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「せんだい都心再構築プロジェクト」の版間の差分

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2022年9月29日 (木) 00:11時点における版

せんだい都心再構築プロジェクト(せんだいとしんさいこうちくプロジェクト)とは、宮城県仙台市仙台市都心部にて主導する都市再開発誘導事業である。

概要

仙台市は2019年7月、仙台市都心部の再開発推進のため、約100億円規模の投資を実施することを発表[1]。期間は2030年度までとしたうえで、第1弾施策として老朽化した建物の建て替えと企業立地を主眼においた実施内容を公表した[1]。翌2020年10月には、第2弾施策を公表[2]杜の都のイメージを損なわない環境配慮型のビル整備を促し、主に首都圏からの移転需要取り込みを狙う[2]

仙台市では特に震災以降、オフィスビルの空室率は低水準が続いているものの、老朽ビルの更新が進んでいないことによるオフィス賃料の下落も進み、需要に応えられていないという課題があった[3]。2015年より天神ビッグバンを打ち出し再開発を進める福岡市を先行目標例として追随し[4][5]支店経済都市からの脱却、都市間競争からの勝ち残りを目指す[2][6]

プロジェクト内容

第1弾施策

2019年7月16日に公表された第1弾施策では、都市再生緊急整備地域[注 1]を対象に約5ヵ年を目途として、1981年の建築基準法改正前の旧耐震基準で建築されたビルの更新をメインに据えており[3]、建て替えに伴う助成金制度の創設、高機能オフィス整備に伴う容積率の緩和、企業立地に伴う助成制度の拡充、複合商業施設等などの設置による補助金上限の引き上げ、附置駐車場台数の緩和が示された[1][7]

第2弾施策

2020年10月13日に公表された第2弾施策では、グリーンビルディングの整備促進やテナント退去に伴う支援助成制度を新たに策定[2]。本社機能の移転に伴う助成要件の緩和や、都市再生緊急整備地域に建築される高さ100m以上もしくは延床面積50,000m2以上の建築物を対象に、仙台市が新たに定めた環境配慮事項を満たすことで環境アセスメントの手続きを不要とすることを盛り込んだ他、第1弾施策で示していた企業立地促進助成制度や容積率の緩和についても拡充する[2]

付帯事業

当プロジェクトでは、付帯事業として定禅寺通り青葉通りにて、車道を縮小し歩行者空間を広げる社会実験を実施[8][9]仙台市本庁舎の建て替えや勾当台公園再整備計画が進められている「勾当台・定禅寺通エリア」や、当プロジェクトの中心地となる「青葉通駅前エリア」の将来像を検討してゆく[10][11]

沿革

  • 2019年
    • 7月16日 - 「せんだい都心再構築プロジェクト」発表[1][7]
  • 2020年
  • 2021年
    • 4月1日 - 第2弾施策に伴い、仙台市環境影響評価条例を一部改正[14]
  • 2022年
    • 6月7日 - (仮称)仙台中央三丁目プロジェクト、(仮称)仙台駅前南町通プロジェクト(T-PLUS仙台)、(仮称)仙台国分町プロジェクトの3棟を認定[3][15]

認定された建築物

ビル名称 事業者 認定年月 高さ
(m)
階数
地上/地下
延床面積
(m2)
敷地面積
(m2)
所在地 竣工年月日
アーバンネット仙台中央ビル NTT都市開発 2020年4月 88.7 19階/1階 42,113 3,073 中央4丁目4-10 2023年11月 予定
(仮称)仙台中央三丁目プロジェクト 鹿島建設 2022年6月 1,350 中央3丁目4-12 2025年2月 予定
T-PLUS仙台 東京建物 2022年6月 55.0 12階/1階 13,834 1,510 中央3丁目8-1 2024年1月 予定
(仮称)仙台国分町プロジェクト ウッドライズキャピタル 2022年6月 48.0 10階/1階 10,200 1,250 国分町1丁目7-4 2023年11月 予定

アーバンネット仙台中央ビル

NTT東日本NTT都市開発)が事業者となり、青葉区中央4丁目の自社ビルを建て替える。当初、16階建て・延床面積24,000m2を予定していたが[16]、高機能オフィス整備等が認められたことで、19階建て・延床面積42,000m2へと計画を変更[6][17]。2023年11月竣工予定[18]

