「トヨタ・セリカXX」の版間の差分
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*福野礼一郎『自動車ロン』双葉文庫 |
*福野礼一郎『自動車ロン』双葉文庫 ISBN 4-575-71308-2 |
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{{トヨタ車種年表 (初期)}} |
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2016年11月15日 (火) 16:44時点における版
セリカXX(セリカ ダブルエックス)はかつてトヨタ自動車が製造・販売していたクーペである。 6気筒車日産・フェアレディZの成功に刺激された北米ディーラーの要望により、4気筒車セリカの上級車種として6気筒エンジンを搭載することを主眼に開発された。その経緯からスポーツカーとして認知されるフェアレディZと対比されるが、本車は歴代を通じGTカーとしてカテゴリ分けされることが多く、フェアレディZとの対比はカテゴリを越えたものであることに留意すべきである。
歴史
初代 A40/50型(1978年-1981年)
トヨタ・セリカXX(初代) A40/50型 | |
---|---|
フロント | |
リア | |
概要 | |
販売期間 | 1978年 - 1981年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 3ドアファストバック |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 直列6気筒 2.8/2.6/2.0L |
変速機 | 4速AT/5速MT |
前 |
F:マクファーソンストラットコイル R:4リンクリジッドコイル |
後 |
F:マクファーソンストラットコイル R:4リンクリジッドコイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,630mm |
全長 | 4,600mm |
全幅 | 1,650mm |
全高 | 1,310mm |
車両重量 | 1,180kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ディスク |
データモデル | 2600G 5MT(前期、A40型) |
1977年の東京モーターショーに参考出品。セリカの上級車種として翌1978年登場。A40型セリカ(4気筒モデル)のフロントノーズを延長し、M型6気筒エンジンを搭載。ラグジュアリーな雰囲気を持った高級スペシャルティカーという設定で、4灯角型ヘッドランプやカラードウレタンバンパー、ガラス調のリアガーニッシュやBピラーフィニッシャー、七宝調エンブレムを装備し、後の初代ソアラやマークII3兄弟(マークII/チェイサー/クレスタ)などに代表されるトヨタハイソカーブームへ続くえんじ色の内装など、装飾による高級感の演出の元祖であり、その3年後に登場する初代ソアラの源流にもなった車種である。当時のアメリカではXの連記が映画の成人指定度合いを示すため、北米を含めた全ての輸出車はXの連記を避けスープラと命名し発売され、このことによって「セリカXX」は日本国内専用の車名となった。エンジンは直列6気筒 2.0L SOHC (M-EU) と2.6L SOHC (4M-EU) が搭載された。フロントグリルの造型に Toyota のTをあしらい、同じモチーフを用いた同社最高級スポーツカー2000GTを彷彿させた。日本国内のCMキャラクターにはリック・ジェイソンが起用された。
- 前期 A40型
- グレードは2.0L車 (MA45) が下位から L、S、G の3種、2.6L車 (MA46) が下位から S、G の2種が用意された。
- トヨタ・クラウンとともにトヨタ車初の4速ATが搭載された。オーバードライブ設定スイッチはダッシュボードに装備された。1990年代から主流となったオーバードライブ解除スイッチとはインジケーターの点灯ロジックが逆で、設定スイッチをONにすると緑のインジケータが点灯しオーバードライブ段への自動変速が有効になった。
- メーカーオプションとしてスライディングサンルーフが用意されたが、開閉は車内の上部に装備した折りたたみ式ハンドル回転による手動式であった。
- ステアリングホイールのスポーク裏にもホーンボタンが装備されていた。
- 後期 A50型
- 1980年8月にマイナーチェンジ。このマイナーチェンジ車はわずか7ヶ月しか販売されていない。
- リアサスペンションが4リンク/コイルスプリングのリジッドアクスル式からセミトレーリングアーム/コイルスプリングの独立懸架式に変更された。
- 3ナンバー車は 4M-EU に代わり 5M-EU 2.8Lエンジンが搭載された。
- センターコンソールを形状変更し、日本製乗用車において普及しつつあったDIN規格のオーディオスペースが、2段新設された。
- 年表
-
