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9代目、[[1995年]]モデルでは内外共に大幅な変更がなされ、エクステリアはクーペモデルである[[リンカーン・マークVIII|マークVIII]]に似た、より丸みを帯びたものに変更された。<ref>なお、このデザインは1992年には概ね完成していた。[https://www.youtube.com/watch?v=KjL2hpl9JBc YouTube]</ref>製造は[[1994年]]の[[11月]]に、[[ミシガン州]]のウィクソム工場にて開始された。エクステリアは前述の通り一新されたが、プラットフォームは先代のキャリーオーバーとなっていた。但しエンジンに関しては、先代とは異なり[[V型8気筒|V8]]エンジンに回帰しており、競合する[[キャデラック]]の[[キャデラック・ドゥビル|ドゥビル]]や[[キャデラック・セビル|セビル]]が搭載する[[ノーススターエンジン]]に近づいた形となった。この新型コンチネンタルの価格は当時で40,750ドルからとなっていた。 |
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このモデルには、「インテックエンジン」と呼称される4.6LのV8エンジン1種類のみが用意されていた。これはマークVIIIと共通であったが、マークVIIIが[[後輪駆動]]だったのに対しコンチネンタルは[[前輪駆動]]であったため若干出力が落とされており、最高出力は264PSと359Nm、0-97km/h加速は7.2秒となっていた。インテリアには贅沢な本革を用いており、多数の装備と先進的な電子機器が搭載された。その他にオプション装備として、[[JBL (企業)|JBL]]オーディオシステム、6連奏[[チェンジャーデッキ#CDチェンジャー|CDチェンジャー]]、自動[[サンルーフ]]、シートヒーター、自動車電話、盗難防止アラーム、[[トラクションコントロールシステム|トラクションコントロール]]や[[めっき|メッキ]]ホイールが用意されていた。また、それまでのモデルと同様に5人乗り仕様と6人乗り仕様とが用意されていたほか、上級グレードではブリッジオブウィアー製本革を使用したインテリアを選択することもできた。 |
このモデルには、「インテックエンジン」と呼称される4.6LのV8エンジン1種類のみが用意されていた。これはマークVIIIと共通であったが、マークVIIIが[[後輪駆動]]だったのに対しコンチネンタルは[[前輪駆動]]であったため若干出力が落とされており、最高出力は264PSと359Nm、0-97km/h加速は7.2秒となっていた。インテリアには贅沢な本革を用いており、多数の装備と先進的な電子機器が搭載された。その他にオプション装備として、[[JBL (企業)|JBL]]オーディオシステム、6連奏[[チェンジャーデッキ#CDチェンジャー|CDチェンジャー]]、自動[[サンルーフ]]、シートヒーター、自動車電話、盗難防止アラーム、[[トラクションコントロールシステム|トラクションコントロール]]や[[めっき|メッキ]]ホイールが用意されていた。また、それまでのモデルと同様に5人乗り仕様と6人乗り仕様とが用意されていたほか、上級グレードではブリッジオブウィアー製本革を使用したインテリアを選択することもできた。 |
2018年3月1日 (木) 00:12時点における版
リンカーン・コンチネンタル(Lincoln Continental)は、アメリカ合衆国の自動車メーカーフォード・モーターがリンカーンブランドで製造・販売している乗用車である。
初代 (1939年 - 1948年)
二代目 (1956年 - 1957年)
三代目(1958年 - 1960年)
四代目 (1961年 - 1969年)
五代目 (1970年 - 1979年)
六代目 (1980年)
七代目 (1982年 - 1987年)
八代目 (1988年 - 1994年)
九代目 (1995年 - 2002年)
リンカーン・コンチネンタル(九代目) | |
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後期(1998年フェイスリフト以降) | |
概要 | |
製造国 | アメリカ合衆国 |
販売期間 | 1994年11月 - 2002年7月 |
デザイン | フリッツ・メイヒュー |