東北大学青葉山キャンパスで建設が進めらている放射光施設・ナノテラスとの連携を見込み、NTTグループの強みである情報通信技術を活用したデータ解析等の支援を行う[6]

(仮称)仙台中央三丁目プロジェクト

鹿島建設が事業者となり、青葉区中央3丁目にてビルの再開発を行う。2025年2月の完成を目指し、協議中[19]

T-PLUS仙台

東京建物が事業者となり、青葉区中央3丁目にてビルの再開発を行う。東京建物としては仙台市内で4棟目のオフィスビルとなる[20]。高機能オフィスとして認定を受けたことで容積率を緩和し、階層を3フロア分上乗せ[20]。12階建て・延床面積13,800m2、2024年1月竣工予定[15]

(仮称)仙台国分町プロジェクト

七十七銀行長谷工コーポレーション等による不動産私募ファンド、ウッドライズキャピタルが事業者となり、青葉区国分町1丁目にてビルの再開発を行う[3]。半木造構造による建築コストの増加分を容積率の緩和による採算性向上を見込み、プロジェクトに申請[3]。高機能オフィスとしての認定を受け、容積率の緩和が認められた。10階建て・延床面積10,200m2[21]。2023年11月竣工予定。

脚注

注釈

  1. ^ 仙台駅西口・一番町エリアの約79ha
  2. ^ 既存指定エリアのほか、仙台駅東口や本町・国分町などを含む約186haが指定
  3. ^ 仙台駅西口・一番町エリアの約73ha

出典

  1. ^ a b c d 仙台市、都心部の再開発に100億円 日本経済新聞(2019年7月16日)
  2. ^ a b c d e f 仙台市、環境配慮のビル整備促す 地方分散呼び込む 日本経済新聞(2020年10月13日)
  3. ^ a b c d e 仙台都心部、優遇策でビル建設促進 中小巻き込みに課題 日本経済新聞(2022年8月23日)
  4. ^ 仙台中心部、再開発始動へ オフィス建て替え市が促す 日本経済新聞(2019年8月2日)
  5. ^ 福岡市にライバル宣言 仙台市長、都心再構築事業に意欲 河北新報(2021年2月20日)
  6. ^ a b c 脱支店経済へ、仙台市とNTTの挑戦 未来コトハジメ・日経BP(2022年8月2日)
  7. ^ a b 「せんだい都心再構築プロジェクト」を始動します 仙台市(2019年7月16日)
  8. ^ 仙台・青葉通の歩道に芝生 にぎわいづくりへ社会実験 日本経済新聞(2019年11月15日)
  9. ^ 仙台市、車道減らし歩行空間のにぎわい創出 日本経済新聞(2022年9月16日)
  10. ^ 勾当台・定禅寺通エリアビジョンを策定しました 仙台市(2021年6月1日)
  11. ^ 青葉通駅前エリアの公共空間のあり方検討 仙台市
  12. ^ せんだい都心再構築プロジェクト 老朽建築物の建替え第1号が決定しました (PDF) 仙台市(2020年4月7日)
  13. ^ 都市再生緊急整備地域 仙台市
  14. ^ 都心部における大規模建築物に関する環境影響評価制度を改正しました 仙台市(2020年12月1日)
  15. ^ a b せんだい都心再構築プロジェクトによる3棟の高機能オフィスビルが誕生します 仙台市(2022年6月7日)
  16. ^ NTT東、仙台中央ビル建て替え 次世代放射光施設を支援 日本経済新聞(2019年6月12日)
  17. ^ 仙台市、老朽化ビル建て替え急ぐ 企業誘致へ助成拡充 日本経済新聞(2020年11月6日)
  18. ^ 仙台市青葉区中央における新築工事着工および計画建物名称「アーバンネット仙台中央ビル」決定について (PDF) NTT都市開発(2022年3月18日)
  19. ^ (仮称)仙台中央三丁目プロジェクト 仙台市
  20. ^ a b 東京建物、仙台市の再開発認定ビル着工 日本経済新聞(2022年9月1日)
  21. ^ (仮称)仙台国分町プロジェクト 仙台市

外部リンク