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「日本サッカー協会指導者ライセンス」の版間の差分

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[[小学館]]の[[日本国語大辞典]](第二版)によれば、日本で初めてコーチという言葉がみられる文献は、1921年に出版された「新しき用語の泉」で、そこには『野球の用語で、走塁者を指揮し声援すること』と記されていた。これに先立つ15年前の1906年4月16日付の[[東京日日新聞]]では、『毎日々々コーチャーたるメリー氏は……』とあることから「指揮すること」と「指揮するひと」とは使い分けられ、コーチャーという言葉の方が先に定着したことが伺える。
[[小学館]]の[[日本国語大辞典]](第二版)によれば、日本で初めてコーチという言葉がみられる文献は、1921年に出版された「新しき用語の泉」で、そこには『野球の用語で、走塁者を指揮し声援すること』と記されていた。これに先立つ15年前の1906年4月16日付の[[東京日日新聞]]では、『毎日々々コーチャーたるメリー氏は……』とあることから「指揮すること」と「指揮するひと」とは使い分けられ、コーチャーという言葉の方が先に定着したことが伺える。


サッカーで指導者養成の重要性が認識されたのは、1960年に[[デットマール・クラマー]]が[[サッカー日本代表]]チームの代行監督となったことが契機となっている<ref name="Cramer">[http://www.joc.or.jp/column/olympic/memorial/20080612.html 日本サッカーの父 デッドマール・クラマーの言葉]、『[[公益財団法人]] [[日本オリンピック委員会]]』</ref>。彼はサッカー指導の要諦を語り、指導の言葉には野球以外の外来スポーツでも用いられるようになっていたコーチという呼称があてられた<ref name="Cramer"/>。1969年にはそのクラマーを招聘してFIFA・[[アジアサッカー連盟|AFC]]・JFA共催の「コーチング・スクール」が開催され、翌1970年にはJFA主催の「第1回コーチング・スクール」が開講した<ref name="JFA">[[http://www.jfa.jp/coach/official/ JFA公認指導者]]、『JFA』</ref>。
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[[アメリカ]]には「[[コーチングクラブアメリカンオークス|コーチング・クラブ・アメリカン・オークス]]」という[[競馬]]レースがあるなど、「コーチング・スクール」自体は英語でもほとんど意味の通じない[[和製英語]]だったが、JFAは1977年に「リーダー → コーチ → 上級コーチ」の図式を完成<ref name="JFA"/>。また、日本で[[トレーナー]]というと筋トレなどのイメージが強いため、「FIFA公認トレーナー」のJFA版は「JFA公認コーチ」と呼称することとなり、1988年には「公認C級コーチ → 公認B級コーチ → 公認A級コーチ」の名称に改めた<ref name="JFA"/>。
[[アメリカ]]には「[[コーチングクラブアメリカンオークス|コーチング・クラブ・アメリカン・オークス]]」という[[競馬]]レースがあるなど、「コーチング・スクール」自体は英語でもほとんど意味の通じない[[和製英語]]だったが、JFAは1977年に「リーダー → コーチ → 上級コーチ」の図式を完成<ref name="JFA"/>。また、日本で[[トレーナー]]というと筋トレなどのイメージが強いため、「FIFA公認トレーナー」のJFA版は「JFA公認コーチ」と呼称することとなり、1988年には「公認C級コーチ → 公認B級コーチ → 公認A級コーチ」の名称に改めた<ref name="JFA"/>。

2016年11月15日 (火) 14:08時点における版

日本サッカー協会指導者ライセンス
実施国 日本の旗 日本
資格種類 民間資格
分野 スポーツ
試験形式 実技
認定団体 日本サッカー協会
等級・称号 JFA公認S級コーチ~公認キッズリーダー
公式サイト http://www.jfa.or.jp/coach_referee/coach/
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
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日本サッカー協会指導者ライセンス(にほんサッカーきょうかいしどうしゃライセンス)とは、日本サッカー協会が認定するサッカー指導者の資格制度である。最上位は公認S級コーチであり、以下A級-D級が存在する。協会は2003年11月時点の総取得者数を約39400人としている[1]

