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* 韓洪九『韓洪九の韓国現代史 韓国とはどういう国か』(平凡社、2003年)
* 韓洪九『韓洪九の韓国現代史 韓国とはどういう国か』(平凡社、2003年)
* 渡邊武「再配置を契機とする在韓米軍基地問題の変化:『持続可能な駐留環境』に向けて」『防衛研究所紀要』第7巻第1号(2004年11月)
* 渡邊武「再配置を契機とする在韓米軍基地問題の変化:『持続可能な駐留環境』に向けて」『防衛研究所紀要』第7巻第1号(2004年11月)
* 平田隆太郎・惠谷治・島田洋一・西岡力 共著 『南・北朝鮮、同時崩壊か?』(東京財団 中央公論事業出版 2007年03月 ISBN:9784895142878)
* 平田隆太郎・惠谷治・島田洋一・西岡力 共著 『南・北朝鮮、同時崩壊か?』(東京財団 中央公論事業出版 2007年03月 ISBN 9784895142878)


==外部リンク==
==外部リンク==

2016年11月15日 (火) 18:07時点における版

在韓米軍
各種表記
ハングル 주한미군
漢字 駐韓美軍
発音 チュハンミグン
日本語読み: ちゅうかんべいぐん
英語 United States Forces Korea
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在韓米軍(ざいかんべいぐん)は、大韓民国に駐在しているアメリカ軍の陸・海・空軍部隊の総称である。朝鮮戦争の際に国連軍主力部隊として派遣され、戦後に引き続き駐在している。ニクソンカーター時代から削減が始まり、90年代より世界的な米軍再編により、段階的に削減されている。

ジョージ・W・ブッシュ政権は在韓米軍の兵力の一部をイラク戦争に投入した。

2010年5月に再編後も約28,500人規模の兵力を維持することが決定されている。内訳は、陸軍20,000人、空軍8,000人、海軍300人、海兵隊100人、特殊作戦軍100人。

2016年7月には東豆川に駐屯していた第2歩兵師団部隊が、平沢のキャンプ・ハンフリーに移転し竜山基地にある在韓米軍司令部もキャンプ・ハンフリーに移転予定となっている。

主要部隊

主要基地

在韓米陸軍、在韓米海軍、在韓米海兵隊、在韓米特殊作戦コマンドの司令部が所在する。返還が決定しているが、朝鮮半島の緊張が高まるたびに再三延期されている。返還後の移転先は、ハンフリーズ基地京畿道平沢市 )の予定。
在韓米空軍の司令部が所在する。ハンフリーズ基地と互いに隣接する。

その他の主要基地

陸軍基地。主力実戦部隊である第2歩兵師団の司令部が所在する。東豆川市の駐留部隊を傘下に持つ。軍事境界線 (朝鮮半島)とソウル特別市の中間にあり首都防衛を担う。
陸軍基地。平時は兵站拠点、有事にはソウル陥落時の臨時司令部移転先として想定されている。

その他の基地

在韓米軍の法的地位

韓洪九は韓国における米軍の法的地位の歴史を次の4段階に分けている。

  • 1945年9月~1948年8月 
米軍政下では韓国政府も存在せず、米軍の法的地位が問題になることはなかった。米軍人が韓国の法廷で裁判をうけるのではなく、韓国人が米軍の法廷で英語で裁判を受けなければならなかった。
  • 1948年8月~1949年6月
大韓民国政府樹立から米軍撤退までの時期は極簡単な「過渡期に施行された暫定的軍事安全に関する行政協定」に規定されていた。米軍政を受けて、米国の軍人・軍属やその家族の立場は強力であり、不平等なものだった。
  • 1950年7月~1967年2月
朝鮮戦争初期に締結された大田(テジョン)協定で韓国政府は米軍に対する刑事裁判権を放棄し、米国当局に付与してしまった。1953年7月に韓米相互防衛条約が仮調印されたが、米国は在韓米軍の法的地位に関する交渉には応ぜず、大田協定はそのまま存続した。当時米兵の犯罪は全く野放しの状態だった。
  • 1967年2月~現在
韓米間にSOFAが発効し、大田協定よりは大きく改善されたが、地位協定の附属文書で本協定の内容を覆す自動放棄条項があり、韓国側の米軍に対する裁判管轄権は形式的なものにとどまった。

(韓洪九:韓国現代史)

韓国における反米軍感情

これ以外にも、韓国国内では米軍の駐屯費用の負担に対する反発が根強く米韓の摩擦が続いている(2007年時点の韓国側の負担率は42%)。作戦統制権も平時については1993年に韓国による単独行使が可能となったが、戦時には米韓連合司令部がこれを握る。韓国では米韓連合軍司令部の作戦統制権を主権の侵害として捉える傾向が強かった。また韓国政府は北朝鮮との軍事分界線付近を中心に広大な土地を米軍に貸与する一方、米軍基地の周辺住民への補償や支援はほとんど行ってこなかった。こういったことが韓国における反米軍感情の温床になってきた。

