「ビャンビャン麺」の版間の差分
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'''ビャンビャン麺'''({{拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麺、ビャンビャンめん、[[中国語]]: {{lang|zh-tw|{{拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麵}} / {{lang|zh-cn|{{拡張漢字|G|𰻝𰻝}}面}})は[[中華人民共和国|中国]]の[[陝西省]]でよく食べられている幅広の手延[[麺]]{{Efn2|{{補助漢字フォント|梆梆}}({{Unicode|bāngbāng}}、バンバン)麺という麺もあるが、ビャンビャン麺とは異なる。}}。[[標準中国語]]では{{Unicode|biángbiángmiàn}}、ビアンビアンミエン、[[西安方言]]では{{Unicode|biángbiǎngmiān}}、ビアンビアンミエンと発音する。 |
'''ビャンビャン麺'''({{拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麺、ビャンビャンめん、[[中国語]]: {{lang|zh-tw|{{拡張漢字|G|𰻞𰻞}}麵}} / {{lang|zh-cn|{{拡張漢字|G|𰻝𰻝}}面}})は[[中華人民共和国|中国]]の[[陝西省]]でよく食べられている幅広の手延[[麺]]{{Efn2|{{補助漢字フォント|梆梆}}({{Unicode|bāngbāng}}、バンバン)麺という麺もあるが、ビャンビャン麺とは異なる。}}。[[標準中国語]]では{{Unicode|biángbiángmiàn}}、ビアンビアンミエン、[[西安方言]]では{{Unicode|biángbiǎngmiān}}、ビアンビアンミエンと発音する。 |
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[[北京市|北京]]ではビャンビャン麺のチェーン店で取り扱っている。[[華南]]においても扱う店が出現しはじめている。日本においても[[東京都|東京]]周辺の個別の店でビャンビャン麺と称して幅広の麺類を提供する例があるが、陝西省のものとは風味が異なる。大阪市内の西安料理店では「腰帯麺(ビャンビャン麺)」との表記で提供されている例がある。 |
[[北京市|北京]]ではビャンビャン麺のチェーン店で取り扱っている。[[華南]]においても扱う店が出現しはじめている。日本においても[[東京都|東京]]周辺の個別の店でビャンビャン麺と称して幅広の麺類を提供する例があるが、陝西省のものとは風味が異なる。大阪市内の西安料理店では「腰帯麺(ビャンビャン麺)」との表記で提供されている例がある。 |
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2020年、[[セブン-イレブン|セブンイレブン]]は「西安風うま辛香油麺 ビャンビャン麺」の商品名で販売を開始した<ref>{{Cite web|title=セブンさん、麺職人を雇った?超極太の“ビャンビャン麺”で口の中が中国になった|url=https://www.buzzfeed.com/jp/tomoyakosugi/seven-byanbyan-men|website=BuzzFeed|accessdate=2020-09-05|language=ja|first=Tomoya|last=Kosugi}}</ref>。当初は[[東京都]]のみでの販売だったが、11月から首都圏(東京都、[[神奈川県]]、[[千葉県]]、[[埼玉県]])<!-- セブンイレブンの公式地域区分に準拠した書き方のため、敢えて括弧書きで南関東の1都3県を記載。 -->および[[宮城県]]、[[山形県]]、[[福島県]]、東海([[愛知県]]、[[岐阜県]]、[[三重県]]、[[静岡県]])<!-- セブンイレブンの公式地域区分に準拠した書き方のため、敢えて括弧書きで東海4県を記載。なお、東海3県はセブンイレブンでは中京で表記 -->、[[近畿地方|近畿]]に拡大している<ref>[https://www.sej.co.jp/products/a/item/090217/ 西安風うま辛香油麺ビャンビャン麺](セブンイレブン公式サイト「商品のご案内」の「そば・うどん・中華麺」より)</ref>。< |
