「ボールベアリングモータ」の版間の差分
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* [http://nakajee0312.sakura.ne.jp/jikken/bearing.html ボールベアリングモーターのページ] |
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* [http://hirasaka001.blogspot.com/2014/01/blog-post_23.html ボールベアリングモーターが回るっていう謎] |
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2016年11月29日 (火) 00:26時点における版
ボールベアリングモータ(英語: Ball Bearing Motor)は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する電動機。
概要
一般に、2つのボールベアリングと金属シャフトのみから構成される構造の電動機で、金属シャフトの両端にボールベアリングを取り付け、その2つのボールベアリングのブラケットに直流電流または交流電流を流すと、シャフトが回転します。[1]。通常の電動機で必要な磁石やコイルが不要で回転方向は電流の向きとは無関係で不定です[1]。また、実験では1個のベアリングだけでもシャフト中心にリード線を接触させ、と外輪との間で電流を流しても、全く同じ動作をすることが分かっています。
回転原理
ベアリング内の剛球に作用する熱膨張説や、ローレンツ力説などがあります。以下に、その原理の概要を示します。
熱膨張説:剛球との接点に電流が流れることによるジュール熱で剛球の接点の微小ポイントが膨張し、剛球が回転して膨張前の位置に戻るときの転動方向ベクトル力が源としています。ベアリングを水に浸しても回ることから熱膨張ではないとする見方もありますが、剛球と水の熱伝導率の違いから関係はないものと思われます。動画サイトにて、Trevelyan's Wiegerの原理の実験の紹介も存在します。しかし、この説を裏付ける種々のボールの材質による比較実験が求められます。
渦電流説:剛球の回転中にそこを流れる電流による渦電流そのものが剛球を転動する力とするものです。しかし、転動方向の力が初動の回転と逆であるため、説明が困難です。
表皮効果説: ベアリングの剛球は、SUJ2という種類のクロム鋼がよく使用されています。この剛球を例えば毎秒50回転しながら電流を流すと渦電流湯による表皮効果が生じます。そのときの電流の集中する深さは2ミリになります。 1/e、すなわち自然対数の逆数だけの割合、すなわち全電流の37%がそこに集中するといわれています。したがって、剛球の直径が数ミリでも回転数によっては、表皮効果の影響が強く現れることが予想できます。同じことは厳密には内輪にも生じます。駆動軸と連結される内輪のボールの転動面に表皮効果による電流が集中するなら、これが剛球の転動方向にローレンツ力がはたらくものと思われます。しかし、シャフトと連結しる内輪の回転数は剛球を比べて非常に遅く、手でシャフトを回転するときのような低速回転数で表皮効果は現れないと思われます。
残留磁束によるローレンツ力説: 剛球と外輪および剛球と内輪との接点におけるローレンツ力がベアリングモーターの駆動源になっている可能性があります。剛球を流れる電流が、自らの電流による磁界の影響を受けて並進運動することはありません。もしあるとすれば、エネルギー保存則をはずれてしまいます。しかし、剛球に電流を流し剛球を回転しているときには残留磁化が必ず生じており、その部分を通過する電流との間で働くローレンツ力は、剛球の転動方向の力になります。剛球と内輪との接触面の直径のうち約1/4は、剛球の転動に対する抗力として働きますが、剛球の接触面の3/4のエリアでは剛球を転動する力として働きます。そして、このローレンツ力は剛球の接触面近辺で、さらには、回転軸につながる内輪の剛球との接触面近辺にて、それぞれの磁性体中で働き、双方に回転トルクを生じることになります。 残留磁束によるローレンツ力がベアリングモーターの原動力とする最大の特徴は、磁性体の剛球は1000前後の比透磁率があるため、磁性体ではない銅のボールと比較して一千倍前後のローレンツ力が生じることです。さらに、重要な点として、剛球の内輪との接触面エリア内外の磁束分布は磁気ヒステリシス特性に完全に従うということです。接触面は磁気ヒステリシス特性の第1から第3象限に収まり、接触面の中心では磁性体による強い残留磁束密度を維持することができるため、表皮効果説の場合のような磁束が空間を隔てて作用するローレンツ力よりもはるかに強い力が剛球と内輪双方に作用することにあります。
用途
エネルギー効率は極端に悪いので、物理学の実験など、教育、研究用途が主であり、実用的な目的では使用されません。
注意
電気回路は実質的には短絡なので電圧源には何らかの電流制限機構を設けてください。内部抵抗が極端に低いバッテリーなどから直接続すると、大電流が流れて発熱する場合があります。また充電部が露出しているので、実験時には火傷や感電をしないよう、くれぐれも電流の経路に注意して金属部分に素手で触れないでください。
関連項目
脚注
文献
- 中川雅仁「単極モーターの動作原理」『日本物理教育学会誌「物理教育」』第2号、2007年、141-144頁。
- 霜田光一「やさしくて難しい電磁気の実験」『パリティ』第12号、1989年12月、80-83頁。
- {{Cite journal |和書|author= | author2=|title=モーター進化の百年| publisher=学研|journal=大人の科学マガジン|asin= |vol=21| date=2008年09月30