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「乗り物」の版間の差分

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レース用の[[フォーミュラカー]]や[[ラリーカー]]も下位分類。
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2021年5月11日 (火) 01:11時点における版

乗り物(のりもの、: vehicle)は、以下のものを指しうる。

英語の「vehicle ヴィーィクル」の語源は、フランス語の「véhicule ヴェイキュール」が17世紀に英語に入ったものであり、さらにその語源はラテン語の「vehiculum ウェヒクルム」であり、これは「vehere ウェヘレ」(「運ぶ」)という動詞派生語である[5]ドイツ語の「ファールツォイク」(Fahrzeug)も総称である。[6][7][8]

歴史

現在記録や遺物が残っている古い乗りものについて解説する。

紀元前1万年ころにはすでに葦船や簡素ないかだが使われていたことが知られている。

葦船が描かれた岩絵

アゼルバイジャンにあるゴブスタン国立保護区には60万点を超える岩絵が残されており、そこには今から1万2000年前ころに描かれた、葦船と判る絵画が残されている。そうした岩絵のおかげで、ここで人類は葦船を水に浮かべて人力で移動したり、魚をとっていたことが判る。

Pesse canoe。長さ298cm、幅44cm

1955年にオランダである道路を建設するためにそこにあった遺跡を発掘したところ木製のカヌー(en:Pesse canoe)が発見された。これは炭素年代測定法によって紀元前8040年-紀元前7510年の間のものだと推定されている[9]

遺跡の発掘により、古代メソポタミアのウバイド時代(紀元前6000年-紀元前4300年ころ)では、すでにを用いた船(帆船)が使われていたことが判明している[10]

人がいつころから馬に乗り始めたか、つまり乗馬を始めたかについては確かなことはわかっていない。イランの洞穴には乗馬を描いたらしい、紀元前数千年の洞穴画が残されている。確かな証拠では、ドニエプル川ドン川付近では紀元前3000年ころにはすでにハミ(bit)を使っていた証拠がある。

チャリオットは紀元前3000年のメソポタミアで使われていたことが判っている。ウルの記念碑には車輪のついた戦闘車両の絵が描かれている[11]

分類・種類

乗り物という用語は総称なので、そもそもあまり厳密に分類する必要がないのだが、 あえて分類する場合は、ざっくりと使われる場所(空間)で分けて、船舶類 / 陸上の乗り物類 / 航空機類と大分類することが一般的である。


