノ丁2-110”
- ^ a b c 『法務年鑑 平成19年』(PDF)法務省大臣官房司法法制部、2008年11月 。2020年12月20日閲覧。 - NDLJP:10268794
- ^ a b “刑務所、少年刑務所及び拘置所組織規則”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2021年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月27日閲覧。 “附 則 (平成一九年三月三〇日法務省令第一六号)”
- ^ a b c d e 『読売新聞』2000年10月20日大阪夕刊一面1頁「保険金詐欺3事件 林健治被告に懲役6年 「悪質な常習犯行」/和歌山地裁判決」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2000年11月7日東京朝刊第一社会面39頁「毒物カレー保険金詐欺 林健治被告、懲役6年に「何と軽い」 手記に判決の感想」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2000年11月2日大阪夕刊社会面13頁「和歌山保険金詐欺事件 林健治被告の実刑確定へ 検察、被告とも控訴せず」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2000年11月7日大阪朝刊第二社会面30頁「和歌山保険金詐欺事件 林健治被告の実刑確定 検察、判決文を証拠申請の方針」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2005年6月7日大阪夕刊第一社会面13頁「毒物カレー事件 「真須美被告の無実信じる」 林健治元受刑者が出所」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『中日新聞』2004年4月20日夕刊1面「毒物カレー控訴審 弁護側『別に真犯人も』6月から真須美被告質問」(中日新聞社)
- ^ 大阪高等裁判所第4刑事部判決 2005年(平成17年)6月28日 『D1-Law.com』(第一法規法情報総合データベース)判例体系 判例ID:28145007、『判例タイムズ』第1192号186頁、平成15年(う)第250号、『殺人、殺人未遂、詐欺』、“和歌山カレー事件/和歌山カレー毒物混入事件控訴審判決 (判例タイムズ)”。
- 判決主文:本件控訴を棄却する。
- 裁判官:白井万久(裁判長)・畑山靖・的場純男(的場はてん補のため署名できず)
- ^ [1] 中日新聞 2009年4月22日
- ^ 『中日新聞』2009年5月1日朝刊第三社会面29面「林被告が申し立て」(中日新聞社)
- ^ 「アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.17(3)「ヒ素カレー」事件の林真須美容疑者の判決は…」『アサ芸プラス』徳間書店、2017年1月5日。オリジナルの2021年6月12日時点におけるアーカイブ。2021年6月12日閲覧。
- ^ 『中日新聞』2009年7月22日夕刊第二社会面12面「林死刑囚が再審請求」(中日新聞社)
- ^ 『東京新聞』2009年7月22日夕刊第二社会面8面「林死刑囚が再審請求 和歌山カレー事件」(中日新聞東京本社)
- ^ a b 『中日新聞』2017年3月30日朝刊第一社会面39面「林死刑囚の再審認めず 毒物カレー事件」(中日新聞社)
- ^ “再審棄却決定に即時抗告 毒カレー事件の林死刑囚”. 産経新聞. (2017年4月3日)
- ^ 『中日新聞』2017年4月3日夕刊第二社会面10面「林死刑囚が即時抗告」(中日新聞社)
- ^ “和歌山毒物カレー即時抗告 林死刑囚再審 高裁も棄却”. 東京新聞 (中日新聞東京本社). (2020年3月25日). オリジナルの2020年4月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ “和歌山毒物カレー即時抗告 林死刑囚再審 高裁も棄却”. 朝日新聞. (2020年4月9日). オリジナルの2020年4月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「和歌山毒物カレー事件、林真須美死刑囚が再審請求の特別抗告取り下げ」『読売新聞オンライン』読売新聞社、2021年6月24日。オリジナルの2021年6月27日時点におけるアーカイブ。2021年6月27日閲覧。
- ^ 「カレー事件の林眞須美死刑囚 支援集会「負けず過ごす」」『スポーツニッポン』2014年7月19日。オリジナルの2014年7月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ “和歌山カレー事件 長男 @wakayamacurry”. 2020年2月11日閲覧。
- ^ a b 「和歌山毒物カレー事件の林真須美死刑囚が再審請求、受理される」『読売新聞オンライン』読売新聞社、2021年6月10日。オリジナルの2021年6月12日時点におけるアーカイブ。2021年6月12日閲覧。
- ^ a b c 『中日新聞』2021年6月10日朝刊第11版第三社会面25頁「毒物カレー事件 新たに再審請求」(中日新聞社)
- ^ 山口智「毒物カレー事件の林真須美死刑囚が新たに再審請求 地裁が受理」『毎日新聞』毎日新聞社、2021年6月10日。オリジナルの2021年6月12日時点におけるアーカイブ。2021年6月12日閲覧。
- ^ “毒物入りカレー事件で再審請求”. 和歌山放送ニュース (2021年6月16日). 2021年7月10日閲覧。
- ^ “林真須美死刑囚が新たに再審請求 和歌山毒物カレー事件”. 朝日新聞 (2021年6月16日). 2021年7月10日閲覧。
- ^ 「和歌山カレー事件 林真須美死刑囚の「2度目の再審請求」を棄却 不服で「即時抗告」」『MBSニュース』毎日放送、2023年7月21日。オリジナルの2023年7月25日時点におけるアーカイブ。2023年7月25日閲覧。
- ^ a b 「そんな暗い話はいらん」林眞須美死刑囚、“関空連絡橋から長女が飛び降り”一報への肉声1/22/2週刊ポスト
- ^ 林眞須美死刑囚、飛び降り心中した長女が関与“孫虐待死”で逮捕された長女の再婚相手の歪な結婚生活,週刊女性PRIME,2022年2月18日
- ^ 林眞須美死刑囚の孫虐待死で夫・健治氏が告白「容疑者を殴ってやりたい」,NEWSポストセブン,2022年2月18日
- ^ K.Uede and F.Furukawa: Skin manifestations in acute arsenic poisoning from the Wakayama curry-poisoning incident. Brit J Dermatol 2003:149:757-762.
