「富山市奥田交番襲撃事件」の版間の差分
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==類似の事件== |
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1989年(平成元年)5月16日発生。<br> |
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19歳の巡査(事件後に懲戒免職)が上司である巡査部長から「嫌がらせをされている」と思い込み貸与された拳銃で巡査部長を殺害後、拳銃を所持したまま逃走。のちに逮捕され、2018年2月23に懲役22年が確定。<br><br> |
19歳の巡査(事件後に懲戒免職)が上司である巡査部長から「嫌がらせをされている」と思い込み貸与された拳銃で巡査部長を殺害後、拳銃を所持したまま逃走。のちに逮捕され、2018年2月23に懲役22年が確定。<br><br> |
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[[東仙台交番襲撃事件]] 2018年(平成30年)9月19日発生。<br> |
[[東仙台交番襲撃事件]] 2018年(平成30年)9月19日発生。<br> |
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21歳の大学生が拳銃強奪を目的に警察官1名を殺害。別の警察官が大学生をその場で射殺し、被疑者死亡で送検。<br><br> |
21歳の大学生が拳銃強奪を目的に警察官1名を殺害。別の警察官が大学生をその場で射殺し、被疑者死亡で送検。<br><br> |
2020年2月11日 (火) 01:11時点における版
富山市奥田交番警察官殺害事件 | |
---|---|
場所 | 日本・富山県富山市久方町富山中央警察署奥田交番 |
日付 |
2018年(平成30年)6月26日 午後2時10分頃 |
概要 | 交番にて勤務中の警察官を刃物で襲撃し殺害。警察官の拳銃を強奪し更に逃走中に拳銃を用いて警備員を殺害。 |
攻撃側人数 | 1名 |
武器 | 刃物 拳銃 |
死亡者 | 男性2名(警察官1名 警備員1名) |
負傷者 | 男性1名(容疑者) |
犯人 | 男X(犯行当時22歳) |
動機 | 不明 |
刑事訴訟 | 公判前整理手続き中 |
管轄 |
富山市奥田交番警察官殺害事件は、2018年6月26日に富山県富山市久方町富山中央警察署奥田交番で発生した警察官襲撃事件である。襲撃された警察官1名、および交番近くの小学校で警備をしていた警備員1名が死亡し、容疑者1名も負傷した。
概要
2018年6月26日午後2時10分頃、富山県富山市久方町富山中央警察署奥田交番裏口をノックする音が聞こえた。交番には所長であるA警部補(事件当時46歳)と交番相談員1名が勤務についており、A警部補が裏口を開けたところを突如、男Xが襲い掛かってきた。A警部補は全身約30か所を刺され貸与されていた拳銃を奪われた。Xは拳銃を所持したまま逃走し交番相談員が交番向かいの美容室に助けを求めたことから事件が発覚した。さらにXは逃走の途中富山市立奥田小学校正門付近で誘導警備にあたっていた60代の警備員Bに向け拳銃を発砲うち2発が警備員Bに命中した。警備員Bは病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。Xはなおも奥田小学校の敷地内に侵入したが、駆け付けた警察官がXに向けて警告をしたのち拳銃を発砲。左腹部に被弾し身柄を確保された。
事件当日の容疑者Xの行動
Xは市内のファーストフード店でアルバイトをしていたが、店長とトラブルになり店長を突如殴打し肋骨骨折の重傷を負わせている。Xはそのまま店を去り、無料通信アプリで家族に「持ち物を処分してほしい」と連絡している。そしてそのまま事件現場となった奥田交番に向かったと思われる。 Xは交番でA警部補を刺殺し拳銃を強奪した後、返り血を浴びたシャツのまま路地裏を隠れるようにして逃走。その際近隣住民から声をかけられている。そして奥田小学校正門前に差し掛かった時、警備員Bに向け2発拳銃を発射した。Bに向かって発砲した理由として"警察官と誤認"した可能性が指摘されている。またその際の様子をたまたま近くを通りかかった車のドライブレコーダーに記録されており、片膝を地面についた姿勢で発砲するXの姿が映っていた。