概要

日本のサッカーでは長年企業・学校スポーツとの兼ね合いから、監督コーチなど指導者はそのサッカー部が所属する企業や学校の職員を兼務することが通例とされていたが、1993年日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の設立で、サッカーの指導に専念するプロの指導者の育成が急務となった。日本サッカー協会が、Jリーグのトップチームの監督としてチームを指揮する場合「公認S級コーチ」資格取得を必須条件にしたことをきっかけに、将来の監督候補者のための指導者養成が本格的に始まった。

多くのサッカー選手経験者はサッカーの指導法を学ぶため、協会公認のC級 → B級 → A級のライセンスを取得するための勉強会やチーム指導などの実地経験を経て、さらにJリーグのチームや日本代表チームの監督を目指す者はS級を取得する。C級受講の前にD級ライセンスを取得する者もいるが、D級は少年少女サッカーを対象としているので、サッカー選手経験者はC級から受講することが多い。

歴史

小学館日本国語大辞典(第二版)によれば、日本で初めてコーチという言葉がみられる文献は、1921年に出版された「新しき用語の泉」で、そこには『野球の用語で、走塁者を指揮し声援すること』と記されていた。これに先立つ15年前の1906年4月16日付の東京日日新聞では、『毎日々々コーチャーたるメリー氏は……』とあることから「指揮すること」と「指揮するひと」とは使い分けられ、コーチャーという言葉の方が先に定着したことが伺える。

サッカーで指導者養成の重要性が認識されたのは、1960年にデットマール・クラマーサッカー日本代表チームの代行監督となったことが契機となっている[2]。彼はサッカー指導の要諦を語り、指導の言葉には野球以外の外来スポーツでも用いられるようになっていたコーチという呼称があてられた[2]。1969年にはそのクラマーを招聘してFIFA・AFC・JFA共催の「コーチング・スクール」が開催され、翌1970年にはJFA主催の「第1回コーチング・スクール」が開講した[3]

アメリカには「コーチング・クラブ・アメリカン・オークス」という競馬レースがあるなど、「コーチング・スクール」自体は英語でもほとんど意味の通じない和製英語だったが、JFAは1977年に「リーダー → コーチ → 上級コーチ」の図式を完成[3]。また、日本でトレーナーというと筋トレなどのイメージが強いため、「FIFA公認トレーナー」のJFA版は「JFA公認コーチ」と呼称することとなり、1988年には「公認C級コーチ → 公認B級コーチ → 公認A級コーチ」の名称に改めた[3]

2004年4月にはさらに制度の見直しが行われ、従前とは体系が若干変更された[4]

各ライセンスの内容

以下、2004年4月以前の体系を「旧体系」と呼ぶ。

公認コーチ

  • 公認S級コーチ - Jリーグトップチーム(第1種登録チーム)、日本代表チームの監督
  • 公認A級コーチジェネラル - 第1種登録チームのうち、サテライトチーム(若手育成リーグ)やJFLなでしこリーグの監督、あるいはJリーグトップチームのコーチング(旧体系のA級、B級に相当)
  • 公認A級コーチU-15 - 2015年に新設された、U-15(中学生)年代指導者向けライセンス[5]。将来的には下記のA級コーチU-12同様、U-15年代指導者の最上位ライセンスとなる予定。
  • 公認A級コーチU-12 - 2007年に新設された、U-12(小学生)年代指導者の最上位ライセンス。Jリーグクラブ・JFA等でU-12年代の指導を行う場合はこのライセンスの保持が必須。
  • 公認B級コーチ - 第2種登録(ユース=高校生)以下の監督・コーチング、サッカースクールの指導・普及(旧体系でのC級に相当)
  • 公認C級コーチ - 旧体系での公認地域スポーツ指導員B級、C級、公認準指導員に相当。取得年齢は18歳以上
  • 公認D級コーチ - 旧体系での公認少年少女サッカー指導員に相当。取得年齢は18歳以上
    C級、D級は、主に第4種(ジュニア=小学生)などの普及・育成活動(少年少女サッカー教室など)の指導員として活動する
  • 公認キッズリーダー - 幼児期や小学校低中学年代の子供たちへの指導。取得年齢は16歳以上

