「ルフトハンザドイツ航空」の版間の差分
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2023年7月28日 (金) 23:59時点における版
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法人番号 | 1700150005058 | |||
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設立 |
1926年 (Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaftとして設立) | |||
ハブ空港 | [注 1] | |||
マイレージサービス | Miles & More | |||
会員ラウンジ |
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航空連合 | スターアライアンス | |||
親会社 | Deutsche Lufthansa AG | |||
子会社 | (一部抜粋) | |||
保有機材数 | 304機 | |||
就航地 | 274都市[2] | |||
スローガン | Say yes to the world(世界にイエス). | |||
本拠地 | ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州 ケルン | |||
代表者 |
Carsten Spohr (執行役会会長・CEO) | |||
外部リンク | http://www.lufthansa.com | |||
備考 | ||||
ルフトハンザドイツ航空(ルフトハンザドイツこうくう、ドイツ語: Deutsche Lufthansa AG, 英語: Lufthansa)は、ドイツのケルンに本拠を置くドイツ最大の航空会社。ドイツのいわゆる「フラッグ・キャリア」とされている。現在はドイツ国外の航空会社も多数傘下に置いている。
概要
2015年4月時点で世界98カ国274都市に就航[2] 、売上高はアメリカン航空、デルタ航空に次ぐ世界第3位(約398億ドル)、旅客数はイージージェットに次ぐ欧州第2位、世界第9位(2014年現在)[注 2]の大規模航空会社(メガ・キャリア)であり、スターアライアンスの創立メンバーの一社でもある。日本への乗り入れ開始は1961年で、2020年現在の就航地は東京国際空港、関西国際空港、中部国際空港である。日本に乗り入れている欧州外国系航空会社においては、フィンエアーについで2番目に多い。
社名「Lufthansa」は「空のハンザ同盟」の意。ドイツ・エアロ・ロイド(旧ドイツ・ルフト・レーデライ)とユンカース空輸の合併で誕生した会社として、中世ドイツの「商人組合」にかけて「旅商人組合(同盟)」の意味を込め「ドイツ・ルフト・ハンザ株式会社」 (Deutsche Luft Hansa Aktiengesellschaft) とされた。
シンボル(ロゴ)のモチーフとなっている鳥はツルである。世界中のお伽話や神話の中で、ツルは幸福の象徴として、あるいは神秘的な鳥として描かれることが多いことに由来している。1918年にオットー・フィルレのデザインにより前身のドイツ・ルフト・レーデライのシンボルマークとして制定され[3][4]、以来このツルをシンボルに用いてきた。また、このことにちなんで、ルフトハンザは野生のツルを保護する活動も行っている[2]。
カラーリングとして使用される色にはそれぞれ以下の意味が込められている[要出典]。
- 黄:「差別化」「発見」
- 銀:「高い技術水準」
- 白:「信頼」
- 灰:「品質」
2018年2月7日に28年ぶりの新塗装を発表[5][6]。機体デザインは紺色と白色をベースとして、垂直尾翼にマイナーチェンジを施したツルを描いたデザインとなる。これは前述のとおり1918年にドイツ人デザイナーのオットー・フィルレが制作し、2018年でちょうど100周年を迎えるためである。新塗装の初号機はB747-8(機体番号:D-ABYA)とA321(機体番号:D-AISP)の2機で、このうち前者についてはフランクフルト - 東京/羽田線にも投入されている。2025年までの7年間で在籍機全てを新塗装に変更するほか、アメニティセットや食器などのアイテムも今後2年間で新デザインに切り替える。
なお、黄色のデザインはフランクフルト国際空港などの案内サインや客室乗務員のスカーフなどに引き続き継続して使用される。
本社はケルンにある。もっとも、ルフトハンザ・アビエーションセンター(LAC)と呼ばれる中核的な事業所は、ルフトハンザのメインハブであるフランクフルト空港に位置している[7]。ルフトハンザのパイロット、地上職員、及び客室乗務員の多くがここを拠点としている[8]。ルフトハンザ第二のハブはミュンヘン空港である。第三のハブはデュッセルドルフ空港であったが、最近では同空港を発着するほぼ全てのルフトハンザ便が、子会社のジャーマンウイングス(現・ユーロウイングス)に移管されたため、現在では同空港がルフトハンザのハブであるとは言い難い。