- ^ 和歌山毒物カレー事件 死刑判決に異議あり (田原総一朗の「タハラ・インタラクティブ」)
- ^ 大谷昭宏事務所「フラッシュアップ」状況証拠だけで裁けるのか
- ^ a b <検証>和歌山カレー事件 動機も自白もなし「類似事実」で死刑にできるのか 法学者と弁護人が語る裁判の問題点 対談・白取祐司×小田幸児×高見秀一 まとめ・片岡健 週刊金曜日 2009年2月13日号
- ^ 『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』株式会社ビジネス社、2018年7月13日。
- ^ a b “ニュースコメンタリー:和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか”. ビデオニュース・ドットコム (2013年8月31日). 2023年7月20日閲覧。
- ^ “マル激トーク・オン・ディマンド (第732回):和歌山カレー事件に見る、科学鑑定への誤解が冤罪を生む構図”. ビデオニュース・ドットコム. 2023年7月20日閲覧。
- ^ 「週刊SPA 2019年10月21日発売号死刑囚・林眞須美の夫と息子21年目の告白
- ^ “#5【林健治と保険金詐欺(後編)】/保険金詐欺を繰り返す最中起きたカレー事件/眞須美に問い詰めると…/ホースで水をかけた真相/検事の思い掛けない”. YouTube digTV (2020年10月27日). 2021年6月3日閲覧。
- ^ digTV(ディグTV)【ノンフィクションライターが見た事件】/林眞須美が冤罪だと思ったきっかけ/不可解な保険金詐欺事件/貴重な証言者/事件当時のずさんな報道/【和歌山毒物カレー事件】2021年6月10日閲覧
- ^ 和歌山県警科捜研主任研究員が書類捏造 毒物カレー事件捜査に波及する可能性ないのかジェイ・キャスト
- ^ a b c “[クロ現 自ら命を絶った長女 和歌山毒物カレー事件の子どもたち]”. NHK(YouTube) (2021年9月3日). 2021年9月16日閲覧。
- ^ a b c “[クロ現 和歌山毒物カレー事件の子どもたち 闇に追われた23年]”. NHK. 2021年9月16日閲覧。
- ^ “沿革史”. 和歌山市立有功小学校 公式ウェブサイト. 和歌山市立 有功小学校 (2010年(最終更新)). 2020年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月9日閲覧。
- ^ 「和歌山毒物カレー事件から19年 犠牲の男児の通学先、今も給食にカレーのメニューなし」『産経新聞』産業経済新聞社、2017年7月24日、1面。オリジナルの2021年1月4日時点におけるアーカイブ。2021年1月4日閲覧。
- ^ a b 朝日新聞 2005年11月19日 朝刊 p.37
- ^ “林真須美、獄中訴訟乱発の謎”. 週刊朝日. (2012年8月3日)
- ^ 村木厚子「私は負けない 郵便不正事件はこうして作られた」中央公論社 2013年10月25日
- ^ “現代ビジネス - 和歌山カレー事件・20年目の真実〜林真須美は本当に毒を入れたのか 決め手の「ヒ素鑑定」が揺らいでいる 田中ひかる 歴史社会学者”. 2020年2月11日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2000年2月16日夕刊第一社会面15頁「和歌山カレー事件の林被告宅が全焼 1年以上無人、放火か」(朝日新聞東京本社)
- ^ a b 『朝日新聞』2000年4月4日大阪朝刊第一社会面35頁「37歳の男逮捕 和歌山市のカレー毒物混入事件の林被告宅全焼 【大阪】」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『朝日新聞』2000年4月26日大阪朝刊第一社会面35頁「林被告宅に放火4日前、窃盗も 逮捕の男、容疑で追送検 【大阪】」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『朝日新聞』2000年6月16日大阪朝刊和歌山県版第一面31頁「被告、起訴事実認める 林真須美被告宅放火事件初公判 /和歌山」(朝日新聞大阪本社・和歌山総局)
