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「白酒 (日本酒)」の版間の差分

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== 由来と製法 ==
== 由来と製法 ==
白酒がいつ頃から飲まれていたかは不明とされる<ref name="食生活1959-52-53>[[#食生活1959|『食生活』1959年3月号、pp.52-53.]]</ref>。古来の製法は、上酒に蒸した[[糯米]]を加え、さらには[[麹]]も加えて仕込んだ上で7日ほど熟成させてからすりつぶしたものを濾さずに飲用とした<ref name="永山110-112">[[#永山|『日本の酒うんちく百科 』、pp.110-112.]]</ref><ref name="吉田160-162">[[#吉田|『酒』、pp.160-162.]]</ref>。現在の製法に近づいたのは江戸時代中期以降で、[[焼酎]]もしくは[[みりん]]をベースに製造されるようになった<ref name="季節の行事32-34">[[#季節の行事|『食で知ろう 季節の行事 親子で楽しむものしりBOOK 』、pp.32-34.]]</ref><ref name="永山110-112"/><ref name="有本321-322">[[#有本|『栄養探究』、pp.321-322.]]</ref>。白酒は[[日本酒]]や[[ビール]]のように発酵によって[[アルコール]]分が生成されたものではなく、すでにできあがった酒を混ぜて造り上げた「[[混成酒]]」に分類される<ref name="有本321-322"/><ref name="食生活1959-52-53/>。
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白酒が[[江戸時代]]から[[雛祭り]]の[[供物|お供え]]として扱われるようになったのは、[[平安時代]]からの風習である[[上巳]](桃の[[節句]])において、室町時代から[[モモ|桃]]の花を浸した酒を飲んでいたものが変化したと伝えられている<ref name="興津33-37">[[#興津|『江戸味覚歳時記』、pp.33-37.]]</ref>。

2019年7月28日 (日) 23:59時点における版

(混成酒類)白酒[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 996 kJ (238 kcal)
48.1 g
1.9 g
ビタミン
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
リボフラビン (B2)
(1%)
0.01 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.1 mg
パントテン酸 (B5)
(2%)
0.10 mg
ビタミンB6
(2%)
0.02 mg
葉酸 (B9)
(0%)
1 µg
ビタミンC
(1%)
1 mg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
5 mg
カリウム
(0%)
14 mg
カルシウム
(0%)
3 mg
マグネシウム
(1%)
4 mg
リン
(2%)
14 mg
鉄分
(1%)
0.1 mg
亜鉛
(3%)
0.3 mg
(4%)
0.08 mg
他の成分
水分 44.7 g
アルコール 5.3 g

(100 g: 82.6 mL、100 mL: 121.0 g) アルコール: 7.4 容量 % 
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

白酒(しろざけ)とは、焼酎みりんに蒸した糯米を加えて1か月ほど熟成させたのち、すりつぶして作られる日本の酒の一種[2]雛祭りにおいて祝いのために出されるである。アルコール分は約9%、糖質は約45%含まれ、酒税法ではリキュール類に分類される。

由来と製法

白酒がいつ頃から飲まれていたかは不明とされる[3]。古来の製法は、上酒に蒸した糯米を加え、さらにはも加えて仕込んだ上で7日ほど熟成させてからすりつぶしたものを濾さずに飲用とした[4][5]。現在の製法に近づいたのは江戸時代中期以降で、焼酎もしくはみりんをベースに製造されるようになった[6][4][7]。白酒は日本酒ビールのように発酵によってアルコール分が生成されたものではなく、すでにできあがった酒を混ぜて造り上げた「混成酒」に分類される[7][3]

白酒が江戸時代から雛祭りお供えとして扱われるようになったのは、平安時代からの風習である上巳(桃の節句)において、室町時代からの花を浸した酒を飲んでいたものが変化したと伝えられている[8]

豊島屋の白酒
豊島屋の白酒

白酒は旧称を「山川酒」といい、「助六由縁江戸桜」の登場人物、白酒売新兵衛の担ぐ桶にも「山川」の文字が見える[9][10]。山川酒は『毛吹草』にも名が見られることから、江戸時代初期には既にあったと考えられる[5]。京都六条油小路の酒屋で造っていた白酒の色を山間部を流れる川の水が白く濁るのになぞらえて「山川」と呼ばれるようになった[5][9]。江戸時代後期の類書として知られる『守貞謾稿』では「白酒売りはかならず「山川」と唱え、桶の上に硝子徳利を納める」と記述している[5]

また、庶民に広めたのは17世紀江戸で活躍した実業家の豊島屋十右衛門だとする説[11]もある。(豊島屋の白酒

白酒は甘口のため、下戸、婦人、小児向けの飲み物とされる[12][4]。その白い色と絹を練ったような滑らかさから「練絹の酒」とも呼ばれ、「初霜」、「雪月花」などの別名でも呼ばれていた[12][13]

白酒の紐の如くにつがれけり — 虚子

祭り

東京都北区熊野神社(北区志茂四丁目19番1号)では、「オビシャ」(「鬼」と書かれた的を弓矢で射ぬく行事)の際に白酒をふるまっていた事から「白酒祭」と呼ばれる祭りが行われる[14]。古来から伝わる白酒作りの作業唄「白酒の唄」が歌われるが、現在では白酒ではなく甘酒が使用される[14]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク