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「ゴールドシップ」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2015年6月}}
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}}
}}
'''ゴールドシップ''' ({{lang-en-short|Gold Ship}}) は[[日本]]の[[競走馬]]。 おもな勝ち鞍は[[皐月賞]]、[[菊花賞]]、[[有馬記念]]([[2012年]])、[[宝塚記念]]([[2013年]]・[[2014年]])、[[天皇賞(春)]]([[2015年]])。名前の由来は、黄金の船(父名より連想)<ref name=jraseiseki>{{Cite web|date=|url=http://www.jra.go.jp/news/201512/121704_01.html|title=競走馬情報  ゴールドシップ号|publisher=JRA|accessdate=2015-12-17}}</ref>。2015年現在、[[芦毛]]馬の中央競馬GI最多勝利数、最多獲得賞金額の記録を保持している。


'''ゴールドシップ'''(欧字名:{{lang|en|Gold Ship}}<ref name="JBIS"/>、[[2009年]][[3月6日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]]、[[種牡馬]]。2012年の[[JRA賞最優秀3歳牡馬]]である。
== 経歴 ==
=== 誕生 - デビュー前 ===
[[2009年]][[3月6日]]、[[北海道]][[日高町]]の出口牧場で誕生<ref name=jraseiseki/>。生産者の出口俊一によると、現役時500kgを超える大型馬であった母ポイントフラッグは産駒が皆大きく、常に脚元の不安に悩まされていたため小柄な種馬である[[ステイゴールド]]を配合したが、誕生した本馬は想定に反して大きく産まれたとのことである<ref>[http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_62545 重賞ウイナーレポート 共同通信杯 G3]競走馬のふるさと案内所</ref>。


[[2012年]]の[[皐月賞]]、[[菊花賞]]、[[有馬記念]]、2013年と2014年の[[宝塚記念]]、2015年の[[天皇賞(春)]]を制覇し{{GI}}を6勝、計13勝を挙げた。
1歳10月から日高町にある同牧場育成拠点(旧五輪共同育成センター)に移って本格的な育成を始め、2歳1月からは北海道[[浦河町]]の吉澤ステーブルで鍛錬された<ref>[http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_69520 重賞ウイナーレポート 神戸新聞杯 G2]競走馬のふるさと案内所</ref>。その後、当時[[福島県]][[天栄村]]にあった吉澤ステーブル福島分場に移りデビュー前調整を進めていたが、[[3月11日]]に発生した[[東日本大震災]]で牧場が被災し、避難のため一旦浦河町に戻り、そこからさらに[[石川県]][[小松市]]の小松トレーニングセンターに移動した後、ようやく[[須貝尚介]]厩舎に入厩となった<ref>[http://column.keibalab.jp/interview/trainer/538/ 第72回皐月賞特別レポート 須貝尚介調教師]競馬ラボ</ref><ref>[http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20110404102.htm 競走馬、小松に疎開 震災で福島の30頭]北國新聞 2011年4月4日</ref>。


名前の由来は「黄金の船」([[ステイゴールド (競走馬)|父名]]より連想)<ref name="netkeiba"/>。[[阪神競馬場]]で8戦6勝{{#tag:ref|2敗のうち[[ホープフルステークス (中央競馬)|ラジオNIKKEI杯2歳ステークス]]は2着であり、連対率88.9%。|group="注"}}と無類の強さを誇った事から「'''阪神巧者'''」と呼ばれる事がある<ref name="NIKKANGOKUUMA20150628">{{Cite news|url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1498901&year=2015&month=06&day=28|title=阪神巧者デニムアンドルビー◎/宝塚記念|publisher=日刊スポーツ|date=2015-06-28|accessdate=2023-02-13}}</ref>。
=== 2歳(2011年) ===
[[7月9日]]の[[函館競馬場]]芝1800[[メートル]]の[[新馬|新馬戦]]で[[秋山真一郎]]を鞍上にデビュー。[[投票券 (公営競技)#単勝式|単勝]]2番人気となりレースでは後方から徐々に位置を上げて行くと、最後の直線で先に抜け出し2馬身差を付けていたコスモユッカをゴール直前アタマ差で捕え、2歳コースレコードで新馬戦勝ちを飾った。


== 経歴 ==
[[コスモス賞]]では単勝1.2倍の圧倒的な1番人気に支持され、道中中団でレースを進め4コーナー付近から徐々に上がって行くと最後の直線で先頭に立ち、そのまま押し切りデビュー2連勝を飾った。


=== 誕生 ===
[[重賞]]初挑戦となった[[札幌2歳ステークス]]では、騎手が[[安藤勝己]]に変更となった。道中後方2番手でレースを進め、後方のまま直線に入り馬群の内を突いて追い込むも、前を行く[[グランデッツァ]]を捉え切れず2着に敗れた。
[[2009年]][[3月6日]]、[[北海道]][[沙流郡]][[日高町 (北海道)|日高町]]の出口牧場に産まれる<ref name="共同通信杯">{{Cite news|url=http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_62545|title=重賞ウイナーレポート 共同通信杯 G3|publisher=競走馬のふるさと案内所|date=2012-02-12|accessdate=2016-04-01}}</ref>。生産者の出口俊一によると、現役時500キログラムを超える大型馬であった母[[ポイントフラッグ]]は産駒が皆大きく、常に脚元の不安に悩まされていたため、小柄な種馬である[[ステイゴールド (競走馬)|ステイゴールド]]を配合したが、誕生した本馬は想定に反して大きく産まれたとのことである<ref name="共同通信杯"/>。


=== デビュー前 ===
[[ホープフルステークス (中央競馬)|ラジオNIKKEI杯2歳ステークス]]では前走同様後方からの競馬となり、道中後方3番手追走から4コーナーで外を捲って進出を開始し最後の直線での勝負となったが、坂を上がってからしぶとく伸びを見せるも内から伸びて来た[[アダムスピーク]]には届かず2着となり、2歳シーズンを4戦2勝で終えた。
1歳10月から日高町にある同牧場育成拠点(旧五輪共同育成センター)に移って本格的な育成を始め、2歳1月からは北海道[[浦河町]]の[[吉澤ステーブル]]で鍛錬された<ref>[http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_69520 重賞ウイナーレポート 神戸新聞杯 G2] 競走馬のふるさと案内所</ref>。その後、当時[[福島県]][[天栄村]]にあった吉澤ステーブル福島分場に移りデビュー前調整を進めていたが、[[3月11日]]に発生した[[東日本大震災]]で牧場が被災したため、避難のため一旦浦河町に戻り、そこからさらに[[石川県]][[小松市]]の小松トレーニングセンターに移動した後、ようやく[[栗東トレーニングセンター]]の[[須貝尚介]]厩舎に入厩となった<ref>[http://column.keibalab.jp/interview/trainer/538/ 第72回皐月賞特別レポート 須貝尚介調教師] 競馬ラボ</ref><ref>[http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20110404102.htm 競走馬、小松に疎開 震災で福島の30頭] 北國新聞 2011年4月4日</ref>。
尚、同時期に須貝厩舎入りした馬にはGI3勝をあげた[[ジャスタウェイ]]がいる。


=== 3歳(2012年) ===
=== 競走馬時代 ===
==== 2歳(2011年) ====
[[クラシック (競馬)|クラシック]]シーズン緒戦となる[[共同通信杯]]からは、[[内田博幸]]に乗り替わりとなった。レースでは3、4番手に付け先行し、そのまま最後の直線に向くと先行策からの逃げ切りを図る[[ディープブリランテ]]を残り100メートルほどで捕え、重賞初制覇となった。これは須貝厩舎にとっても開業4年目で重賞初勝利であった。また出口牧場生産馬の重賞勝ちは[[レジェンドテイオー]]([[1988年]]・[[アルゼンチン共和国杯]])以来となった。
[[7月9日]]の[[函館競馬場]]芝1800[[メートル]]の[[新馬|新馬戦]]で[[秋山真一郎]]を鞍上にデビュー<ref name="shimba">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=57108|title=ステイ×マック配合のゴールドシップがレコードV|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2011-07-10|accessdate=2015-11-07}}</ref>。[[投票券 (公営競技)#単勝式|単勝]]2番人気となりレースでは後方から徐々に位置を上げて行くと、最後の直線で先に抜け出していたコスモユッカをゴール直前アタマ差で捕え、2歳コースレコードで新馬戦勝ちを飾った<ref name="shimba"/>。


[[コスモス賞]]では単勝1.2倍の圧倒的な1番人気に支持され、道中中団でレースを進め4コーナー付近から徐々に上がって行くと最後の直線で先頭に立ち、そのまま押し切りデビュー2連勝を飾った<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58381|title=人気のゴールドシップがデビュー2連勝/コスモス賞|publisher=netkeiba.com|date=2011-09-10|accessdate=2015-11-07}}</ref>。
共同通信杯から直行した[[皐月賞]]では4番人気に推された。レースは、逃げる2頭が競り合い、後続を大きく引き離す展開となった。本馬は最初のコーナーで最後方に位置するとそのまま馬群を追走し、3コーナーでほぼ最後方から内目のコースを選び進出して行った。このレースでは4コーナーでほとんどの馬が、荒れている上に前日の降雨でコンディションの悪い内寄りの馬場を避け、外に進路を取っていた。しかし、鞍上内田の判断により、本馬だけは大きく開いた内へ突き抜けるように走路を取ると、4コーナーで既に6番手付近まで位置を上げ、直線では上がり3ハロンがメンバー最速となる末脚を繰り出し、後続に2馬身半の差を付けての優勝を果たした<ref group="注">共同通信杯勝ち馬が皐月賞を制したのは1994年のナリタブライアン以来、共同通信杯から直行しての勝利は本馬が史上初となった。</ref><ref group="注">鞍上の内田は[[菊花賞]]([[オウケンブルースリ]])、[[東京優駿]]([[エイシンフラッシュ]])を過去に制覇しており、この皐月賞制覇によってJRA牡馬クラシック三冠競走の完全制覇を達成した。</ref><ref group="注">管理調教師の[[須貝尚介]]は騎手時代も通じて初のGI制覇となった。</ref><ref group="注">前年の[[オルフェーヴル]]に続き、2年連続で父[[ステイゴールド]]、母父[[メジロマックイーン]]という血統の馬が優勝した。</ref>。


[[重賞]]初挑戦となった[[札幌2歳ステークス]]では騎手が[[安藤勝己]]に変更となった<ref name="競走成績">{{Cite news|url=http://db.netkeiba.com/horse/result/2009102739/|title=ゴールドシップの競走成績|publisher=netkeiba.com|accessdate=2016-04-01}}</ref>。道中後方2番手でレースを進め、後方のまま直線に入り馬群の内を突いて追い込むも、前を行く[[グランデッツァ]]を捉え切れず2着に敗れた<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58847|title=マルセリーナ半弟グランデッツァが人気に応えV/札幌2歳S|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2011-10-02|accessdate=2015-11-07}}</ref>。
[[File:Gold-Ship20120527.jpg|thumb|right|200px|2012年東京優駿]]
[[東京優駿]]は皐月賞で大外から追い込み2着となった[[ワールドエース]]に次ぎ、2番人気での出走となった。スタート後、鞍上が押して出るも1コーナーでインコース後方の位置取りとなり、向こう正面では外に持ち出し馬群後方に付ける展開となった。そのまま直線に向いて後方8番手付近の位置取りから、大外を追い込むも前に届かず5着に終わり、初めて連を外すこととなった。


ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(現・[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]]<ref name="ホープフルS">{{Cite web|和書|url=http://race.netkeiba.com/?pid=special&id=0132 |title=ホープフルS レースガイド |work=netkeiba.com |publisher=株式会社ネットドリーマーズ |accessdate=2021-02-24}}</ref>)では後方からの競馬となり、道中後方3番手追走から4コーナーで外を捲って進出を開始し最後の直線での勝負となったが、坂を上がってからしぶとく伸びを見せるも内から伸びて来た[[アダムスピーク (競走馬)|アダムスピーク]]には届かず2着となり<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=60750|title=ルメール絶賛!アダムスピークがV/ラジオNIKKEI杯2歳S|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2011-12-25|accessdate=2015-11-07}}</ref>、2歳シーズンを4戦2勝で終えた。
クラシック最後の一冠に向けて秋初戦は[[神戸新聞杯]]から始動し、僅差ながら1番人気に推された。後方待機から3、4コーナー中間過ぎで追い出しにかかり、追い通しのまま直線半ばまでに先頭に立つとその後は楽な手応えで、2着以下を2馬身半差突き放し勝利した。


==== 3歳(2012年) ====
[[ファイル:Goldship 20121021.jpg|thumb|right|200px|2012年菊花賞]]
[[クラシック (競馬)|クラシック]]シーズン初戦となる[[共同通信杯]]からは、[[内田博幸]]に乗り替わりとなった<ref name="kyodo">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=61835|title=内田博、ゴールドシップで復帰後初重賞V/共同通信杯|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2012-02-13|accessdate=2015-11-07}}</ref>。レースでは3、4番手に付け先行し、そのまま最後の直線に向くと先行策からの逃げ切りを図る[[ディープブリランテ]]を残り100メートルほどで捕え、重賞初制覇となった<ref name="kyodo"/>。須貝厩舎にとっては開業4年目で重賞初勝利であり<ref name="kyodo"/>、鞍上の内田にとっては前年5月の落馬事故で負った頸椎歯突起骨折<ref>{{Cite news|url= https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=55953 |title= 内田博幸騎手が落馬、骨折で入院2か月 |publisher=netkeiba.com|date=2011-05-12|accessdate=2020-01-22}}</ref> から復帰後初の重賞勝利だった<ref name="JRA-第72回皐月賞"/>。加えて、出口牧場生産馬の重賞勝ちは[[1988年]]の[[アルゼンチン共和国杯]]を制した[[レジェンドテイオー]]以来となった<ref name="共同通信杯"/>。
[[菊花賞]]では東京優駿馬のディープブリランテとの再戦が注目されたが、同馬が直前で[[屈腱炎]]を発症し出走を回避したため(同馬はそのまま引退)、本番では単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推された。レースはスタートで一旦気合いを付けてから下げ、2周目向こう上面まで後方2番手で待機策を取った。坂の手前、残り1200メートル付近から進出を開始し、2周目3コーナーの坂頂上付近で先頭集団に取り付き、4コーナーから直線入口では持ったまま先頭に立った。直線で追い始めると、後続を寄せ付けずそのまま押し切って勝利し、皐月賞に続いてクラシック二冠目を獲得した。皐月賞、菊花賞の二冠制覇は2000年[[エアシャカール]]以来12年ぶり史上8頭目となった。


共同通信杯後は[[トライアル競走|トライアル]]を使わず[[中央競馬クラシック三冠|クラシック]]初戦の[[皐月賞]]へ直行し、4番人気に推された<ref name="皐月賞JRAVAN">{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20160808104449/http://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/satsuki/2012/result.html|title=第72回 皐月賞特集 レース回顧|publisher=JRA-VAN|accessdate=2016-04-01}}</ref><ref name="皐月賞netkeiba">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=63404|title=ゴールドシップ、内から伸びて1冠目制す/皐月賞|publisher=netkeiba.com|date=2012-04-15|accessdate=2016-04-01}}</ref><ref name="皐月賞Daily">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=63439|title=ゴールドシップ完勝、ダービーへ内田「東京は合う」/皐月賞|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2012-04-16|accessdate=2016-04-01}}</ref>。レースは、ゼロスとメイショウカドマツが競り合い、後続を大きく引き離す展開となった<ref name="皐月賞JRAVAN"/>。本馬は最初のコーナーで最後方に位置するとそのまま馬群を追走し、3コーナーでほぼ最後方から内目のコースを選び進出して行った<ref name="皐月賞netkeiba"/>。このレースでは4コーナーでほとんどの馬が、荒れている上に前日の降雨でコンディションの悪い内寄りの馬場を避け、外に進路を取っていた<ref name="皐月賞netkeiba"/><ref name="皐月賞Daily"/>。しかし、鞍上の内田の「外を回らされるのは避けたい」<ref name="JRA-第72回皐月賞">{{Cite web|和書|url= https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/satsuki/result/satsuki2012.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第72回皐月賞 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref> という判断により、本馬だけは大きく開いた内へ突き抜けるように走路を取ると、4コーナーで既に6番手付近まで位置を上げ、直線では上がり3ハロンがメンバー最速となる末脚を繰り出し、後続に2馬身半の差を付けての優勝を果たした<ref name="皐月賞JRAVAN"/><ref name="皐月賞netkeiba"/><ref name="皐月賞Daily"/>{{#tag:ref|鞍上の内田は[[菊花賞]]([[オウケンブルースリ]])、[[東京優駿]]([[エイシンフラッシュ]])を過去に制覇しており、この皐月賞制覇によってJRA牡馬クラシック三冠競走の完全制覇を達成した<ref name="皐月賞netkeiba"/>。|group="注"}}{{#tag:ref|前年の[[オルフェーヴル]]に続き、2年連続で父に[[ステイゴールド (競走馬)|ステイゴールド]]、母の父に[[メジロマックイーン]]を持つ馬が優勝した<ref name="皐月賞netkeiba"/>。|name="orfevre"|group="注"}}。管理調教師の須貝は騎手時代も通じて初のGI制覇となった<ref name="皐月賞Daily"/>。
[[ファイル:ゴールドシップ.JPG|thumb|right|200px|2012年有馬記念]]
[[ファイル:Gold-Ship20120527.jpg|サムネイル|253x253ピクセル|[[東京優駿]]の[[パドック]]]]
菊花賞の後は[[ジャパンカップ]]への出走を見送って年末の[[グランプリ]][[有馬記念]]へ直行した。ファン投票では6位に推され、前年の三冠馬[[オルフェーヴル]](ファン投票1位)と3歳ながらジャパンカップを制した三冠牝馬[[ジェンティルドンナ]](ファン投票4位)が回避したこともあり、単勝1番人気(2.8倍)に推された。レースはスタートから最後方を追走し、2周目の3コーナー過ぎから外を進出し、直線で先に抜け出した[[エイシンフラッシュ]]を捉えて先頭に立つと、追い込んできた[[オーシャンブルー (競走馬)|オーシャンブルー]]に1馬身半差をつけて勝利した。同年のクラシック二冠馬がグランプリを制するのは史上初であり、また芦毛馬の制覇も[[1990年]]の[[オグリキャップ]]以来、2頭目(3回目)となった<ref group="注">オグリキャップは1988年の4歳(現3歳)時にも有馬記念を制覇している。</ref>。
クラシック第二戦の[[東京優駿]](日本ダービー)は、皐月賞で大外から追い込み2着となった[[ワールドエース]]<ref name="皐月賞Daily"/> が2.5倍で1番人気に支持され<ref name="JRA-第79回東京優駿">{{Cite web|和書|url= https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/derby/result/derby2012.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第79回東京優駿 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>、同馬に続く3.2倍の2番人気での出走となった<ref name="JRA-第79回東京優駿"/><ref name="ダービー">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=64633|title=ディープブリランテがハナ差V、岩田は涙の初制覇/日本ダービー|publisher=netkeiba.com|date=2012-05-27|accessdate=2016-04-01}}</ref>。スタート後、鞍上が押して出るも1コーナーでインコース後方の位置取りとなり、向こう正面では外に持ち出し馬群後方に付ける展開となった<ref name="ダービーSponichi">{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20120530234618/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/05/28/kiji/K20120528003340540.html|title=【日本ダービー】2冠ならず…ゴールドシップ5着|publisher=スポーツニッポン|date=2012-05-28|accessdate=2016-04-01}}</ref>。そのまま直線に向いて後方8番手付近の位置取りから、大外を追い込むも前に届かず5着に終わり<ref name="ダービーSponichi"/>、初めて連を外すこととなった。


