「北里柴三郎 感染症と闘いつづけた男」の版間の差分
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*[https://mainichi.jp/articles/20211106/ddm/015/070/014000c 新聞書評『北里柴三郎─感染症と闘いつづけた男』「冷遇との闘い、史料で丹念に追う」]評者=[[村上陽一郎]]([[科学哲学者]]/[[東京大学]][[名誉教授]])『[[毎日新聞]]』2021年11月6日<ref>[https://aueyama.wixsite.com/home/review?lightbox=dataItem-kvunogbi 今週の本棚|毎日新聞2021年11月6日]参照。</ref> |
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*新聞書評『北里柴三郎─感染症と闘いつづけた男』「痛快、感染症研究者の評伝」評者=[[水谷哲也]]([[東京農工大学]][[教授]]/感染症未来疫学研究センター長)『[[京都新聞]]』2021年12月18日<ref>[https://aueyama.wixsite.com/home/review?lightbox=dataItem-kxiva14f 読書|京都新聞2021年12月18日]参照。</ref> |
*新聞書評『北里柴三郎─感染症と闘いつづけた男』「痛快、感染症研究者の評伝」評者=[[水谷哲也]]([[東京農工大学]][[教授]]/感染症未来疫学研究センター長)『[[京都新聞]]』2021年12月18日<ref>[https://aueyama.wixsite.com/home/review?lightbox=dataItem-kxiva14f 読書|京都新聞2021年12月18日]参照。</ref> |
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*新聞書評「〝感染症の巨星〟北里柴三郎の足跡と人間像」(『[[日刊ゲンダイ]]』2021年11月17日所載)<ref>[https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/297470 ノンフィクションが面白い|日刊ゲンダイDIGITAL 2021年11月17日]参照。</ref> |
*新聞書評「〝感染症の巨星〟北里柴三郎の足跡と人間像」(『[[日刊ゲンダイ]]』2021年11月17日所載)<ref>[https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/297470 ノンフィクションが面白い|日刊ゲンダイDIGITAL 2021年11月17日]参照。</ref> |
2022年4月29日 (金) 00:02時点における版
北里柴三郎 感染症と闘いつづけた男 | ||
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著者 | 上山明博 | |
発行日 | 2021年9月30日 | |
発行元 | 青土社 | |
ジャンル | ノンフィクション、記録文学 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六上製 | |
ページ数 | 374 | |
公式サイト | 公式ホームページ | |
コード | ISBN 978-4-7917-7412-8 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『北里柴三郎 感染症と闘いつづけた男』(きたさとしばさぶろう かんせんしょうとたたかいつづけたおとこ)は[1]、ノンフィクション作家の上山明博が2019年末に中国・武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症の報道を受けて起草し、およそ2年をかけて原稿650枚(26万字)を書き下ろした北里柴三郎に関する評伝ノンフィクションの大著。膨大な資料と丹念な調査によって北里柴三郎の生涯とその業績の全容を初めて刻銘に明らかにした。[2]
概要
2019年末、中国中央部の河北省武漢市で風邪の症状を訴える患者が続出し、多くの患者が謎の死を遂げた。翌2020年1月、世界保健機関(WHO)は、中国・武漢で発生した謎の感染症の原因は「新型コロナウイルス(novel coronavirus)」であると発表し、「COVID-19(コビッド・ナインティーン=新型コロナウイルス感染症)」と名づけたのである。新型コロナウイルス感染症が世界的大流行(パンデミック)に至る前のこのとき、その報に接した著者がまっ先に思い浮かべたのは北里柴三郎であった。 なぜなら、感染症はこれまでも様々な形に姿を変えながら繰り返し人類に災禍をもたらしてきた。わけても19世紀末に起きたペストの世界的流行は、今日の状況と酷似していたからである。
