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なお、蒲田駅東口にある、現在[[大田区役所]]となっている建物<!--もともとは企業の建物として建設されたもので、区役所として建設されたものではない。-->の西端の地下には、トンネルは掘られていないものの鉄道トンネルを建設するための用地が確保されており、そのための用地であることが建物図面にも表記されている<ref name="川島">川島令三 『<図解>新説 全国未完成鉄道路線 - 謎の施設から読み解く鉄道計画の真実』 講談社、ISBN 978-4-06-214318-9 の記述より。</ref>。 |
なお、蒲田駅東口にある、現在[[大田区役所]]となっている建物<!--もともとは企業の建物として建設されたもので、区役所として建設されたものではない。-->の西端の地下には、トンネルは掘られていないものの鉄道トンネルを建設するための用地が確保されており、そのための用地であることが建物図面にも表記されている<ref name="川島">川島令三 『<図解>新説 全国未完成鉄道路線 - 謎の施設から読み解く鉄道計画の真実』 講談社、ISBN 978-4-06-214318-9 の記述より。</ref>。 |
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大田区によると、2007年10月に国、都、区、東急、京急による勉強会を立ち上げたところ、都以外は前向きな姿勢を示したとされる<ref>2007年11月14日付け朝日新聞東京版</ref>。また、東急は2011年11月15日までに投資家への説明において蒲蒲線建設検討を発表、国などに支援を求める計画を明らかにしている<ref name="朝日新聞20111115>{{Cite news |date=2011-11-15 |url=http://www.asahi.com/business/update/1115/TKY201111150657.html |title=2つの蒲田駅結ぶ「蒲蒲線」設置検討へ 東急電鉄 |publisher=asahi.com(朝日新聞社) |page= |accessdate= |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120122012254/http://www.asahi.com/business/update/1115/TKY201111150657.html |archivedate=2012-01-22}}</ref>。 |
大田区によると、2007年10月に国、都、区、東急、京急による勉強会を立ち上げたところ、都以外は前向きな姿勢を示したとされる<ref>2007年11月14日付け朝日新聞東京版</ref>。また、東急は2011年11月15日までに投資家への説明において蒲蒲線建設検討を発表、国などに支援を求める計画を明らかにしている<ref name="朝日新聞20111115">{{Cite news |date=2011-11-15 |url=http://www.asahi.com/business/update/1115/TKY201111150657.html |title=2つの蒲田駅結ぶ「蒲蒲線」設置検討へ 東急電鉄 |publisher=asahi.com(朝日新聞社) |page= |accessdate= |archiveurl=http://web.archive.org/web/20120122012254/http://www.asahi.com/business/update/1115/TKY201111150657.html |archivedate=2012-01-22}}</ref>。 |
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=== 過去に検討されていたルート === |
=== 過去に検討されていたルート === |
2016年11月15日 (火) 16:00時点における版
蒲蒲線(かまかません)、もしくは新空港線(しんくうこうせん)は、大田区などが調査・計画中の鉄道路線である。東京急行電鉄(東急)の蒲田駅と京浜急行電鉄(京急)の京急蒲田駅を連絡し大田区東西方向の移動の利便性を向上するとともに、羽田空港へのアクセスを改善する空港連絡鉄道として検討が進められている。
概要
東急多摩川線矢口渡駅付近から、東急蒲田駅・京急蒲田駅付近の地下を経由し、京急空港線大鳥居駅に至る。