ボディ | |
乗車定員 | 5 - 6人 |
ボディタイプ | 4ドア セダン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 |
プラットフォーム | フォード・D186プラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン | InTech 4,601 cc V型8気筒DOHC |
最高出力 |
264ps(前期) 279ps(後期) |
最大トルク |
359Nm(前期) 373Nm(後期) |
変速機 | 4速AT AX4N |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,769 mm |
全長 |
5,240 mm(前期) 5,296 mm(後期) |
全幅 | 1,869 mm |
全高 | 1,422 mm |
系譜 | |
後継 | リンカーン・MKS |
9代目、1995年モデルでは内外共に大幅な変更がなされ、エクステリアはクーペモデルであるマークVIIIに似た、より丸みを帯びたものに変更された。[1]製造は1994年の11月に、ミシガン州のウィクソム工場にて開始された。エクステリアは前述の通り一新されたが、プラットフォームは先代のキャリーオーバーとなっていた。但しエンジンに関しては、先代とは異なりV8エンジンに回帰しており、競合するキャデラックのドゥビルやセビルが搭載するノーススターエンジンに近づいた形となった。この新型コンチネンタルの価格は当時で40,750ドルからとなっていた。
このモデルには、「インテックエンジン」と呼称される4.6LのV8エンジン1種類のみが用意されていた。これはマークVIIIと共通であったが、マークVIIIが後輪駆動だったのに対しコンチネンタルは前輪駆動であったため若干出力が落とされており、最高出力は264PSと359Nm、0-97km/h加速は7.2秒となっていた。インテリアには贅沢な本革を用いており、多数の装備と先進的な電子機器が搭載された。その他にオプション装備として、JBLオーディオシステム、6連奏CDチェンジャー、自動サンルーフ、シートヒーター、自動車電話、盗難防止アラーム、トラクションコントロールやメッキホイールが用意されていた。また、それまでのモデルと同様に5人乗り仕様と6人乗り仕様とが用意されていたほか、上級グレードではブリッジオブウィアー製本革を使用したインテリアを選択することもできた。
1995年モデルと1996年モデルは総輪エアサスペンションを用いていたが、1997年モデルからは後輪エアサス、前輪コイルサスへと変更された。このような装備の簡略化および熾烈化する高級車市場のあおりを受け、1997年モデルではベース価格が10%引き下げられている。
フェイスリフト(1998年)
1997年暮れにはマイナーチェンジを実施し、1998年モデルとして発売された。エクステリアでは、前後のパーツが変更されることで、同じく1998年モデルとして新発売されたタウンカーとよく似たものとなった。インテリアについても変更が加えられ、光沢のあるダッシュボードはそのままにデザインが変更された。これらのように大きく変更された1998年モデルであったが、価格はそれまでと比べて若干しか上げられなかった。
1999年モデルでは価格がやや引き上げられ、ベース価格が一回り大きいタウンカーと同じ38,525ドルとなった。こうしてリンカーンは後輪駆動のタウンカー、前輪駆動のコンチネンタル、そして新たに加わったLSという3種類のセダンを用意することになった。この1999年モデルは、座席内蔵のサイドエアバッグと279PSにまで高められたエンジンパワーを特色としていた。オプション装備としては、GPSによる緊急通報システム「RESCUパッケージ」、サンバイザー部のスイッチ操作で車庫のシャッターを開閉できる「ホームリンク」、ハンズフリー電話、アルパイン製オーディオシステム(デジタルサウンドプロセッサー、サブウーファー、追加スピーカー)、6連奏CDチェンジャー、前席シートヒーターや着色ガラスサンルーフ(遮光カーテン付き)が用意された。6人乗りモデルも引き続き無料オプションとして用意されており、選択した場合はコラムシフトとベンチシートが装着された。更に有償のパッケージオプションとして、「ラグジュアリーアピアランスパッケージ」と「ドライバーセレクトシステム」が用意された。前者には木目パネルを用いたステアリングホイールとシフトノブ、専用ツートンシート、メッキホイールと専用フロントグリルとが、後者にはセミアクティブサスペンション、選択式ライドコントロール、オーディオとエアコンのステアリングスイッチ、自動防眩ミラー、「メモリープロファイルシステム」(2人分のパワーステアリングとライドコントロール設定の記憶機能)と「パーソナルセキュリティパッケージ」(光輝アルミホイール、ランフラットタイヤ、タイヤ空気圧警報、共通規格の車庫シャッターオープナー)とが装備された。