綿密な機体整備は高く評価されている。ニューズウィーク誌の「最も安全な航空会社ランキング」の第1位に選出されている。同社中古機の人気は高く、1980年代のピープルエキスプレスなど、ルフトハンザの中古機材を用いて就航している格安航空会社も多い。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。 [9]
西ドイツ側の航空会社となって以降は自社でパイロット養成を行っており、グループ会社が練習機を保有している。
ルフトハンザは、航空関連事業のグループ会社を多く有しており、その数は400を超える[2]。そのうち、主要なものについては後述する。
歴史
1926年1月、ドイツ政府26%、地方都市19%の出資によってJunkers LuftverkehrとDeutscher Aeroが合併し誕生した。これによって、DELAGを源流とするエアロユニオン系、海運会社ロイド(現・ハパックロイド)を中心とするロイド系、エンジンメーカのユンカース系と、それまでドイツにあった航空会社が1社に統合された[10]。合併後ヨーロッパ域内に路線網を拡大するほか、同盟国の日本や満州国への路線も計画するものの、1945年5月のドイツの第二次世界大戦の敗戦により、会社組織として一度解散した。
ドイツ連邦共和国(西ドイツ)成立後の1953年に、「Aktiengesellschaft für Luftverkehrsbedarf (LUFTAG)」という名称で西ドイツ国営企業として再建され、翌年8月に現在の「ルフトハンザドイツ航空」に再改称した。しかしドイツ民主共和国(東ドイツ)はこれと無関係に「ルフトハンザドイツ航空」という航空会社を設立したため、両社の間で係争となった。ベオグラードで行われた裁判で東のルフトハンザが敗訴したため、東ドイツの国営航空会社はインターフルークとなった。
その後はヨーロッパ域内のみならず、アジア、南北アメリカ、中東、アフリカなど世界各国に路線網を広げる。
1990年の東西ドイツ再統一時に、東ドイツ・インターフルークの路線網と一部従業員を引き継いだ。その後の1994年に、完全民営化を果たす。
1997年に、エア・カナダ、スカンジナビア航空、タイ国際航空、ユナイテッド航空とともに、世界初の航空連合であるスターアライアンスを結成した。2005年にスイスインターナショナルエアラインズの買収を表明し、2006年に完全子会社化する。2009年9月、オーストリア航空を買収したことを公表した[11][12]。
最近ではルフトハンザ本社とは別に、2009年に完全子会社化したジャーマンウィングスというLCCブランドで、A319型機・A320型機を主力機材として欧州域内に大規模な路線網を展開しており、この子会社だけでも就航地は80地点を超えている。さらに2015年からは同じドイツ語圏で、子会社であるオーストリア航空の本拠地であるウィーン国際空港を新たな拠点として整備する事が発表されている。また2016年12月には、ブリュッセル航空の親会社で、45%の株式を出資していたSNエアーホールディングの残りの株式を買収し完全子会社化した。
保有機材数
- エアバス製機材主体に、複数の機種を数多く保有している。また、エアバスではA318を除いて全ての機種を受注・運航している。
- ルフトハンザが発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は30で、航空機の形式名は747-230, 747-430, 747-430M などとなる。
- エアバスA380-800では、機体それぞれに都市の名前が付けられている[注 3]。
就航地(過去の就航地も含む)[注 4]:東京(D-AIMD)・北京(D-AIMC)・ヨハネスブルク(D-AIME)・ニューヨーク(D-AIMH)・サンフランシスコ - ボーイング747-8では、機体にドイツの連邦州の名前が付けられており、初号機は「ブランデンブルク」と名付けられた[13]。2020年現在、欧米の航空会社では唯一、B747-8旅客型を運航している。
- ルフトハンザのエアバスA340-600は、エコノミークラスのトイレが客席下の貨物キャビンに集約されているという珍しい構造をしている[14]。
- ルフトハンザのB747-400,A330,A340,A380,B747-8などの一部の長距離路線使用機には、集中治療室の機能を持った患者搬送コンパートメント(Patient Transport Compartment,略称:PTC)が搭載されており、専門の医療スタッフも用意されている。2015年6月には、全ての長距離路線機にPTCを搭載する方針を明らかにしている[15][16]。
リスト