クラシック最終戦の[[菊花賞]]に向けて秋初戦は[[神戸新聞杯]]から始動し、単勝オッズではマウントシャスタと僅差ながら2.3倍の1番人気に支持された<ref>{{Cite web|和書|url=https://db.sp.netkeiba.com//race/201209040711|title=2012年9月23日 4回阪神7日目 第60回神戸新聞杯|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=netkeiba.com|accessdate=2019-11-17}}</ref>。道中は中団やや後方に位置取って勝負どころから徐々に進出を開始し、直線半ばで外から先頭に立つと馬場の真ん中から伸びたロードアクレイムを2馬身半突き放して2分25秒2で快勝した<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkansports.com/m/race/news/f-rc-tp0-20120923-1021226_m.html|title=皐月賞馬の貫禄ゴールド完勝/神戸新聞杯|publisher=日刊スポーツ|date=2012-09-24|accessdate=2019-09-09}}</ref>。
当年はGI3勝を含む6戦5勝の好成績を収め、[[JRA賞#歴代年度代表馬|年度代表馬]]は[[中央競馬クラシック三冠#中央競馬牝馬三冠|牝馬三冠]]と[[ジャパンカップ]]に優勝した[[ジェンティルドンナ]]に譲ったものの、満票で[[JRA賞最優秀3歳牡馬|最優秀3歳牡馬]]に選出された<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201301/010801a.html 2012年度JRA賞競走馬部門 記者投票集計結果]</ref>。陣営からは2013年シーズンは国内に専念し、春は阪神大賞典〜天皇賞(春)〜宝塚記念の[[ローテーション (競馬)|ローテーション]]で臨むことが発表された<ref>[http://www.daily.co.jp/horse/2013/01/29/0005702596.shtml ゴールドシップ、今年は国内に専念]デイリースポーツ online 2013年1月29日</ref>。
[[ファイル:Goldship 20121021.jpg|サムネイル|255x255ピクセル|[[菊花賞]]]]
菊花賞では東京優駿を制した[[ディープブリランテ]]との再戦が注目されたが<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=68866 |title=今週はゴールドシップvsディープブリランテの2冠制覇が懸かる菊花賞|publisher=netkeiba.com|date=2012-10-15|accessdate=2016-04-01}}</ref>、同馬が直前で[[屈腱炎]]を発症し出走を回避<ref name="ブリランテ引退">{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69209 |title=ダービー馬ディープブリランテが引退、種牡馬入りへ|publisher=netkeiba.com|date=2012-10-26|accessdate=2016-04-01}}</ref>(同馬はそのまま引退<ref name="ブリランテ引退"/>)、さらに2着の[[フェノーメノ]]は[[天皇賞(秋)]]へ向かい<ref name="JRA-第73菊花賞">{{Cite web|和書|url= https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/kikka/result/kikka2012.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第73回菊花賞 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>、3着の[[トーセンホマレボシ]]は引退<ref name="JRA-第73菊花賞"/>、4着のワールドエースは療養中<ref name="JRA-第73菊花賞"/> と、東京優駿において自身を除く掲示板入着馬が全て出走しなかったため、当日は本馬がメンバー中の実績最上位馬として認められ、単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に推された<ref name="JRA-第73菊花賞"/><ref name="菊花賞">{{Cite news|url= http://sports.yahoo.co.jp/sports/other/horse/2012/columndtl/201210210004-spnavi |title=ゴールドシップ独り舞台、“常識破り”の二冠制覇=菊花賞「馬の強さ信じていた」3角手前から驚異のスパート|publisher=Sportsnavi|date=2012-10-21|accessdate=2016-04-01}}</ref>。レースはスタートで一旦気合いを付けてから下げ、後方2番手で待機策を取った<ref name="菊花賞"/>。2周目の向こう正面から進出を開始すると、2周目3コーナーの坂頂上付近で先頭集団に取り付き、4コーナーから直線入口では持ったまま先頭に立った<ref name="菊花賞"/>。直線で追い始めると、後続を寄せ付けずそのまま押し切って勝利し、皐月賞に続いてクラシック二冠目を獲得した<ref name="菊花賞"/>。皐月賞、菊花賞の二冠制覇は2000年の[[エアシャカール]]以来12年ぶり史上8頭目となった<ref name="菊花賞"/>。
[[ファイル:ゴールドシップ.JPG|サムネイル|260x260ピクセル|[[有馬記念]]]]
菊花賞の後は[[ジャパンカップ]]への出走を見送って年末の[[グランプリ (中央競馬)|グランプリ競走]]・[[有馬記念]]へ直行した<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=69151|title=二冠馬ゴールドシップ、次走は有馬記念|publisher=netkeiba.com|date=2012-10-25|accessdate=2016-04-01}}</ref>。ファン投票では6位に推され、前年の三冠馬[[オルフェーヴル]](ファン投票1位)と3歳ながらジャパンカップを制した三冠牝馬[[ジェンティルドンナ]](ファン投票4位)が回避したこともあり<ref>{{Cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/12/06/kiji/K20121206004718080.html|title=【有馬記念】オルフェ ファン投票1位なのに出走回避|publisher=スポーツニッポン|date=2012-12-06|accessdate=2016-04-01}}</ref>、単勝1番人気(2.7倍)に推された<ref name="競走成績"/><ref name="JRA-第57有馬記念">{{Cite web|和書|url= https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/arima/result/arima2012.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第57回有馬記念 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>。スタートで行き脚がつかず、ゲートで大きく立ち上がって出遅れた[[ルーラーシップ]]共々最後方からのレースとなったが<ref name="JRA-第57有馬記念"/>、2周目の3コーナー過ぎから進出を開始<ref name="2012有馬"/>。直線に向いた時には11番手の位置にいたものの<ref name="JRA-第57有馬記念"/>、大外から一気に[[エイシンフラッシュ]]、[[オーシャンブルー (競走馬)|オーシャンブルー]]を交わし去り、追い込んできたルーラーシップも突き放し、2着のオーシャンブルーに1馬身半差をつけて勝利した<ref name="2012有馬">{{Cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/12/24/kiji/K20121224004839380.html|title=【有馬記念】ゴールドシップ3冠 豪快まくりで“金”イヤー締め!|publisher=スポーツニッポン|date=2012-12-24|accessdate=2016-04-01}}</ref>。芦毛馬の制覇は[[1990年]]の[[オグリキャップ]]以来、2頭目(3回目)となった<ref name="2012有馬"/>{{#tag:ref|オグリキャップは1988年の4歳(現3歳)時にも有馬記念を制覇している<ref name="2012有馬"/>。|group="注"}}。


当年はGI3勝を含む6戦5勝の好成績を収め、[[JRA賞#歴代年度代表馬|年度代表馬]]には[[中央競馬クラシック三冠#中央競馬牝馬三冠|牝馬三冠]]と[[ジャパンカップ]]に優勝した[[ジェンティルドンナ]]が選出されたものの、満票で[[JRA賞最優秀3歳牡馬|最優秀3歳牡馬]]に選出された<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=71551|title=年度代表馬にジェンティルドンナ|publisher=netkeiba.com(提供:ラジオNIKKEI)|date=2013-01-08|accessdate=2016-04-01}}</ref>。陣営からは2013年シーズンは国内に専念し、春は阪神大賞典から天皇賞(春)、宝塚記念の[[ローテーション (競馬)|ローテーション]]で臨むことが発表された<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=71413|title=ゴールドシップは春の天皇賞から宝塚記念へ|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2013-01-03|accessdate=2016-04-01}}</ref>。
=== 4歳(2013年) ===
[[ファイル:Goldship 20130317.jpg|thumb|right|200px|2013年阪神大賞典]]
古馬緒戦となる[[阪神大賞典]]は少頭数9頭立てとなった。ゆったりとしたスタートから道中後方を追走し、2周目の3、4コーナーからベールドインパクトと併せる形で徐々に位置を押し上げて最後の直線で早々と先頭に立つと、追い込んでくる他馬を問題にせず、単勝1.1倍の圧倒的支持に応えた。


==== 4歳(2013年) ====
[[ファイル:147th Tennosho spring (12 Gold Ship 02) IMG 2617 20130428.JPG|thumb|right|200px|2013年天皇賞(春)]]
{{Vertical images list|説明1=[[阪神大賞典]]|説明2=[[天皇賞(春)]]|画像1=Gold Ship Hanshin Daishoten 2013(IMG1).jpg|画像2=Gold Ship Tenno Sho(Spring) 2013.jpg}}
続く[[天皇賞|天皇賞(春)]]も単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に推された。スタートから2周目の3コーナーまでは15番手前後で後方待機し、3コーナー坂の途中付近から鞍上内田が手を動かして、前を捲りに進出して行った。しかし伸びが悪く、4コーナーで既にムチが入り5、6番手で直線を迎えたものの、直線半ばで進路がとれず外に持ち出して体勢を立て直すなど直線で伸びを欠き、[[フェノーメノ]]の5着に敗れた。レース後は[[滋賀県]][[信楽町]]にある吉澤ステーブルWESTへ放牧に出された。
古馬初戦となる[[阪神大賞典]]は少頭数9頭立てとなった<ref name="2013阪神大賞典">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=73627|title=天皇賞へ向けて視界良好!ゴールドシップが圧巻マクリで重賞6勝目/阪神大賞典|publisher=netkeiba.com|date=2013-03-17|accessdate=2016-04-01}}</ref>。ゆったりとしたスタートから道中後方を追走し、2周目の3、4コーナーからベールドインパクトと併せる形で徐々に位置を押し上げて最後の直線で早々と先頭に立つと、追い込んでくる他馬を問題にせず、単勝1.1倍の圧倒的支持に応えた<ref name="2013阪神大賞典" />。


続く[[天皇賞(春)]]も単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に推された<ref name="2013天皇賞春">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=74932|title=ゴールドシップは不発…、4角先頭で2番人気フェノーメノが初戴冠/天皇賞・春|publisher=netkeiba.com|date=2013-03-17|accessdate=2016-04-01}}</ref>。スタートから2周目の3コーナーまでは15番手前後で後方待機し、3コーナー坂の途中付近から鞍上内田が手を動かして、前を捲りに進出して行った<ref name="2013天皇賞春"/>。しかし伸びが悪く、4コーナーで既にムチが入り5、6番手で直線を迎えたものの、直線半ばで進路がとれず外に持ち出して体勢を立て直すなど直線で伸びを欠き、[[フェノーメノ]]が勝利し5着に敗れた<ref name="2013天皇賞春"/>。レース後は[[滋賀県]][[信楽町]]にある吉澤ステーブルWESTへ放牧に出された<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=75714|title=ゴールドシップが栗東に帰厩、宝塚記念を目標に|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2013-05-24|accessdate=2016-04-01}}</ref>。
[[宝塚記念]]ではファン投票2位に推された。投票1位のオルフェーヴルはアクシデントで回避し、同世代のジェンティルドンナ(ファン投票3位)、フェノーメノ(同4位)が参戦。ゴールドシップが単勝2.9倍、ジェンティルドンナが単勝2.4倍、フェノーメノが単勝3.2倍と人気を占め、「3強」の一角と位置づけられての出走となった。11頭立てでの発走となったレースは、スタート後に後方待機せず押して4番手に付け1コーナーを迎えた。[[シルポート]]がハイペースで大逃げし、各馬の位置取りが3コーナーまでほとんど変わらない展開の中、4番手のまま道中を進んだ。残り800メートル付近で仕掛け始め、3、4コーナーから直線にかけジェンティルドンナと併せて上がっていき、ややジェンティルドンナにぶつかるものの、直線中程までの叩き合いから残り200メートル手前で一気に伸びてジェンティルドンナを突き放すと、前で粘る[[ダノンバラード]]も捉え、そのまま3馬身半差をつけて勝利し、GI4勝目を挙げた。
[[ファイル:Gold Ship Takarazuka kinen 2013.jpg|サムネイル|273x273ピクセル|[[宝塚記念]]]]
[[宝塚記念]]ではファン投票2位に推された<ref name="2013宝塚投票">{{Cite news|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_615.html|title=【宝塚記念】~ファン投票最終結果発表、オルフェーヴルが1位|publisher=netkeiba.com|date=2013-06-06|accessdate=2016-04-01}}</ref>。投票1位のオルフェーヴル<ref name="2013宝塚投票"/> は運動誘発性肺出血で回避したが<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=76284|title=オルフェーヴルが宝塚記念回避決定、追い切り後に運動誘発性肺出血を発症|publisher=netkeiba.com|date=2013-06-13|accessdate=2016-04-01}}</ref>、同世代のジェンティルドンナ(ファン投票3位)<ref name="2013宝塚投票"/>、フェノーメノ(同4位)<ref name="2013宝塚投票"/> と共に「3強」位置づけられ<ref name="2013宝塚">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=76591|title=「夢の3強対決」はゴールドシップが制す!ジェンティル3着、フェノーメノ4着…/宝塚記念|publisher=netkeiba.com|date=2013-03-23|accessdate=2016-04-01}}</ref>、単勝はゴールドシップが単勝2.9倍、ジェンティルドンナが単勝2.4倍、フェノーメノが単勝3.2倍と人気を占めた<ref name="2013宝塚結果">{{Cite news|url=http://db.netkeiba.com/race/201309030811/|title=第54回宝塚記念(G1)|publisher=netkeiba.com|accessdate=2016-04-01}}</ref>。11頭立てでの発走となったレースは<ref name="2013宝塚結果"/>、スタート後に鞍上の内田が気合を入れて4番手に付け1コーナーを迎えた<ref name="2013宝塚"/>{{#tag:ref| これは内田の「調教の動きが良く、馬にやる気もあった。押していけば前につけられる」という思惑があった<ref name="JRA-第54宝塚記念">{{Cite web|和書|url= https://jra.jp/datafile/seiseki/g1/takara/result/takara2013.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第54回宝塚記念 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>。|group="注"}}。[[シルポート]]がハイペースで大逃げし、各馬の位置取りが3コーナーまでほとんど変わらない展開の中、4番手のまま道中を進んだ<ref name="2013宝塚"/>。残り800メートル付近で仕掛け始め、3、4コーナーから直線にかけジェンティルドンナと併せて上がっていき、ややジェンティルドンナにぶつかるものの、直線中程までの叩き合いから残り200メートル手前で一気に伸びてジェンティルドンナを突き放すと、前で粘る[[ダノンバラード]]も捉え、そのまま3馬身半差をつけて勝利しGI4勝目を挙げた<ref name="2013宝塚"/><ref name="JRA-第54宝塚記念"/>。<gallery caption="宝塚記念">
ファイル:Gold Ship (June 23, 2013. 54th Takarazuka Kinen) (9135155316).jpg
ファイル:Gold Ship in Takarazuka Kinen 2013 (01) IMG 4689-2 20130623.JPG
ファイル:Gold Ship (June 23, 2013. 54th Takarazuka Kinen) (9132934813).jpg
</gallery>秋は[[京都大賞典]]から始動し、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に推された<ref name="競走成績"/>。スタートはあまり良くなかったものの押して5番手付近を確保し道中を進み、3、4コーナーでさらに位置を押し上げ最後の直線で抜け出しを図るも、後ろから追い込んで来た[[ヒットザターゲット]]等に交わされ5着に敗れた<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=79895|title=ゴールドシップ伸びず5着、11番人気ヒットザターゲットが抜けて重賞3勝目!/京都大賞典|publisher=netkeiba.com|date|2013-10-06|accessdate=2016-04-01}}</ref>。