東急多摩川線は狭軌 (1067mm)、京急空港線は標準軌 (1435mm) と軌間が異なるため、両線の接続方法が問題となるが、2015年1月19日に行われた新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会[1]で大田区が示した案(新大田区案)[2]では次のようになっている。
- 第一期:矢口渡駅 - 京急蒲田地下駅を狭軌複線で建設、東急多摩川線の全列車乗り入れ
- 第二期:京急蒲田地下駅 - 大鳥居駅を標準軌単線で建設、途中軌道変換装置を設け、開発中の軌間可変電車(フリーゲージトレイン)によって東京メトロ副都心線方面からの直通列車を運転
2016年4月20日、国土交通省の交通政策審議会が行った答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」[3]では、第一期区間については「矢口渡から京急蒲田までの先行整備により、京浜東北線、東急多摩川線及び東急池上線の蒲田駅と京急蒲田駅間のミッシングリンクを解消し、早期の事業効果の発現が可能」、「矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき」としている一方、第二期区間については「大鳥居までの整備については、軌間が異なる路線間の接続方法等の課題があり、さらなる検討が行われることを期待」という表現にとどまっている。
なお、蒲田駅東口にある、現在大田区役所となっている建物の西端の地下には、トンネルは掘られていないものの鉄道トンネルを建設するための用地が確保されており、そのための用地であることが建物図面にも表記されている[4]。
大田区によると、2007年10月に国、都、区、東急、京急による勉強会を立ち上げたところ、都以外は前向きな姿勢を示したとされる[5]。また、東急は2011年11月15日までに投資家への説明において蒲蒲線建設検討を発表、国などに支援を求める計画を明らかにしている[6]。
過去に検討されていたルート
都市鉄道調査案
1999年度から2000年度にかけて、運輸省・国土交通省が行った「都市鉄道調査」では、「営団13号線(現東京メトロ副都心線)と東急東横線、東急目蒲線(現東急多摩川線)と京急空港線の接続」が調査対象となった[7]。
蒲蒲線については以下の3ケースについて検討を行ったが、当時の建設費補助の仕組みでは採算を取ることは不可能という結論であった。
- ケース1:矢口渡駅 - 蒲田駅 - 京急蒲田接続駅 - 糀谷駅 - 大鳥居駅 4.1km
- 全線狭軌複線で建設、矢口渡駅と蒲田駅地上ホーム(3面2線に縮小)との間は東急池上線との連絡線として単線で残す
- 13号線からの直通列車(毎時3本を想定、他2ケースも同じ)に加えて、目蒲線全列車(毎時9本を想定)乗り入れ
- 大鳥居駅を島式2面4線に改築、京急空港線と同一ホームで接続、大鳥居駅の東方に引き上げ線を設ける
- ケース2:矢口渡駅 - 大鳥居駅 3.4km
- 途中駅は設けず、単線での整備も考慮。大鳥居駅は京急空港線と別に島式ホームを設置
- 13号線からの直通列車のみ乗り入れ、目蒲線普通列車は従来通り地上ホーム発着
- ケース3:矢口渡駅 - 京急蒲田接続駅 1.8km
- 途中駅は設けず、単線での整備も考慮
- 13号線からの直通列車のみ乗り入れ、目蒲線普通列車は従来通り地上ホーム発着
なお、2000年1月に運輸省の運輸政策審議会が公表した運輸政策審議会答申第18号[8]では、大鳥居駅 - 京急蒲田駅 - 蒲田駅として、大鳥居駅で京急空港線と接続(乗換)、蒲田駅で東急目蒲線と相互直通運転を行う旨表記されている[9]。
大田区案
2002年度から2004年度まで大田区が行った整備調査による案であり、2011年に発表された「新空港線「蒲蒲線」整備調査のとりまとめ」[10]でも踏襲されている。
2003年度から2004年度にかけて、国土交通省による「鉄道整備等基礎調査「鉄道整備における新たな整備方式に関する調査」」[11]で、上下分離方式のケーススタディとして取り上げられた。この調査では、無償化資金50%で30年以内での資金収支黒字化が実現可能と結論付けられている。
- 矢口渡駅 - 東急蒲田駅地下 - 京急蒲田駅付近(新蒲田駅、南蒲田駅)- 大鳥居駅 2.7km
- 全線単線で建設、矢口渡駅 - 東急蒲田駅地下は狭軌、東急蒲田駅地下 - 大鳥居駅は標準軌として、東急蒲田駅地下で乗り換え