- ^ 『朝日新聞』2001年9月7日大阪朝刊和歌山県版第一面29頁「「住民に恐怖」 眞須美被告宅を放火の被告に懲役8年求刑 /和歌山」(朝日新聞大阪本社・和歌山総局)
- ^ 『朝日新聞』2001年10月31日大阪夕刊第一社会面15頁「被告に懲役4年 林真須美被告宅放火で和歌山地裁判決【大阪】」(朝日新聞大阪本社・和歌山総局)
- ^ 『東京新聞』2000年4月22日朝刊社会面35頁「自宅取り壊しも保険金 放火で全焼した林真須美被告宅」(中日新聞東京本社)
- ^ 『中日新聞』2004年6月18日夕刊社会面15頁「毒物カレー事件 真須美被告 自宅跡 今は空き地 自治会が所有 事件の舞台…足踏み入れぬ人も」(中日新聞東京本社)
- ^ 『東京新聞』2005年6月27日夕刊第二社会面8頁「カレー事件 あす控訴審判決 真須美被告宅 跡地は花壇に」(中日新聞東京本社)
参考文献
刑事裁判の判決文
- 第一審判決骨子 - 和歌山地方裁判所刑事部判決 2002年(平成14年)12月11日 『D1-Law.com』(第一法規法情報総合データベース)判例体系 判例ID:28085175、『判例タイムズ』臨時増刊第1122号464頁、平成10年(わ)第465号・平成10年(わ)第500号・平成10年(わ)第532号・平成10年(わ)第580号、『殺人、殺人未遂、詐欺被告事件』。
- 上告審判決 - 最高裁判所第三小法廷判決 2009年(平成21年)4月21日 『最高裁判所裁判集刑事編』(集刑)第296号391頁、平成17年(あ)第1805号、『殺人、同未遂、詐欺被告事件』「事実認定につき職権判示をした上死刑の量刑を維持した事例(和歌山カレー毒物混入事件)」。
死刑囚(林眞須美)の再審請求に対する決定文
- 大阪高等裁判所第4刑事部決定 2020年(令和2年)3月24日 、平成29年(く)第121号、『再審請求棄却決定に対する即時抗告申立事件』。
民事裁判の判決文
- 和歌山地方裁判所第二民事部判決 2003年(平成15年)12月25日 裁判所ウェブサイト、平成11年(ワ)第423号、同年(ワ)第571号、同年(ワ)第637号、平成15年(ワ)第145号、『損害賠償請求事件』。
書籍
- 年報・死刑廃止編集委員会 著、(編集委員:岩井信・可知亮・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・安田好弘・深田卓) / (協力:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90・死刑廃止のための大道寺幸子基金・深瀬暢子・国分葉子・岡本真菜) 編『コロナ禍のなかの死刑 年報・死刑廃止2020』(第1刷発行)インパクト出版会、2020年10月10日。ISBN 978-4755403064 。
関連項目
外部リンク
- 和歌山毒入りカレー事件 - ウェイバックマシン(2013年5月30日アーカイブ分) - 甲南大学刑事訴訟法教室
- 林眞須美さんを支援する会[リンク切れ]
- 最高裁判決全文とそれに対する弁護団コメント、および判決訂正申立書全文(ウェブマガジン「魚の目」 2009年5月18日、投稿者:安田好弘)
- 和歌山毒物カレー事件 - NHK放送史
- 和歌山カレー事件 長男 (@wakayamacurry) - X(旧Twitter) - 林の長男のTwitter
- 【前編】和歌山カレー毒物事件 林眞須美 死刑囚の息子/保険金詐欺で数億稼ぎ報道陣に追い込まれ家族崩壊/無罪主張も逮捕された母(2021年) - 街録ch-あなたの人生、教えてください-
- 【後編】林眞須美の長男/両親逮捕後の地獄の人生/不当解雇/婚約破棄/集団暴行/22年無罪主張の母と真犯人の可能性…(2021年) - 街録ch-あなたの人生、教えてください-
- digTV(ディグTV) - ドキュメンタリーチャンネル。和歌山毒物カレー事件の真相を掘り下げる特集を行っている。