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「金剛寺 (河内長野市)」の版間の差分

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*絹本著色虚空蔵菩薩像
*絹本著色虚空蔵菩薩像
*絹本著色尊勝曼荼羅図
*絹本著色尊勝曼荼羅図
*紙本金地著色日月山水図(六曲屏風一双) - 2018年度、国宝に指定見込み<ref>[[http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1402236.html 「文化審議会答申〜国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について〜」]](文化庁サイト、2018年3月9日発表)</ref>
*紙本金地著色日月山水図(六曲屏風一双) - 2018年度、国宝に指定見込み<ref>[http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1402236.html 「文化審議会答申〜国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について〜」](文化庁サイト、2018年3月9日発表)</ref>
: 中世[[大和絵|やまと絵]]屏風の代表作として名高い作品。この屏風に関する史料は殆ど残っておらず、制作時期も15世紀半ばとする説から、16世紀後半とする意見もある。同時期の洗練されたやまと絵屏風にあまり見られない工芸的な手法や、[[仏画]]に通じる波の描き方、泥臭ささえ感じる素朴な表現から、大和絵師ではなく[[絵仏師]]が描いた可能性がある<ref>[[泉万里]] 『光をまとう中世絵画 ─やまと絵屏風の美』 [[角川学芸出版]]、2007年 ISBN 978-4-04-702137-2</ref>。山や松、波などが動き出さんばかりに誇張され、その特異で迫力ある造形から美術書などの表紙にしばしば使われ、[[日本画家]]の[[加山又造]]や山本太郎などが本作を下敷きにした作品を発表している。
: 中世[[大和絵|やまと絵]]屏風の代表作として名高い作品。この屏風に関する史料は殆ど残っておらず、制作時期も15世紀半ばとする説から、16世紀後半とする意見もある。同時期の洗練されたやまと絵屏風にあまり見られない工芸的な手法や、[[仏画]]に通じる波の描き方、泥臭ささえ感じる素朴な表現から、大和絵師ではなく[[絵仏師]]が描いた可能性がある<ref>[[泉万里]] 『光をまとう中世絵画 ─やまと絵屏風の美』 [[角川学芸出版]]、2007年 ISBN 978-4-04-702137-2</ref>。山や松、波などが動き出さんばかりに誇張され、その特異で迫力ある造形から美術書などの表紙にしばしば使われ、[[日本画家]]の[[加山又造]]や山本太郎などが本作を下敷きにした作品を発表している。



2018年3月29日 (木) 00:07時点における版

金剛寺

南大門
所在地 大阪府河内長野市天野町996
位置 北緯34度25分46.42秒 東経135度31分44.57秒 / 北緯34.4295611度 東経135.5290472度 / 34.4295611; 135.5290472座標: 北緯34度25分46.42秒 東経135度31分44.57秒 / 北緯34.4295611度 東経135.5290472度 / 34.4295611; 135.5290472
山号 天野山
宗派 真言宗御室派大本山
本尊 大日如来(国宝)
創建年 (伝)天平年間(729年 - 748年
開基 (伝)行基聖武天皇(勅願)
正式名 天野山 金剛寺
別称 女人高野
札所等 新西国三十三箇所7番
河内地蔵12番
河内飛鳥古社寺8番
神仏霊場巡拝の道 第55番
文化財 延喜式神名帳、延喜式、剣、木造大日如来坐像・木造不動降三世明王坐像(国宝)
楼門、絹本著色五秘密曼荼羅図、木造大日如来坐像ほか(重要文化財)
法人番号 6120105005422 ウィキデータを編集
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金堂
多宝塔
摩尼院
庭園
鎮守社の丹生・高野明神社
日月山水図屏風 右隻
日月山水図屏風 左隻

金剛寺(こんごうじ)は大阪府河内長野市にある真言宗御室派の大本山である。山号は天野山(あまのさん)。高野山女人禁制だったのに対して女性も参詣ができたため、「女人高野」とも呼ばれる。奥河内の観光地の一つ。大阪みどりの百選に選定されている[1]

歴史

奈良時代に聖武天皇の勅願により行基が開いたとされる。弘法大師(空海)も修行をしたとされている。平安時代末期に高野山の僧・阿観(あかん)が金堂・御影堂などを建立し、再興した。南北朝時代には南朝方の勅願寺とされ、後村上天皇の行在所(あんざいしょ)ともなった。また、北朝光厳光明崇光天皇の行在所とされた時期もあった。その後、戦火にも遭うことがなく、貴重な文化財が数多く残されている。

建造物

金堂

堂内には中央に本尊の金剛界大日如来坐像、向かって右に不動明王坐像、左に降三世明王(ごうざんぜみょうおう)坐像を安置する(いずれも2017年度に国宝に指定)。

  • 木造大日如来坐像 - 平安時代後期。
  • 木造不動明王坐像 - 鎌倉時代。修理時に像内銘が確認され、天福2年(1234年)、快慶の弟子、行快の作と判明した[2]
  • 木造降三世明王坐像 - 鎌倉時代。降三世明王像は四面八臂三眼の立像として表すのが通例だが、本像は一面二臂二眼の坐像で、図像的に珍しい。像内銘はないが、作風から、不動明王像と同様、行快工房の作と推定される[3]。 