機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
F | C | Y+ | Y | 計 | ||||
エアバスA319-100 | 32 | - | - | 24 | - | 102 | 126 | |
エアバスA320-200 | 53 | ‐ | - | 28 | - | 126 | 154 | |
エアバスA320neo | 33 | 43 | ‐ | 28 | ‐ | 138 | 164 | ローンチカスタマー |
エアバスA321-100 | 20 | - | - | 26 | - | 161 | 187 | ローンチカスタマー |
エアバスA321-200 | 37 | - | - | 26 | - | 161 | 187 | |
エアバスA321neo | 17 | 22 | ‐ | 28 | ‐ | 173 | 201 | |
エアバスA330-300 | 11 | - | - | 42 | 28 | 185 | 255 | |
エアバスA340-300 | 17 | - | - | 30 | 28 | 221 | 279 | 世界最多運用 A350-900と787-9に置換予定 |
エアバスA340-600 | 10 | - | 8 | 44 | 32 | 213 | 297 | 世界最多運用 5機一時限定復帰、更に残り5機も復帰見込み A350-1000に置換予定 |
エアバスA350-900 | 21 | 25 | ‐ | 48 | 21 | 224 | 293 | |
‐ | 30 | 24 | 241 | 295 | 元フィリピン航空機を内装を維持したまま転用 | |||
- | 30 | - | 309 | 339 | 元南アフリカ航空・LATAM ブラジル機を内装を維持したまま転用 | |||
エアバスA350-1000 | - | 10[18] | TBA | |||||
エアバスA380-800 | 3 | ‐ | 8 | 78 | 52 | 371 | 509 | 3機復帰、更に残り5機も復帰見込み |
ボーイング747-400 | 8 | - | - | 67 | 32 | 272 | 371 | 世界最多運用 777-9に置換予定 |
ボーイング747-8I | 19 | - | 8 | 80 | 32 | 244 | 364 | 世界最多運用 |
ボーイング777-9 | - | 20 | データなし | 2025年以降に導入予定 747-400、A380-800の代替更新機材 | ||||
ボーイング787-9 | 5 | 34 | - | 26 | 28 | 231 | 287 | |
26 | 21 | 247 | 294 | 元海南航空用機材を内装を維持したまま転用 | ||||
計 | 291 | 163 |
ギャラリー
子会社運航機種数
- ボーイング777F 11機 ※
- エアバスA321P2F 1機 ※*
- エアバスA319-100 12機*
- ボンバルディア CRJ900 28機*
- エンブラエル190 9機*
※ルフトハンザ・カーゴによる運用。
*ルフトハンザ・シティーラインによる運用。
退役機材数
- ユンカースJu-52
- フォッケウルフFw200
- ロッキード コンステレーション
- コンベア440
- ダグラス DC-8
- マクドネル・ダグラス DC-10
- ボーイング707
- ボーイング720
- ボーイング727
- ボーイング737-100/200(100型のローンチカスタマー)
- ボーイング737-300/400/500
- ボーイング747-200
- ボーイング747-400M
- エアバスA300
- エアバスA310(ローンチカスタマー)
- エアバスA330-200
特別塗装機数
- 「STAR ALLIANCE」[注 7]
- ボーイング747-400 (D-ABTH),(*) エアバスA340-300 (D-AIGC(**)、D-AIGN、D-AIGV), エアバスA319 (D-AILF), エアバスA320 (D-AIPD), エアバスA321 (D-AIRW), ボンバルディアCRJ700(D-ACPQ、D-ACPS、D-ACPT)
- 「50 YEARS Innovation Partnership Boeing and Lufthansa」
- ボーイング747-400 (D-ABVH),(*)
- 「Fanhansa」[注 8],(*)
- ボーイング747-400 (D-ABVK[注 9],D-ABVS), ボーイング747-8 (D-ABYO), エアバスA320 (D-AIDG), エアバスA340 (D-AIHQ), ボーイング737-300 (D-ABEK)
- 「Fanhansa Siegerflieger」[注 10](*)
- ボーイング747-8 (D-ABYI)