容疑者Xの人物像
Xの周辺人物によるとXは「おとなしく礼儀正しい人物」という声がある一方でカッとなりやすい性格であり、中学の頃は家庭内暴力を起こしていたという経緯から周りから孤立していたという。高校には進学せず、数年後、陸上自衛隊に自衛官として入隊するも2年で除隊。元同僚の証言として「口論や殴り合いのけんかをすることがあった」と言われている。事件当時は、有事や災害の際に召集される即応予備自衛官に任命されていた。銃器評論家の津田哲也は産経新聞のインタビューで前述のドライブレコーダーの映像を見たうえで「姿勢を安定させて命中率を高めている。訓練された人間の撃ち方といえる」と評している。またXは元自衛官であり、小銃の射撃訓練や野外や屋内での戦闘訓練があり拳銃の取り扱い方も学んでいたことなどから「自衛隊の小銃訓練を経験していれば、容易に扱うことができるだろう」と指摘している。 Xは武器マニアであり、警察がXの自宅を家宅捜索したところ、ナイフ数点のほか、モデルガンや摸造刀、軍用のベスト、武器関連の書籍が見つかった。モデルガンは拳銃型やライフル型、マシンガン型など十数丁が押収された。また犯行当時背負ていたリュックサックからはナイフ2本、おの、山刀、はさみが発見された。
事件の影響
奥田小学校の対応
Xが侵入した奥田小学校は同時刻は下校時間帯だったものの、警察から「刃物を持った不審者が周辺を逃走している」と連絡があったことや警備員Bが倒れていたことなどから出入り口をすべて施錠、生徒を体育館に避難させ、教員はさすまたを手に侵入者に備え、保護者には緊急メールを送信していた。この判断で児童に負傷者等はなく、SNS上で対応が賞賛された。しかし学校の天井からXから発射されたものとみられる弾痕が発見された。
警察の対応
警察官の拳銃は帯革と呼ばれるベルトに取り付けられているホルスターに収納し"拳銃吊り紐"と呼ばれる特殊な紐を拳銃と帯革に結び付けることによって盗難、脱落防止の対策を施していたが、Xは拳銃吊り紐を切断したうえで拳銃を強奪していた。このことを踏まえ警察庁はホルスターや拳銃吊り紐などの装備品を新しく開発することを決定した。 また事件後、富山県警察本部長が会見を行い、「警察官が拳銃を奪取され使用されたことは誠に遺憾。近隣住民に多大な不安を与え、誠に申し訳ない」と陳謝した。 A警部補は殉職した日付で警視へ二階級特進となり警察葬が執り行われた。
裁判
類似の事件
当時件発生前
中村橋派出所警官殺害事件
1989年(平成元年)5月16日発生。
元陸上自衛官の男が拳銃強奪を目的に派出所で勤務中の警察官2名を殺害。のちに逮捕され1998年9月17日、最高裁で死刑が確定。
東村山警察署旭が丘派出所警察官殺害事件 1992年(平成4年)2月14日発生。
派出所で勤務中の警察官1名を何者かが殺害し拳銃を強奪。2007年2月14日に公訴時効が成立。未解決事件となったものの拳銃の捜査は継続中。
河瀬駅前交番警察官射殺事件 2018年(平成30年)4月11日発生。
19歳の巡査(事件後に懲戒免職)が上司である巡査部長から「嫌がらせをされている」と思い込み貸与された拳銃で巡査部長を殺害後、拳銃を所持したまま逃走。のちに逮捕され、2018年2月23に懲役22年が確定。
当時件発生後
東仙台交番襲撃事件 2018年(平成30年)9月19日発生。
21歳の大学生が拳銃強奪を目的に警察官1名を殺害。別の警察官が大学生をその場で射殺し、被疑者死亡で送検。
吹田警察署千里山交番警察官襲撃事件 2019年(令和元年)6月16日発生。。
元海上自衛官の男が虚偽の110番通報を行い、交番から出動しようとした警察官1名を襲撃後拳銃を強奪。のちに山中で逮捕された。
襲撃された警察官は一時意識不明に陥るも奇跡的な回復を遂げ、2020年(令和2年)1月、吹田警察署に職務復帰を果たした。