乗り物の特性と選択

乗り物ごとに特性が異なり、用途によって適した乗り物が異なる。

地球環境への負荷の小ささ、温暖化対策
2000年代に入り、地球温暖化が深刻度を増してきており、先進国各国では政府を挙げて、市民も巻き込んで、二酸化炭素の排出量を抑えられる乗り物を選択することが推進されている。航空機が地球環境に悪い、ということはしばしば指摘されている。
公害
自動車では、ここ数十年排ガス規制などによってエンジンから排出される排気ガスの有毒な成分がより少ないものになるように規制を行ってきた歴史がある。自動車に乗るなら、新しくて厳しい排出規制に沿った自動車を選ぶのが良い、ということになる。現在はヨーロッパでも中国でも、EU主導や中国政府主導で電気自動車へのシフトが行われつつある。(なおEUも中国も政府が、電気自動車へとシフトさせることを政治的に決断し、その方向で各メーカーにノルマが設定され、各メーカーで開発や販売が活発化し、充電インフラも整備されつつある。[12]
電気鉄道排出ガスを出さないという点から評価されている。ただし電力をどのように作り出しているかにもよる。特にドイツのように再生可能エネルギーを主力にして電力を生みだしている国では良い結果を生む。
コスト…人や物を運ぶコストの低さ
船舶類なのか、陸上の乗り物なのか、航空機なのかによって大きく異なる。距離にもよる。
たとえば数km~数十kmと、自転車で簡単に行ける距離・経路ならば、自転車がもっとも安上がりなので、人々から広く選ばれている。逆にたとえば世界一周をするには、小型のセーリングクルーザーを中古などを(数百万円程度で)安価に手に入れ自力で操船し、世界一周後に船を(ほぼ同額で)売ってしまうのも安あがりである。燃料代がほぼゼロで済む。風が無料で推進力を与えてくれる。無寄港で世界一周するならば、港に係留する費用もかからない。陸上のエンジンつきの乗り物で世界一周しようとすると(燃料代が高くつきがちな自動車は避けて)オートバイで世界一周しようとしても、ガソリン代や途中の税金類などや(途中のフェリー代などで)数百万円ほどかかってしまう。なお水上の近距離の散歩を頻繁に行うには、小型のカヌー等が、なにより安上がりで(おまけにとても楽しく)うってつけである。
また俯瞰的に見たり、コスト構造を分析したりすると、乗り物を所有するか、定期便契約を結ぶか、シェアリングするか、それとも臨時の一乗客として利用するか 等々よって大きくことなる。所有する場合は、比較的大きな固定費(乗り物の購入費用、置いておく場所(駐車場停泊場駐機場など)の費用、定期的な整備費用、保険費)および変動費(移動する量や燃料価格の変動などに応じた燃料費など)がかかる。乗客として利用する場合は、距離、路線などによって定められた運賃を支払うだけで済む。自動車で、かつ移動の頻度が少ない場合は、タクシーカーシェアリングレンタカーなどが安く済み、連日のように自動車で移動することを数ヶ月程度以上続ける場合ば中古車を購入して自力で運転するほうが安く済むようになる。
船舶は、本土を移動する場合では、便(路線)が限られ、コスト比較できるものがない場合も多い。数百キロ以上の移動では鉄道と運賃が拮抗・競合することも多い。なおプレジャーボートなどでも中規模以上のものは一般論としては、かなりのコストがかかる、とされている。
鉄道(システム)は(産業用モノレールや遊具としての庭園鉄道等を除き、一般人が所有することはほぼ不可能なほどコストがかかり、一般に所有することは検討されず)、通常の速度の鉄道を一乗客として利用すると鉄道の運賃は、最も安価な部類に属する。
安全性…いかに安全に、人や物を目的地まで運べるか