2020年、[[セブン-イレブン|セブンイレブン]]は「西安風うま辛香油麺 ビャンビャン麺」の商品名で販売を開始した<ref>{{Cite web|title=セブンさん、麺職人を雇った?超極太の“ビャンビャン麺”で口の中が中国になった|url=https://www.buzzfeed.com/jp/tomoyakosugi/seven-byanbyan-men|website=BuzzFeed|accessdate=2020-09-05|language=ja|first=Tomoya|last=Kosugi}}</ref>。当初は[[東京都]]のみでの販売だったが、11月から首都圏(東京都、[[神奈川県]]、[[千葉県]]、[[埼玉県]])<!-- セブンイレブンの公式地域区分に準拠した書き方のため、敢えて括弧書きで南関東の1都3県を記載。 -->および[[宮城県]]、[[山形県]]、[[福島県]]、東海([[愛知県]]、[[岐阜県]]、[[三重県]]、[[静岡県]])<!-- セブンイレブンの公式地域区分に準拠した書き方のため、敢えて括弧書きで東海4県を記載。なお、東海3県はセブンイレブンでは中京で表記 -->、[[近畿地方|近畿]]に拡大している<ref>[https://www.sej.co.jp/products/a/item/090217/ 西安風うま辛香油麺ビャンビャン麺](セブンイレブン公式サイト「商品のご案内」の「そば・うどん・中華麺」より)</ref>。<br />2022年には[[サンヨー食品]]から『ビャンビャン麺風 西安式旨辛麺』が発売された[https://www.sanyofoods.co.jp/products/6565/]。 |
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独自の技術を用いることで超幅広めんをノンフライで実現したという。< |
独自の技術を用いることで超幅広めんをノンフライで実現したという。<br /> |
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また、[[カルディコーヒーファーム]][https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996934636]や、[[バーミヤン]](2021年度)[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000017486.html]等でも取り扱われている。 |
また、[[カルディコーヒーファーム]][https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996934636]や、[[バーミヤン]](2021年度)[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000017486.html]等でも取り扱われている。 |
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2022年4月28日 (木) 23:59時点における版
ビャンビャン麺(麺) | |
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種類 | 中国の麺 |
発祥地 | 中華人民共和国 |
地域 | 陝西省 |
ビャンビャン麺 | |||||||||||||||||
繁体字 | 麵 𰻞𰻞麵 | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
簡体字 | 面 𰻝𰻝面 | ||||||||||||||||
漢語拼音 | biángbiángmiàn | ||||||||||||||||
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別名 | |||||||||||||||||
繁体字 | 油潑扯麵 | ||||||||||||||||
簡体字 | 油泼扯面 | ||||||||||||||||
漢語拼音 | yóupō chěmiàn | ||||||||||||||||
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ビャンビャン麺(𰻞𰻞麺、ビャンビャンめん、中国語: 𰻞𰻞麵 / 𰻝𰻝面)は中国の陝西省でよく食べられている幅広の手延麺[注 1]。標準中国語ではbiángbiángmiàn、ビアンビアンミエン、西安方言ではbiángbiǎngmiān、ビアンビアンミエンと発音する。
概要
原料は小麦粉で、水と食塩を加えてこねて生地を作り、ゆでる直前に両手で伸ばし、2 - 3センチメートルの幅に平たく伸して成形する。日本のほうとうやうどんに似た食感を持つが、切って成形するものではない。長さは伸す台の長さによって決まり、1メートルになるものもある。「陝西十大怪」の1つにも挙げられるこの麺は、その長さと広い幅のために「麺条賽腰帯」とベルトに例えられている。