2000年モデルから2002年モデルにかけては、製造が終焉に向かっていたため大がかりな変更は施されなかった。2000年モデルではチャイルドシート固定機構、緊急用トランクオープナー、シートベルト未装着警報といった安全装備が標準装備化された。2001年モデルでは、それまでオプションだった共通規格車庫シャッターオープナーが標準装備へと変更された。2002年モデルには、ハンズフリー電話、緊急通報システム、情報提供サービスとルート案内機能をセットにした新型ビークルコミュニケーションシステム(VCS)がオプション装備として設定された。
特別仕様車
1996年モデルには2種類の特別仕様車が設定された。ひとつはリンカーン75周年記念モデル「ダイヤモンドアニバーサリーエディション」であり、これを選ぶと専用エンブレム、本革シート、ハンズフリー電話、JBLオーディオシステム、方位磁針内蔵の自動防眩ミラーとトラクションコントロールが装備された。もうひとつの特別仕様車は、前1995年モデルのタウンカーにも用意された「スピネーカーエディション」であり、こちらには専用エンブレム、三層コート塗装、ツートン本革シートと16インチのスポークアルミホイールが装備された。
2001年モデルには「リミテッドエディション」が設定された。これは"Limited"の刺繍が入った専用の本革内装、ツートンカラーのトリム、木目ステアリングホイール、6連奏CDチェンジャー、16インチのスポークアルミホイールからなっていた。なおこの仕様は他の一部の国では「グリーンブライアーリミテッドエディション」として発売されている。
2002年モデルには、コンチネンタルの生産終了を記念して「コレクターズエディション」が設定された。専用装備として、ウォルーナット材の本杢目を使用したステアリングホイール、インパネとサイドドアトリム、頭文字"CE"のエンブレム、プラチナ塗装のフロントグリル、10本スポークのメッキホイール等が装備された。加えて、チャコールグレーの専用塗装も選択することができた。この仕様は約2,000台が生産された。
生産中止と後継車
数年に渡って生産台数が落ち込んだのち、リンカーンは2002年モデルをもってコンチネンタルの生産を終了することを発表した。この生産終了には、売れ行きの鈍化の他に、殆ど価格の変わらない中型の後輪駆動セダンLSが2000年モデルで追加され、やはり同価格帯のタウンカーと三つ巴となったことも影響している。
1958年以降、全てのコンチネンタルはフォードのウィクソム工場で生産されてきた。コンチネンタルの最終生産車は2002年7月26日に工場をロールオフした。その後この工場ではタウンカーとLS、またフォードのサンダーバードと少量生産のGTが生産されていたが、2007年にタウンカーを出荷した後閉鎖されている。
2008年中旬に、リンカーンは新しいフラッグシップモデルとなるMKSを2009年モデルとして発売した。MKSは9代目コンチネンタルに近いサイズとなっているが、エンジンはV8の代わりにV6ターボとなっている。
十代目 (2017年 - )
リンカーン・コンチネンタル(十代目) | |
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「セレクト」グレード | |
概要 | |
製造国 | アメリカ合衆国 |
販売期間 | 2016年 - |
デザイン | デイヴィッド・ウッドハウス |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | セダン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | フォード・CD4プラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