{{Vertical images list|説明1=[[ジャパンカップ]]|説明2=[[有馬記念]]|画像1=Goldship 20131124.JPG|画像2=Gold Ship Arima kinen 2013.jpg}}
[[ファイル:Goldship 20131006.jpg|thumb|right|200px|2013年京都大賞典]]
その後天皇賞(秋)を回避し、前年5着に敗れた東京優駿と同じ東京競馬場芝2400メートルで行われる[[ジャパンカップ]]に出走した<ref name="競走成績" />。前年の同レース優勝馬のジェンティルドンナに次ぐ2番人気に推されたレースでは、スタート後は無理に位置を押し上げることはせず最後方からのレースとなる<ref name="2013JC">{{Cite web|和書|date=|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=81714 |title=ジェンティルドンナ1年ぶりの美酒は史上初のJC連覇!/ジャパンカップ|publisher=netkeiba.com|date|2013-11-24|accessdate=2016-04-01}}</ref>。3コーナーに入ってから東京優駿とは異なり早めに動きロングスパートをかけ、後方4番手付近で直線入口を迎えるが直線に入ってから全く伸びず、初の連覇を達成したジェンティルドンナとは対照的に15着と大敗<ref name="2013JC" />。自身初の二桁着順を喫し、初めて掲示板を外すこととなった。
秋は[[京都大賞典]]から始動し、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に推された。スタートは余り良くなかったものの押して5番手付近を確保し道中を進むと、3、4コーナーでさらに位置を押し上げ最後の直線で抜け出しを図るも、後ろから追い込んで来た[[ヒットザターゲット]]等に交わされ天皇賞(春)と同じく5着に敗れた。


ファン投票では3位となった[[有馬記念]]<ref name="2013有馬投票">{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=82113|title=【有馬記念】ファン投票・最終発表~1位オルフェ、2位キズナ、3位ゴールド|publisher=netkeiba.com|date=2013-12-05|accessdate=2016-04-01}}</ref> では、ジャパンカップの結果を受けて調教師とオーナーサイドが協議した結果騎手が[[ライアン・ムーア]]に乗り替わり、更には[[ブリンカー]]を着用することとなった<ref>{{Cite web|和書|url=http://keibalab.jp/column/interview/1026/|title=乗り替わり、ブリンカーで復活なるか?ゴールドシップ|publisher=競馬ラボ|date=2013-12-15|accessdate=2015-11-07}}</ref>。当日は本レースでの引退を表明し、ゴールドシップとは最初で最後の対戦となったファン投票1位<ref name="2013有馬投票"/> のオルフェーヴルに次ぐ2番人気に推された<ref name="2013有馬">{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=82758|title=3着ゴールドシップの須貝師「1回でも戦えたことを感謝したい」/有馬記念|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2013-12-23|accessdate=2016-04-01}}</ref>。レースでは後方5番手付近を追走し3、4コーナーから徐々に進出を開始するも、後ろから大外を捲って来たオルフェーヴルに軽くかわされると、直線入口ではさらに後ろから[[ウインバリアシオン]]にも前に入られ、そこから着差を詰めることができず1着のオルフェーヴルから9馬身半差、2着に1馬身半差の3着に敗れた<ref name="2013有馬"/>。
[[ファイル:Goldship 20131124.JPG|thumb|right|200px|2013年ジャパンカップ]]
その後天皇賞(秋)は回避し、5着に敗れたダービーと同じコースの[[ジャパンカップ]]に参戦した。ジェンティルドンナに次ぐ2番人気に推されたレースでは、スタート後は無理に位置を押し上げることはせず最後方からのレースとなる。3コーナーに入ってからダービーとは異なり早めに動きロングスパートをかけ、後方4番手付近で直線入口を迎えるが直線に入ってから全く伸びず、初の連覇を達成したジェンティルドンナとは対照的に15着と自身初の二桁着順の大敗を喫し、初めて掲示板を外すこととなった。

[[ファイル:Goldship 20131222.jpg|thumb|right|200px|2013年有馬記念]]
ジャパンカップの結果を受け、調教師とオーナーサイドの協議の結果、[[有馬記念]]では騎手が[[ライアン・ムーア]]に乗り替わり<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20131127/ope13112713070018-n1.html ゴールドシップ 有馬記念はムーア騎手で]予想王TV@SANSPO.COM 2013年11月27日</ref>、更には[[ブリンカー]]を着用することとなった。ファン投票では3位となり、本レースでの引退を表明し、最初で最後の対戦となったファン投票1位のオルフェーヴルに次ぐ2番人気に推された。レースでは後方5番手付近を追走し3、4コーナーから徐々に進出を開始するも、後ろから大外を捲って来たオルフェーヴルに軽くかわされると、直線入口ではさらに後ろから[[ウインバリアシオン]]にも前に入られ、そこから着差を詰めることができず、1着に9馬身半差、2着に1馬身半差の3着に敗れた。


結局春は2勝を挙げたものの秋は3戦全敗となり、当年を6戦2勝で終えた。大敗を喫したジャパンカップから短期間での立て直しにはある程度成功したものの、海外挑戦を明言している翌年以降に向けて課題を残す一年となった。
結局春は2勝を挙げたものの秋は3戦全敗となり、当年を6戦2勝で終えた。大敗を喫したジャパンカップから短期間での立て直しにはある程度成功したものの、海外挑戦を明言している翌年以降に向けて課題を残す一年となった。


=== 5歳(2014年) ===
==== 5歳(2014年) ====
年明けしばらくは次走の予定、鞍上とも発表されなかったが、前年と同じく阪神大賞典天皇賞(春)のローテーションで臨むことが発表され、このうち阪神大賞典では[[岩田康誠]]と初コンビを組むこととなった<ref>[http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20140305-1266150.html ゴールドシップ岩田騎手で阪神大賞典→春盾]日刊スポーツ 2014年3月5日</ref>。
年明けしばらくは次走の予定、鞍上とも発表されなかったが、前年と同じく阪神大賞典から天皇賞(春)のローテーションで臨むことが3月に発表され、阪神大賞典では[[岩田康誠]]と初コンビを組むこととなった<ref>[https://web.archive.org/web/20140307062844/http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20140305-1266150.html ゴールドシップ岩田騎手で阪神大賞典→春盾] 日刊スポーツ 2014年3月5日</ref>。
[[ファイル:Gold Ship Hanshin Daishoten 2014(IMG1).jpg|サムネイル|233x233ピクセル|[[阪神大賞典]]]]

前年秋未勝利とは言え、実績の違いから阪神大賞典では単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推された<ref name="競走成績"/>。前走同様にブリンカー着用で臨んだこのレースでは、まずまずのスタートから前目の位置を取りに行こうと押して促すと、珍しく行きたがる素振りを見せたが、逃げるバンデの後ろで落ち着かせ道中2番手で追走する<ref name="2014阪神大賞典">{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85420|title=ゴールドシップ復活!早め先頭から押し切り連覇達成/阪神大賞典|publisher=netkeiba.com|date=2014-03-23|accessdate=2016-04-01}}</ref>。先頭から縦長の隊列のままレースは進み、2周目の3、4コーナー中間付近で後続が一気に差を詰めて来るとそれに合わせて先頭との距離を詰め、その勢いのまま直線入口で早々と先頭に立つと後続との差を更に広げ、2着に3馬身半差を付ける完勝で本レース2連覇を達成し、区切りの10勝目を飾った<ref name="2014阪神大賞典"/>。
[[ファイル:Goldship 20140323.JPG|thumb|right|200px|2014年阪神大賞典]]
{{Vertical images list|説明1=大きく出遅れるゴールドシップ(左)|説明2=最後尾を追走(右)|画像1=Gold Ship Tenno Sho(Spring) 2014(IMG1).jpg|画像2=Goldship 20140504.jpg}}
前年秋未勝利とは言え、実績の違いから阪神大賞典では単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推された。前走同様にブリンカー着用で臨んだこのレースでは、まずまずのスタートから前目の位置を取りに行こうと押して促すと、珍しく行きたがる素振りを見せたが、逃げるバンデの後ろで落ち着かせ道中2番手で追走する。先頭から縦長の隊列のままレースは進み、2周目の3、4コーナー中間付近で後続が一気に差を詰めて来るとそれに合わせて先頭との距離を詰め、その勢いのまま直線入口で早々と先頭に立つと後続との差を更に広げ、2着に3馬身半差を付ける完勝で本レース2連覇を達成し、区切りの10勝目を飾った。
天皇賞(春)では、前走騎乗した岩田が[[ウインバリアシオン]]に騎乗予定であったため{{#tag:ref|その後、岩田は[[4月27日]]の東京10Rでの斜行により騎乗停止処分となり[[アンドレアシュ・シュタルケ]]に乗り替わり<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86589|title=【天皇賞】栗東レポート~ウインバリアシオン|publisher=netkeiba.com(提供:ラジオNIKKEI)|date|2014-04-30|accessdate=2016-04-01}}</ref>、さらに天皇賞(春)当日の京都5Rでシュタルケが落馬により負傷したため[[武幸四郎]]に再度乗り替わりとなった<ref>{{Cite web|和書|date=|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86707 |title=天皇賞・春のウインバリアシオン鞍上が武幸四郎騎手に変更|publisher=netkeiba.com|date|2014-05-04|accessdate=2015-12-17}}</ref>。|group="注"}}[[クレイグ・ウィリアムズ]]に乗り替わり<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86458 |title=天皇賞・春のゴールドシップはウィリアムズとのコンビが決定|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2014-04-27|accessdate=2016-04-01}}</ref>、前哨戦の[[大阪杯]]で[[エピファネイア]]、[[メイショウマンボ]]との3強対決を制した前年の東京優駿優勝馬・[[キズナ (競走馬)|キズナ]]<ref>{{Cite web|和書|date=|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=85845 |title=前年クラシック馬対決はキズナに軍配!直線一気の快勝/大阪杯|publisher=netkeiba.com|date|2014-04-06|accessdate=2016-04-01}}</ref> に次ぐ2番人気に支持された<ref name="2014天皇賞春">{{Cite web|和書|date=|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86714 |title=フェノーメノが故障を乗り越え連覇達成!/天皇賞・春|publisher=netkeiba.com|date|2014-05-04|accessdate=2016-04-01}}</ref>。他馬の本馬場入場に先駆けてパドックから1頭先に入場し落ち着いた様子でゲート入りするも、ゲート入り後に突如立ち上がってうなり声をだすほど怒りだし、その影響でスタートでは大きく出遅れた<ref name="2014天皇賞春" />{{#tag:ref|この出遅れについては須貝によると、係員に後ろを触られたことで馬が反応したことによるものだとしている<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/26/kiji/K20140626008441340.html 【宝塚記念】須貝師「ノリとゴールドは親友みたい」] スポニチ Sponichi Annex 2014年6月26日</ref><ref>[https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=26933 須貝尚介調教師/宝塚記念 Part1『横山典騎手×ゴールドシップ、新コンビの手応え』] netkeiba.com競馬コラム 2014年6月26日</ref>。|group="注"}}。そのまま道中は最後方を追走し、2周目の3コーナーからウインバリアシオン、キズナの進出に合わせるように得意の捲りを見せ、最後の直線でしぶとく伸びを見せたものの、優勝したフェノーメノから離れた7着に敗れた<ref name="2014天皇賞春" />。レース後に脚元に異変を感じたウイリアムズが下馬したが、検査を行った結果、骨に異常はなく、右の首筋から肩にかけての肉離れと診断された<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=86748 |title=7着ゴールドシップは筋肉痛の診断/天皇賞・春|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2014-05-05|accessdate=2016-04-01}}</ref>。

[[ファイル:Goldship 20140504.jpg|thumb|right|200px|2014年天皇賞(春)]]
[[ファイル:Gold Ship Takarazuka kinen 2014.jpg|サムネイル|宝塚記念]]
幸いにも大事には至らなかったため、放牧によるリフレッシュを経て予定通り宝塚記念に向かうことになった<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87007 |title=ゴールドシップが宝塚記念に参戦へ、6月初旬に栗東へ帰厩|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2014-05-15|accessdate=2016-04-01}}</ref>。ファン投票では51,366票を集め、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナらを抑えて初めて1位に支持された<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87864|title=【宝塚記念】~ファン投票最終結果発表、ゴールドシップが1位|publisher=netkeiba.com(提供:ラジオNIKKEI)|date=2014-06-12|accessdate=2016-04-01}}</ref>。鞍上にはオーナーサイドの要望で新たに[[横山典弘]]を迎え<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=87390 |title=ゴールドシップが横山典弘騎手とのコンビで宝塚記念連覇を目指すことに|publisher=netkeiba.com|date=2014-05-27|accessdate=2016-04-01}}</ref>、ブリンカーに加え[[シャドーロール]]も着用し臨んだ本レースは、12頭立てと頭数こそ少ないものの、ファン投票上位3頭がいずれも出走するなど近年では珍しいハイレベルな戦いとなった<ref name="2014宝塚記念">{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=88340 |title=新パートナー・横山典弘騎手に導かれゴールドシップが史上初の連覇達成!/宝塚記念|publisher=netkeiba.com|date=2014-06-29|accessdate=2016-04-01}}</ref>。そのような中、前年優勝の実績<ref name="2014宝塚人気">{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=88165 |title=ゴールドシップが2年連続の巻き返しで連覇なるか/宝塚記念の見どころ|publisher=netkeiba.com|date=2014-06-23|accessdate=2016-04-01}}</ref>、[[阪神競馬場]]という舞台との相性の良さ<ref name="2014宝塚人気"/> といった点を評価されて、ファン投票同様、単勝2.7倍の1番人気に推された<ref name="競走成績"/><ref name="JRA-第55宝塚記念">{{Cite web|和書|url= https://jra.jp/datafile/seiseki/g1/takara/result/takara2014.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第55回宝塚記念 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>。外枠からまずまずのスタートを切った後は一旦最後方になるも、最初のホームストレッチを利用して自らスピードに乗り、1コーナー手前までには一気に4、5番手につけてレースを進める<ref name="2014宝塚記念"/>。4コーナー手前から徐々にエンジンをかけて直線に入り残り200メートル付近で先頭に立つと、追い込みを図る後方の実力馬達を突き放して2着に3馬身差の完勝、宝塚記念連覇を達成した<ref name="2014宝塚記念"/>{{#tag:ref|宝塚記念における連覇、2回目の優勝とも史上初<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20160808103405/http://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/takaraduka/2014/race_info.html|title=第55回 宝塚記念特集 レース情報|publisher=JRA-VAN|accessdate=2016-04-01}}</ref>。|group="注"}}{{#tag:ref|この勝利により、[[オグリキャップ]]、[[メジロマックイーン]]が持っていた芦毛馬の中央競馬GI最多勝利数(4勝)、およびメジロマックイーンが持っていた芦毛馬の最多獲得賞金額(10億1465万7700円)を塗り替え、それぞれ歴代トップとなった<ref>{{Cite news|url=http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_77612|title=重賞ウイナーレポート 宝塚記念 G1|publisher=競走馬のふるさと案内所|date=2014-06-29|accessdate=2016-04-01}}</ref>。|group="注"}}。鞍上の横山にとっては、1991年の[[メジロライアン]]以来となる宝塚記念優勝となった<ref name="JRA-第55宝塚記念"/>。
天皇賞(春)では、前走騎乗した岩田がウインバリアシオンに騎乗予定であったため<ref group="注">その後、岩田は[[4月27日]]の東京10Rでの斜行により騎乗停止処分となり[[アンドレアシュ・シュタルケ]]に乗り替わり、さらに天皇賞(春)当日の京都5Rでシュタルケが落馬により負傷したため[[武幸四郎]]に再度乗り替わりとなった。</ref>[[クレイグ・ウィリアムズ]]に乗り替わり<ref>[http://www.hochi.co.jp/horserace/20140426-OHT1T50260.html 【天皇賞・春】ゴールドシップ鞍上にウィリアムズ]スポーツ報知 2014年4月27日</ref>、前哨戦の[[大阪杯]]で[[エピファネイア]]、[[メイショウマンボ]]との3強対決を制した前年のダービー馬[[キズナ (競走馬)|キズナ]]に次ぐ2番人気に支持された。他馬の本馬場入場に先駆けてパドックから1頭先に入場し、落ち着いた様子でゲート入りするも、ゲート入り後に突如立ち上がって、うなり声をだすほど怒りだし、その影響でスタートでは大きく出遅れた{{#tag:ref|この出遅れについては須貝によると、係員に後ろを触られたことで馬が反応したことによるものだとしている<ref>[http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/26/kiji/K20140626008441340.html 【宝塚記念】須貝師「ノリとゴールドは親友みたい」]スポニチ Sponichi Annex 2014年6月26日</ref><ref>[http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=26933 須貝尚介調教師/宝塚記念 Part1『横山典騎手×ゴールドシップ、新コンビの手応え』]netkeiba.com競馬コラム 2014年6月26日</ref>。|group="注"}}。そのまま道中は最後方を追走し、2周目の3コーナーからウインバリアシオン、キズナの進出に合わせるように得意の捲りを見せ、最後の直線でしぶとく伸びを見せたものの、優勝したフェノーメノから離れた7着に敗れた。レース後に脚元に異変を感じたウイリアムズが下馬したが、検査を行った結果、骨に異常はなく、右の首筋から肩にかけての肉離れと診断された<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20140504/ope14050423170015-n1.html 【天皇賞・春】ゴールド7着 肉離れの診断]予想王TV@SANSPO.COM 2014年5月4日</ref>。

幸いにも大事には至らなかったため、放牧によるリフレッシュを経て予定通り宝塚記念に向かうことになった。ファン投票では51,366票を集め、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナらを抑えて初めて1位に支持された。鞍上にはオーナーサイドの要望もあり新たに[[横山典弘]]を迎え<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20140527/ope14052712290003-n1.html ゴールドシップは横山典弘騎手で宝塚記念へ!]予想王TV@SANSPO.COM 2014年5月27日</ref>、ブリンカーに加え[[シャドーロール]]も着用し臨んだ本レースは、12頭立てと頭数こそ少ないものの、ファン投票上位3頭がいずれも出走するなど近年では珍しいハイレベルな戦いとなった。そのような中、前年優勝の実績、梅雨時の[[阪神競馬場]]という舞台との相性の良さ、自ら走る気持ちを取り戻しつつある中間の調教での走り等を評価されて、ファン投票同様、単勝2.7倍の1番人気に推された。外枠からまずまずのスタートを切った後は一旦最後方になるも、最初のホームストレッチを利用して自らスピードに乗り、1コーナー手前までには一気に4、5番手につけてレースを進める。4コーナー手前から徐々にエンジンをかけて直線に入り、残り200メートル付近で先頭に立つと、追い込みを図る後方の実力馬達を突き放して2着に3馬身差の完勝。宝塚記念連覇を達成した<ref group="注">本レースにおける連覇、2回目の優勝とも史上初。</ref><ref group="注">この勝利により、[[オグリキャップ]]、[[メジロマックイーン]]が持っていた芦毛馬の中央競馬GI最多勝利数(4勝)、およびメジロマックイーンが持っていた芦毛馬の最多獲得賞金額(10億1465万7700円)を塗り替え、それぞれ歴代トップとなった。</ref>。