その他の堂宇

  • 楼門
  • 御影堂
  • 多宝塔 平安時代末の建立で多宝塔建築としては日本最古。ただし、慶長11年から12年(1606年-1607年)にかけて大改修されている。
  • 食堂(天野殿)
  • 鐘楼
  • 摩尼院書院(南朝行在所)
  • 奥殿
  • 観月堂
  • 開山堂
  • 求聞持堂
  • 無量寿院
  • 五仏堂

鎮守社

金剛寺より国道170号の向こう側の山に鎮守社の丹生・高野明神社がある。

文化財

境内が国の史跡に指定されている。

国宝

  • 延喜式神名帳
  • 延喜式第十二残巻、第十四、第十六
  • 剣 無銘(附 黒漆宝剣拵)
  • 木造大日如来坐像、木造不動・降三世明王坐像 3躯(附 木造天蓋) - 2017年度国宝指定[4][5][6]

重要文化財

建造物
  • 楼門
  • 金堂
  • 御影堂(御影堂と観月亭からなる)
  • 多宝塔
  • 食堂(天野殿)
  • 鐘楼
  • 摩尼院書院(南朝行在所)※所有者は摩尼院
絵画
  • 絹本著色五秘密曼荼羅図
  • 絹本著色弘法大師像
  • 絹本著色虚空蔵菩薩像
  • 絹本著色尊勝曼荼羅図
  • 紙本金地著色日月山水図(六曲屏風一双) - 2018年度、国宝に指定見込み[7]
中世やまと絵屏風の代表作として名高い作品。この屏風に関する史料は殆ど残っておらず、制作時期も15世紀半ばとする説から、16世紀後半とする意見もある。同時期の洗練されたやまと絵屏風にあまり見られない工芸的な手法や、仏画に通じる波の描き方、泥臭ささえ感じる素朴な表現から、大和絵師ではなく絵仏師が描いた可能性がある[8]。山や松、波などが動き出さんばかりに誇張され、その特異で迫力ある造形から美術書などの表紙にしばしば使われ、日本画家加山又造や山本太郎などが本作を下敷きにした作品を発表している。
彫刻
  • 木造大日如来坐像(多宝塔安置)[9]
  • 銅造観世音菩薩立像 - 奈良国立博物館に寄託。
  • 木造二天王立像 弘安二年(1279年)法橋正快等作
  • 木造五智如来坐像(五仏堂安置) 5躯[10]
工芸品
金銅柄香炉(附 金銅牡丹文透蓋)
  • 蓮花蒔絵経筥
  • 腹巻及膝鎧 伝楠氏一族所用 20領、1双(明細は後出)※「腹巻」は鎧の一種
  • 白銅鏡(花鳥文様)
  • 野辺雀蒔絵手箱
  • 金銅柄香炉(附 金銅牡丹文透蓋)
  • 金銅装戒体箱
  • 蓮唐草螺鈿蝶形三足卓
書跡・典籍、古文書
  • 宝篋印陀羅尼経
  • 梵漢普賢行願賛
  • 紺紙金泥法華経 巻第八 藤原基衡願経
  • 紙本金泥宝篋印陀羅尼経 料紙消息及歌集切
  • 大般涅槃経 12巻 各巻正平十四年後村上天皇加筆奥書
  • 遊仙窟残巻 元亨元年加点奥書[11]
  • 楠木氏文書 1巻

典拠:2000年までに指定の国宝・重要文化財については『国宝・重要文化財大全 別巻』(所有者別総合目録・名称総索引・統計資料)(毎日新聞社、2000)による。2001年以降の新規指定、追加指定等については個別に注を付した。

登録有形文化財

以下の建造物14件が2017年6月28日付けで国の登録有形文化財に登録された[12]

  • 本坊持仏堂
  • 本坊客殿
  • 本坊大玄関
  • 本坊奥殿
  • 本坊渡廊下
  • 本坊茶室
  • 本坊表門
  • 無量寿院・籠堂
  • 天野川東岸旧子院築地塀
  • 旧理趣院表門
  • 旧真福院表門
  • 大講堂
  • 大講堂食堂
  • 鎮守橋

交通アクセス

脚注

  1. ^ 大阪みどりの百選”. 大阪府. 2016年12月23日閲覧。
  2. ^ 『なら仏像館名品図録』(奈良国立博物館、2012)、pp.14 - 15
  3. ^ 『なら仏像館名品図録』(奈良国立博物館、2012)、pp.14 - 15
  4. ^ 平成29年9月15日文部科学省告示第113号
  5. ^ 国宝・重要文化財の指定について(文化庁サイト)
  6. ^ 附(つけたり)の天蓋は2012年追加指定(平成24年9月6日文部科学省告示第135号)
  7. ^ 「文化審議会答申〜国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について〜」(文化庁サイト、2018年3月9日発表)
  8. ^ 泉万里 『光をまとう中世絵画 ─やまと絵屏風の美』 角川学芸出版、2007年 ISBN 978-4-04-702137-2
  9. ^ 平成23年6月27日文部科学省告示第101号
  10. ^ 平成17年6月7日文部科学省告示第87号
  11. ^ 平成26年8月21日文部科学省告示第107号
  12. ^ 平成29年6月28日文部科学省告示第89号)

関連項目

外部リンク