事故発生率の低さでは航空機が一番安全といわれている[13][14]。航空機以外では日本の新幹線が安全性を売りとしている[15](新幹線の車両事故に起因する死亡はゼロである)。
快適性…いかに快適に移動できるか
乗り物のどの座席に座るかにもよるので、一般論は困難である。一般に、座席の狭い乗り物、空調の悪い乗り物、騒音振動のはげしい乗り物などは快適ではないと指摘されることが多い。高速バスに比べて新幹線のほうが快適だと指摘されることは多い。
迅速性…いかに速く目的地まで人が移動できるか
地球環境に対する意識が低く、コスト意識も低く、安全性に関する意識も低い人は、「速さ」のことばかり気にする傾向がある。つまり「速さ」のことばかり気にしているような者が、地球環境を破壊し、無駄遣いをし、(安全性をないがしろにし)事故を引き起こすような社会を作り出している、とも言える。
「迅速性」は移動する場所による。大都会の街中で移動するならば、自転車オートバイが短い時間で移動できる。
郊外の空いた道路で数十 km先まで移動するなら自動車オートバイである。
数百 km先まで移動する場合、
ヘリコプターを所有している人にとっては、なんと言っても、ヘリが一番速い。
(ヘリを所有できない一般人にとっては)、列車、特に高速鉄道が早い。
旅客機は(一応、一般論として言えば)速度は最も高い部類である[16]。だが、旅客機は、空港とのアクセス、搭乗手続き、荷物の預け入れと引き取りなどに時間がかかりすぎることがしばしば指摘されており、300 km - 400 km程度では高速鉄道とほぼ同等になる場合も多い。それ以上の距離であれば旅客機が早く着く。
道路が無い海を越えるなら船が用いられるが、迅速に移動したい場合、水中翼船TSLなどが選ばれることがある。一方、鉄道や道路が未発達な開発途上国や、道路の建設が難しいところでは、内陸部でも速度の低い水運に頼らざるを得ない。
定時性…いかに決まった時刻に運行されているか
世界的に見ると、定時性はあまり重視されていない。世界的に見ると、列車などが10分や数十分程度(国によっては数時間程度)遅れても、たいていの国の人々は、笑って会話を楽しみつつ、乗り物をのんびり待つ。人生や世の中を大局的に見れば、本当に大切なのは「速さ」や「時間の正確さ」などではなく、心が幸福な状態でいることだ、と、大抵の国の人々は気づいているからである。
また「定時性」などというものに鉄道会社がこだわりすぎると安全性をないがしろにしがちになり、定時に運行させることばかりを従業員に強い、電車の運転士を追い込みJR福知山線脱線事故のような大事故を引き起こしてしまうことになる。世界的には定時性には、ほとんどだれもこだわっていないにもかかわらず、そんなことにこだわるから、安全性や人命を軽視することになり、大事故を引き起こしてしまい、とりかえしのつかない事態を引き起こしてしまうわけである。
(このように、問題だらけで、人間を不幸にしがちな「定時性」であるが)定時性に優れた乗り物として鉄道が挙げられ、とりわけ地下鉄は特に定時性に優れた乗り物として挙げられる。航空機や船のように天候に左右されることも少なく、自動車のように交通状況に左右されることも少ないからである。もっとも、鉄道以外のこれらの交通機関でも、企業努力などの結果、優れた定時性を示すものもある[17]
大量性…いかに多くの人や物を目的地まで運べるか
貨物を大量に運ぶのに優れた乗り物としては大型船舶が挙げられる。海運が世界の物流を支えている。大陸では数百m~1km以上の長さに連結した貨物列車も挙げられる。最近では(中国主導で)中国からヨーロッパまで、さかんに鉄道で荷物が運ばれている。なお多数の客車を連結した鉄道車両は大量の旅客を乗せられる。