次走以降のローテーションについては、既に出走登録を済ませている[[凱旋門賞]]も視野に入れて関係者間で調整が行われた結果、[[札幌記念]]をステップに、僚馬の[[ジャスタウェイ]]と共に凱旋門賞に挑戦することが[[7月23日]]に正式に発表された<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20140723/ove14072309280001-n1.html ゴールド、ジャスタが凱旋門賞挑戦決定!]予想王TV@SANSPO.COM 2014年7月23日</ref>。

[[ファイル:Goldship 20140824.jpg|thumb|right|200px|2014年札幌記念]]
札幌記念に向けて放牧先から帰厩後は、一旦函館競馬場に移動して調整を行った後、札幌競馬場に入った。GI勝ち馬が4頭出走し、中でも同じく凱旋門賞挑戦を表明している[[ハープスター]]との2強対決と目された札幌記念では1番人気に支持された。レースでは、まずまずのスタートを決めたが行き足が付かず、道中は離れた最後方からの競馬となった。向こう正面の残り1000メートル付近から追い出し始め、前を進むハープスターが3コーナーで仕掛けたとほぼ同時にじわじわと進出。2頭併せで他馬を捲る形で直線入口を迎え、最後は先に抜け出したハープスターとの一騎打ちの形となったが、3/4馬身及ばず2着に敗れた。

レース後、厩務員の今浪隆利はレース当日だけで6kgの馬体減があったことを明かし、栗東に戻った後は、本番に向けて馬体回復にも気を配りながらの調整が行われた<ref name="tospo20140828">[http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/305799/ ゴールドシップ 凱旋門賞は“素顔”で挑む!]東スポWeb 2014年8月28日</ref>。その甲斐もあり、[[9月13日]]からの[[検疫]]期間中に行われた日本における最終追い切り後には、馬体は512kgまで回復した<ref>[http://www.daily.co.jp/horse/2014/09/19/0007343084.shtml 【凱旋門賞】ゴールド&ジャスタ順調]デイリースポーツ online 2014年9月19日</ref>。その後、[[9月20日]]午前10時28分にジャスタウェイ、ハープスターと共に[[成田国際空港]]から出国し、9月20日午後2時51分(現地時間、以下同)に[[オランダ]]の[[アムステルダム・スキポール空港]]に到着。スキポール空港からは陸路で約8時間移動し、[[9月21日]]午前1時25分に現地滞在先である[[シャンティイ]]の[[小林智]]厩舎に到着、入厩した{{#tag:ref|当初は最短ルートである[[シャルル・ド・ゴール国際空港]]からシャンティイへの移動を予定していたが、9月15日に[[エールフランス]]の[[パイロット (航空)|パイロット]][[労働組合]]による[[ストライキ]]が発生したため、経路を変更<ref>[http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/09/21/kiji/K20140921008964500.html 【凱旋門賞】日本勢3頭が無事出国、オランダ経由でフランスへ]スポニチ Sponichi Annex 2014年9月21日</ref>。|group="注"}}<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201409/092105.html 凱旋門賞(G1)出走予定日本馬がフランスに到着]JRAニュース 2014年9月21日</ref>。

入厩後は[[シャンティイ調教場]]のリヨン坂路を中心に調教が行われた。調教は順調に進み、[[10月2日]]の[[シャンティイ競馬場]]での芝コース追い切り後には、横山から「これまでで最高の調教」、須貝から「何も言うことがない」という言葉が出るほどであった<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201410/100202.html 凱旋門賞(G1)~日本馬情報(10)~]JRAニュース 2014年10月2日</ref>。

[[ファイル:Goldship 20141005.JPG|thumb|right|200px|2014年凱旋門賞]]
[[10月5日]]の[[第93回凱旋門賞]]には、有力馬が引退、出走回避をする中、最終的に20頭が登録を行った。札幌記念後には馬具を全て外すという話もあったが<ref name="tospo20140828"/>、結局前2走と同様ブリンカー・シャドーロールを付けての出走となった。2番ゲートから五分のスタートを切るもいつものように行き足が付かず、最後方からのレースを強いられる。1000メートル通過が60秒程度と凱旋門賞としてはペースが流れる展開の中、3コーナーを回り終えフォルスストレートに入ってから進出を開始すると、直線入口では大外に持ち出して直線勝負に賭けた。残り400メートル付近でチキータに内から寄られて若干スピードを落とした後もしぶとく伸びを見せたが、後方の馬をかわすのが精一杯。隣の3番ゲートからスタート後、道中は中団から前目に付け、直線では内からスムーズに突き抜けるという本馬と対照的なレース運びで連覇を達成した[[トレヴ]]からは約8馬身差の14着と大敗を喫し、海外初挑戦は苦い結果に終わった。レース後のインタビューで須貝は「世界は甘くない。厳しい競馬だった。応援してくれた皆さんには申し訳ない気持ち」と語り、横山も「馬は頑張ってくれた。結果はしかたない。そんなに世界は甘くない」と振り返った<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201410/100604.html 凱旋門賞(G1)の結果]JRAニュース 2014年10月6日</ref>。レース後、オーナーの次男小林正和は「(前目で)競馬ができるようなら、また(凱旋門賞に)挑戦することを考えます」と語り、翌年以降の現役続行と凱旋門賞再挑戦を示唆した<ref>[http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/06/kiji/K20141006009056410.html 【凱旋門賞】ゴールド現役続行 オーナー「次走有馬」明言]スポニチ Sponichi Annex 2014年10月6日</ref>。

その後、現地にしばらく滞在した後、[[10月11日]]午前6時42分に成田国際空港に到着、午前9時45分に輸入検疫のため[[千葉県]][[白井市]]の[[競馬学校]]に入厩した<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201410/101107.html 凱旋門賞(G1)出走日本馬が帰国]JRAニュース 2014年10月11日</ref>。着地検疫のため吉澤ステーブルWESTに移動した後は、そのまま同地で調整が行われた。帰国後の一戦にはレース間隔やコース適性を考慮してジャパンカップは回避し、有馬記念を選択。宝塚記念以降手綱を取って来た横山は主戦を務める[[ワンアンドオンリー]]に騎乗予定であったため、5走前の阪神大賞典以来となる岩田と再びコンビを組むことも併せて発表された<ref>[http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/16/kiji/K20141016009108090.html 【ゴールドシップ岩田騎乗で有馬へ 須貝師が発表]スポニチ Sponichi Annex 2014年10月16日</ref>。


次走以降のローテーションについては、既に出走登録を済ませている[[凱旋門賞]]も視野に入れて関係者間で調整が行われた結果、[[札幌記念]]をステップに、僚馬の[[ジャスタウェイ]]と共に凱旋門賞に挑戦することが[[7月23日]]に正式に発表された<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=89003|title=ジャスタウェイ&ゴールドシップ、凱旋門賞挑戦決定!|publisher=netkeiba.com|date=2014-07-23|accessdate=2016-04-01}}</ref>。
史上初の枠順公開抽選会の実施、GI馬10頭の出走{{#tag:ref|このうちジェンティルドンナ、ジャスタウェイ、[[ヴィルシーナ]]、[[トーセンラー]]が本レースをもって引退することを表明。|group="注"}}等の話題で注目された第59回有馬記念では、66,796票を獲得して宝塚記念に引き続きファン投票1位、単勝3.5倍の1番人気に推された。14番ゲートから久しぶりに好スタートを決めるとまず前方を伺うが、1周目のスタンド前を迎える頃には後方5、6番手に収まり、中団後方でレースを進める。1000メートル通過が63秒とスローペースとなる中、2周目の3コーナーから徐々に進出を開始。直線入口では先頭を捉える位置に付けてそこから抜け出しを図ったが、坂の途中で内から先に抜け出したジェンティルドンナには届かず、ゴール手前で[[トゥザワールド]]にもハナ差で差し返され、2年連続の3着となった。レース後岩田は、前方有利と言われるスローペースで中団からの競馬になってしまったことに対し、「1周目のスタンド前で位置を取りに行くべきだった」と反省を口にし、須貝からは改めて現役続行が明言された<ref>[http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/350852/ 【有馬記念】3着ゴールドシップと4着ジャスタウェイの敗因]東スポWeb 2014年12月28日</ref>。
[[ファイル:Goldship 20140824.jpg|サムネイル|札幌記念]]
札幌記念に向けて放牧先から帰厩後は、一旦函館競馬場に移動して調整を行った後<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=89803|title=ゴールドシップ鞍上横山典「機嫌がいいし、状態もいい」/札幌記念|publisher=netkeiba.com|date=2014-08-19|accessdate=2016-04-01}}</ref>、札幌競馬場に入った。GI勝ち馬が4頭出走し、中でも同じく凱旋門賞挑戦を表明している当年の[[桜花賞]]優勝馬・[[ハープスター]]との2強対決と目された札幌記念では1番人気に支持された<ref name="札幌記念">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=89952|title=さあ凱旋門賞へ!ハープスターがゴールドシップとの対決を制す!/札幌記念|publisher=netkeiba.com|date=2014-08-24|accessdate=2016-04-01}}</ref>。レースでは、まずまずのスタートを決めたが行き足が付かず、道中は離れた最後方からの競馬となった。向こう正面の残り1000メートル付近から追い出し始め、前を進むハープスターが3コーナーで仕掛けたとほぼ同時にじわじわと進出<ref name="札幌記念"/>。2頭併せで他馬を捲る形で直線入口を迎え、最後は先に抜け出したハープスターとの[[一騎討ち]]の形となったが、3/4馬身及ばず2着に敗れた<ref name="札幌記念"/>。


レース後、厩務員の今浪隆利はレース当日だけで6キロの馬体減があったことを明かし、栗東に戻った後は、本番に向けて馬体回復にも気を配りながらの調整が行われた<ref name="tospo20140828">[https://web.archive.org/web/20141019040128/http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/305799/ ゴールドシップ 凱旋門賞は“素顔”で挑む!] 東スポWeb 2014年8月28日</ref>。その甲斐もあり、[[9月13日]]からの[[検疫]]期間中に行われた日本における最終追い切り後には、馬体は512キロまで回復した<ref>[https://www.daily.co.jp/horse/2014/09/19/0007343084.shtml 【凱旋門賞】ゴールド&ジャスタ順調] デイリースポーツ online 2014年9月19日</ref>。その後、[[9月20日]]午前10時28分にジャスタウェイ、ハープスターと共に[[成田国際空港]]から出国し<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_4235.html|title=凱旋門賞出走馬の出国について|publisher=ラジオNIKKEI|date|2014-09-20|accessdate=2016-04-01}}</ref>、9月20日午後2時51分(現地時間、以下同)に[[オランダ]]の[[アムステルダム・スキポール空港]]に到着<ref name="遠征">{{Cite news|url=http://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=43976|title=凱旋門賞出走予定馬がフランスに到着|publisher=ウマニティ|date=2014-09-21|accessdate=2016-04-01}}</ref>{{#tag:ref|出典中では日本時間で書かれているが、オランダは[[夏時間]]を導入しているので、3月の最終日曜日の深夜2時から10月の最終日曜の深夜3時まで現地時間は日本時間より7時間遅れる<ref>{{Cite news|url=http://www.traveltowns.jp/time/netherlands/|title=オランダの時差・時間・サマータイム|publisher=トラベルタウンズ海外旅行|accessdate=2016-04-01}}</ref>。|group="注"}}。スキポール空港からは陸路で約8時間移動し、[[9月21日]]午前1時25分に現地滞在先である[[シャンティイ]]の[[小林智]]厩舎に到着、入厩した<ref name="遠征"/>{{#tag:ref|当初は最短ルートである[[シャルル・ド・ゴール国際空港]]からシャンティイへの移動を予定していたが、9月15日に[[エールフランス]]の[[パイロット (航空)|パイロット]][[労働組合]]による[[ストライキ]]が発生したため、経路を変更<ref>[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/09/21/kiji/K20140921008964500.html 【凱旋門賞】日本勢3頭が無事出国、オランダ経由でフランスへ] スポニチ Sponichi Annex 2014年9月21日</ref>。|group="注"}}。
史上初の宝塚記念連覇、初の海外遠征と話題のあった一年ではあったが、前年と同じく6戦2勝で当年を終えた。


入厩後は[[シャンティイ調教場]]のリヨン坂路を中心に調教が行われた<ref>{{Cite news|url=http://www.radionikkei.jp/keiba/post_4262.html|title=【凱旋門賞】日本馬情報~3頭とも順調|publisher=ラジオNIKKEI|date=2014-09-24|accessdate=2016-04-01}}、{{Cite news|url=http://keiba.radionikkei.jp/keiba/930_1.html|title=【凱旋門賞】(フランス)~日本馬の調教状況(9月30日)|publisher=netkeiba.com|date=2014-10-01|accessdate=2016-04-01}}</ref>。調教は順調に進み、[[10月2日]]の[[シャンティイ競馬場]]での芝コース追い切り後には、横山から「これまでで最高の調教」<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=91129|title=ゴールドシップ、横山典騎手「僕が乗った中で最高の追い切りができました」/凱旋門賞共同記者会見|publisher=netkeiba.com|date=2014-10-01|accessdate=2016-04-01}}</ref>、須貝から「何も言うことがない」<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=91142|title=須貝師「2頭とも、何もいうことがない」/凱旋門賞共同記者会見|publisher=netkeiba.com|date=2014-10-02|accessdate=2016-04-01}}</ref> という言葉が出るほどであった。
===6歳(2015年)===
[[ファイル:Goldship 20141005.JPG|サムネイル|223x223ピクセル|凱旋門賞]]
陣営は早々に春シーズンの最大目標を史上初の3連覇が懸かる宝塚記念と定めた。有馬記念後は疲労が少ないことから放牧には出さず、引き続き岩田とのコンビで[[アメリカジョッキークラブカップ]]に向かうことになった<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20150104/ope15010405020002-n1.html ゴールドシップ、岩田騎手とAJCCへ]予想王TV@SANSPO.COM 2015年1月4日</ref>。1週前追い切りでは[[栗東トレーニングセンター|栗東]]CWコースで併走馬に大差を付ける好タイムをマークする等<ref>[http://www.hochi.co.jp/horserace/20150115-OHT1T50207.html 【AJCC】ゴールドシップ圧巻のパフォーマンス]スポーツ報知 2015年1月16日</ref>、好調さをアピール。中山での強さや出走馬中唯一のGI馬であることも評価されて、当日は1.3倍の1番人気に推された。8番ゲートからまずまずのスタートを切ると、1コーナーに入る頃には後方4、5番手に付け、2コーナーでは自ら上がっていこうとするが鞍上は途中で手綱を抑え、中団に収まる。4コーナーから本格的に追い出し始めるも反応が鈍く、先団を捉えるには厳しい位置取りとなってしまい、直線でしぶとく伸びを見せるも勝ったクリールカイザーからは約4馬身差の7着に敗れた。
[[10月5日]]の[[第93回凱旋門賞]]には、有力馬が引退、出走回避をする中<ref>{{Cite news|url= http://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=42135 |title=欧州中距離界の名牝ザフューグが引退|publisher=ウマニティ|date=2014-07-11|accessdate=2016-04-01}}</ref><ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=90678 |title=独ダービーを11馬身差で圧勝したシーザムーンが故障のため引退|publisher=netkeiba.com|date=2014-09-17|accessdate=2016-04-01}}</ref>、最終的に20頭が登録を行った<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=91169 |title=凱旋門賞 追加登録締切、登録馬は20頭|publisher=netkeiba.com|date=2014-10-03|accessdate=2016-04-01}}</ref>。札幌記念後には馬具を全て外すという話もあったが<ref>{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=89991 |title=敗れたゴールドシップは本番でブリンカーを外す案も/札幌記念|publisher=netkeiba.com(デイリースポーツ)|date=2014-08-25|accessdate=2016-04-01}}</ref>、結局前2走と同様ブリンカー・シャドーロールを付けての出走となった。2番ゲートから五分のスタートを切るもいつものように行き足が付かず、最後方からのレースを強いられる<ref name="凱旋門賞">{{Cite news|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=91308 |title=日本勢無念の完敗…今年未勝利のトレヴが復活の連覇/凱旋門賞|publisher=netkeiba.com|date=2014-10-05|accessdate=2016-04-01}}</ref>。1000メートル通過が60秒程度と凱旋門賞としてはペースが流れる展開の中、3コーナーを回り終えフォルスストレートに入ってから進出を開始すると、直線入口では大外に持ち出して直線勝負に賭けた<ref name="凱旋門賞"/>。残り400メートル付近でチキータに内から寄られて若干スピードを落とした後もしぶとく伸びを見せたが、後方の馬をかわすのが精一杯。隣の3番ゲートからスタート後、道中は中団から前目に付け、直線では内からスムーズに突き抜けるという本馬と対照的なレース運びで連覇を達成した[[トレヴ]]からは約8馬身差の14着と大敗を喫し、海外初挑戦は苦い結果に終わった。レース後のインタビューで須貝は「世界は甘くない。厳しい競馬だった。応援してくれた皆さんには申し訳ない気持ち」と語り、横山も「馬は頑張ってくれた。結果はしかたない。そんなに世界は甘くない」と振り返った<ref>{{Cite news|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_4361.html|title=凱旋門賞の結果とレース後のコメント|publisher=ラジオNIKKEI|date=2014-10-06|accessdate=2016-04-01}}</ref>。レース後、オーナーの次男小林正和は「(前目で)競馬ができるようなら、また(凱旋門賞に)挑戦することを考えます」と語り、翌年以降の現役続行と凱旋門賞再挑戦を示唆した<ref>[https://web.archive.org/web/20141008125130/http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/06/kiji/K20141006009056410.html 【凱旋門賞】ゴールド現役続行 オーナー「次走有馬」明言] スポニチ Sponichi Annex 2014年10月6日</ref>。