- 「Congraturations! BOEING 747 1500th」[注 11]
- ボーイング747-8 (D-ABYP)
- 「レトロ塗装 ('70年代~'80年代)」[注 12]
- ボーイング747-8 (D-ABYT[注 13])
- 「レトロ塗装 ('60年代)」[注 12]
- エアバスA321-200 (D-AIDV)
- 「FC Bayern München」,(**)
- エアバスA340-600 (D-AIHK)
- エアバスA321-100 (D-AIRY)
- 「Siegerflieger OLYMPIA MANNSCRAFT 」[注 15],(*)
- ボーイング747-8 (D-ABYK)
- 「5starhansa ★★★★★」」[注 16],(*)
- ボーイング747-8(D-ABYM)[注 17]、エアバスA320ceo(D-AIZX)
- 「Fanhansa Mannschaftsflieger」[19],(*)
- エアバスA321ceo(D-AISQ)
- エアバスA330-300(D-AIKQ)
(*)現在は、通常塗装による運航である。
(**)現在は、同社から退役している。
-
ボーイング 747-430 D-ABVK 「EXPO2000 HANNOVER」
-
ボーイング747-400M(スターアライアンス塗装)
-
エアバスA340-300(スターアライアンス通常塗装)
-
エアバス A340-200(スターアライアンス特別塗装)
-
ボーイング 747-430 D-ABVH 「50 YEARS Innovation Partnership Boeing and Lufthansa」
-
ボーイング 747-430 D-ABVS 「Fanhansa」
-
ボーイング 747-8 D-ABYI 「Fanhansa Siegerflieger」
-
ボーイング 747-8 D-ABYP 「Congraturations! BOEING 747 1500th」
-
ボーイング 747-8 D-ABYT 「レトロ塗装 ('70年代~'80年代)」
-
エアバス A321-231 D-AIDV 「レトロ塗装 ('60年代)」
-
エアバス A340-642 「FC Bayern München」
-
エアバス A320-131 D-AIRY「Die Maus」
-
ボーイング 747-8 D-ABYM 「5starhansa ★★★★★」
-
エアバス A321-231 D-AISQ 「Fanhansa Mannschaftsflieger」
-
エアバス A330-343 D-AIKQ 「Fanhansa Diversity Wins.」
練習機数
初等段階から数訓練を行うため、初等・中等練習機を保有している。
訓練は天候が安定しているアメリカ合衆国アリゾナ州フェニックスに開設したアリゾナ航空トレーニングセンターで実施している。
就航都市数
サービス
ルフトハンザのサービスの質には定評があり、航空会社の格付けを行っているスカイトラックス社では5つ星を獲得していたが、2022年9月時点では4つ星へ降格[30][31]。乗客の評価に基づき同社が発表する世界ランキングでは、常に上位[注 18]を維持しており[32]、2015年度は「ベスト・エアライン・イン・トランスアトランティック」賞を受賞している[33]。
また、旅客機の発着状況を調査するフライトスタッツ社が毎年発表している、定時到着率の世界ランキングでも、ルフトハンザの定時到着率は毎年80%を上回って上位[注 19]を維持している[34]。
座席
ルフトハンザは、ファーストクラスとビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの4クラスの座席を設置している。プレミアムエコノミークラスは、2014年10月より、中長距離国際線を中心に順次導入が進められており、2015年9月22日時点で、日本(羽田・成田・関西・名古屋)に就航している全ての路線・機材への導入が完了した。[35]。同じクラスであっても、座席のタイプは機材によってさまざまに異なる。
2020年の予定で導入されるボーイング777-9Xには、全席通路アクセス可能な最長220cmのフルフラットシートとなるビジネスクラスが装着される[36]。
機内食
ルフトハンザでは、長距離便でも短距離便でも何らかの機内食が提供される。搭乗するクラスや距離によって提供されるメニューや回数が異なる。たとえば長距離便のファーストクラスではコース料理が提供され、短距離便のエコノミークラスではハンバーガー等の軽食が提供される。
また、中長距離便では、子供向けメニューや、糖尿病患者向けメニュー、ベジタリアン・ムスリム・カシェル向けメニューなど、かなり幅広く17種類もの特別メニューが用意されている[37]。これらの特別メニューをオーダーするには、搭乗前に予め申し込んでおく必要がある。
エンターテインメント