しかし、単線かつ東急蒲田地下駅は狭軌・標準軌が1線ずつという構造となるため東急多摩川線の全列車が地下駅に乗り入れができず、蒲田駅の移動が複雑となる上、用地買収に時間を要し、早期整備が難しいという問題点があり、東急多摩川線を地下に集約することで移動の煩雑さを解消し、かつ地下化により用地買収箇所を削減できるとする新大田区案に移行した。
歴史
- 1987年:大田区による調査開始[12] 。
- 1989年:大田区が「大田区東西鉄道網整備調査報告書」を発表[13]。
- 2000年1月:運輸政策審議会答申第18号の中で、「京浜急行電鉄空港線と東京急行電鉄目蒲線を短絡する路線の新設」として、目標年次(2015年(平成27年))までに整備着手することが適当である路線に位置づけられる[14]。
- 2005年10月:整備促進のための区民組織として、区内自治会・町会、商工団体などからなる「大田区蒲蒲線整備促進区民協議会」が発足[15][12]。
- 2006年1月:大田区が「大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備計画素案」をまとめる[13]。
- 2007年10月:国、都、区、東急、京急による勉強会が発足。
- 2011年11月:事業主体の一つになることが予想される東急電鉄が投資家へ構想を発表。
- 2015年1月:大田区が東京オリンピックが開催される2020年に照準を合わせ、前述の新大田区案に基づき蒲蒲線(第一期)の暫定開業を図る方針であることを明らかにした[16]。
- 2015年7月:東京都は「広域交通ネットワーク計画について≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫」[17]を公表、蒲蒲線は「整備について検討すべき路線」とされた。
- 2016年4月:交通政策審議会による答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」[3]で、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」として取り上げられた。
本計画の課題
本計画実現には以下に挙げるような課題がある。今後、計画具体化するまでにこれらの課題解消が必要となる。
- 短い路線のため、既存の補助制度では単独線としての事業採算性が期待できないことや、整備事業者と他の事業者との調整が困難[18]。ただし、大田区は都市鉄道等利便増進法の制定でこれらの問題が解決されたとしている[19]。
- 地上が建物密集地のために全線地下線とせざるをえず、建設費が高額になる[18]。
- 2011年の大田区長選挙では、羽田空港の再国際化が地元活性化に繋がっていない、または蒲田は単なる通過点だとして、蒲蒲線計画中止を公約に掲げた候補者が現れた[20]。
- 東京都は、羽田空港のアクセス路線として東日本旅客鉄道(JR東日本)が計画している羽田空港アクセス線(田町駅付近・大井町駅付近・東京テレポート駅 - 羽田空港)をより高く評価し、2015年7月10日に公表された「広域交通ネットワーク計画について≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫」[17]において、「整備について優先的に検討すべき路線」としている。羽田空港アクセス線と新空港線(蒲蒲線)の両方を整備した場合、蒲蒲線の収支採算性の確保に課題があるという試算結果を出している。
備考
地図外部リンク | |
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蒲蒲連絡線(通称) | |
廃止鉄道ノート 「京浜急行電鉄 空港線」 【1951年】で貨物線を地形図上に表示 | |
国鉄蒲田駅と穴守線の短絡線跡を歩く 平成12.09.01発行の1/10,000地形図上に赤線で表示 | |
地図の不具合を報告 | |
- 第二次世界大戦後に、日本を占領下に置いた連合国軍の1国であるアメリカ軍が接収した羽田空港への物資輸送用として、国鉄蒲田駅から京急空港線(当時は東急穴守線)に乗り入れる通称「蒲蒲連絡線」が存在した[14]。1945年9月、京浜蒲田駅(現在の京急蒲田駅)より先は従来の上り線を撤去し、代わりに1,067mm軌間の線路が敷設され、国鉄の運行によるアメリカ軍の貨物輸送が1952年11月まで行われていた。国鉄蒲田駅と京浜蒲田駅の間には小規模の操車場も設置されていた。いずれも現在は撤去され、連絡線跡地は道路などに転用されている。箱根駅伝の蒲田付近の記録映像に現国道15号を電気機関車が横切る姿が残されている。
