「チューハイ」の版間の差分
m cewbot: 修正ウィキ文法 26: HTMLの<b>タグの使用 |
|||
1行目: | 1行目: | ||
{{otheruses|アルコール飲料|中国の都市|珠海市}} |
{{otheruses|アルコール飲料|中国の都市|珠海市}} |
||
'''チューハイ'''('''酎ハイ''')は、[[蒸留酒]]を別の飲料で割った[[低アルコール飲料]]。もともと「[[焼酎|焼 |
'''チューハイ'''('''酎ハイ''')は、[[蒸留酒]]を別の飲料で割った[[低アルコール飲料]]。もともと「[[焼酎|焼'''酎''']][[ハイボール|'''ハイ'''ボール]]」の略称<ref name="excite">太田サトル「[http://www.excite.co.jp/News/bit/00091119415549.html ウオッカでも「チューハイ」、チューハイの「チュー」って何?]」エキサイト、2005年06月24日。</ref>。現在では焼酎ベースではないチューハイやハイボール、つまり[[炭酸水]]割りではないチューハイも数多く見られるため、より広範なアルコール飲料を指すようになっている。 |
||
[[居酒屋]]のメニューとして登場したが、その後缶入り飲料として発売されて売り上げを伸ばし、家庭でも広く飲まれるようになった。 |
[[居酒屋]]のメニューとして登場したが、その後缶入り飲料として発売されて売り上げを伸ばし、家庭でも広く飲まれるようになった。 |
||
10行目: | 10行目: | ||
*アルコール含有率が低い(おおむね10度未満) |
*アルコール含有率が低い(おおむね10度未満) |
||
なお、近年アルコール飲料テイストの[[ノンアルコール飲料]]が急速に増えており、そのひとつとして[[ノンアルコール酎ハイ]]も複数製品が発売されている<ref>これらはあくまでも「チューハイ |
なお、近年アルコール飲料テイストの[[ノンアルコール飲料]]が急速に増えており、そのひとつとして[[ノンアルコール酎ハイ]]も複数製品が発売されている<ref>これらはあくまでも「チューハイ'''風味'''」であり、清涼飲料水の一種である。</ref>。 |
||
===酒税法上の扱い=== |
===酒税法上の扱い=== |
||
33行目: | 33行目: | ||
=== 酒類 === |
=== 酒類 === |
||
チューハイのベースとなる酒類は以下の4種類がある。 |
チューハイのベースとなる酒類は以下の4種類がある。 |
||
*焼酎 - 一般には[[焼酎#連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)|連続式蒸留焼酎(いわゆる「甲類焼酎」)]]が用いられる。現在では品種的には少数派となってしまったためか、焼酎をベースにしたチューハイにあえて「焼 |
*焼酎 - 一般には[[焼酎#連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)|連続式蒸留焼酎(いわゆる「甲類焼酎」)]]が用いられる。現在では品種的には少数派となってしまったためか、焼酎をベースにしたチューハイにあえて「焼'''酎チュー'''ハイ」と[[重言]]的な名前を持つ製品もある。 |
||
*スピリッツ - [[ウォッカ]]など(現在市販されている缶入りチューハイの多くがウォッカベースである)。ウォッカ以外を用いる場合は「スピリッツ」表記としていることが多い。 |
*スピリッツ - [[ウォッカ]]など(現在市販されている缶入りチューハイの多くがウォッカベースである)。ウォッカ以外を用いる場合は「スピリッツ」表記としていることが多い。 |
||
*原料用アルコール - 製品表記では「原料用アルコール」以外に「醸造用アルコール」「アルコール」などが用いられる |
*原料用アルコール - 製品表記では「原料用アルコール」以外に「醸造用アルコール」「アルコール」などが用いられる |
2016年11月15日 (火) 13:22時点における版
チューハイ(酎ハイ)は、蒸留酒を別の飲料で割った低アルコール飲料。もともと「焼酎ハイボール」の略称[1]。現在では焼酎ベースではないチューハイやハイボール、つまり炭酸水割りではないチューハイも数多く見られるため、より広範なアルコール飲料を指すようになっている。
居酒屋のメニューとして登場したが、その後缶入り飲料として発売されて売り上げを伸ばし、家庭でも広く飲まれるようになった。
チューハイとは
チューハイについて酒税法上、独立した品目としての規定はなく、また業界団体等の統一基準もない。何をもってチューハイとするかはメーカーや飲食店次第である。チューハイと銘打たれた酒類に共通する特徴は今のところ以下の2点である。
- 蒸留酒をベースとしている
- アルコール含有率が低い(おおむね10度未満)
なお、近年アルコール飲料テイストのノンアルコール飲料が急速に増えており、そのひとつとしてノンアルコール酎ハイも複数製品が発売されている[2]。