1999年9月29日AP通信朝鮮戦争中米軍が韓国人民間人を虐殺したノグンリ事件を大々的に報道し、2002年6月13日には京畿道楊州郡広積面孝村里で米第2歩兵師団工兵隊装甲車による女子中学生2名の死亡事故が発生したことによりローソクデモなど反米運動の高まりがみられた(議政府米軍装甲車女子中学生轢死事件)。

2004年の韓国陸軍士官学校新入生に対する意識調査では韓国の敵対国家の第1位はアメリカであった。また、一般の新兵に対する調査結果では75%が反米感情を表した[1]

現在進行中の在韓米軍再編を基礎づける「米韓連合土地管理計画」(LPP:Land Pertnership Plan)の目的の一つは、米軍駐留にともなう韓国国内の反発を緩和することであった。しかしLPPによる米軍基地の集約・移転をめぐっても、少なからぬ摩擦が生じているのが現状である。

作戦計画

在韓米軍には、その時局に応じて起こりうる有事を想定した作戦が存在していた[1]。これらの作戦は、立案後に締結される条約や共同宣言など社会情勢の変化により、現在では失効しているものもあると考えられている。ごく簡単にまとめると次のようになる。

  • 作戦計画5026:朝鮮民主主義人民共和国の核開発が問題になった1990年代に立案された作戦。核施設などをピンポイント爆撃する。
  • 作戦計画5027朝鮮人民軍が南下して全面戦争となった場合、米韓連合軍が積極的に攻勢にでて朝鮮半島統一を成し遂げる。(それまでは後退しつつ反撃の機会を待つ作戦が採用されていた。)
  • 作戦計画5028:欠番とされている。
  • 作戦計画5029:1999年に立案された作戦。朝鮮民主主義人民共和国が内部混乱に陥った場合に軍事介入を行う。
  • 作戦計画5030:2003年に立案された作戦。軍事介入というより、クーデターなどを誘発させる諜報・工作作戦。

歴代司令官

在韓国連軍司令官、米韓連合司令部司令官を兼任する。

画像 氏名・階級 任期
ジョージ・デッカー英語版大将 1957年7月1日 - 1959年6月30日
カーター・B・マグルーダー英語版大将 1959年7月1日 - 1961年6月30日
ガイ・S・メロイ英語版大将 1961年7月1日 - 1963年7月31日
ハミルトン・H・ハウズ大将 1963年8月1日 - 1965年6月15日
ドワイト・E・ビーチ英語版大将 1965年6月16日 - 1966年8月31日
チャールズ・H・ボーンスティール3世大将 1966年9月1日 - 1969年9月30日
ジョン・H・ミカエリス大将 1969年10月1日 - 1972年8月31日
ドナルド・V・ベネット英語版大将 1972年9月1日 - 1973年7月31日
リチャード・G・スティルウェル英語版大将 1973年8月1日 - 1976年10月8日
ジョン・ヴェッシー・ジュニア大将 1976年10月8日 - 1979年7月10日
ジョン・A・ウィッカム大将 1979年7月10日 - 1982年6月4日
ロバート・W・セネワルド英語版大将 1982年6月4日 - 1984年6月1日
ウィリアム・J・リブジー英語版大将 1984年6月1日 - 1987年6月25日
ルイス・C・メネトリー英語版大将 1987年6月25日 - 1990年6月26日
ロバート・R・リズカシー英語版大将 1990年6月26日 - 1993年6月15日
ゲイリー・E・ラック英語版大将 1993年6月15日 - 1996年7月9日
ジョン・H・ティレリー英語版大将 1996年7月9日 - 1999年12月9日
トーマス・A・シュワルツ英語版大将 1999年12月9日 - 2002年5月1日
レオン・J・ラポート英語版大将 2002年5月1日 - 2006年2月3日
バーウェル・B・ベル英語版大将 2006年2月3日 - 2008年6月3日
ウォルター・L・シャープ英語版大将 2008年6月3日 - 2011年7月14日
ジェームズ・D・サーマン英語版大将 2011年7月14日 - 2013年10月2日
カーチス・スカパロッティ英語版大将 2013年10月2日 - 2016年4月30日
ヴィンセント・ブルックス英語版大将 2016年4月30日 -

脚注

  1. ^ 「韓国の敵は米国」に衝撃受け教科書執筆(上) 朝鮮日報 2008/04/20

参考文献

  • 韓洪九『韓洪九の韓国現代史 韓国とはどういう国か』(平凡社、2003年)
  • 渡邊武「再配置を契機とする在韓米軍基地問題の変化:『持続可能な駐留環境』に向けて」『防衛研究所紀要』第7巻第1号(2004年11月)
  • 平田隆太郎・惠谷治・島田洋一・西岡力 共著 『南・北朝鮮、同時崩壊か?』(東京財団 中央公論事業出版 2007年03月 ISBN 9784895142878

外部リンク

関連項目