長距離線では、各座席に設置された個人用モニターでオンデマンド形式によるビデオ・オーディオおよびビデオゲームプログラムを提供している。中距離線では、乗客が所持するスマートフォンやタブレットに予め所定のアプリをダウンロードすることで、オンデマンド形式のビデオ・オーディオ・オーディオブックなどを視聴できるサービスを展開している[38]。
機内インターネットサービス
2004年より、機内にて無線LAN形式とGSM形式でのインターネット接続サービス「FlyNet」を提供している[39]。こうした上空でのインターネット接続サービスを最初に開始したのはルフトハンザである。2006年をもって一時このサービスを休止していたが、2010年より再開した[40]。このサービスにより、搭乗中でも最新ニュースを入手したりメールを送受信したりすることが可能となった。1時間制・4時間制・フライト制(24時間のあいだに搭乗する全ての便で利用し放題)の3つから選択でき、クレジットカードでの料金の支払いまたはマイル交換で利用できる。
ラウンジ
ドイツ国内をはじめとする各国にファーストクラスラウンジ(フランクフルト空港・ミュンヘン国際空港のみ)、セネターラウンジ、ビジネスラウンジ、ウェルカムラウンジ(フランクフルト空港のみ)の4種類の空港ラウンジが存在し、予約クラスやMiles & More会員ステータスによって使用できるラウンジや同伴者の料金等が異なる[41]。
さらに、フランクフルト空港には、ファーストクラスラウンジとは別にファーストクラスターミナルが存在する[42]。ルフトハンザ便のファーストクラス利用者およびHON Circle会員だけが利用できる。ルフトハンザが駐機する第1ターミナルに隣接する場所に位置している。
2015年度には、スカイトラックス社の「ベスト・ファーストクラス・エアライン・ラウンジ」賞を受賞した[33]。
ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス
ルフトハンザはかつて、「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」(Lufthansa-Airport-Express)という列車の運行に携わっていたこともある[43][44]。これは都市から空港への連絡列車ではなく、航空便の代替を列車が行うという異例のものであった。
1982年から1993年にかけて、フランクフルト - デュッセルドルフ間のような短距離で採算性の低い国内線の代わりに当時のドイツ連邦鉄道(DB, 西ドイツの国鉄。現在は民営化されドイツ鉄道)に、チャーター列車「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」を運行したのである。
エアポート・エクスプレスは、列車の運転はDBの職員が行うものの、運賃は航空運賃が適用され、客席の乗務員や車内の軽食サービスなどはルフトハンザが行うという形態を取っていた。運行当初DB内での扱いは営業用の「LH」と共に全車一等車ということから「TEE」の列車番号が当てられていた。また、DBの時刻表には掲載されていない。
当初はDBの定期運用から外れて保留となっていたインターシティ向け電車403形を使用し、その後新設されたシュトゥットガルト線は客車列車となった。
現在これを継承するものとして、DBの定期列車であるICEの一部区画を間借りしてルフトハンザ便名を付与し、航空便旅客専用とする「Lufthansa Express Rail」サービスを、フランクフルト(FRA) - ケルン(QKL)・シュトゥットガルト(ZWS)・ドルトムント(DTZ)・カールスルーエ(KJR)・マンハイム(MHJ)・デュッセルドルフ(QDU)間で行なっている[45][46]。
マイレージプログラム
ルフトハンザは、Miles & Moreというマイレージプログラムを提供している[47]。獲得したマイル数に応じて、以下の4つのステータスに分類される。
会員ステータス | カードの色 | スターアライアンス・ステータス | 会員資格 |
---|---|---|---|
HON Circle 会員 | ブラック | ゴールド | 連続する2暦年内に600,000 HON Circleマイル以上 |
セネター | ゴールド | 1暦年内に100,000ステータスマイル以上 | |
フリークエント トラベラー | シルバー | シルバー | 1暦年内に35,000ステータスマイル以上 |
Miles & More 会員 | ブルー | - | 1アワードマイル[注 20] |
Miles & Moreのマイルには以下の3種類がある[48]。
- アワードマイル…ルフトハンザ(子会社含む)便および提携航空会社便で積算される。
- ステータスマイル…アワードマイルと同時に積算される。ルフトハンザ(子会社含む)便および提携航空会社便で積算される。1暦年の積算数に応じてフリークエント トラベラーまたはセネターのステータスが取得できる。