酒税法上の扱い
酒税法上は、リキュール(エキス分が2度以上)あるいはスピリッツ(エキス分が2度未満)に分類される。また炭酸ガスを含有した製品は「その他の発泡性酒類」の要件を満たすため「(発泡性)」などと併記される。酒税の税率はアルコール度数が10度未満(発泡性の場合)あるいは9度未満(非発泡性の場合)では80,000円(1キロリットル当たり)[3]と、飲用の酒類としては最低の部類に属す[4]。このため製品価格も安価なものが多い[5]。
サワーとの違い
チューハイとサワーは、おおむね同一のものとされている[6]。実際の製品では、商品名に「サワー」の文字と製品種別として「チューハイ」の文字の両方入れたものがある一方、カルピスサワーのように名称が定着している製品では「チューハイ」の文字は入れないものがあるなど、取り扱いはさまざまである。
カクテルとの違い
カクテルの定義を「ベース(基酒)となる酒に、他の酒またはジュースなどを混ぜて作るアルコール飲料」とするならチューハイもカクテルの一種だが、一部のメーカーでは明確にチューハイとカクテルを別カテゴリとしている[7]。カクテルもチューハイ同様、規定する法令も業界統一基準もないため、「チューハイ=カクテル」とするか「チューハイ≠カクテル」とするかはメーカーや飲食店次第である。
歴史
焼酎の割り材としてウメやブドウ風味のシロップを加えることは第二次世界大戦前から行われていたが、これに炭酸水を足すことは昭和30年代の山谷地区などの東京下町を中心に広がったとされる[8]。ただ、この時代の「焼酎ハイボール」は現在のチューハイのようにアルコール度数の低い酒ではなかった[9]。
現在飲まれているチューハイの基礎を作ったのは、安定成長期から目立つようになった居酒屋チェーン(村さ来等)である。「チューハイ」というネーミングもこの頃定着した[10]。居酒屋チェーンが全国展開するにつれ、そこの定番メニューであるチューハイは全国に広がり、チューハイの知名度は一気に上がった。
1980年に博水社が風味付けをした炭酸水である「ハイサワー レモン」を[11]、1983年に東洋醸造(現・アサヒビール)が瓶入りチューハイ「ハイリッキー」を発売[12]。翌年の1984年には宝酒造の「タカラcanチューハイ」[13]や東洋醸造の「ハイリキ」[12]といった缶入りチューハイが発売されたことで、家庭でも手軽にチューハイを楽しむことができるようになり、現在に至る。
原材料
飲食店で提供されるチューハイの原材料を知ることは難しいため、以下は一般消費者向けの缶入りチューハイ等、原材料が判別しているチューハイについてのみを対象とする。
酒類
チューハイのベースとなる酒類は以下の4種類がある。
- 焼酎 - 一般には連続式蒸留焼酎(いわゆる「甲類焼酎」)が用いられる。現在では品種的には少数派となってしまったためか、焼酎をベースにしたチューハイにあえて「焼酎チューハイ」と重言的な名前を持つ製品もある。
- スピリッツ - ウォッカなど(現在市販されている缶入りチューハイの多くがウォッカベースである)。ウォッカ以外を用いる場合は「スピリッツ」表記としていることが多い。
- 原料用アルコール - 製品表記では「原料用アルコール」以外に「醸造用アルコール」「アルコール」などが用いられる
- リキュール - 代表例は梅酒。
製品によっては複数の酒類が使われる場合もある[14]。
割り材
大別すると以下の通りである。この割り材とは別に、アセスルファムカリウム、スクラロースなどの甘味料が、主に果汁系チューハイの味覚調整のために用いられることが多い。
- 炭酸水 - 炭酸水のみでは十分な風味付けができないため、以下に記述する割り材や甘味料・酸味料・香料等が添加される(この場合、原材料表記に「炭酸水」と表記されない)。
- 果汁 - 柑橘系果汁(レモン/ライム/グレープフルーツ/オレンジ/みかん/ナツミカン/ユズ/シークヮーサーなど)が多いが、リンゴ、ブドウ、モモ、メロン、サクランボ、ナシ、セイヨウナシ、パイナップル、イチゴ、キウィ、マンゴー、ライチ、アセロラなどを用いたものもある。また搾った果汁ではなく、果実そのものを破砕し酒類に漬け浸透させている製品もある。
- ウーロン茶 - ウーロンハイとして広く認知されている。ウーロン茶を使う場合、炭酸ガスの添加は行わない。類縁製品としてジャスミン茶を使用した製品も存在する。
- 日本茶 - 玉露やかぶせ茶、抹茶などを用いる。ウーロンハイ同様炭酸ガスの添加は行わない。
- 紅茶 - レモンの香味付けが併用され、レモンティーとされる場合もある。
- 炭酸飲料 - コーラやラムネ、ジンジャーエールなど。
- 乳酸菌飲料 - カルピスなど。
- ハーブ - カモミールやタラゴンといったハーブのエキス。変わり種として漢方薬の原料となるような東洋系のハーブを用いた製品も存在する。
- 健康食品 - 黒酢単体あるいは黒酢と他の材料を混合したチューハイが販売されている。
各種団体からのクレーム