陝西省の咸陽市周辺では、「油潑扯麵」(ヨウポー チョーミエン)とも言われる、ゆでた麺の上に唐辛子や刻み葱をかけ、それに熱したピーナッツ油などの油をかけて香りを出し、和えて食べる方法が主流で、特に冬になると唐辛子を大量にかけて食する[1][2]。酢、塩、醤油、唐辛子、花椒などの調味料やもやし、コリアンダー、肉などの具材を加えてあえて食べることも、酸味と辛みのあるスープに入れることもある。調味料だけで具のないものは田舎に住む貧民の食事であったが、近年ではその風変わりな名前や表記から脚光を浴び、西安市などの近郊都市だけでなく、中国各地の都市、さらには海外でも提供されるようになった。
名称
ビャンビャン麺という名称とその表記に使われる漢字「」の起源は諸説あり、確定していない。
名称についての説明として、平たいことを意味する「扁扁」が訛ったものという説がある。陝西を含む西北方言では、地方によって標準北京音の「an」が「ang」と発音される場合がある。この地方名が現物とともに中国各地に伝わる過程で原義が忘れられ、音だけが残ったものというのである。このほか、調理時に麺が発する音や販売時の拍子木の音などの擬音に由来する様々な民間語源説がある[3][4][注 2]。陝西方言の研究者任克は『関中方言詞語考釈』[6]で「餅餅麺(簡体字:饼饼面)」という字にbiángbiǎngmiānとの読みを記している。名称の由来として、西安市雁塔区には「水餅子」というゆでた平たい麺類があり、「餅餅麺」も『斉民要術』に見える「水引餅」や、漢代の『釈名』にも見え、宋代に出産祝いの宴会に用いられた「湯餅」が変化したものとし、「餅餅」と呼んでいた物に、後から接尾語の「麺」が付いたとする。また、この場合の餅は、「麺餅」、すなわち、小麦粉を水でこねて伸した加工品全般を指す。西安方言で「餅」は一般的にはbìngのような発音だが、biángと発音するのは伝わった時代差による白文異読と呼ばれる現象とする。
表記に用いられる「」は方言字のひとつである。ただし、清代の康熙字典に見当たらず、20世紀までに出版された陝西方言の研究書や漢字研究書にもみられないため、かなり新しく作成されたものと考えられる[注 3][注 4][注 5]。
漢字
筆画
名称に用いられている漢字「」は、Unicodeでは58画と定義されており[8]、現代使用されている漢字の中ではきわめて複雑である。また、中国で常用されているポケットサイズの『新華字典』はもとより、『康熙字典』や『中華大字典』のような大型字書にも載っていない。また、長らくUnicodeにも収録されておらず、一般的なコンピューターでは表示・入力できなかった(後述)。なお、この文字よりも筆画が多く複雑な漢字として、「龍」を4つ並べた「𪚥」(、テツ、64画)などがあり、和製漢字の「𱁬」(、たいと、84画)も知られている。
覚え方
前述の通り「」という字は余りに複雑なため、陝西省居住者の間では字の書き方を思い出す手助けとなる短い詩がいくつか存在する。
そのうちの一つは、右に「刂」ではなく「丁」と書く異体字の説明であるが、「一点儿冲上天,黄河两道湾,八字大张口,言字往里走,东一“扭”西一“扭”,左一长右一长,中间坐个马大王,心字底月字旁,楔个钉子挂衣裳,坐个车车到咸阳。」といい、日本語訳は「点が天辺に飛上り、黄河両端で曲がる、八の字が大きく口を広げ、言の字が中へ入る。東に一ひねり、西に一ひねり、左に長一つ、右に長一つ、中間に馬大王が座る。心の字が底に、月が傍らに、釘を打ってそこに服をかけ、車に乗って咸陽へ向かう。」。
文字コード
「」は、JIS X 0208やJIS X 0213などの日本の符号化文字集合には含まれておらず、また、国際符号化文字集合Unicodeにも長らく含まれていなかった為、この字を表示・入力できる環境は限られている。
Unicode 6.3.0において、英語版Wikipediaの当項目の記事を典拠としてU-Source Ideographsにこの文字が収録され[9]、CJK統合漢字拡張Fへの追加が検討された[10]が、信頼性に欠けるとして却下された[10]。
漢字研究家のケン・ランディは、2015年11月2日から5日にかけて開催されるUnicode Technical Committeeにおいて、「Biáng 形纹样探究」という論文を典拠として[8]、簡体字とともにふたたびこの文字の追加を提案する予定であることを明かし[10]、これが受理されればCJK統合漢字拡張Hに収録される予定であった。
2017年11月22日にこの字がCJK統合漢字拡張Gの一部としてUnicodeに登録申請され[11]、2020年3月のUnicode 13.0に収録された。コード位置はU+30EDD(簡体字)、U+30EDE(繁体字)であり、第三漢字面に収録されている。
他地域での普及
北京ではビャンビャン麺のチェーン店で取り扱っている。華南においても扱う店が出現しはじめている。日本においても東京周辺の個別の店でビャンビャン麺と称して幅広の麺類を提供する例があるが、陝西省のものとは風味が異なる。大阪市内の西安料理店では「腰帯麺(ビャンビャン麺)」との表記で提供されている例がある。