- HON Circleマイル…アワードマイルと同時に積算される。ルフトハンザ(子会社含む)便の上級クラス利用時に積算される。2暦年の積算数に応じてHON Circleのステータスが取得できる。
提携航空会社
2017年12月現在、以下の航空会社と提携してコードシェア便を就航させている[49]。ルフトハンザはスターアライアンスの設立メンバーでもあるため、スターアライアンス加盟の各社と多く提携している。
子会社・関連会社
- オーストリア航空(スターアライアンス加盟会社でもある)
- ユーロウイングス
- スイス インターナショナル エアラインズ(スターアライアンス加盟会社でもある)
- ブリュッセル航空(スターアライアンス加盟会社でもある)
スターアライアンス加盟会社
その他
ルフトハンザグループ
ルフトハンザは多くの子会社を所有している。ルフトハンザドイツ航空と、グループ会社の航空会社を合わせると、2015年4月現在、合計4大陸102ヵ国301都市へ運航している[2]。現在、欧州内のドイツ語圏4か国(ドイツ、オーストリア、スイスの一部、ベルギーの一部)のフラッグ・キャリアが全てルフトハンザの傘下となっている。主なものを以下に挙げる。
子会社
- オーストリア航空 - オーストリアのフラッグ・キャリア。2009年9月に買収。
- スイス インターナショナル エアラインズ - スイスのフラッグ・キャリア。2007年7月に買収。
- エーデルワイス航空 - 主にチューリッヒ空港と世界各都市を結ぶ航空会社。
- スイスグローバルエアラインズ - スイスの近距離国際線運航会社。
- ジャーマンウイングス - ケルンに本社を置くドイツの格安航空会社。2009年1月に買収。
- ユーロウイングス - デュッセルドルフに本社を置くドイツの格安航空会社。2015年秋より、ジャーマンウイングスと合併してヨーロッパ内の短距離・長距離路線を大幅に拡充する予定[50]。
- ルフトハンザ・カーゴ
- ルフトハンザ・リージョナル - ヨーロッパを中心とする路線を運航するブランド。現在以下の2社によって構成されている。
- エア・ドロミティ - イタリアのヴェローナに本社を置く航空会社。2003年7月に買収。
- ルフトハンザ・シティーライン - ドイツを中心とする地域航空会社。
- SNエアホールディング - ブリュッセル航空の親会社。株式の45%を保有していたが、2016年12月に残りの株式を取得し完全子会社化。
持株会社
- エアロ・ロジック- ドイツの貨物航空会社。DHLとの合弁企業。
- ルクスエア - ルクセンブルクの航空会社。株式の14.44%を保有している。
- サンエクスプレス - トルコのアンタルヤに本社を置く航空会社。株式の50%を保有。
その他の業種
ルフトハンザは、航空会社のみならず、航空関連をはじめとした幅広い事業の会社をグループ内に有している。
- LSGスカイシェフ - 1966年に設立された、世界最大の機内食ケータリング会社[2]。51ヶ国に事業所を持ち、日本航空や全日本空輸を含む世界300以上の航空会社の機内食を製造している[51][52]。近年では、DB(ドイツ鉄道)やユーロスター等の長距離鉄道で提供される食事を製造したり、セブンイレブンやスターバックス等に食品を販売したりもしている。従業員数:32,307名(2013年末現在)。
- ルフトハンザ・テクニック - 1994年に設立された、世界最大の航空エンジニアリングサービス会社。世界100ヶ所以上の都市に技術者を派遣し、世界中の航空会社を相手に航空機の整備サービスを提供している[2]。2011年には、日本航空の保有するボーイング787型機について、10年間の包括的な整備契約を交わした[53]。従業員数:約19,917名(2013年末現在)。
- ルフトハンザ・システムズ - 世界でも大きな航空系IT企業の1つ。
- ルフトハンザ・フライト・トレーニング - 飛行機の乗員を養成する会社。
航空事故等
本節に示されているのは、ルフトハンザドイツ航空において発生した航空事故や事件のうち、被害や事件規模が特に甚大であったものである。子会社の航空事故等については、各航空会社のページを参照されたい。
事故
- 1959年1月11日、ルフトハンザドイツ航空502便(ハンブルク発 - フランクフルト・パリ・リスボン・ダカール・リオデジャネイロ経由 - ブエノスアイレス行き、L-1049 スーパー・コンステレーション、D-ALAK)[54]が、リオデジャネイロのガレオン空港にアプローチ中に、滑走路手前で墜落した。乗客29人全員と乗員10人中7人が死亡した。原因は特定されなかったが、パイロットエラーの可能性が指摘された。ルフトハンザが1955年に発足してから最初の死亡事故となった。詳細は英語版記事参照。