缶入りチューハイについては、果汁入りを中心に各社の競争が激しく、商品名や缶のデザイン、宣伝・広告などに力が注がれているが、缶のデザインや広告などに果実などを大きく描いているものが多い。これにより、消費者が無果汁のチューハイを果汁入りと誤認したり、未成年者が清涼飲料水と間違えて誤飲する恐れがあるといった指摘が消費者団体や国民生活センターにより過去何度も繰り返されている[15][16][17][18]。こうしたクレームにより製品の販売中止や改名に追い込まれた事例も存在する[19][20]。
クレームが相次ぐ中、日本洋酒酒造組合は2002年以降チューハイを含む低アルコールリキュール全般に関して、各種自主基準を設けた[21]。
また日本洋酒酒造組合はチューハイに限らず酒類全般に対する広告・宣伝の基準を1988年に定めている[21]。この基準中の「(3)広告・宣伝の際の留意事項 イ 未成年者の飲酒を推奨、連想、誘引する表現は行わない」に違反していると覚しきチューハイのCMに対して民間団体が抗議し、放映中止に追い込まれた[22]。
脚注
- ^ 太田サトル「ウオッカでも「チューハイ」、チューハイの「チュー」って何?」エキサイト、2005年06月24日。
- ^ これらはあくまでも「チューハイ風味」であり、清涼飲料水の一種である。
- ^ “酒税率一覧表(平成18年5月1日~)” (PDF). 国税庁 (2006年5月1日). 2015年3月1日閲覧。
- ^ 調味料である「雑酒(みりん類似)」を除く。
- ^ あえて高税率・高価格を許容し、味わいを増すためアルコール度数を上げた製品もある(サントリーチューハイ史上最高の“アルコール度数12%”「-196℃ ストロングゼロ〈スーパーショット〉」数量限定新発売参照)。
- ^ “チューハイか?サワーか?|焼酎徒然草|焼酎SQUARE 焼酎甲類のすべて”. 日本蒸留酒酒造組合. 2015年2月26日閲覧。
- ^ “「チューハイ」と「カクテル」の違いは何ですか?”. サントリーホールディングス株式会社. 2015年2月26日閲覧。
- ^ “第6回 特別編 座談会 焼酎割り飲料は東京のローカル文化だ!〈前編〉 3 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語”. WEB本の雑誌(株式会社本の雑誌社、株式会社博報堂). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “第3回 坂本香料に、ミキサードリンクの起源を聞きにいく 〈後編〉 3 - ききあるき・東京<酎ハイ>物語”. WEB本の雑誌(株式会社本の雑誌社、株式会社博報堂). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “村さ来 高山店”. ヒトサラ(株式会社USEN). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “お酒をわるならハイサワーの博水社|会社案内・リリース”. 株式会社博水社. 2015年2月26日閲覧。
- ^ a b “ハイリキ”. アサヒグループホールディングス株式会社. 2015年2月26日閲覧。
- ^ “タカラcanチューハイ誕生ストーリー|タカラcanチューハイ|ソフトアルコール飲料|商品紹介”. 宝酒造株式会社. 2015年2月26日閲覧。
- ^ ウォッカ+梅酒、ウォッカ+スピリッツ、など
- ^ “「2001年6月8日]《キリンビールの「氷結果汁」についての申告書》”. 主婦連合会 (2001年6月8日). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “清涼飲料と誤認されやすい「低アルコール飲料」について”. 独立行政法人国民生活センター (2001年8月30日). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “「生果汁チューハイ」名称変更に関する要望書”. 日本アルコール問題連絡協議会、主婦連合会 (2002年5月17日). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “「青春チューハイ」の名称変更を求める要望書”. 日本アルコール問題連絡協議会、主婦連合会 (2003年5月9日). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “キリン「氷結果汁」が「氷結」に名称変更=ジュースと間違えやすいとクレーム”[リンク切れ]. 読売新聞 (2002年3月13日)
- ^ “タカラcanチューハイ「爽快」新発売 ~「生果汁チューハイ」の商品名称・パッケージデザインをリニューアル~”. 宝酒造株式会社(共同通信PRワイヤー). 2015年2月26日閲覧。
- ^ a b “統計・法律関係 自主基準”. 日本洋酒酒造組合. 2015年2月26日閲覧。
- ^ “大沢たかおカエルCM放送自粛へ”. 日刊サイゾー(株式会社サイゾー) (2014年1月27日). 2015年2月26日閲覧。