1894年3月、中国南東部で原因不明の感染者が続出し、対岸の香港に飛び火した。多くの香港市民が黒死病(14世紀のペストの俗称)に似た症状をあらわし、次々と謎の死を遂げた。このとき、日本政府の命を受けて感染地の香港に入ったのが北里柴三郎である。 北里は、今日のような防護服はおろか感染症から身を守る方法さえ分からなかった時代に命を賭して感染地に入り、ペスト菌を発見することに成功。人類が永年死病として恐れてきたペストの正体を世界で初めて突き止め、その後の感染対策に主導的な役割を担ったのである。[3]
何億人もの無辜の命を蹂躙した目に見えない病原体に対して、人類はいかに対峙し、乗り越えてきたのか? 新型コロナの感染拡大をきっかけにして、著者は人類と感染症との終わりのない闘いの実相を浮き彫りにするために、当時の新聞や雑誌、論文などの膨大な資料の山に分け入り、未知の感染症と闘いつづけた北里柴三郎の生涯を追った。 現今の新型コロナウイルス感染症に正しく対峙するための知恵と教訓を得るために、北里柴三郎の貴重な遺品を所蔵する北里柴三郎記念館を訪ね、幸いにもそこで執筆のための多くの手がかりと確証をつかむ。また著者は、北里研究の第一人者である檀原宏文北里大学名誉教授の知遇を得、「私の知る所、北里柴三郎に関する〝評伝ノンフィクション〟として唯一最高のもの」と、称賛の言葉を得る。そうして上梓したのが、『北里柴三郎─感染症と闘いつづけた男』青土社刊である。[4]
本書は、ペストをはじめ、コレラ、破傷風、ジフテリア、結核、赤痢、ハンセン病など、これまで日本で流行した様々な感染症に生涯挑みつづけた北里柴三郎の足跡と実相を明らかにするとともに、今日の時代にも通じるその思想までも抽出せんとした評伝ノンフィクションの決定版である。[5]
目次
- プロローグ
- 感染症学の巨星・北里柴三郎を追って
- 第一章 ペスト菌発見
- 香港で疫病流行
- ペスト菌発見の第一報
- 真の発見者は北里かエルサンか
- ペストとネズミと猫
- 第二章 医道論と衛生学
- 「医者にだけはならない」と言い放った少年
- 微生物学の都・ベルリンにて
- 幻の「脚気菌」発見論争
- 鷗外森林太郎との激論
- 第三章 コッホの下で
- 亀の子シャーレを持った男
- ノーベル賞に値する感染症治療の先駆
- 結核に罹った漱石と鷗外
- ドイツ留学再延期願い
- 第四章 伝染病研究所
- 母国日本で四面楚歌
- 福澤諭吉との対面
- 愛宕町移転反対運動
- 日本初の免疫血清療法
- 第五章 文部省移管事件
- 青山胤通の暗闘
- 大隈重信に毒殺される
- 有り金をはたいて興した北里研究所
- その後の緒方正規と森鷗外
- 第六章 衣鉢を継ぐ人
- 北里の右腕になった北島多一
- 赤痢菌を発見した志賀潔
- サルバルサンを創製した秦佐八郎
- 黄熱病の研究に捧げた野口英世
- 第七章 隠れた功績
- ハンセン病との闘い
- 福澤諭吉の御恩に報いるために
- 日本医師会初代会長に
- 永訣の日
- エピローグ
- コッホ・北里神社に眠る
- あとがき
- 北里柴三郎と感染症年表
- 主な参考文献
- 索引[6]
書誌事項
参考文献
- 新聞書評『北里柴三郎─感染症と闘いつづけた男』「冷遇との闘い、史料で丹念に追う」評者=村上陽一郎(科学哲学者/東京大学名誉教授)『毎日新聞』2021年11月6日[8]
- 新聞書評『北里柴三郎─感染症と闘いつづけた男』「痛快、感染症研究者の評伝」評者=水谷哲也(東京農工大学教授/感染症未来疫学研究センター長)『京都新聞』2021年12月18日[9]
- 新聞書評「〝感染症の巨星〟北里柴三郎の足跡と人間像」(『日刊ゲンダイ』2021年11月17日所載)[10]
- 雑誌寄稿論文「北里柴三郎の『医道論』に学べ─令和日本の新型コロナ対策に足りないもの」上山明博(国際情報サイト『新潮社 Foresight(フォーサイト)』新潮社編・発行,2021年12月26日発信)
- 新聞寄稿エッセイ「命を賭した医学者の評伝」上山明博(『中日新聞』「ほんの裏ばなし」2022年3月19日所載)
脚注
出典
- ^ NDL ONLINE 国立国会図書館書誌情報参照。
- ^ 上山明博著者紹介参照。
- ^ 北里柴三郎の『医道論』に学べ|新潮社 Foresight 2021年12月26日発信閲覧。
- ^ ほんの裏ばなし|中日新聞2022年3月19日夕刊閲覧。
- ^ 青土社書籍情報2021年9月15日参照。
- ^ 『北里柴三郎』目次より。
- ^ 『北里柴三郎』奥付より。
- ^ 今週の本棚|毎日新聞2021年11月6日参照。
- ^ 読書|京都新聞2021年12月18日参照。
- ^ ノンフィクションが面白い|日刊ゲンダイDIGITAL 2021年11月17日参照。