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「排尿恐怖」の版間の差分

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, Shy Bladder Syndrome: Your Step-By-Step Guide to Overcoming Paruresis</ref>。
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'''①外出先のトイレ'''</br>
'''①外出先のトイレ'''<br />
男性、女性共に外出先の個室トイレで排尿できないことは、日常的に大きな支障を及ぼす。また、男性の場合、小便器で排尿できないことは、時に大きな支障を及ぼしたことがある者も多い<ref name=st/>。
男性、女性共に外出先の個室トイレで排尿できないことは、日常的に大きな支障を及ぼす。また、男性の場合、小便器で排尿できないことは、時に大きな支障を及ぼしたことがある者も多い<ref name=st/>。
主な例として、試験会場、娯楽施設、イベント会場など人が密集する施設のトイレにおいて個室が混雑している時、職場等での検尿時の採尿用トイレに個室が存在しない時、知人の目が気になり職場では頻繁に個室を使いにくいことが挙げられる<ref name=st/>。
主な例として、試験会場、娯楽施設、イベント会場など人が密集する施設のトイレにおいて個室が混雑している時、職場等での検尿時の採尿用トイレに個室が存在しない時、知人の目が気になり職場では頻繁に個室を使いにくいことが挙げられる<ref name=st/>。


'''②外出先、仕事の制限'''</br>
'''②外出先、仕事の制限'''<br />
排尿恐怖症が原因で旅行や職場の選択を制限する。調査では、4割弱の者が友人や恋人との旅行を避けたことがあり、半数以上の者が仕事の選択に影響を与えたと答えた<ref name=e>Kenley LJ Kuoch, David W Austin, Simon R Knowles(2019), Latest thinking on paruresis and parcopresis: A new distinct diagnostic entity? AJGP</ref>。
排尿恐怖症が原因で旅行や職場の選択を制限する。調査では、4割弱の者が友人や恋人との旅行を避けたことがあり、半数以上の者が仕事の選択に影響を与えたと答えた<ref name=e>Kenley LJ Kuoch, David W Austin, Simon R Knowles(2019), Latest thinking on paruresis and parcopresis: A new distinct diagnostic entity? AJGP</ref>。


'''③健康への影響'''</br>
'''③健康への影響'''<br />
水分補給や排尿の我慢から、自覚のないうちに熱中症や前立腺炎につながることも多い
水分補給や排尿の我慢から、自覚のないうちに熱中症や前立腺炎につながることも多い
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前立腺炎になると、排尿や射精の際に大きな痛みを感じたり、精液に血が混じる血精液症<ref>https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/prostatitis/</ref>になることがある。
前立腺炎になると、排尿や射精の際に大きな痛みを感じたり、精液に血が混じる血精液症<ref>https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/prostatitis/</ref>になることがある。


'''④症状の進行'''</br>
'''④症状の進行'''<br />
多くの場合、時間の経過と共に症状は進行し、排尿できない場面が増える<ref name=worse/>。
多くの場合、時間の経過と共に症状は進行し、排尿できない場面が増える<ref name=worse/>。
男性の場合、初期は排尿時に視界に入る人の存在が緊張の要因となるが、徐々に視界に入らない人の存在もその要因となる
男性の場合、初期は排尿時に視界に入る人の存在が緊張の要因となるが、徐々に視界に入らない人の存在もその要因となる

2022年12月11日 (日) 01:12時点における版

排尿恐怖(はいにょうきょうふ[1][2][3]、英語:Paruresis)[1][2]は、排尿時に他人への恐怖心から排尿できなくなる恐怖症[3][4]トイレ恐怖症[5]。 男性に多く、男性の初期症状として個室化されていない小便器で周囲に人がいるときに用を足せない症状が多い[6][4]。 女性や症状が進行した男性の症状として、 人の気配により個室トイレでも排尿できない [7] [8][4]。多くの場合、時間の経過と共に症状は進行し、排尿できない場面は増える[9]。発症からの期間が短く年齢が若いほど克服できる可能性が高い[10]

排尿恐怖であるかの判断は、様々な尺度[11]によりなされ、単純ではない。

社会生活への影響

主に以下の4つの影響が指摘されており、社会生活への影響が大きい恐怖症である [12]

①外出先のトイレ
男性、女性共に外出先の個室トイレで排尿できないことは、日常的に大きな支障を及ぼす。また、男性の場合、小便器で排尿できないことは、時に大きな支障を及ぼしたことがある者も多い[12]。 主な例として、試験会場、娯楽施設、イベント会場など人が密集する施設のトイレにおいて個室が混雑している時、職場等での検尿時の採尿用トイレに個室が存在しない時、知人の目が気になり職場では頻繁に個室を使いにくいことが挙げられる[12]。 。