その後、現地にしばらく滞在した後、ハープスター、ジャスタウェイと共に[[10月11日]]午前6時42分に成田国際空港に到着、午前9時45分に輸入検疫のため[[千葉県]][[白井市]]の[[競馬学校]]に入厩した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.radionikkei.jp/keiba/post_4388.html|title=凱旋門賞出走の日本馬3頭が帰国|publisher=ラジオNIKKEI|date=2014-10-11|accessdate=2016-04-01}}</ref>。着地検疫のため吉澤ステーブルWESTに移動した後は、そのまま同地で調整が行われた<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=93365|title=ゴールドシップなど、先週の入厩情報/栗東トレセンニュース|publisher=netkeiba.com|date=2014-12-02|accessdate=2016-04-01}}</ref>。帰国後の一戦にはレース間隔やコース適性を考慮してジャパンカップは回避し、有馬記念を選択<ref name="2014有馬騎手">[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/16/kiji/K20141016009108090.html ゴールドシップ岩田騎乗で有馬へ 須貝師が発表] スポニチ Sponichi Annex 2014年10月16日</ref>。宝塚記念以降手綱を取って来た横山は主戦を務める[[ワンアンドオンリー]]に騎乗予定であったため、5走前の阪神大賞典以来となる岩田と再びコンビを組むことも併せて発表された<ref name="2014有馬騎手"/>。
この結果を受け、出走する可能性を残していた[[ドバイシーマクラシック]]は回避し、阪神大賞典に向かうことになった<ref>{{Cite news|url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150128/ope15012805070004-n1.html |title=ゴールドシップ、引き続き岩田騎手で阪神大賞典へ|publisher=産経新聞社|work=予想王TV@SANSPO.COM|date=2015-01-28|accessdate=2015-01-28}}</ref>。
[[ファイル:Gold Ship Arima kinen 2014.jpg|サムネイル|有馬記念]]
史上初の枠順公開抽選会の実施<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20141226112007/http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20141225-1413403.html|title=史上初!公開ドラフト枠順抽選結果|publisher=日刊スポーツ|date=2014-12-25|accessdate=2016-04-01}}</ref>、GI馬10頭が集まった第59回有馬記念では、66,796票を獲得して宝塚記念に引き続きファン投票1位<ref>{{Cite web|和書|url=http://keiba.radionikkei.jp/keiba/12_2.html|title=【有馬記念】ファン投票最終集計~1位ゴールドシップ、2位ジェンティルドンナ|publisher=ラジオNIKKEI|date=2014-12-11|accessdate=2016-04-01}}</ref>、単勝3.5倍の1番人気に推された<ref name="競走成績"/>。14番ゲートから久しぶりに好スタートを決めるとまず前方を伺うが、1周目のスタンド前を迎える頃には後方5、6番手に収まり、中団後方でレースを進める<ref name="2014有馬">{{Cite web|和書|date=|url=https://web.archive.org/web/20160808185750/http://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/arima/2014/result.html|title=第59回 有馬記念特集 レース回顧|publisher=JRA-VAN|accessdate=2016-04-01}}</ref>。1000メートル通過が63秒とスローペースとなる中、2周目の3コーナーから徐々に進出を開始<ref name="2014有馬"/>。直線入口では先頭を捉える位置に付けてそこから抜け出しを図ったが、坂の途中で内から先に抜け出したジェンティルドンナには届かず、ゴール手前で[[トゥザワールド]]にもハナ差で差し返され、2年連続の3着となった<ref name="2014有馬"/>。レース後岩田は、前方有利と言われるスローペースで中団からの競馬になってしまったことに対し、「スタートから4コーナーにかけて位置を取りに行けば良かった」と反省を口にし<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=94304|title=【有馬記念(GI)】(中山)~ジェンティルドンナが引退レースで有終の美を飾る|publisher=netkeiba.com|date=2014-12-29|accessdate=2016-04-01}}</ref>、須貝からは翌年春シーズンの最大目標を史上初の3連覇が懸かる宝塚記念と定め、改めて現役続行が明言された<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=94357|title=始動戦は未定もゴールドシップの2015年上半期は宝塚記念3連覇が目標と須貝師が明かす|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2014-12-31|accessdate=2016-04-01}}</ref>。


史上初の宝塚記念連覇、初の海外遠征、前年と同じく6戦2勝で当年を終えた。
阪神大賞典では、オッズ1倍圏内の圧倒的な1番人気に支持された。道中では中団につけ、早めにスパートをかけて直線では先頭集団に加わり、最後は追走する[[デニムアンドルビー]]を1馬身抑えて勝利し、同レース3連覇を達成した。重賞3連覇は史上9頭目であるが、すべて1番人気であったのはグレード制導入後では初の記録となった<ref>{{Cite news|url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150323/ope15032305070004-n1.html |title=【阪神大賞典】ゴールドシップ3連覇&重賞10勝!|publisher=産経新聞社|work=予想王TV@SANSPO.COM |date=2015-03-27|accessdate=2015-03-27}}</ref>。なお、この勝利により、ゴールドシップは重賞10勝目となった。この記録は史上7頭目となる。
==== 6歳(2015年)====
有馬記念後は疲労が少ないことから放牧には出さず、引き続き岩田とのコンビで[[アメリカジョッキークラブカップ]]に向かうことになった<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=94485|title=AJCCから始動のゴールドシップ、須貝師「その後のローテはレース後にあらためて」|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2015-01-05|accessdate=2016-04-01}}</ref>。1週前追い切りでは[[栗東トレーニングセンター|栗東]]CWコースで併走馬に大差を付ける好タイムをマークする等、好調さをアピール<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=94770|title=ゴールドシップ、AJCC1週前追い切り速報/栗東トレセンニュース|publisher=netkeiba.com|date=2015-01-15|accessdate=2016-04-01}}</ref>。中山での強さ<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=94981|title=ゴールドシップの追い切りに騎乗した岩田は期待を込め「今年初戦なので楽しみ」/AJCC|publisher=netkeiba.com|date=2015-01-22|accessdate=2016-04-01}}</ref> や出走馬中唯一のGI馬であることも評価されて、当日は1.3倍の1番人気に推された<ref name="競走成績"/>。8番ゲートからまずまずのスタートを切ると、1コーナーに入る頃には後方4、5番手に付け、2コーナーでは自ら上がっていこうとするが鞍上は途中で手綱を抑え、中団に収まる。4コーナーから本格的に追い出し始めるも反応が鈍く、先団を捉えるには厳しい位置取りとなってしまい、直線でしぶとく伸びを見せるも勝った[[クリールカイザー]]からは約4馬身差の7着に敗れた<ref name="競走成績"/>。この結果を受け、出走する可能性を残していた[[ドバイシーマクラシック]]は回避し、阪神大賞典に向かうことになった<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=95185|title=ゴールドシップは引き続き岩田で阪神大賞典へ、ドバイへは「行きません」と須貝師|publisher=netkeiba.com(デイリースポーツ)|date=2015-01-29|accessdate=2016-04-01}}</ref>。
[[ファイル:Gold Ship Hanshin Daishoten 2015.jpg|サムネイル|249x249ピクセル|[[阪神大賞典]]]]
阪神大賞典では、単勝オッズ1.6倍の圧倒的な1番人気に支持された<ref name="2015阪神大賞典">{{Cite web|和書|url=http://umanity.jp/racedata/race_newsdet.php?nid=48988|title=【阪神大賞典】ゴールドシップ3連覇&重賞10勝!|publisher=ウマニティ|date=2015-03-23|accessdate=2016-04-01}}</ref>。道中では中団につけ、早めにスパートをかけて直線では先頭集団に加わり、最後は追走する[[デニムアンドルビー]]を1馬身抑えて勝利し、同レース3連覇を達成した<ref name="2015阪神大賞典"/>。重賞3連覇は史上9頭目であるが、すべて1番人気であったのは3頭目、グレード制導入後では初の記録となった<ref name="2015阪神大賞典"/>。また、この勝利により、ゴールドシップは史上7頭目となる重賞10勝に到達した<ref name="2015阪神大賞典"/>。


天皇賞(春)では年の有馬記念以来手綱を取ってきた岩田が[[アドマイヤデウス]]に騎乗予定となり、凱旋門賞以来となる横山の騎乗で出走することとなった<ref>{{Cite news|url=http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/391198/ |title=ゴールドシップ 横山典で天皇賞・春参戦|publisher=東京スポーツ新聞社|work=東スポWeb |date=2015-04-20|accessdate=2015-04-20}}</ref>。ゲート入りを嫌がり、目隠しされた状態でのゲート入りとなり、スタート後は最後方でのレースとなった。2周目の向正面で横山がゴーサインを出すと馬群の外から少しずつ前方へとまくっていった。最後の直線で先頭に立っていた[[カレンミロティック]]を抜くと、追走してきた[[フェイムゲーム]]をクビ差で抑え、3度目の挑戦でついに天皇賞を制覇、6度目のGI勝利となった<ref>{{Cite news|url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20150503/ope15050315500007-n1.html |title=【天皇賞・春】ゴールドシップGI6勝目!盾初制覇|publisher=産経新聞社|work=予想王TV@SANSPO.COM|date=2015-05-03|accessdate=2015-05-03}}</ref>。なお、枠入り不良と判定されたため次走までに発走調教再審査を受けなけばならなくなった<ref>{{Cite news|url=http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/396536/ |title=天皇賞】ゴールドシップ優勝 宝塚記念3連覇見えた…誤算は発走再審査|publisher=東京スポーツ新聞社|work=東スポWeb|date=2015-05-04|accessdate=2015-05-05}}</ref>。その後行われた再審査は一度で合格している<ref>{{Cite web|date=|url=http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/414021/|title=【宝塚記念】気分屋ゴールドシップは信頼できるのか?須貝調教師を直撃|publisher=東京スポーツ|accessdate=2016-04-01}}</ref>。
天皇賞(春)では年の有馬記念以来手綱を取ってきた岩田が[[アドマイヤデウス]]に騎乗するこなり、凱旋門賞以来となる横山の騎乗で出走することとなった<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=97899|title=【天皇賞(春)】(京都)~枠順確定 ゴールドシップ1番、キズナ13番|publisher=netkeiba.com|date=2015-04-30|accessdate=2016-04-01}}</ref>。ゲート入りを嫌がり、目隠しされた状態でのゲート入りとなり、スタート後は1番人気のキズナに並んでの最後方でのレースとなった<ref name="2015天皇賞春">{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=98027|title=ゴールドシップがGI6勝目、須貝師「宝塚記念に向けて努力していきたい」/天皇賞・春|publisher=netkeiba.com(提供:デイリースポーツ)|date=2015-05-04|accessdate=2016-04-01}}</ref><ref name="JRA-第151回天皇賞">{{Cite web|和書|url= https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/haruten/result/haruten2015.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第151回天皇賞(春) |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>。2周目の向正面で横山がゴーサインを出すと馬群の外から少しずつ前方へとまくっていった<ref name="2015天皇賞春"/>。最後の直線で先頭に立っていた[[カレンミロティック]]を抜くと、追走してきた[[フェイムゲーム]]をクビ差で抑え、3度目の挑戦でついに天皇賞を制覇、6度目のGI勝利となった<ref name="2015天皇賞春"/>。4年連続でのGI勝利はJRA史上6頭目<ref>https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=232361</ref>で、古馬GⅠを4年連続で制したのは[[アグネスデジタル]]に続く12年ぶり2頭目の快挙だった。なお、枠入り不良で発走時刻を4分遅らせたため発走調教再審査が科せられた<ref name="2015天皇賞春"/>。その後行われた再審査は一度で合格している<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=98732|title=ゴールドシップ、ゲート試験合格/栗東トレセンニュース|publisher=netkeiba.com|date|2015年5月29日|accessdate=2016-04-01}}</ref>。
[[ファイル:Gold Ship Takarazuka kinen 2015.jpg|サムネイル|281x281ピクセル|宝塚記念の出遅れ]]
宝塚記念では前年に続きファン投票1位を獲得<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=99103|title=【宝塚記念】~ファン投票最終結果発表、今年もゴールドシップが1位|publisher=netkeiba.com(提供:ラジオNIKKEI)|date=2015-06-11|accessdate=2016-04-01}}</ref>。「JRA同一平地GI競走3連覇{{#tag:ref|障害競走では、[[カラジ]]が[[中山グランドジャンプ]]を3連覇している<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=19871|title=中山グランドJ、カラジが水車鞭に応え3連覇|publisher=netkeiba.com|date=2001-04-14|accessdate=2016-04-01}}</ref>。また、グレード制導入以前には、[[バローネターフ]]が[[中山大障害|中山大障害(秋)]]を3連覇している<ref>{{Cite web|和書|date=|url=http://jra.jp/topics/column/museam/tm07_sp04.html|title=競馬コラム/記録を刻む大跳躍 バローネターフ|publisher=日本中央競馬会|accessdate=2016-04-01}}</ref>。|group="注"}}<ref group="注">年2回開催の[[天皇賞]]では[[テイエムオペラオー]]が[[2000年]]春・秋と[[2001年]]春の3連覇を達成しているが、ここでは春と秋の競走をそれぞれ独立したものとみなしている。</ref>」という空前の記録を目指して出走したが、発馬直前に隣の[[トーホウジャッカル]]がうるさくしたため、ゲート内でトーホウジャッカルを威嚇するように立ち上がるなどして落ち着きを失い、さらにゲートが開けられた瞬間にも立ち上がってしまったため<ref name="VOL1 Gold Ship 68">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=全28戦PLAYBACK 2015年宝塚記念 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=68 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>{{refnest|group="注"|裁決委員の福田正二審判部長によれば、最初に立ち上がった際、横山から「(開けるのを)待ってくれ」と声がかかり、その後、横山が「いいですよ」という合図で速やかにゲートを切ったが、開くと同時に再度立ち上がってしまったという<ref name="VOL1 Gold Ship 68" />。}}大きく出遅れて最後方からの追走となった<ref name="2015宝塚">{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=99623|title=ゴールドシップについて横山典「これも込みで個性。それを応援してもらえたら」/宝塚記念|publisher=netkeiba.com(提供:ラジオNIKKEI)|date=2015-06-29|accessdate=2016-04-01}}</ref><ref name="JRA-第56回宝塚記念">{{Cite web|和書|url= https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/takara/result/takara2015.html |title= JRAホームページ|データファイル|競走成績データ|第56回宝塚記念 |publisher=JRA 日本中央競馬会|website=jra.co.jp|accessdate=2020-01-22}}</ref>。3コーナーで馬群にとりついたものの<ref name="JRA-第56回宝塚記念"/> ゴール直前の勝負所でも追い上げることができず、15着の大惨敗を喫し<ref name="2015宝塚"/>、3連覇の記録達成はならなかった。なお、発走直前の行為が枠内駐立不良と判定されたため再び発走調教再審査が科せられた<ref name="2015宝塚"/>。


8月2日、翌2016年から10億円のシンジケートが組まれ、[[ビッグレッドファーム]]で[[種牡馬]]入りすることが決まった<ref>{{Cite news|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/08/03/kiji/K20150803010860760.html|title=ゴールドシップ有馬で引退 来春ビッグレッドFで10億円種牡馬入り|publisher=スポーツニッポン|date=2015-08-03|accessdate=2016-04-01}}</ref>。ゲート再試験後に臨んだジャパンカップでは<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=104584|title=ゴールドシップ横山典「相変わらずいい馬、面白い馬です」/ジャパンC共同会見|publisher=netkeiba.com|accessdate=2015-12-17}}</ref> 2013年の有馬記念以来となるブリンカー・シャドーロールを外しての素顔で出走し<ref>{{Cite news|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=104618|title=ゴールドシップはブリンカー・シャドーロールを外して臨戦、須貝師「リラックスしていたし」/ジャパンC|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|date=2015-11-27|accessdate=2019-12-28}}</ref>、前走の宝塚記念のような出来事が起こった場合は有馬記念への出走ができなくなる可能性があったものの<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=32135|author=柏木集保|title=最終章で本当に強いレースを/ジャパンC|publisher=netkeiba.com|accessdate=2015-12-17}}</ref>、特に問題なくゲートを出たが、10着と凡走に終わった<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=32141|author=柏木集保|title=陣営の強気の選択が正解に/ジャパンC|publisher=netkeiba.com|accessdate=2015-12-17}}</ref>。
宝塚記念では「JRA同一平地GIレース3連覇<ref group="注">年2回開催の[[天皇賞]]では[[テイエムオペラオー]]が[[2000年]]春・秋と[[2001年]]春の3連覇を達成しているが、ここでは春と秋の競走をそれぞれ独立したものとみなしている</ref>」という空前の記録を目指して出走したが、発馬直前にスターティングゲート内で急に立ち上がってしまい、大きく出遅れて最後方からの追走となった。ゴール直前の勝負所でも追い上げることができず、15着の大惨敗を喫し<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150628-00000069-dal-horse 【宝塚記念】ゴールド大出遅れで15着大敗、ラブリーデイV](デイリースポーツ2015年6月28日 6月29日閲覧)</ref>、3連覇の記録達成はならなかった。なお、枠内駐立不良と判定されたため再び次走までに発走調教の再審査を受けなければならなくなった。