2020年、セブンイレブンは「西安風うま辛香油麺 ビャンビャン麺」の商品名で販売を開始した[12]。当初は東京都のみでの販売だったが、11月から首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)および宮城県、山形県、福島県、東海(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)、近畿に拡大している[13]。
2022年にはサンヨー食品から『ビャンビャン麺風 西安式旨辛麺』が発売された[1]。
独自の技術を用いることで超幅広めんをノンフライで実現したという。
また、カルディコーヒーファーム[2]や、バーミヤン(2021年度)[3]等でも取り扱われている。
脚注
注釈
- ^ 梆梆(bāngbāng、バンバン)麺という麺もあるが、ビャンビャン麺とは異なる。
- ^ 「長餅 chángbǐng」を逆にした「餅長」が縮まってbiángとなったとする説もある[5]。
- ^ 標準的な中国語、およびその発音の基礎となった北京語において、原則的にはbiangという音節は存在しない。よって、この音を正しく表せる漢字も北京周辺にはなかった。このため、類似音を記した「比昴比昴麺」、「棒棒麺」、「梆梆麺」などの表記も使用されている。ただし、北京語の場合でも、擬音語の中にはbiangという音節は存在する。通常、一声で発音され、漢字で表記されず、ピンインそのままか、「梆」で当て字する(「梆」本来の字音はbāng)。意味は、「ビューン」という音、銃声「バーン」「バキューン」である[7]。
- ^ biangという発音は、陝西省のほか、江西省の贛語、福建省の閩語、広東省の客家語などにあり、いずれも「餅」、「丙」などの字を表す音である。陝西省では「氷」という字もbiangと読む。
- ^ 香港の民放・無綫電視(TVB)で2007年に放映された番組『一網打盡』によると、番組のプロデューサーが大学教授に協力を仰いで漢字「」の起源を探ろうとしたが、字の起源については確たる証拠を掴むことができなかったため、ビャンビャン麺の店による創作ではないかと結論付けている。
出典
- ^ “教えて! 陝西省西安名物の「油溌麺(ヨウポーミェン)」の味の決め手になるものとは?”. AB-ROAD (2018年2月27日). 2020年6月10日閲覧。
- ^ “人気急上昇!全57画⁉幅広めちゃ長、西安名物の手打ち麺「ビャンビャン麺」の楽しみ方”. 80C(ハオチー). 中華・高橋 (2019年2月18日). 2020年6月10日閲覧。
- ^ 周旺編『中華風味小吃 傳説与烹飪』p90、2010年、北京・化学工業出版社。
- ^ 坂本一敏『中国麺食い紀行 — 全省で食べ歩いた男の記録』p214、2001年、東京・一星企画
- ^ 伍永尚『原生態的西安話』p70、2007年、西安・西安交通大学出版社
- ^ 任克、『関中方言詞語考釈』、西安・西安地図出版社、1995年、pp14-15
- ^ 野口宗親『中国語擬音語辞典』東方書店、1995年、xvii(中国語擬音語概説), 8(辞典本文)頁。ISBN 4497954439。「〔「中国語擬音語概説|4 発音と意味|(6)特殊な音節」〕擬音語のなかに,現代中国語の四百余の音節の枠内にはまらない特殊な音節が時折見受けられる。〔中略〕これらはいずれも北京方言であるが,このように方言とか日常語とか子供の言葉には音韻体系に拘束されない発音もあることが擬音語の特色である。ただ文字化できないので文献からは採集しにくい。場合によっては適当な漢字であてることもある」
- ^ a b ProposalL2/15-225
- ^ USourceData-6.2.0
- ^ a b c KenBlog2015
- ^ “Additional repertoire for ISO/IEC 10646:2017 (5th ed.) Amendment 2.2” (PDF). The Unicode Consortium (2017年11月22日). 2017年11月24日閲覧。
- ^ Kosugi, Tomoya. “セブンさん、麺職人を雇った?超極太の“ビャンビャン麺”で口の中が中国になった”. BuzzFeed. 2020年9月5日閲覧。
- ^ 西安風うま辛香油麺ビャンビャン麺(セブンイレブン公式サイト「商品のご案内」の「そば・うどん・中華麺」より)
参考文献
- Lunde, Ken (2015年10月11日). “Two Biángs Are Better Than One”. Adobe. 2015年10月12日閲覧。
- Lunde, Ken (2015年9月17日). “Proposal to add one character to UAX #45” (PDF). The Unicode Consortium. 2015年10月12日閲覧。
- “USourceData-6.2.0.txt”. The Unicode Consortium (2012年9月11日). 2015年10月12日閲覧。