基本的に上級ライセンスは下級ライセンスの内容を含んだものとなっている。ただし公認A級コーチU-12だけは別で、既に公認S級コーチ・公認A級コーチジェネラルのライセンスを保持している者でも、Jリーグクラブ傘下の第4種チームやナショナルトレセン等でU-12世代への指導を行う場合は、別途公認A級コーチU-12のライセンスを取得しなければならない。

なおS級・A級は日本体育協会公認上級コーチ、B級は同じく日体協公認コーチの資格を兼ねる[6]

公認ゴールキーパーコーチ

  • 公認ゴールキーパーA級コーチ - 大学・プロ選手(18歳以上)などのゴールキーパーの指導
  • 公認ゴールキーパーB級コーチ - ユース年代(18歳以下)のゴールキーパーの指導
  • 公認ゴールキーパーC級コーチ - ジュニア・ジュニアユース年代(15歳以下)のゴールキーパーの指導

公認フットサルコーチ

2008年よりフットサルの指導者育成を目的とした以下のライセンスが発行されている。なおこれらのライセンスはあくまでサッカー指導者のライセンスに付随するものという扱いのため、C級以上のライセンス講習会の受講は最低でもサッカーの公認C級コーチ以上のライセンス保持者に限られるほか、フットサル指導者ライセンスの維持のためにはサッカー指導者ライセンスのリフレッシュポイント取得が必要になる[7]

  • 公認フットサルB級コーチ
  • 公認フットサルC級コーチ

なお2011年8月に今後のライセンス制度の運用に関する発表があり、Fリーグクラブの監督は2013年よりC級ライセンス、2014年よりB級ライセンスの保持が義務付けられるほか、地域リーグにおいても同様に2013年よりC級ライセンス、2015年よりB級ライセンスの保持が義務付けられる[8]

リフレッシュポイント制度

公認C級コーチ以上のライセンス保持者は、下記に示すように、一定期間内にリフレッシュ研修会の受講等で一定のリフレッシュポイントを取得しないと資格が失効する[9]。なお海外居住者は義務が免除されるが、一方で日本国外の指導者ライセンス保持者が日本国内で指導活動を行う場合にもポイント取得義務が発生する。

必要ポイント

  • S級コーチ:40ポイント/2年間
  • A級~C級コーチ、海外ライセンス指導者:40ポイント/4年間

獲得方法

研修会ポイント
JFAが公認するリフレッシュ研修会の受講によりポイントを獲得できる。またJFAが指定するカンファレンスや指導者海外研修・ナショナルトレセン指導者研修でもポイントを得られる。
指導ポイント
47FAインストラクター、トレセンスタッフ、JFA加盟チームの監督・コーチを務めている場合、一期間内に1回だけ20ポイントを加算できる。

脚注

  1. ^ 出典:「サッカーファミリー - 指導者」、『日本サッカー協会
  2. ^ a b 日本サッカーの父 デッドマール・クラマーの言葉、『公益財団法人 日本オリンピック委員会
  3. ^ a b c JFA公認指導者、『JFA』
  4. ^ 出典:「2004年度(平成16年度)からの指導者養成事業」、2004年2月23日付、『日本サッカー協会
  5. ^ 2015年度 公益財団法人日本サッカー協会 A級コーチU-15 養成講習会 開催要項 - 日本サッカー協会・2015年3月12日
  6. ^ 指導者に関する規則 - 日本サッカー協会
  7. ^ JFA公認フットサルC級コーチ養成講習会レポート 前編 - サポティスタ・2010年11月15日
  8. ^ 指導者について - ぐんさるねっと
  9. ^ JFA公認指導者ライセンス - 日本サッカー協会

関連項目

外部リンク

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