- 大東急(現在の小田急電鉄、京王電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道の路線を含んでいた時代の東京急行電鉄)時代にも、戦後復興策の一環として目蒲線蒲田駅と品川線京浜蒲田駅を連絡線を敷設して結合する計画が浮上したが、まもなく大東急が分割されたため、この計画は自然消滅した。
- 同様に環状八号線を導入空間とし、羽田空港から北区赤羽と結ぶ環状鉄道エイトライナー構想がある。
脚注
- ^ “平成26年度 新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会 開催報告”. 大田区 (2016年4月1日). 2016年5月7日閲覧。
- ^ “平成26年活動状況『新空港線「蒲蒲線」整備案説明資料』” (PDF). 大田区 (2015年1月19日). 2016年5月7日閲覧。
- ^ a b “東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申)” (PDF). 交通政策審議会. 国土交通省 (2016年4月20日). 2016年4月24日閲覧。
- ^ 川島令三 『<図解>新説 全国未完成鉄道路線 - 謎の施設から読み解く鉄道計画の真実』 講談社、ISBN 978-4-06-214318-9 の記述より。
- ^ 2007年11月14日付け朝日新聞東京版
- ^ “2つの蒲田駅結ぶ「蒲蒲線」設置検討へ 東急電鉄”. asahi.com(朝日新聞社). (2011年11月15日). オリジナルの2012年1月22日時点におけるアーカイブ。
- ^ 佐藤信之「都市鉄道調査 最終報告」(鉄道ジャーナル2001年7月号)
- ^ “東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について(答申)”. 国土交通省 (2000年1月27日). 2016年5月9日閲覧。
- ^ “具体的路線” (PDF). 国土交通省. p. 6 (2000年1月27日). 2016年5月9日閲覧。
- ^ “新空港線「蒲蒲線」整備調査のとりまとめ” (PDF). 大田区 (2011年8月). 2016年5月7日閲覧。
- ^ “鉄道整備等基礎調査「鉄道整備における新たな整備方式に関する調査」” (PDF). 運輸政策研究Vol.8 No.3 2005 Autumn. 運輸政策研究機構. 2016年5月7日閲覧。
- ^ a b 新空港線「蒲蒲線」整備促進事業PRリーフレット
- ^ a b 大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備促進事業 大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備計画素案 はじめに ウェブアーカイブ
- ^ a b “戦前にも練られていた「蒲蒲線」構想の全貌”. 東洋経済新報社 (2016年2月10日). 2016年4月11日閲覧。
- ^ “大田区新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会”. 大田区 (2015年1月5日). 2015年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月23日閲覧。
- ^ “蒲蒲線、2020年の暫定開業めざす 東京・大田区方針”. 朝日新聞デジタル. (2015年1月20日). オリジナルの2015年8月4日時点におけるアーカイブ。 2015年1月20日閲覧。
- ^ a b “広域交通ネットワーク計画について≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫” (PDF). 東京都 (2015年7月10日). 2016年4月9日閲覧。
- ^ a b 大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備促進事業 大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備計画素案 2.蒲蒲線整備実現の大きな課題 ウェブアーカイブ
- ^ 大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備促進事業 大田区東西鉄道「蒲蒲線」整備計画素案 6.蒲蒲線の実現に向けて ウェブアーカイブ
- ^ “東京新聞:区長選 立候補者の横顔(3)=完:2011統一地方選”. 東京新聞. (2011年4月21日). オリジナルの2013年11月8日時点におけるアーカイブ。