乗り物の種類の列挙

歴史が最も長い船舶類から挙げる。次いで陸上の乗り物、その次に歴史が浅い航空機類を挙げる。 網羅的に挙げようとすることは行わない。

船舶類

船舶

水上

用途によって 商船類 / 艦船類 / 漁船類 / 特殊船舶類 / レジャーボート...などという分類することは一般的である。

大きさによる分類、小型船舶 / 大型船舶という分類がある。

他にも、海賊船砕氷船南極観測船....など、船舶類も多種多様で挙げるときりがない。屋形船、川下りの舟、急流下りの舟、ペダルサイクル艇、サーフジェット、水上スクーター、電動フローティングバイク、水中バイク、水中スクーターなどというものもある。

水中の乗り物

(下位分類はいちいち挙げるのは止める)

陸上の乗り物

人力
動物類の力を借りるもの[21]
エンジンや電動モーターの力で走るもの
自然エネルギーで走る乗り物
雪上
索道類
鉄道

など

航空機類

航空機の細かい分類は航空機の記事を参照のこと。

  • 軽航空機 / 重航空機 と分類するのが一般的。
  • ほかに 民間機 / 軍用機 などと分類する方法も一般的。

など、これ以上細分化することはここでは避ける。航空機の記事を参照のこと。

宇宙

遊園地の「乗り物」

当等。

動力源における分類

電動式の自動車の分類

電動式の乗り物の分類

日本語で「輸送機器」という言葉を使っているのは、中・高生などによる独自の研究。印刷された文献ではそんな用語は使われていない。

脚注

  1. ^ 広辞苑第六版
  2. ^ a b c 乗(り)物(のりもの)の意味”. 『大辞泉』(goo国語辞書 ページ内). 2020年11月6日閲覧。
  3. ^ a b 大辞泉「乗り物」
  4. ^ 広辞苑第六版
  5. ^ Oxford Dictionaries, 「vehicle」
  6. ^ 馬車類の場合、馬を除いた部分を指す[要出典]
  7. ^ 「輸送機器」「輸送(用)機械」「ヒト」などといった言葉をやたらと乱発するのは、主に中学生や高校生である。印刷された百科事典や印刷された国語辞典やまともな印刷物ではそんな言葉は、ほぼ使っていない。だから「輸送機器」「輸送(用)機械」「ヒト」などという言葉を使って投稿する者は、まともな印刷された出典も示すことができない。まともに印刷文献を読んでいない中学生や高校生がウィキペディアに投稿すると、やたらと「輸送機器」「輸送(用)機械」「ヒト」などと書きたがる。2005年~2010年ころのウィキペディアに頻発した。まだ大学で文献を調べるトレーニングをしっかり受けていない中・高生がいかにもやらかしがちな、独自の研究である。
  8. ^ 2000年代あたりから、vehicleという語が、(人が遠隔で操作したり、人工知能が自動操縦する)無人機en:Uncrewed vehicle)も含むようになった。同じ外形をしていて内部のメカニズムもほぼ同じなのにいちいちヒステリックに呼び分けるようなことは、いかにも馬鹿馬鹿しい行為だからである。だが、これはvehicleの中ではあくまで例外的な存在である。日本語では無人機は乗り物とは呼ばれていない。
  9. ^ “Oudste bootje ter wereld kon werkelijk varen” (オランダ語). Leeuwarder Courant. ANP. (12 April 2001). http://www.archeoforum.nl/Pesse10.html December 4, 2011閲覧。 
  10. ^ Carter, Robert (2012). “19”. In Potts, D.T.. A companion to the archaeology of the ancient Near East. Ch 19 Watercraft. Chichester, West Sussex: Wiley-Blackwell. pp. 347–354. ISBN 978-1-4051-8988-0. オリジナルの28 April 2015時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150428190743/http://www.academia.edu/1576775/Watercraft 8 February 2014閲覧。 
  11. ^ Britannica, Chariot
  12. ^ なおトヨタ自動車だけが水素自動車にこだわるあまり(2019年時点で)一社だけ世界からすっかり取り残され、将来的に会社の存亡にも影響しかねない状況になっていた。あまりに自社にとって危険な状況になってきていると判断したのか、2020年ごろから電気自動車の開発でも必死に巻き返しを行っている。
  13. ^ 数字に見る航空機事故の確率”. All About. 2013年9月24日閲覧。
  14. ^ 日本の災害による死者数”. 西日本旅客鉄道労働組合. 2013年9月24日閲覧。
  15. ^ 車両のご案内|JR東海”. 東海旅客鉄道. 2013年9月24日閲覧。
  16. ^ 旅客機の中を探検しよう│空ののりもの│みんなののりもの”. 一般財団法人運輸振興協会. 2013年3月24日閲覧。
  17. ^ JAL - 定時運航への取り組み|日本の品質で最良のひとときを”. 日本航空. 2013年9月24日閲覧。
  18. ^ カヤックシーカヤックダッキーカナディアンカヌーなどは下位分類
  19. ^ 軍艦巡視艇巡視船空母駆逐艦駆逐艇などは下位分類
  20. ^ ベロタクシーベチャ電動アシスト自転車は下位分類
  21. ^ ウマウシロバラクダリャマゾウ水牛など
  22. ^ 特定大型車大型自動車中型自動車普通自動車小型自動車特種用途自動車牽引自動車特殊自動車大型特殊自動車小型特殊自動車マイクロカーオート三輪トライク全地形対応車サイド・バイ・サイド・ビークルなどは、下位分類。
    レース用のフォーミュラカーラリーカーも下位分類。
  23. ^ 大型自動二輪車普通自動二輪車小型自動二輪車原動機付自転車サイドカー電動スクーターポケットバイクなどは下位分類
  24. ^ セグウェイ特定二輪車立ち乗りスクータースタンドバイクジーボードなどといったものがある。
  25. ^ フォークリフトストラドルキャリアターレットトラックなど
  26. ^ ショベルカークレーン車ロードローラー掘削機など
  27. ^ トラクター耕耘機コンバイン田植え機など
  28. ^ 通勤形電車近郊形電車特急形電車地下鉄電車、新幹線電車路面鉄道LRTなどは下位分類
  29. ^ 車掌車緩急車郵便車(取扱便・護送便)などは下位分類
  30. ^ 懸垂式モノレール跨座式モノレール産業用モノレール は下位分類。

関連項目