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なお、『[[ドラゴンクエストII 悪霊の神々|ドラゴンクエストII]]』の設定資料集<ref>[[Wii]]の『[[ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III]]』にあるおまけデータ集にこのラフスケッチの画像が乗っている。</ref>で[[堀井雄二]]によるオークのラフスケッチに「イノシシとブタと人間をかけあわせたような悪鬼」と説明があるので、少なくとも同作開発時期の[[1986年]]頃には、すでにオーク=ブタのイメージがある程度広まっていたようである。 |
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なお、多くのロールプレイングゲームでは、ゴブリンや[[コボルト]]などとともに初期レベルの[[プレイヤーキャラクター]]が相手にする比較的弱いモンスター(いわゆる雑魚モンスター)として登場することが多いが、より強力な上位種を設定するゲームもある。他の種族が堕落してオークになるというトールキン以来の設定を引き継ぐ作品も多い。旺盛な生殖欲も継承されるものもあり(漫画『[[BASTARD!! -暗黒の破壊神-]]』では、「[[エルフ]]以外のすべての種と交配し、子を産んでしまう」<ref>[[萩原一至]『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』[[集英社]]p46</ref>という設定である)、そのような作品『[[ドラゴンライダー (モンスターメーカー)|ドラゴンライダー]]』([[鈴木銀一郎]]作)では、「人口」の増加により他国へ侵略せざるを得ないオークの悲哀が描かれる。 |
なお、多くのロールプレイングゲームでは、ゴブリンや[[コボルト]]などとともに初期レベルの[[プレイヤーキャラクター]]が相手にする比較的弱いモンスター(いわゆる雑魚モンスター)として登場することが多いが、より強力な上位種を設定するゲームもある。他の種族が堕落してオークになるというトールキン以来の設定を引き継ぐ作品も多い。旺盛な生殖欲も継承されるものもあり(漫画『[[BASTARD!! -暗黒の破壊神-]]』では、「[[エルフ]]以外のすべての種と交配し、子を産んでしまう」<ref>[[萩原一至]]『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』[[集英社]]p46</ref>という設定である)、そのような作品『[[ドラゴンライダー (モンスターメーカー)|ドラゴンライダー]]』([[鈴木銀一郎]]作)では、「人口」の増加により他国へ侵略せざるを得ないオークの悲哀が描かれる。 |
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=== ダンジョンズ&ドラゴンズ === |
=== ダンジョンズ&ドラゴンズ === |
2018年1月29日 (月) 00:25時点における版
オーク(Orc、Orkと綴られることもある)は、人間に似た架空の生物。J・R・R・トールキンの中つ国を舞台にした小説で、邪悪な勢力によって兵士として使われる種族の名前として使われた。
「オーク」という名の由来
オークという語は、ラテン語のオルクスが古英語に借用されたものである。
ベオウルフ(ll: 112)ではゾンビに似たグレンデルの種族について「オーク=ナス」(Orc-néas)という記述が見られる。オーク=ナスは「オルクスの死人」を意味しているようである。ローマ神話に登場するオルクス(Orcus)は死者の国の神であるプルートー、ハーデース、ディース・パテルの別名である。ハーデースと同様、オルクスは死者の国そのものを指す言葉ととることもできるかもしれない。いずれにせよ、トールキンはベオウルフのこの記述から「オーク」の名前をとった(後述)。
ただし、「オーク」という言葉は、海の怪物を指す言葉として別に英語に存在していた。こちらは大プリニウスの著書『博物誌』におけるオルカ(orca)の記述に由来し、中世には伝統的な海の怪物として転化して用いられた。ある資料に拠れば、シャルルマーニュは地中海でオークに船を襲われてこれを倒したとされている。アリオストの叙事詩『狂えるオルランド』では乙女アンジェリカを捕らえた海の怪物に与えられた名前であり、英雄ルッジェーロはヒッポグリフに乗ってこれと戦った。このオークは巨大で、鱗があり、牙と豚のような鼻を持っていて、剛毛が生えていた。オークの鱗がどうしても刃物を通さなかったため、ルッジェーロはオークを追い払ったにとどまり、のちオルランドがこのオークを力業で殺害している。
この用法がトロイのブルータスとブリテンの神話的な建国を描いたマイケル・ドレイトンの叙事詩『ポリオルビオン』で借用されて英語の単語となった。ミルトンの叙事詩『失楽園』でもこちらの用法が使われている。
ブレイクのオーク
オークはウィリアム・ブレイクによる神話の登場人物の一人でもある。中世の海獣やトールキンの人間の形をした怪物と異なり、ブレイクのオークは善き存在として描かれ、創造の情熱と活力を体現した存在である。
トールキンのオーク