- 1966年1月28日、ルフトハンザドイツ航空005便(フランクフルト発 - ブレーメン経由 - ハンブルク行き、コンベア440 メトロポリタン、D-ACAT)[55]が、ブレーメン空港に着陸する際、高度10メートルの地点で急遽着陸復行し、滑走路の先端から400メートルほど超えた場所で墜落した。乗客42人と乗員4人全員が死亡した(この中には、イタリア代表の水泳選手7名もいた)。事故調査委員会はパイロットエラーが原因であると結論づけた。詳細は英語版記事参照。
- 1974年11月20日、ルフトハンザドイツ航空540便(フランクフルト発 - ナイロビ経由 - ヨハネスブルク行き、ボーイング747-100、D-ABYB)[56]が、ナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港を離陸した直後に墜落した。乗客140人・乗員17人中59人が死亡した。ボーイング747型機としては初の全損死亡事故となった。
- 1993年9月14日、ルフトハンザドイツ航空2904便(フランクフルト発 - ワルシャワ行き、エアバスA320-200、D-AIPN)[57][58]が、ワルシャワのオケンチェ国際空港に着陸する際にオーバーランし大破した。副操縦士と乗客1名が死亡した。ウインドシアの煽りを受け、バランスを崩したことが原因とされる。
ハイジャック
- 1972年2月22日、ルフトハンザドイツ航空649便(東京発 - 香港・バンコク・デリー・アテネ経由 - フランクフルト行き、ボーイング747-200、D-ABYD)[59][60]が、デリーのパーラム国際空港出発後、5人の過激なシオニストのテロリストたちによってハイジャックされた。彼らはドイツ政府に身代金として500万ドルを要求した。翌日、イエメンのアデン国際空港に緊急着陸し、犯人グループの要求が受け入れられると、乗員・乗客全員が解放された。詳細は英語版記事参照。
- 1972年10月29日、ルフトハンザドイツ航空615便(ダマスカス発 - ベイルート・アンカラ・ミュンヘン経由 - フランクフルト行き、ボーイング727-100、D-ABIG)[61][62][63]が、ベイルート国際空港を離陸した直後、2人のアラブ人によってハイジャックされた。彼らはミュンヘンオリンピック事件で逮捕されたパレスチナの過激派組織「黒い九月」の3人のメンバーを解放を要求、西ドイツ政府はこれに応じた。11人の乗客と7人の乗員はリビアのトリポリ国際空港で解放された。詳細は英語版記事参照。
- 1973年12月17日、パンアメリカン航空110便がローマのフィウミチーノ空港でハイジャックされた事件で、パレスチナ人のハイジャック犯たちが数人の人質を連れて、偶然同空港に居合わせたルフトハンザ機(ボーイング737、D-ABEY)に押し入り、アテネ、ダマスカス、クウェートへの飛行を強制した[64][65]。犯人たちはクウェート国際空港で拘束された。詳細は英語版記事参照。
- 1977年10月13日~10月18日、ルフトハンザドイツ航空181便(パルマ・デ・マヨルカ発 - フランクフルト行き、ボーイング737-200、D-ABCE、「ランツフート (Landshut)」)[66]が、パレスチナ解放人民戦線のメンバー4人によってハイジャックされた。
- 1979年9月12日、ルフトハンザドイツ航空機(便名不詳 フランクフルト発 - ケルン行き)が、男性1人により乗っ取られる。犯人は機体をボン空港に着陸させて乗員・乗客128人を拘束、12時間後に解放後、当局に逮捕された。犯人に精神障害の疑い[67]。
- 1993年2月11日、ルフトハンザドイツ航空592便(フランクフルト発 - カイロ経由 - アディスアベバ行き、エアバスA310-300、D-AIDM)[68]が、フランクフルトを出発してから約35分後にエチオピア人の乗客によってハイジャックされた。犯人はニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港への飛行を強制。ニューヨークに到着後、FBIの特殊部隊による交渉に応じ、一人の死傷者も出すことなく事態が収束した。詳細は英語版記事参照。
脚注
注釈
- ^ ルフトハンザは、上記2空港に加えてデュッセルドルフ空港、チューリッヒ国際空港、ウイーン国際空港もハブ空港と見なしている[1]。しかし、これらはそれぞれ、ルフトハンザの子会社であるジャーマンウイングス、オーストリア航空、スイス インターナショナル エアラインズのハブ空港であるため、このリストからは除外した。
- ^ 規模別の航空会社一覧を参照
- ^ 4号機は日本就航50周年を記念して『東京』と命名され、2011年1月24日成田国際空港で命名式典が行われた。なお、これに伴い同じ都市の名前が付けられているボーイング747-400では、都市の名前が削除されている。
- ^ 括弧内は、該当する都市の名前が付けられている機体の登録記号である。