8月2日、翌2016年から10億円のシンジケートが組まれ、[[ビッグッドファム]]で[[種牡馬]]入りするこが決まった<ref>[http://race.sanspo.com/keiba/news/20150802/ope15080205080008-n1.html ゴールド来春10億円種牡馬入り 有馬でラストラン]</ref>。ゲート再試験後に臨んだジャパンカップでは、前述の宝塚記念のような出来事があれば、有馬記念の出場きなくなる可能性あったものの、特に問題なくゲートが、10着と凡走終わった<ref>{{Cite web|date=|url=http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=104584|title=ゴールドシ横山典「相変らずいい馬、面白い馬です」/ジャパンC共同会見|publisher=netkeiba.com|accessdate=2015-12-17}}</ref><ref>{{Cite web|date=|url=http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=32135|title=最終章で本当に強いレースを/ジャパンC|publisher=netkeiba.com|accessdate=2015-12-17}}</ref><ref>{{Cite web|date=|url=http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=32141|title=陣営の強気の選択が正解に/ジャパンC|publisher=netkeiba.com|accessdate=2015-12-17}}</ref>。引退の舞台となる12月27日‎の有馬記念では2013年ジャパンカップ以来となる内田博幸が騎乗することが報じられた<ref>{{Cite web|date=|url=http://www.daily.co.jp/newsflash/horse/2015/12/02/0008613487.shtml|title=【有馬記念】ゴールドシップに内田騎乗|publisher=デイリースポーツ|accessdate=2015-12-17}}</ref>。第60回有馬記念では、2011年のブエナビスタ以来となる10万票超え、前年の1.8倍、120,981票を獲得した<ref>{{Cite web|date=|url=http://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1577789&year=2015&month=12&day=11|title=ゴールドシップ2年連続ファン投票1位/有馬記念|publisher=デイリースポーツ|accessdate=2015-12-17}}</ref>。レースでは1番人気にされたがいつものまくりを見せものの、直線で伸びを欠いて[[ゴールドアクター]]の8着に敗れた。騎乗した内田は「最後の大役だから何とかと思けど…。現実は厳し」と悔しがった<ref>[http://www.hochi.co.jp/horserace/20151227-OHT1T50065.html 有馬記念】内田「現実は厳しい」ゴールドシップ8着で有終飾れず] スポーツ報知 2015年12月27日</ref>。中山最終レース後に、調教師の須貝、これまで騎乗した内田、横山、岩田などが出席した引退式が行われた<ref name=intai>{{Cite web|date=|url=http://www.jra.go.jp/news/201512/121704.html|title=ゴールドシップの引退式を有馬記念(GI)当日に中山競馬場で開催|publisher=デイリースポーツ|accessdate=2015-12-17}}</ref><ref>{{Cite web|date=|url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20151227-OHT1T50096.html|title=【有馬記念】ゴールドシップ引退式、横山典「出遅れで何十億円を紙くずに…」内田は涙|publisher=スポーツ報知|accessdate=2016-01-04}}</ref><ref>{{Cite web|date=|url=http://www.hochi.co.jp/horserace/20151227-OHT1T50110.html|title=【有馬記念】ゴールドシップ引退式、生産者は「父似の子供が生まれくれたら」|publisher=スポーツ報知|accessdate=2016-01-04}}</ref>。同日、競走馬登録を抹消され<ref name="massyou"/>、あらためてビッグレッドファームで種牡馬入りが発表された
引退レーった12月27日の[[第60回有馬記念|有馬記念]]は横山菊花賞制し[[キタサンブラック]]騎乗する<ref>{{Cite news|title=【有馬記念】キタサンブラクに横山典 北村宏負傷で乗り代り|newspaper=スポニチアネックス|publisher=スポーツニッポン|date=2015-12-11|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/12/11/kiji/K20151211011664340.html|accessdate=2015-12-29}}</ref>2013年ジャパンカップ以来となる内田博幸が騎乗することが報じられた<ref>{{Cite web|和書|date=|url=https://www.daily.co.jp/newsflash/horse/2015/12/02/0008613487.shtml|title=【有馬記念】ゴールドシップに内田騎乗|publisher=デイリースポーツ|accessdate=2015-12-17}}</ref>。第60回有馬記念では、2011年の[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]以来となる10万票超え、前年の1.8倍、120,981票を獲得した<ref>{{Cite web|和書|date=|url=http://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1577789&year=2015&month=12&day=11|title=ゴールドシップ2年連続ファン投票1位/有馬記念|publisher=日刊スポーツ|accessdate=2015-12-17}}</ref>。レースでは1番人気に支持され、1000mの地点でロングスパート仕掛けて見せ場を作ったものの<ref>{{Cite news|title=ゴールドシップ完全燃焼ラストラン8着/有馬記念|newspaper=極ウマ|publisher=日刊スポーツ|date=2015-12-28|url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1584871&year=2015&month=12&day=28|accessdate=2019-12-28}}</ref>、直線で伸びを欠いて[[ゴールドアクター]]の8着に敗れた<ref name="2015有馬記念">{{Cite news|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_7739.html|title=【有馬記念】(中山)~ゴールドアクターが4連勝でGI初制覇|publisher=ラジオNIKKEI|date=2015-12-27|accessdate=2016-04-01}}</ref>。騎乗した内田は「最後の最後でしたし、何とかしたいと思いましが、現実は厳しかったです」と悔しがった<ref name="2015有馬記念"/>。中山最終レース後に、調教師の須貝、これまで騎乗した内田、横山、岩田などが出席した引退式が行われた<ref name=intai>{{Cite web|和書|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_7654.html|title=ゴールドシップの引退式を27日に中山競馬場で開催|publisher=ラジオNIKKEI|date=2015-12-17|accessdate=2016-04-01}}</ref><ref name="Last run">{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=105808|title=ラストランを終えたゴールドシップの須貝師は「またこういう愛さる馬をつくれるように」|publisher=netkeiba.com|date=2015-12-28|accessdate=2016-04-01}}</ref>。同日付けで、競走馬登録を抹消され<ref name="massyou"/>。
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ファイル:Gold Ship Arima kinen 2015(IMG1).jpg|ゴールドシップと今浪隆利(右)
ファイル:Gold Ship Arima kinen 2015(IMG2).jpg|左から須貝師・内田博・小林正和(英一の次男)・横山典・岩田誠・出口俊一(出口牧場代表)
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== 競走成績 ==
== 競走成績 ==
以下の内容は、[[netkeiba.com]]の情報に基づく<ref name="競走成績"/>。
{| style="border-collapse:collapse; font-size:90%; text-align:center; white-space:nowrap"
{| style="border-collapse:collapse; font-size:90%; text-align:center; white-space:nowrap"
! 競走日 !! 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離(馬場) !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />(人気) !! 着順 !! タイム<br />(上り3F) !! 着差 !! 騎手 !! 斤量 !! 1着馬(2着馬)
! 競走日 !! 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離(馬場) !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />(人気) !! 着順 !! タイム<br />(上り3F) !! 着差 !! 騎手 !! 斤量<br />(kg) !! 1着馬(2着馬)
|-
|-
| [[2011年|2011.]][[7月9日|{{0}}7.{{0}}9]]
| [[2011年|2011.]][[7月9日|{{0}}7.{{0}}9]]
137行目: 151行目:
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| [[秋山真一郎]]
| [[秋山真一郎]]
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| (コスモユッカ)
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| 秋山真一郎
| 秋山真一郎
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| (ニシノカチヅクシ)
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| 安藤勝己
| 安藤勝己
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| [[アダムスピーク (競走馬)|アダムスピーク]]
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| [[内田博幸]]
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| ([[ディープブリランテ]])
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| 内田博幸
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| 内田博幸
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| (スカイディグニティ)
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| 内田博幸
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| (デスペラード)
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| [[天皇賞(春)]]
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| 内田博幸
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| 内田博幸
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| [[ライアン・ムーア|R.ムーア]]
| [[ライアン・ムーア|R.ムーア]]
| 57kg
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| [[オルフェーヴル]]
| [[オルフェーヴル]]
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| [[岩田康誠]]
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| [[クレイグ・ウィリアムズ|C.ウィリアムズ]]
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| フェノーメノ
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|-
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| 横山典弘
| 横山典弘
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| [[ハープスター]]
|-
|-
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| [[ロンシャン競馬場|ロンシャン]]
| [[パリロンシャン競馬場|ロンシャン]]
| [[凱旋門賞]]
| [[凱旋門賞]]
| G1
| G1
| 芝2400m (bon<ref group="注">日本での「良」に相当。</ref>)
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| 20
| 20
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|
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|
460行目: 474行目:
|
|
| 横山典弘
| 横山典弘
| 59.5kg
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| [[トレヴ|Treve]]
|-
|-
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| 14
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| 岩田康誠
| 岩田康誠
| 57kg
| 57
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| ジェンティルドンナ
|-
|-
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| 岩田康誠
| 岩田康誠
| 58kg
| 58
| クリールカイザー
| [[クリールカイザー]]
|-
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| 岩田康誠
| 岩田康誠
| 58kg
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| ([[デニムアンドルビー]])
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|-
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| 横山典弘
| 横山典弘
| 58kg
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| ([[フェイムゲーム]])
| ([[フェイムゲーム]])
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|-
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| 15
| 15
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| {{0}}1.9(1人)
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| 15着
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| {{0|R}}2:15.6 (35.1)
| 1.2
| 1.2
| 横山典弘
| 横山典弘
| 58kg
| 58
| [[ラブリーデイ]]
| [[ラブリーデイ]]
|-
|-
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| 12
| 12
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| {{0}}4.7(2人)
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| 10着
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| {{0|R}}2:25.1 (34.5)
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| 0.4
| 横山典弘
| 横山典弘
| 57kg
| 57
| [[ショウナンパンドラ]]
| [[ショウナンパンドラ]]
|-
|-
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| {{0}}4.1(1人)
| {{0}}4.1(1人)
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| {{0}}8着
| {{0|R}}2:33.3 (35.2)
| {{0|R}}2:33.3 (35.2)
| 0.3
| 0.3
| 内田博幸
| 内田博幸
| 57kg
| 57
| [[ゴールドアクター]]
| [[ゴールドアクター]]
|}
|}
*タイム欄の{{color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す
*タイム欄の{{color|darkred|R}}はレコード勝ちを示す

*[http://db.netkeiba.com/horse/result/2009102739/ 競走成績は2016年1月4日閲覧日現在]
== 種牡馬時代 ==
引退式後に[[ビッグレッドファーム]]鉾田で静養ののち、2016年1月6日にビッグレッドファームに到着<ref>{{Cite web|和書|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=106042 |title=ゴールドシップがビッグレッドファームに到着 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |accessdate=2019-07-20}}</ref>。種付け料は受胎条件で250万円に設定された<ref name="jbba">{{Cite web|和書|url= https://uma-furusato.com/news/detail/_id_96907 |title=ゴールドシップ産駒の公開調教が行われる |work= 馬産地ニュース |publisher= JBBA日本軽種馬協会 |accessdate=2019-07-20}}</ref>。供用初年度の2016年は109頭の繁殖牝馬に種付けを行い、翌2017年に79頭が誕生した<ref name="jbba"/>。同年7月の[[セレクトセール]]当歳部門では、そのうちの1頭である[[マイジェン]]の2017が[[里見治]]によって5000万円で落札される<ref>{{Cite web|和書|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=123883 |title=芦毛のゴールドシップ産駒を里見氏が5000万円で落札!/セレクトセール2017速報 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |accessdate=2019-07-20}}</ref>。同年9月2日には札幌競馬場に来場し、当日の全レース終了後にパドックでお披露目された<ref>{{Cite web|和書|url= https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=125770 |title= 種牡馬ゴールドシップお披露目 芦毛のヒーローが札幌に凱旋 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |accessdate=2019-12-26}}</ref>。

2019年から産駒がデビューし、7月14日の函館競馬場における新馬戦においてマイジェンの2017こと[[サトノゴールド]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://db.netkeiba.com/horse/2017104925/|title=サトノゴールド|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=netkeiba.com|accessdate=2019-08-31}}</ref> が[[武豊]]を鞍上に勝利し、これが産駒初勝利となった<ref>{{Cite web|和書|url= https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=157665 |title=【函館5R新馬戦】サトノゴールドがV ゴールドシップ産駒初勝利/JRAレース結果 |work= netkeiba |publisher= Net Dreamers Co., Ltd. |accessdate=2019-07-20}}</ref>。サトノゴールドは父と同じ須貝厩舎の管理馬であり、担当厩務員も同じく今浪隆利である<ref>{{Cite web|和書|url= https://race.sanspo.com/keiba/news/20190704/etc19070418450007-n1.html |title=【函館だより】期待のゴールドシップ産駒に夢の続きを~今浪厩務員とサトノゴールド |work= サンスポ ズバッと!競馬 |publisher= サンケイスポーツ |accessdate=2019-07-20}}</ref>。

2019年8月31日の[[札幌2歳ステークス]]を[[ブラックホール (競走馬)|ブラックホール]]が制して産駒の重賞初勝利を達成<ref name="札幌2歳S2019">{{Cite web|和書|url=https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=159723|title=【札幌2歳S】ブラックホールがV! 新種牡馬ゴールドシップ産駒のワンツー!/JRAレース結果|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=news.sp.netkeiba|date=2019-08-31|accessdate=2019-08-31}}</ref>。2着にはサトノゴールドが入線した<ref name="札幌2歳S2019netkeiba">{{Cite web|和書|url=https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=159723&rf=top_news|title=【札幌2歳S速報】ブラックホールが優勝!/JRAレース結果|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=news.sp.netkeiba|date=2019-08-31|accessdate=2019-08-31}}</ref>。

2021年5月23日の[[優駿牝馬]]を[[ユーバーレーベン]]が制して産駒のGI級競走初制覇を果たした<ref name="オークス2021netkeiba">{{Cite web|和書|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=188207|title=【オークス結果】3歳女王はユーバーレーベン! ソダシは無敗2冠ならず8着|work=netkeiba|publisher=Net Dreamers Co., Ltd.|accessdate=2021-05-23|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210523101039/https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=188207|archivedate=2021-05-23}}</ref>。

=== 主な産駒 ===
'''太字'''はGI競走を示す
==== GI級競走優勝馬 ====
*2018年産
**[[ユーバーレーベン]](2021年'''[[優駿牝馬]]''')<ref name="オークス2021netkeiba"/>
**[[マイネルグロン]](2023年[[東京ハイジャンプ]]、'''[[中山大障害]]'''、2024年[[阪神スプリングジャンプ]])<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001261957/|title=マイネルグロン|website=JBISサーチ|publisher=公益社団法人[[日本軽種馬協会]]|accessdate=2023-10-15}}</ref>

==== グレード制重賞優勝馬 ====
*2017年産
**[[ブラックホール (競走馬)|ブラックホール]](2019年[[札幌2歳ステークス]])<ref name="札幌2歳S2019"/><ref name="札幌2歳S2019netkeiba"/>
**[[ウインキートス]](2021年[[目黒記念]])
**[[ウインマイティー]](2022年[[マーメイドステークス]])
*2020年産
**[[ゴールデンハインド (競走馬)|ゴールデンハインド]](2023年[[フローラステークス]])<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001319226/|title=ゴールデンハインド|website=JBISサーチ|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2023-04-23}}</ref>
*2021年産
**[[メイショウタバル]](2024年[[毎日杯]]、[[神戸新聞杯]])
**[[コガネノソラ]](2024年[[クイーンステークス]])

== 特徴 ==
本節では、ゴールドシップの特徴を、身体面や気性面などから記述する。

=== 身体面 ===
ゴールドシップの馬体は後肢の繋ぎ<ref group="注">蹄から球節の間の部分のこと。</ref> が顕著に緩く、高速回転が苦手<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑">{{Cite book|和書 |editor=吉川達郎 |others=発行人 片山雅文 編集長 鈴木 学 |year=2015-12-82 |title=Gallop 2015 JRA重賞年鑑 金杯から有馬記念まで全重賞を完全収録 |chapter=2015 GIレース回顧 第151回天皇賞(春)【GIレース回顧録】岡田繁幸(ビッグレッドファームのグループ代表) |series=臨時増刊号 |volume=2016年1月28日号 |page=60 |publisher=産業経済新聞社}}</ref> で、スタート時や勝負所でゴーサインを送られた時もこの緩さが災いして、ダッシュが利かないという馬体の構造から先行策が難しく後方からのレースが多かった<ref name="yu20170893">「優駿」2017年8月号、p.93</ref>。また、レコード決着をするようなレースにも不向きだった<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑" />。コースでも[[東京競馬場]]で行われたレースで勝利したのは3歳時の共同通信杯のみと同競馬場でのレースを苦手としたが、これも馬体や繋ぎの緩さからトップスピードになかなか乗れず、勝負所で置かれてしまうため、東京や[[京都競馬場]]でのここ一番のレースで勝ちきれなかった<ref name="yu20170893"/>。反対に[[中山競馬場]]・[[阪神競馬場]]では残り200メートル地点での急坂で他馬が失速することが多い中、ゴールドシップは強靭で柔らかく収縮力のある筋力を持ち、大きなストライドで加速できた<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑" /><ref name="VOL1 Gold Ship 76-77">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |pages=76 - 77 |publisher=産業経済新聞社}}</ref> ため、直線でもバテずに末脚を伸ばすことが可能<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑" /> となり、中山においても追い込みや捲りが届いた<ref name="yu20170893"/>。

[[岡田繁幸]](ゴールドシップが種牡馬入りした繋養先のビッグレッドファームのグループ代表)は、次のように述べている<ref name="VOL1 Gold Ship 76-77" />。