人間の形をした、海とは無関係の種族としてのオークはトールキンが創造したものである。トールキンの著作における「オーク」は固有名詞として扱われ、語頭が大文字となっている場合もあるが、他の作品ではそうなっているとは限らない。トールキンの著作ではオークは人間の姿をし、大きさは人間とほぼ同じで、醜く汚らわしい存在として描かれている。知能はあるが鈍く惨めな生物で、極端に繁殖力が強く、人を殺す道具、つるはしややっとこなど、美しくないもの以外は作れるものの他の創造はできず、破壊するだけの存在として描写されている。『指輪物語』ではオークは邪悪な勢力(サウロンとサルマン)の兵士として使われた。
『ホビットの冒険』では、トールキンはオークに「ゴブリン」という単語を用いた。この時には『ホビットの冒険』の世界と中つ国を同じものとする構想がまだなかったからである。幸運なことにトールキンは神話に関する言及を『ホビットの冒険』に含めていたため、後になってホビットの土地を中つ国に含めることができた。『指輪物語』では「オーク」が大半を占め、「ゴブリン」が使われるのはそのほとんどがホビットの言葉である。『指輪物語』の発行後に、『ホビットの冒険』の「goblin」は「orc」の翻訳ということになり、目次の直前の注記が追加された。
トールキンはその書簡で、オークを古英語のオーク「悪魔」からとったのは、音声学的に適していたからにすぎないと述べている(The Letters of J.R.R. Tolkien No 144 (日付は1953年))。
他のファンタジー作品、ゲーム作品におけるオーク
トールキンの叙事小説『指輪物語』の刊行以降、オークはファンタジー小説やロールプレイングゲームで一般的に見られる存在となった。こうした派生作品では、オークとゴブリンは二つの異なった種族とされていることが多い。一時は豚のような顔で描かれることが多かったが、トールキンの作品にはそのような記述はない[1]。これはアイルランド語のorc(英語のporkと語源が同じ)が偶然にも豚という意味を持っていたためと、古来、聖職で、予言の力を持つとされた豚飼いが零落して邪悪なイメージを伴ったというアト・ド=ヴリースの説と関連すると思われる。
なお、『ドラゴンクエストII』の設定資料集[2]で堀井雄二によるオークのラフスケッチに「イノシシとブタと人間をかけあわせたような悪鬼」と説明があるので、少なくとも同作開発時期の1986年頃には、すでにオーク=ブタのイメージがある程度広まっていたようである。
なお、多くのロールプレイングゲームでは、ゴブリンやコボルトなどとともに初期レベルのプレイヤーキャラクターが相手にする比較的弱いモンスター(いわゆる雑魚モンスター)として登場することが多いが、より強力な上位種を設定するゲームもある。他の種族が堕落してオークになるというトールキン以来の設定を引き継ぐ作品も多い。旺盛な生殖欲も継承されるものもあり(漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』では、「エルフ以外のすべての種と交配し、子を産んでしまう」[3]という設定である)、そのような作品『ドラゴンライダー』(鈴木銀一郎作)では、「人口」の増加により他国へ侵略せざるを得ないオークの悲哀が描かれる。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ではほとんどの場合凶悪な存在であり、人間とその社会の暴力的で野蛮で部族的な側面を揶揄した扱いを受けている。また肌の色は例外なく灰色であり、青みがかった黄色から暗褐色まで幅広い肌の色をしていたトールキンのオークとは異なっている。一般的にオークは生まれついて暴力的で邪悪な存在であるため、オークの役を演じたいプレイヤーに対してはハーフオークを演じることが推奨されている。ハーフオークはオークと人間の混血である。
ルーンクエスト
『ルーンクエスト』のオークは浅黒い肌、長い腕、湾曲した脚を持ち、山間部や荒れ地に住む残虐な食人性の種族とされる。太陽の下を嫌い、エルフが退化したものという点はトールキンのオークに忠実である。架空の学名が"Orcanthropus piltdowni"と設定されており、ピルトダウン人を連想させる。同ゲームのメインとなる背景世界グローランサではなく、特定の背景世界に依存しないサプリメント『グリフィン・アイランド』の敵役として登場する。
ドラゴンクエストシリーズ
スタッフがはっきり「ブタ(イノシシ)」と明記してデザインさせたオークで、初出は前述のように『ドラゴンクエストII』。外見は二足歩行する茶色いフサフサした体毛をしたイノシシそのもの(手は人間に近い)といった風貌だが、槍をもったり(『ドラゴンクエストII』のみ無し)衣服を纏い靴も履いている。本編中では毛の色が金や青やピンクの色違いの近縁種もおり、こうしたものも含めると作品にもよるがただのパワーファイターだけではなく回復・蘇生呪文を使う系統に位置付けられている。
同シリーズにはこれ以外にも「オークマン、バーサクオーク、ハイオーク(鎧兜をつけたブタ顔人間、オークと違い体毛は薄い)」、「ピンクオーク(ピンク色の太った小悪魔)」、「オークデビル(棍棒を持った紫のイボイノシシ顔の人間)」というオークとつくモンスターがいくつかいるが、いずれもブタやイノシシをイメージするデザインのものである。