Cyclone 3,726 cc V型6気筒 EcoBoost 2,956 cc V型6気筒ターボ EcoBoost 2,704 cc V型6気筒ターボ |
変速機 | 6速AT 6F55 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,995 mm |
全長 | 5,116 mm |
全幅 | 1,984 mm |
全高 | 1,486 mm |
系譜 | |
先代 | リンカーン・MKS |
先代の廃止から15年経ったのち、新しい10代目コンチネンタルは2016年秋に販売が開始された。これに先立つ2015年にはニューヨーク国際オートショーでお披露目されており、この10代目はMKSの後継車種となる。製造はフォード・マスタングと同じミシガン州のフラットロック工場にて行われる。
プラットフォームには7代目フォード・トーラス(現時点で中国市場専売)、MKZやフォード・フュージョンと同じCD4プラットフォームを用いているが、ホイールベースは145mm延長されている。駆動方式はFFが標準だがオプションで4WDも選択できる。
エンジンは3種類用意されており、全て6速ATが組み合わされる。アメリカ市場では309PS、380 N⋅mを発生するV6自然吸気エンジンが標準となり、その他に340PS、515 N⋅mを発揮する2.7Lの直噴ツインターボエンジンと、リンカーン専用となる新型の3.0L直噴ツインターボエンジンをオプションで選択することが可能となっている。この3.0Lエンジンは一回り小さいMKZにも搭載されるもので、オクタン価93((R+M)/2)のガソリンで406PS、542 N⋅mを発揮する。カナダ市場においては2種類のターボエンジンと4WDのみが用意される。
このコンチネンタルには、今までフォードブランドの車で採用されたことのない数々の装備が用意されている。例えばリンカーンが"E-Latch"と称するドアオープナー機構は、オートクロージャー機能に加えてドア開閉時のロック解除を電動で行うもので、乗降時には窓下のベルトライン部、もしくは室内に設置されたスイッチに触れるだけでロックが解除される。また、3.0Lエンジンと4WDを選択した場合はトルクベクタリングシステムも装備される。トランスミッションはシフトノブを廃し、センタースクリーンの左にあるスイッチ(P, R, N, D, S)で操作するものとなっている。これは1950年代にクライスラーやパッカードが用いた手法の再来である。これらのスイッチのうち、スポーツモードを意味する"S"を選択すると、連続可変サスペンション、電動パワーステアリングとトランスミッションの変速タイミングが専用のものとなる。追従式クルーズコントロールとレーンキーピング機能はMKSでも採用していたが、コンチネンタルではこれらに加えて360°カメラシステムをオプションで用意している。オーディオに関しては、標準の10スピーカー仕様の他に、ハーマンのREVELブランド製の、13スピーカー仕様と19スピーカー仕様をオプションで選択できる。これらを選ぶと前後ドアのスピーカーグリルがアルミ製のものとなる。また、「セレクト」と「リザーブ」グレードでは、SiriusXM社のトラベルリンクを6年間無料で利用できる、ボイスコントロール機能付きのタッチスクリーンナビが装備される。
グレードは下から「プレミア」、「セレクト」と「リザーブ」の3種類があり、更にそれらに加えて5つのオプションパッケージが用意されている。「リアシートパッケージ」ではリアシートに冷却/温熱機能、「アクティブモーション」と呼ばれるマッサージ機能、リクライニング機構と、統合型エアコン操作盤を設けたセンターアームレストが装備される。フロントシートには、10WAY運転席メモリーパワーシート、座面を延長できる24WAYパワーシート、そしてマッサージ機能を備えた30WAYパワーシートの3種類を用意しており、リンカーンはこれらを「パーフェクトポジション」と名づけている。シートの素材には、リンカーン伝統のブリッジオブウィアー製本革「ディープソフト」を、「セレクト」と「リザーブ」グレードに採用している。
リンカーンはこのモデルから、「ブラックレーベル」と呼ばれるスペシャルパッケージの提供を開始した。これに似たサービスとして、リンカーンは1976年から「デザイナーエディション」を用意していたことがあり、今回のものはこれの再来ともいえる。コンチネンタルには当該車種専用の「ラプソディー」のほか、「シャレー」と「サラブレッド」が用意されている。