{{Quotation|故障しなかったのは身体能力の高さだと思いますよ。とにかく柔らかい。全身がショックアブソーバー(自動車や建造物に使用される振動を減衰する装置のこと)になっていて衝撃を吸収してくれた。だから長持ちしたのだと思います。体が柔らかいと力のない馬も多いんですけど、父のステイゴールドから受け継がれているもので『柔らかくても筋肉に力(収縮力)がある』んです。なかなかそんな馬はいません。『筋力は強いが硬い馬』、『柔らかいけどパワーが(推進力)が足りない馬』はいます。それが自然界なんですよ。[[サンデーサイレンス|サンデー(サイレンス)]]系の特徴でもある『柔らかくても筋力がある』。それはアスリートとして根本的に求められている素質なんです。[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]もそうでしたが、柔らかくて瞬発力がある。それがサンデー系の凄さなんです。<br />(中略)古馬になってからのイメージは『長くいい脚を使う』長距離馬のような評価をされたかもしれませんが、加速するときの“エンジンのかかり”が他の馬とは違うわけですよ。ギューンと加速する。あれは筋力がないとできないんです。種牡馬は柔らかくなければならない。どういうことかというと、柔らかければピッチ(脚の回転)が速まらないとスピードが出ない。ピッチを速めるためには筋肉に収縮力がないといけない。全身運動でいいストライドで走り、さらにピッチが上がるだけの筋肉があれば名馬になれるのです。それをゴールドシップには感じました。|岡田繁幸||週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ 『INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表』pp76 - 77<ref name="VOL1 Gold Ship 76-77" />}}

さらに、岡田は、体形やパーツを見ると決して長距離向きではない。脚先のスナップを利かせて筋肉の力を借りなくても推進できるのが長距離向きだが、ゴールドシップはスナップを利かせて走れないつくりをしている<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑" />。それでも勝てたのは、持って生まれた身体能力と基礎体力の高さに他ならず、得意でもない距離で勝つのが名馬であると述べている<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑" />。現役時代の起伏の激しい競走成績につながった身体的な一因は、道中の位置取りやコース形態、後肢の繋ぎの緩さなどの要因が重なった結果だった<ref name="yu20170893"/>。

=== 気性面 ===
この節では、ゴールドシップの父ステイゴールド譲りの気性の激しさについて、関係者からの証言や出走競走の距離・間隔・頭数から記述する。

==== 関係者からの証言 ====
ゴールドシップは、所属する須貝厩舎に入厩した当時は大人しくしていたが、3歳の共同通信杯を前に荒々しさが目覚めた<ref name="VOL1 Gold Ship 16">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=INTERVIEW 須貝尚介調教師 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=16 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。最終追い切り後厩舎へ戻る途中、調教助手の北村浩平を振り落として右肩脱臼の大怪我を負わせ、手綱を引く厩務員の今浪隆利を何度も振り回した<ref name="VOL1 Gold Ship 16" />。さらに、管理調教師の須貝によく噛みつき、須貝はシャツを破られたり肩に[[痣]]を作ったこともあった<ref name="yu20170890"/>。これらについて、引退後の雑誌のインタビューで須貝は「真面目な時もあるかと思えば、変なことをして…。気が休まることがなかった。最後の年(2015年)は円形脱毛症になってしまったよ。在厩している頃は、色々と考えさせられていたんだろうね」と証言している<ref name="VOL1 Gold Ship 16" />。また、全28戦の中で印象に残っているレースは、という問に対して真っ先に挙げたのが、スタートで大きく出遅れて15着に惨敗した2015年の宝塚記念を挙げた。須貝は「『まさか、ここでやるか?』しかなかったね。この馬だけは本当に分からない。そう思ったよ」と述べている<ref name="VOL1 Gold Ship 16" />。

今浪によるとゴールドシップはデビュー時の函館滞在時から他の馬を蹴りに行くことで有名だったといい<ref name="yu20170890"/>、4歳春の時点で行われたインタビューで「3歳の春までは僕が乗って厩舎周りでも運動できたけど、今はとてもできません。曳き運動中も神経質で、他の馬を警戒しながら歩いています」と証言している<ref name="yu20170890">「優駿」2017年8月号、p.90</ref>。また、今浪は「3歳になって共同通信杯を使う前に、何があったか分からないけどすごく暴れた。その日からだね、シップとの闘いが始まったのは」と証言した<ref name="VOL1 Gold Ship 18">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=INTERVIEW 今浪隆利厩務員 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=18 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。さらに、今浪は「危ない目には何度も遭いましたよ。大きな怪我をしていないのが不思議なくらいだけど、手綱を持っていて暴れたらぶら下がっているだけだから、下手に反抗するより黙って振り回されれば、怪我することは少ない。馬は1万馬力というけれど、こいつは10万馬力くらいのパワーを持っていたね。とにかく、放馬させないことだけに専念していました」とも証言している<ref name="VOL1 Gold Ship 18" />。

オーナーの小林英一は「全く手がかからない馬で、後々話題になるような気性の悪さは全く見せていませんでしたね」と、生まれ故郷の出口牧場でゴールドシップを見た時に、そう証言している<ref name="VOL1 Gold Ship 73">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=ゴールドシップの故郷で口牧場 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=73 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。放送作家でフリーライターの[[島田明宏]]が雑誌に掲載したエッセーで、2014年宝塚記念勝利後に騎乗した横山典弘が「馬の気持ちを大切にすることを一番に考えました。最後まで『頑張ってください』とお願いしながら乗りました」と述べたことを聞き、私はこの馬の本当の難しさを知ったように思ったと掲載した<ref name="VOL1 Gold Ship 8">{{Cite journal|和書 |author=島田明宏 |date=2016-11-14 |title=不沈艦のち猛獣 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |pages=8 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。また岡田は、ゴールドシップの気性について次のように述べている<ref name="VOL1 Gold Ship 76">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=76 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。

{{Quotation|この馬は頭が凄く良くて繊細なんです。あまりにも繊細すぎて好不調に波がある。いかなる状況でも常に精神が安定している、というわけではないのですよ。レースでも、あるときはとてつもないパフォーマンスを見せるのに、隣で気分を害することをされると過敏に反応したり、道中の位置取りが悪くなる。折り合いを欠くとレースをやめてしまうこともある。種牡馬になった今でも繊細で扱い方を間違えると気分を害する。でも、ちゃんと理解して人を信頼すると分かり合える。『頭が良すぎるからあんなレース(行動)をしていたのだ』と、うちに来てから分かりましたね。|岡田繁幸|週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ 『INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表』p76<ref name="VOL1 Gold Ship 76" />}}

その後岡田は、父・ステイゴールドとの相違点について聞かれ、やはり悍性(気が強くてたけだけしいさま)が強い点は似ているけど、ステイゴールドの方がわがままで、ゴールドシップは激しいだけじゃなくて『頭がいい』。自己中心的なステイゴールドとは違い、ゴールドシップは『深く物事を理解している』。それは母の父・メジロマックイーンから来るのだと思うと述べ<ref name="VOL1 Gold Ship 76" />、さらに、2015年の宝塚記念でスタート直前にゲート内で立ち上がって大きく出遅れたことについては、隣の馬(トーホウジャッカル)が騒いだことに怒って立ち上がった、普通の馬はそんなことしないが「自分が王者」だと思っているから、こうしたことをする。けんかを売られたと思い、それに応じたのは、感性が鋭い故のことで、これもゴールドシップの個性だと述べている<ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑" />。

==== 出走競走の距離・間隔・頭数から ====
ゴールドシップの気性の難しさについては、後年[[井崎脩五郎]]が雑誌に掲載したエッセーで、出走競走の距離・間隔・頭数から分析している<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81">{{Cite journal|和書 |author=井崎脩五郎 |date=2016-11-14 |title=僕のはなしを聞きなさい リターンズ |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |pages=80 - 81 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。その中で井崎は、芝良2000 - 2500メートル戦のレース中のペース、デビュー戦後のレース間隔、芝2500メートル以内の出走頭数から、それについて分析をしており(下記の【】内の数字は左から、1、2、3着、4着以下)、
: 芝良2000 - 2500メートル戦(フランス凱旋門賞を除く)15戦の1200メートル通過タイム別成績<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />
:* 1分13秒6以内…7戦して【3 1 1 2】勝率.429
:* 1分13秒8以上…8戦して【1 1 1 5】勝率.125{{refnest|group="注"|name="例外"|このタイムのレースで1勝しているが、それは2014年宝塚記念で、発表は良馬場だが、夜来の雨でその日の6レースまで稍重で、直前10レースのスタート前に強いシャワーのような通り雨があり、いわゆる乾いたパンパンの良馬場ではない状態であり、これは例外扱い<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />。}}
: デビュー戦後27戦のレース間隔別成績<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />
:* 3 - 4週間…5戦して【1 1 1 2】勝率.200
:* 6 - 8週間…12戦して【5 1 0 6】勝率.416
:* 2ヶ月以上…10戦して【6 1 1 2】勝率.600
: 芝2500メートル以内21戦の出走頭数別成績<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />
:* 8 - 12頭…5戦して【5 0 0 0】勝率1.000
:* 13 - 15頭…4戦して【1 2 0 1】勝率.250
:* 16頭以上…12戦して【2 1 2 7】勝率.166
となっている。

ゴールドシップが好成績を収めたのは、芝2500メートル以内では(良馬場で)1200メートル通過タイム1分13秒6以内かつ、レース間隔が2ヶ月以上かつ、出走頭数が8 - 12頭以内ということになる。また、上記に当てはまらないデビュー戦から4戦目のラジオNIKKEI杯2歳ステークスを除いた1800メートルのレース4戦は、3勝2着1回とパーフェクト連帯で、この頃はまだ優等生な成績<ref name="VOL1 Gold Ship 22">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=Gold Ship Profile |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=22 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。また、3000メートル以上のレースでは、5勝着外2回{{refnest|group="注"|着外2回は、2013年天皇賞(春)5着と、2014年同レース7着<ref name="VOL1 Gold Ship 22" />。}}で、比較的鷹揚に構えていられるのか、多頭数だった菊花賞(18頭)や2015年の天皇賞(春)(17頭)は、破天荒なレース振りを発揮して勝利を収めている<ref name="VOL1 Gold Ship 22" />。なお、3連覇した阪神大賞典は全て10頭以下{{refnest|group="注"|2013年と2014年は9頭、2015年は10頭が出走<ref name="VOL1 Gold Ship 22" />。}}だった<ref name="VOL1 Gold Ship 22" />。

ところが、同条件で1200メートル通過タイム1分13秒8以上<ref group="注" name="例外" />になると、レース間隔が3 - 4週間になると、出走頭数16頭以上になると、途端に成績が悪くなっている。これについて井崎は、「イライラしたり、不平不満を噴出すタイプ」だと述べている<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />。また、井崎は分析した3項目に対するゴールドシップの気持ちについて、ペースが遅いと「どうしてこんな遅いペースに俺が付き合わなきゃいけないんだ!もっと思いっきり自由に駆けさせろ!」と、レース間隔が短いと「この前頑張ったばかりなのに、なんでこんなに、すぐまた走らなきゃならないんだよーっ!」と、出走頭数が多く道中、前や周りにいっぱい馬がいると「ああ、ごちゃごちゃしてんなあ…」と表現している<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />。さらに、井崎はゴールドシップについて、勝つレースは3コーナーからロングスパートをかけ、直線先頭に立ってから、二枚腰を使って後続をさらに突き放す。こんな豪快な勝ち方をする馬は滅多におらず、そんなに強いのに時折ポカをする馬、言ってみれば、ディープインパクトのロングスパートと、オルフェーヴルの時折ポカが混じったタイプなのかもしれないと表現している<ref name="VOL1 Gold Ship 80-81" />。

=== 人気と異名 ===
ゴールドシップは、その名の通りの「黄金船」<ref name="VOL1 Gold Ship 23">{{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |title=Gold Ship 黄金船航海期 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=23 |publisher=産業経済新聞社}}</ref> や、父・ステイゴールド、母の父・メジロマックイーンからくる自身の血統から「黄金配合」<ref name="スポニチ">[https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/04/25/kiji/K20120425003114350.html 【天皇賞・春】黄金配合 中央出走6頭でG1・8勝] スポーツニッポン 2012年4月25日</ref> という異名があった。後年島田が前述のエッセイ<ref name="VOL1 Gold Ship 4-9">{{Cite journal|和書 |author=島田明宏 |date=2016-11-14 |title=不沈艦のち猛獣 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |pages=4 - 9 |publisher=産業経済新聞社}}</ref> で、デビュー戦から4歳時の阪神大賞典までと、天皇賞(春)で一度不沈艦は沈んだが、次走の宝塚記念で蘇った姿が『不沈艦ゴールドシップ』、圧倒的な強さと、信じがたい惨敗の繰り返し、4歳夏までの優等生振りが一転して、浮き沈みの日々を送ることとなった4歳秋以降を「猛獣ゴルシ」と表現<ref group="注">「黄金船」や「黄金配合」、「不沈艦」、「ゴルシ」といった異名は、現役時代からファンの間では少なからず浸透していた。</ref> している<ref name="VOL1 Gold Ship 4-9" />。デビュー戦から4歳時の宝塚記念までは、13戦して【9 2 0 2】(【】内の数字は左から、1、2、3着、4着以下)<ref name="netkeiba"/><ref name="VOL1 Gold Ship 22" /> なのに対し、4歳秋の京都大賞典から引退レースとなった6歳時の有馬記念までは、15戦して【4 1 2 8】<ref name="netkeiba"/><ref name="VOL1 Gold Ship 22" /> という成績を残している。これについて、島田は前述のエッセーの冒頭と文末に次のように掲載している。

{{Quotation|(冒頭)「ゴールドシップ」から「ゴルシ」<br />「不沈艦」と呼ばれていたころのゴールドシップ。道中一気に動く常識破りのレースで天皇賞・春を勝ち、次走の宝塚記念で「歴史的出遅れ」をやらかしたゴルシ。どちらの印象が強いかと訊かれれば、ほとんどの人が後者のゴルシと答えるだろう。今改めて成績表を見直すと、ゴールドシップは2頭いたんじゃないかと思えてくる。それくらい、4歳夏までと、秋以降の成績には隔たりがある。<br />(文末)「不沈艦ゴールドシップ」は「猛獣ゴルシ」となって走り続け、芦毛馬最多のGI6勝という記録と、忘れ得ない数々の記録を残し、ターフを去った。競馬の常識をあっさり打ち壊す強さと面白さは、この馬だけのものだった。|島田明宏|週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ 『不沈艦のち猛獣』p4・p9<ref name="VOL1 Gold Ship 4-9" />}}

また、圧倒的な強さで勝利した姿と、その反面信じがたい惨敗した姿を見せたことで、出走したレース28戦中1番人気が15回、2番人気が10回<ref name="VOL1 Gold Ship 22" /><ref name="VOL1 Gold Ship 81">{{Cite journal|和書 |author=井崎脩五郎 |date=2016-11-14 |title=僕のはなしを聞きなさい リターンズ |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |page=81 |publisher=産業経済新聞社 }}</ref> と高い人気を誇り、有馬記念後の引退式には、4万人もの観客が残り、多くのファンに愛された<ref name="intai" /><ref name="Last run" /><ref name="Gallop 2015 JRA重賞年鑑 6-8">{{Cite book|和書 |editor=吉川達郎 |others=発行人 片山雅文 編集長 鈴木 学 |year=2015-12-82 |title=Gallop 2015 JRA重賞年鑑 金杯から有馬記念まで全重賞を完全収録 |chapter=2015 GIレース回顧 第60回有馬記念 |series=臨時増刊号 |volume=2016年1月28日号 |pages=6-8 |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。

競走馬を引退してから6年後の2021年12月、[[ドワンゴ]]と[[ピクシブ]]が共同企画している「[[ネット流行語100]] 2021」の第5位にゴールドシップが選ばれた<ref>{{Cite web|和書|title=【ネット流行語100】『ウマ娘 プリティーダービー』が2021年の年間大賞を受賞、5位にゴールドシップ {{!}} 競馬ニュース|url=https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=197341|website=netkeiba.com|accessdate=2021-12-16|language=ja}}</ref>。これは、2021年2月に配信開始された[[スマートフォン]]・[[パーソナルコンピュータ|PC]]向けゲームアプリ「[[ウマ娘 プリティーダービー]]」に、本馬をモチーフとしたキャラクター(ウマ娘と呼ばれる)が登場したことで再注目されたことによる<ref>{{Cite web|和書|title=ネット流行語年間大賞2021に「ウマ娘 プリティーダービー」関連用語も〝ゴルシ祭り〟 – 東京スポーツ新聞社|url=https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/133089|website=東スポWeb|accessdate=2021-12-16|language=ja}}</ref>。


== 血統表 ==
== 血統表 ==
{{競走馬血統表
{{競走馬血統表
|name = ゴールドシップ
|name = ゴールドシップ
|f = [[ステイゴールド (競走馬)|ステイゴールド]]<br />[[1994年|1994]] [[黒鹿毛]]<br />[[北海道]][[白老町]]
|inf = ([[サンデーサイレンス系]]([[ヘイルトゥリーズン系]])/[[ノーザンダンサー|Northern Dancer]] 6.25% 5 x 5、[[プリンスリーギフト|Princely Gift]] 6.25% 5x5)
|f = [[ステイゴルド]] [[1994年|1994]]<br />[[鹿毛]] [[北海道]][[白老町]]
|ff= *[[サンデサイレンス]]<br />Sunday Silence<br />[[1986年|1986]] [[鹿毛]]<br />[[アメリカ合衆国|アメリカ]]
|ff= *[[デーイレンス]]<br />Sunday Silence [[1986年|1986]]<br />[[青鹿毛]] アメリカ
|fm = [[ゴールデンサッシュ]]<br />[[1988年|1988]] [[毛]]<br />北海道白老町
|fm = ゴールデンサッシュ [[1988年|1988]]<br />[[栗毛]] 北海道白老町
|fff = [[ヘイロー (競走馬)|Halo]]
|fff = [[ヘイロー (競走馬)|Halo]]
|ffm = [[ウィッシングウェル|Wishing Well]]
|ffm = [[ウィッシングウェル|Wishing Well]]
597行目: 690行目:
|fmmf = *[[ノーザンテースト]]
|fmmf = *[[ノーザンテースト]]
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|fmmm = *[[ロイヤルサッシュ]]
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|mm = パストラリズム<br />1987 黒鹿毛<br />北海道[[静内町]]
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|mff = [[メジロティターン]]
|mfm = メジロオーロラ
|mfm = メジロオーロラ
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|mmf = *プルラリズム<br />Pluralisme
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|mmfm = Cambretta
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|mmmm = アイアンルビー [[ファミリーナンバー|F-No.]][[16号族|16-h]]
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|ref1 = <ref name="jbis_ped">{{Cite web|和書|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0001104811/pedigree/ |title= 血統情報:5代血統表|ゴールドシップ|JBISサーチ |work=JBISサーチ|publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2020-01-01}}</ref>
}}
|mlin = [[サンデーサイレンス系]]
|ref2 = <ref>{{Cite web|和書|url=https://www.keibalab.jp/db/breed/11202369/|title=ゴールドシップの種牡馬情報|website=競馬ラボ|accessdate=2020-06-13}}</ref>
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|}}