アースドーンとシャドウラン
ファンタジーロールプレイングゲームの『アースドーン』と『シャドウラン』では、オーク(ork)は一般的なファンタジーにおけるオークと異なり、生まれついて邪悪であるとも善良であるとも決められていない。アースドーンではヒューマン、ドワーフ、エルフ、オブシディマン、トゥスラング、トロール、ウィンドリングと並び立つ種族である。シャドウランではオークは、トロール、エルフ、ドワーフなどとおなじく遺伝子変異によって人間から変化したメタヒューマンであるとされている。
『シャドウラン』におけるメタヒューマンは「人種差別」を象徴する。なお初期の版では、「ヒューマニクス(人間至上主義)・ポリクラブ」と「ORC」(オーク人権団体)の諍いがあることになっている。
ウォーハンマー
ゲームズワークショップの『ウォーハンマーRPG』や『ウォーハンマー・ファンタジー・バトル』、『ウォーハンマー40000』にもオークは登場する。肉体的にはオークは人間よりも背が高く、幅広で、類人猿のように足が短く手が長い。緑色の肌が特徴で、類縁種であるゴブリンやスノットリングとともにグリーンスキンと呼ばれることもある。他の勢力と能力を均等化させるため、彼らはマシンガンや手榴弾、さらには宇宙船まで持っている。ウォーハンマーにおけるオークは知能は高いわけではないが、時に悪知恵が働く。オークは好戦的な種族である。
ウォークラフト
コンピューターゲームの『ウォークラフト』シリーズでは惑星Draenor出身のShaman文化を奉ずる気高い種族である。かつてはBurning Legionとして知られる邪悪な力によって堕落させられた存在であったが、自ら呪いを打ち破り、理性と文化を取り戻した。『ウォークラフト』のオークは筋骨隆々で、緑色の肌を持ち(ただし肌の色は呪いによって緑となったのであり、本来の色は褐色である)、顔には豚に似た鼻と大きな口、牙を持っている。作中ではそのこわもての外見とは裏腹に、善良で高潔な種族として描かれることもある。3作目以降はオークが主人公ともいえるストーリー構成で、MMORPGである最新作『ワールドオブウォークラフト』はしばしばWorld of Orcraft(Orccraft)と揶揄される。
リネージュII
MMORPGの『リネージュII』でのオークは、炎の種族で、神が作り出した種族の中で最も強い肉体と精神力を持つ。巨人が滅亡した後、一時期はエルフを追い出して大陸最強の座まで登りつめたこともあるが、エルフとヒューマンの連合軍に負け、現在は大陸北部の極寒地に住む。
ファイナルファンタジーXI
MMORPGの『ファイナルファンタジーXI』では、オークは獣人の一種族である。オークは暗黒の時代に黄昏の神プロマシアによってヴァナ・ディールの人間などの勢力と戦わせるために作られた、老若男女皆兵の好戦的な種族である。
ブレイド・オブ・アルカナ
『ブレイド・オブ・アルカナ』のオークは豚人族とも呼ばれる闇の種族で、下級精霊アルカイが堕天した人間からさらに堕落した成れの果てとされる。黒い皮膚と血液を持ち、眼は赤く、かぎ爪の生えた長い腕を持つ。他の闇の種族とともに「北狄」という勢力を構成し、その中核を占めている。その上位にはエルフの堕落したハイ・オークが支配者として存在する。しかしその社会は強者がその力により支配するもので、オークの奴隷だった人間の少女が実力でハイ・オークに取って代わり、部族の女王になった例もある。
アルシャード
『アルシャード』のオークはゴブリンが奈落によって汚染された種族であり、その体格はゴブリンよりも一回り大きく、非常に力が強いとされている。奈落の尖兵の代表格として人類の古い仇敵である。奈落の種族は一般的に、個体としての感情が希薄な代わりに集合意識により統制された行動を取るとされるが、神々の欠片シャードの力により自意識に目覚めた一部のオークは、誇り高き戦士となるため、プレイヤーキャラクターにすることもできる。
Gothic
MMORPGの『Gothic』では、オーク(orcs、orcish people)は人間より少し知能が劣る。好戦的な種族で、体格は大きく、力は人間(彼らはMorraと呼ぶ)よりとても強い。ただ、このゲームの性質上、人間とオークのどちらかが善く、どちらかが悪いというようなものはない(ただしプレイヤーは人間なので少しだけ偏りがある)。プレイヤーはゲームを進める上で彼らのために働くことを選ぶことすら出来る。彼らはBeliarと呼ばれる神(ゲーム中では暗黒の神で、Innosという火の神と敵対する)を信仰しており、Shamanという祭司もいる。
The Elder Scrolls
『The Elder Scrolls』の世界においてオークは、エルフや人間、獣人達と同様にプレイヤーキャラやNPCとして登場する。表向きは数多の種族と共に文化生活を送る好戦的で豪胆な戦士系種族として描かれてはいるが、ゲームに登場する一部の書物ではゴブリンやオーガと同じく野生の凶暴な亜人種となっており、その性質上獣人同様に被差別種族として描かれている。また、地方によって差別の度合いは異なるようで、オークを完全に拒絶する地方もあれば書店や宿屋をオークが経営する地方もある。ただし、「醜い種族」という概念はどの地方でも共通しており、事実、緑色の肌に獣のような目と牙という外見を持っている。