②外出先、仕事の制限
排尿恐怖症が原因で旅行や職場の選択を制限する。調査では、4割弱の者が友人や恋人との旅行を避けたことがあり、半数以上の者が仕事の選択に影響を与えたと答えた[13]

③健康への影響
水分補給や排尿の我慢から、自覚のないうちに熱中症や前立腺炎につながることも多い [12] [14]。 前立腺炎になると、排尿や射精の際に大きな痛みを感じたり、精液に血が混じる血精液症[15]になることがある。

④症状の進行
多くの場合、時間の経過と共に症状は進行し、排尿できない場面が増える[9]。 男性の場合、初期は排尿時に視界に入る人の存在が緊張の要因となるが、徐々に視界に入らない人の存在もその要因となる [12]。そのため 症状が進行すると、個室トイレでも人の気配により排尿困難(中等症)となり、稀に自宅でも排尿困難(重症)となる者もいる[6][8]。そのため、早期の克服が推奨される。

克服方法

克服方法は原因・症状によって様々であるが、発症からの期間が短く年齢が若いほど克服できる可能性が高い[10]。心因症状である[16]ため、特効薬等は存在しない。

二次性排尿恐怖

個室化されていない小便器においては、周囲の人から排尿の様子が見えたり、排尿音が聞こえないことなどから排尿できていないことを知られてしまい、からかいや「男性らしくない」等の性格の判断をされてしまうことがある。そのため、排尿恐怖を知られることへの恐怖を持つ者も多い。これは二次性排尿恐怖と呼ばれる [8][17][18]

海外では、排尿恐怖を嘲笑する表現をした広告に対して抗議が寄せられたことがある[19]他、排尿恐怖をpee shy(排尿羞恥)とも呼ぶ [20]。調査では、半数以上の者が友人に排尿恐怖を隠している[13]

近年日本でも設置が増えている排尿を検知しないと洗浄されない小便器や、海外によく設置されている壁式小便器においては、便器の特性上二次性排尿恐怖は増す[12]

出典

  1. ^ a b 『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』 ページ番号202
  2. ^ a b 渡部芳徳『不安症 パニック障害・社交不安障害を自分で治す本』ページ番号88
  3. ^ a b 貝谷久宣『非定型うつ病パニック障害・社交不安障害』ページ番号86、87
  4. ^ a b c Kuoch KLJ, Meyer D, Austin DW, Knowles SR A systematic review of paruresis: Clinical implications and future directions. J Psychosom Res. 2017 Jul;98:122-129. doi:10.1016/j.jpsychores.2017.05.015. Epub 2017 May 20.
  5. ^ 日本泌尿器科学会|泌尿器科用語集
  6. ^ a b http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse3196.pdf#page=4
  7. ^ Dr. James Occhiogrosso, Shy Bladder (Paruresis): Symptoms, Tricks, and Treatment, BensNaturalHealth
  8. ^ a b c https://www.tena.co.uk/articles/shining-the-spotlight-on-stage-fright-and-shy-bladder-syndrome
  9. ^ a b Arlin Cuncic(2020), What Is Paruresis? https://www.verywellmind.com/what-is-paruresis-3024879
  10. ^ a b IPA Frequently Asked Questions[1] "How long does it take to recover?"
  11. ^ Russell Gibbs(2004), A Summary of Results from the Australian-based, Global Internet Paruresis Survey, conducted
  12. ^ a b c d e f Steven Soifer and 2 more , Shy Bladder Syndrome: Your Step-By-Step Guide to Overcoming Paruresis
  13. ^ a b Kenley LJ Kuoch, David W Austin, Simon R Knowles(2019), Latest thinking on paruresis and parcopresis: A new distinct diagnostic entity? AJGP
  14. ^ https://paruresis.org/faq/ "Q: Does paruresis put me at risk for other problems?"
  15. ^ https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/prostatitis/
  16. ^ 精神障害の診断と統計マニュアル』第5版(DSM-5)
  17. ^ https://pacificcognitivebehavioraltherapy.com/specialization/anxiety-disorder/social-anxiety/paruresis/
  18. ^ https://pacificcognitivebehavioraltherapy.com/specialization/anxiety-disorder/social-anxiety/paruresis/
  19. ^ "Shy bladder group protests DirecTV ad starring Rob Lowe". usatoday.com. Retrieved 19 January 2016.
  20. ^ https://hotspotsmagazine.com/2017/09/26/is-pee-shy-a-legitimate-condition/?amp=1