- ^ 20世紀最後に、そしてドイツで初めて大型国際博覧会が開催されたことを記念して施された。
- ^ 同社のボーイング747-400には、1機ごとにドイツの都市が愛称として付けられている。この機体が選ばれたのは、愛称が「Hannover」(ミレニアムEXPOの開催地)であることによる。
- ^ 胴体に大きなロゴがペイントされた。
- ^ 2014 FIFAワールドカップが開催されたことを機に施された。なお、この大会でドイツ代表は優勝を果たし、縁起のいい塗装となった。
- ^ 2000年には、ドイツで初めて大型国際博覧会が開催されたことを記念して「EXPO2000 HANNOVER」塗装が施された。
- ^ 2014 FIFAワールドカップでドイツ代表が優勝を果たしたことを記念して施された。Fanhansaロゴの後ろに「Siegerflieger」(ドイツ語で「勝者のフライト」を意)の金文字が施された。2014 FIFAワールドカップのドイツ代表選手、及び優勝トロフィーをドイツに凱旋させたチャーター機となった(LH2014便,リオデジャネイロ→ベルリン)。また「Siegerflieger」は、同大会でドイツ代表のゴール数18に因んで、今後18日間限定でこの塗装を飛ばす予定だったが、その後2018年7月頃までこの塗装を継続し、同年8月頃には元通りに戻されている。同機は2014年10月26日からの冬スケジュール初日に東京/羽田 - フランクフルト線の初便にも起用された。
- ^ 同社のB747-8i(D-ABYP)は量産1500機目のボーイング747となり、これを記念して施された。この塗装は、L5/R5ドアの前に施されている。
- ^ a b 2015年4月に同社は創立60周年を迎えることから、その記念に施された。
- ^ このレジはかつて同社のB747-200B(のちにSF)が使用しており今回、B747-8i(D-ABYT)に施されたレトロ塗装を纏っていた。まさに同じB747で機体記号と塗装が受け継がれることとなった。
- ^ 西部ドイツ放送(WDR)製作の番組『だいすき!マウス 』(日本では『だいすき!マウス』として放送されたことがある)のキャラクター「マウス」などのステッカーが貼られている。
- ^ 2016年に行われたリオデジャネイロオリンピックのドイツ代表選手を、閉会後に定期便(LH511便,リオデジャネイロ→フランクフルト)で凱旋帰国した際に使用した。2014年の時と同じく、Lufthansaロゴの後ろに「Siegerflieger」の金文字が施され、その後もフランクフルト - リオデジャネイロ線に限定使用された。2016年8月30日には東京/羽田 - フランクフルト線にも当機が投入され、リオデジャネイロ線以外で初の国際線に就航した。
- ^ [1] ヨーロッパの航空会社で初となるSKYTRAX5つ星の航空会社に認定されたことを受けて施された。スターアライアンスメンバーでは、ANA(全日本空輸株式会社)・エバー航空・シンガポール航空に続き4社目。
- ^ このレジはかつて同社のB747-200Bが使用していた。なお、このB747-200Bは現在はシュパイアー技術博物館で野外展示されている。
- ^ 2014年度は10位、2015年度は12位。いずれも欧州の航空会社内では1位である。
- ^ 2013年度は9位、2014年度は7位。
- ^ Miles & Moreに入会すると、まず紙製の仮カードが発行される。1アワードマイル以上獲得しアカウントに加算されると、プラスチック製の正式なMiles & Moreカードが発行される。
出典
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- ^ 2018 FIFAワールドカップがロシアで行われるのに伴い、2014年の時と同様に施工された。なお、このロゴ変更と同時に新塗装となったD-AISQは、現地時間の6月13日にドイツ代表チームを乗せてモスクワヴヌーコヴォへの輸送を担った。
- ^ 2022 FIFAワールドカップがカタールで行われるのに伴い、2014年・2018年の時と同様に施工された。
- ^ [2]
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関連項目
- ルフトハンザドイツ航空 (ドイツ民主共和国) - 東ドイツにかつて存在した同名の航空会社。
- インターフルーク
- ハンザ同盟
- コンドル航空 - ルフトハンザの子会社だったが、2006年にトーマス・クック・グループの子会社となった。
- DELAG - 世界初の定期航空路会社で、前身の1つである。
- マルガ・フォン・エッツドルフ
- フロリアン・バーガー - ルフトハンザでA320のパイロットとして勤務している曲技飛行士。
外部リンク
- Lufthansa
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