北米仕様
2代目 A60型(1981年-1986年)
トヨタ・セリカXX(2代目) A60型 | |
---|---|
前期型 2800GT | |
概要 | |
販売期間 | 1981年 - 1986年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 3ドアファストバック |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 直列6気筒 2.8/2.0L |
変速機 | 4速AT/5速MT |
前 |
F:マクファーソンストラットコイル R:セミトレーリングアームコイル |
後 |
F:マクファーソンストラットコイル R:セミトレーリングアームコイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,615mm |
全長 | 4,600mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,315mm |
車両重量 | 1,270kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ディスク |
データモデル | 2800GT 5MT(後期型) |
系譜 | |
後継 | トヨタ・スープラ(日本国内) |
1981年7月登場。初代がラグジュアリー志向の高級スペシャルティカーであったのに対し、初代のコンセプトを先に発売されたソアラが引き継いでいたため、2代目は一転してスポーティー路線へと変更された。CMでもロータスの創始者であるコーリン・チャップマンを起用しカタログでも走行性能の高さを前面にアピールしていたが、当時あった「足回りのセッティングをロータスが担当した」という話は誤りである[1]。外観は直線を主体としたシャープな造形のボディーと空力を意識したリトラクタブルヘッドライトによるシンプルな顔立ちへと変貌を遂げた。CD値0.35とソアラよりも優れた空力特性と前面投影面積の小ささで日本車としては久々となる200Km/hオーバーを記録した (2800GT)。スポーティーに振ったキャラクターではあったが装備は充実しており、カローラ店での高級車の役割も担っていた。クルーズコンピューター(ガソリン満タン時からの走行可能距離、燃料消費量、目的地までの到着予定時刻などをコンピューターが自動演算し表示するドライブ情報表示システム)、ソアラに初採用されたデジタルメーター(2800GTに標準、2000Gにオプション)、オートドライブ、スピードアラーム(オートドライブとの併設は不可)、電子チューナーAM/FMラジオカセットオーディオ(オプション)とウーファー1個、ツイーター2個、スピーカー2個の5スピーカの凝ったオーディオシステムが装備されていた。中でも注目の装備は、目的地の方角を入力するとその方角を指示し、目的地までの距離をコンピューターが算出する「クルーズナビコン」が2800GTにオプション設定された(クルーズコンピューター、電動式サンルーフとの併設は不可)。エンジ色の内装設定も引き続き採用され、サンルーフは初代の手動式から電動式に改められた。
自ら所有していた福野礼一郎は「セリカのノーズに強引にソアラ(2代目まで国内専用車だった)用エンジン載っけてアメリカ人ダマして売ろうと考えたインチキでっち上げスポーツカーもどき」と評している[2]。後にOption誌でターボチューンが施された。
- 前期型
- 1981年7月発売。エンジンは2800GTにソアラで初採用された直列6気筒 2.8L DOHC (5M-GEU) と2000L、S、Gにクレスタで初採用された2.0L SOHC (1G-EU)を搭載。
- 1982年2月 2.0L SOHC ターボ (M-TEU) を搭載するターボS/Gを追加
- 1982年8月 6気筒 2.0L DOHC 24バルブ (1G-GEU) を搭載する2000GTを追加。(2000GTにオプションで195/60R15サイズの60扁平タイヤが用意された)
- 上級モデルにはデジタルメーターが採用された。(2800GTに標準、2000G、2000Gターボ、2000GTにオプション設定)
- なお2.0GTは最後までMTオンリーでターボ系はATオンリーである。
- 後期型
- 1983年8月 マイナーチェンジ。外観の変更はバンパーの形状変更、テールレンズのデザイン変更、テールゲート及びリヤバンパーのボディー同色化、ドアミラーの標準化。最廉価グレードのLは廃止。5M-GEUは圧縮比アップにより175ps/5,600rpm、24.5kgm/4,400rpmに向上。
- 1986年販売終了。モデルチェンジの際にスープラと名称が変更された。
-
後期型 2000GT
関連項目
外部リンク
- トヨタ セリカXX(初代) - トヨタ自動車公式企業サイト内のページ。
- トヨタ セリカXX(2代目) - 同上。
脚注
参考文献
- 福野礼一郎『自動車ロン』双葉文庫 ISBN 4-575-71308-2