=== スイートフラッグ ===
小林英一は、[[スイートフラッグ]]という競走馬に魅了された<ref name="河村20%">ゴールドシップ―黄金の航海を支えた「人の和」と新たな船出の物語(Kindle版20% 640の129)</ref>。スイートフラッグは1964年に[[下総御料牧場]]で生産され、[[シンボリ牧場]]、[[和田共弘]]が所有した。1969年の[[牝馬東京タイムズ杯]]や1970年の[[金杯(東)]]など7勝、1967年の桜花賞で優勝した[[シーエース]]に次ぐ2着、[[優駿牝馬|優駿牝馬(オークス)]]では3着の成績を残した。主戦騎手は、[[野平祐二]]である<ref name="河村20%" />。

1988年に馬主資格を取得した小林は、付き合いのある[[石栗龍雄]]調教師を通じて、スイートフラッグと同じ系統の馬を探した<ref name="河村21%">ゴールドシップ―黄金の航海を支えた「人の和」と新たな船出の物語(Kindle版21% 640の135)</ref><ref name="河村22%">ゴールドシップ―黄金の航海を支えた「人の和」と新たな船出の物語(Kindle版22% 640の142)</ref>。すると[[静内町]]の岡田牧場にて、パストラリズムという牝馬が見出された。スイートフラッグの母、風玲を曾祖母(3代母)に持っており、小林はすぐに購入を決意<ref name="河村22%" />。石栗のもとに預けられ、1990年に競走馬としてデビューした。函館競馬場で横山典弘を背に未勝利戦、500万円以下と連勝し19戦2勝で引退、[[門別町]]の出口牧場で繁殖牝馬となった<ref name="河村22%" />。小林は以後、多くの繁殖牝馬を所有することなく、パストラリズムの系統に傾倒していった<ref name="河村25%">ゴールドシップ―黄金の航海を支えた「人の和」と新たな船出の物語(Kindle版25% 640の158)</ref>。

1998年3月23日、出口牧場で[[ポイントフラッグ]]が誕生した。競走馬として[[須貝彦三]]厩舎に属し、小林が所有。2000年に京都競馬場でデビューし、[[チューリップ賞]]({{GIII}})で2着、桜花賞、優駿牝馬、エリザベス女王杯と牝馬{{GI}}に出走するなど15戦1勝で引退<ref>{{Cite web|和書|title=ポイントフラッグ {{!}} 競走馬データ|url=https://db.netkeiba.com/horse/1998106155/|website=netkeiba.com|accessdate=2021-02-24|language=ja}}</ref>。繁殖牝馬となった。

=== 主な近親 ===
=== 主な近親 ===
* 祖母パストラリズム<ref>{{Cite web|和書|url=http://db.netkeiba.com/horse/1987106268/|title=パストラリズム|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=netkeiba.com|accessdate=2019-08-31}}</ref>、母ポイントフラッグ<ref name="PointFlag">{{Cite web|和書|url=http://db.netkeiba.com/horse/1998106155/|title=ポイントフラッグ|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=netkeiba.com|accessdate=2019-08-31}}</ref>、ゴールドシップ<ref name="JBIS"/> と3代に渡って小林英一が所有している。
* 母ポイントフラッグは中央競馬で1勝。2001年の[[チューリップ賞]]2着、[[フローラステークス]]5着<ref group="注">[[須貝彦三]]厩舎所属で、所有は本馬と同じく小林英一。当時騎手だった須貝尚介にも騎乗経験があり、唯一の勝利はこの須貝が挙げたものである。</ref><ref group="注">祖母パストラリズムも本馬と同じく小林英一が所有していた。</ref>。
* ポイントフラッグは[[須貝彦三]]厩舎に所属し、中央競馬で1勝<ref name="PointFlag"/>。2001年の[[チューリップ賞]]2着、[[フローラステークス]]5着<ref name="PointFlag"/>{{#tag:ref|当時騎手だった須貝尚介にも騎乗経験があり、唯一の勝利はこの須貝が挙げたものである<ref name="PointFlag"/>。|group="注"}}。
* 3代母トクノエイティーの産駒にスーパータマモ([[サファイヤステークス]]3着)、トクノエイティーの孫にキオイスマート([[平地競走]]5勝、[[障害競走]]1勝)などがいることが挙げられる程度で、近親から目立った活躍馬は出ていない。
* 3代母トクノエイティーの産駒にスーパータマモ([[サファイヤステークス]]3着)<ref>{{Cite web|和書|url=http://db.netkeiba.com/horse/1990101482/|title=スーパータマモ|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=netkeiba.com|accessdate=2019-08-31}}</ref>、トクノエイティーの孫にキオイスマート([[平地競走]]5勝、[[障害競走]]1勝)<ref>{{Cite web|和書|url=http://db.netkeiba.com/horse/1990101481/|title=キオイスマート|publisher=株式会社ネットドリーマーズ|website=netkeiba.com|accessdate=2019-08-31}}</ref> などがいることが挙げられる程度で、近親から目立った活躍馬は出ていない。
* 母系を遡ると日本の土着[[ファミリーライン|牝系]]のひとつであり、[[下総御料牧場の基礎輸入牝馬]]の1頭である星旗及びその娘の[[クレオパトラトマス]](繁殖名・月城)へ行き着く。このクレオパトラトマスはゴールドシップの7代母にあたる。
* 母系を遡ると日本の土着[[ファミリーライン|牝系]]のひとつであり、[[下総御料牧場の基礎輸入牝馬]]の1頭である星旗へ行き着く<ref name="星旗">{{Cite news|url=http://nakayama-racehorseowners.or.jp/main/teion/item/666|title=きょうの蹄音|publisher=中山馬主協会|date=2012-05-06|accessdate=2016-04-01}}</ref>。この星旗はゴールドシップの8代母にあたる<ref name="星旗"/>。7代母月城(競走馬名[[クレオパトラトマス]])は1935年東京[[帝室御賞典]]、1936年[[優勝内国産馬連合競走|農林省賞典牝馬競走]]・[[横浜特別]]優勝馬。6代母梅城(競走馬名ハマカゼ)は1948年[[桜花賞]]、1949年[[京都記念|京都記念(春)]]優勝馬。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書 |author=発行人 片山雅文 |author2=編集人 吉川達郎 |author3=編集長 加藤隆宏 |date=2016-11-14 |journal=週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ |volume=2016年12月14日号 |publisher=産業経済新聞社}}
** {{Cite book|和書 |author=島田明宏 |title=不沈艦のち猛獣 |pages=4-9}}
** {{Cite book|和書 |title=INTERVIEW 内田博幸騎手 |pages=12-14}}
** {{Cite book|和書 |title=INTERVIEW 須貝尚介調教師 |pages=15-17}}
** {{Cite book|和書 |title=INTERVIEW 今浪隆利厩務員 |pages=18-19}}
** {{Cite book|和書 |title=Gold Ship Profile |page=22}}
** {{Cite book|和書 |title=Gold Ship 黄金船航海期 全28戦PLAYBACK |pages=23-71}}
** {{Cite book|和書 |title=ゴールドシップの故郷で口牧場 |pages=72-75}}
** {{Cite book|和書 |title=INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表 |pages=76-79}}
** {{Cite book|和書 |author=井崎脩五郎 |title=僕のはなしを聞きなさい リターンズ |pages=80-81}}
* {{Cite book|和書 |editor=吉川達郎 |others=発行人 片山雅文 編集長 鈴木 学 |year=2015-12-82 |title=Gallop 2015 JRA重賞年鑑 金杯から有馬記念まで全重賞を完全収録 |chapter=2015 GIレース回顧 第151回天皇賞(春)【GIレース回顧録】岡田繁幸(ビッグレッドファームのグループ代表) |series=臨時増刊号 |volume=2016年1月28日号 |page=60 |publisher=産業経済新聞社}}
* {{Cite book|和書|title=ゴールドシップ―黄金の航海を支えた「人の和」と新たな船出の物語|date=2019-2-20|publisher=(Kindle版)株式会社CLAP|author=河村清明|authorlink=河村清明}}


== 外部リンク ==
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* {{競走馬成績|netkeiba=2009102739|yahoo=2009102739|jbis=0001104811|racingpost=794994}}
* {{競走馬成績|netkeiba=2009102739|yahoo=2009102739|jbis=0001104811|racingpost=794994|racingpostname=gold-ship}}
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2024年12月29日 (日) 19:35時点における最新版

ゴールドシップ
欧字表記 Gold Ship[1]
香港表記 黃金船
品種 サラブレッド[1]
性別 [1][2]
毛色 芦毛[1][2]
生誕 2009年3月6日(16歳)[1][2]
登録日 2011年6月2日
抹消日 2015年12月27日[3]
ステイゴールド[1][2]
ポイントフラッグ[1][2]
母の父 メジロマックイーン[1][2]
生国 日本の旗 日本北海道沙流郡日高町[1][2]
生産者 出口牧場[1][2]
馬主 小林英一[4]
→合同会社小林英一ホールディングス[1][2]
調教師 須貝尚介栗東[1][2][5]
調教助手 北村浩平[5]
厩務員 今浪隆利[5]
競走成績
タイトル 最優秀3歳牡馬(2012年)[1]
生涯成績 28戦13勝
中央競馬)27戦13勝[1][2]
フランス)1戦0勝[1]
獲得賞金 13億9776万7000[1][2]
WTR
WBRR
L124 / 2012年[6]
L124 / 2013年[7]
L124 - E120 / 2014年[8]
E120 / 2015年[9]
勝ち鞍
GI 皐月賞 2012年
GI 菊花賞 2012年
GI 有馬記念 2012年
GI 宝塚記念 2013年・2014年
GI 天皇賞(春) 2015年
GII 神戸新聞杯 2012年
GII 阪神大賞典 2013年 - 2015年
GIII 共同通信杯 2012年
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ゴールドシップ(欧字名:Gold Ship[1]2009年3月6日 - )は、日本競走馬種牡馬。2012年のJRA賞最優秀3歳牡馬である。

2012年皐月賞菊花賞有馬記念、2013年と2014年の宝塚記念、2015年の天皇賞(春)を制覇しGIを6勝、計13勝を挙げた。

名前の由来は「黄金の船」(父名より連想)[2]阪神競馬場で8戦6勝[注 1]と無類の強さを誇った事から「阪神巧者」と呼ばれる事がある[10]

経歴

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誕生

[編集]

2009年3月6日北海道沙流郡日高町の出口牧場に産まれる[4]。生産者の出口俊一によると、現役時500キログラムを超える大型馬であった母ポイントフラッグは産駒が皆大きく、常に脚元の不安に悩まされていたため、小柄な種馬であるステイゴールドを配合したが、誕生した本馬は想定に反して大きく産まれたとのことである[4]

デビュー前

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1歳10月から日高町にある同牧場育成拠点(旧五輪共同育成センター)に移って本格的な育成を始め、2歳1月からは北海道浦河町吉澤ステーブルで鍛錬された[11]。その後、当時福島県天栄村にあった吉澤ステーブル福島分場に移りデビュー前調整を進めていたが、3月11日に発生した東日本大震災で牧場が被災したため、避難のため一旦浦河町に戻り、そこからさらに石川県小松市の小松トレーニングセンターに移動した後、ようやく栗東トレーニングセンター須貝尚介厩舎に入厩となった[12][13]。 尚、同時期に須貝厩舎入りした馬にはGI3勝をあげたジャスタウェイがいる。

競走馬時代

[編集]

2歳(2011年)

[編集]

7月9日函館競馬場芝1800メートル新馬戦秋山真一郎を鞍上にデビュー[14]単勝2番人気となりレースでは後方から徐々に位置を上げて行くと、最後の直線で先に抜け出していたコスモユッカをゴール直前アタマ差で捕え、2歳コースレコードで新馬戦勝ちを飾った[14]

コスモス賞では単勝1.2倍の圧倒的な1番人気に支持され、道中中団でレースを進め4コーナー付近から徐々に上がって行くと最後の直線で先頭に立ち、そのまま押し切りデビュー2連勝を飾った[15]

重賞初挑戦となった札幌2歳ステークスでは騎手が安藤勝己に変更となった[16]。道中後方2番手でレースを進め、後方のまま直線に入り馬群の内を突いて追い込むも、前を行くグランデッツァを捉え切れず2着に敗れた[17]

ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(現・ホープフルステークス[18])では後方からの競馬となり、道中後方3番手追走から4コーナーで外を捲って進出を開始し最後の直線での勝負となったが、坂を上がってからしぶとく伸びを見せるも内から伸びて来たアダムスピークには届かず2着となり[19]、2歳シーズンを4戦2勝で終えた。

3歳(2012年)

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クラシックシーズン初戦となる共同通信杯からは、内田博幸に乗り替わりとなった[20]。レースでは3、4番手に付け先行し、そのまま最後の直線に向くと先行策からの逃げ切りを図るディープブリランテを残り100メートルほどで捕え、重賞初制覇となった[20]。須貝厩舎にとっては開業4年目で重賞初勝利であり[20]、鞍上の内田にとっては前年5月の落馬事故で負った頸椎歯突起骨折[21] から復帰後初の重賞勝利だった[22]。加えて、出口牧場生産馬の重賞勝ちは1988年アルゼンチン共和国杯を制したレジェンドテイオー以来となった[4]

共同通信杯後はトライアルを使わずクラシック初戦の皐月賞へ直行し、4番人気に推された[23][24][25]。レースは、ゼロスとメイショウカドマツが競り合い、後続を大きく引き離す展開となった[23]。本馬は最初のコーナーで最後方に位置するとそのまま馬群を追走し、3コーナーでほぼ最後方から内目のコースを選び進出して行った[24]。このレースでは4コーナーでほとんどの馬が、荒れている上に前日の降雨でコンディションの悪い内寄りの馬場を避け、外に進路を取っていた[24][25]。しかし、鞍上の内田の「外を回らされるのは避けたい」[22] という判断により、本馬だけは大きく開いた内へ突き抜けるように走路を取ると、4コーナーで既に6番手付近まで位置を上げ、直線では上がり3ハロンがメンバー最速となる末脚を繰り出し、後続に2馬身半の差を付けての優勝を果たした[23][24][25][注 2][注 3]。管理調教師の須貝は騎手時代も通じて初のGI制覇となった[25]

東京優駿パドック

クラシック第二戦の東京優駿(日本ダービー)は、皐月賞で大外から追い込み2着となったワールドエース[25] が2.5倍で1番人気に支持され[26]、同馬に続く3.2倍の2番人気での出走となった[26][27]。スタート後、鞍上が押して出るも1コーナーでインコース後方の位置取りとなり、向こう正面では外に持ち出し馬群後方に付ける展開となった[28]。そのまま直線に向いて後方8番手付近の位置取りから、大外を追い込むも前に届かず5着に終わり[28]、初めて連を外すこととなった。

クラシック最終戦の菊花賞に向けて秋初戦は神戸新聞杯から始動し、単勝オッズではマウントシャスタと僅差ながら2.3倍の1番人気に支持された[29]。道中は中団やや後方に位置取って勝負どころから徐々に進出を開始し、直線半ばで外から先頭に立つと馬場の真ん中から伸びたロードアクレイムを2馬身半突き放して2分25秒2で快勝した[30]

菊花賞

菊花賞では東京優駿を制したディープブリランテとの再戦が注目されたが[31]、同馬が直前で屈腱炎を発症し出走を回避[32](同馬はそのまま引退[32])、さらに2着のフェノーメノ天皇賞(秋)へ向かい[33]、3着のトーセンホマレボシは引退[33]、4着のワールドエースは療養中[33] と、東京優駿において自身を除く掲示板入着馬が全て出走しなかったため、当日は本馬がメンバー中の実績最上位馬として認められ、単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に推された[33][34]。レースはスタートで一旦気合いを付けてから下げ、後方2番手で待機策を取った[34]。2周目の向こう正面から進出を開始すると、2周目3コーナーの坂頂上付近で先頭集団に取り付き、4コーナーから直線入口では持ったまま先頭に立った[34]。直線で追い始めると、後続を寄せ付けずそのまま押し切って勝利し、皐月賞に続いてクラシック二冠目を獲得した[34]。皐月賞、菊花賞の二冠制覇は2000年のエアシャカール以来12年ぶり史上8頭目となった[34]

有馬記念

菊花賞の後はジャパンカップへの出走を見送って年末のグランプリ競走有馬記念へ直行した[35]。ファン投票では6位に推され、前年の三冠馬オルフェーヴル(ファン投票1位)と3歳ながらジャパンカップを制した三冠牝馬ジェンティルドンナ(ファン投票4位)が回避したこともあり[36]、単勝1番人気(2.7倍)に推された[16][37]。スタートで行き脚がつかず、ゲートで大きく立ち上がって出遅れたルーラーシップ共々最後方からのレースとなったが[37]、2周目の3コーナー過ぎから進出を開始[38]。直線に向いた時には11番手の位置にいたものの[37]、大外から一気にエイシンフラッシュオーシャンブルーを交わし去り、追い込んできたルーラーシップも突き放し、2着のオーシャンブルーに1馬身半差をつけて勝利した[38]。芦毛馬の制覇は1990年オグリキャップ以来、2頭目(3回目)となった[38][注 4]

当年はGI3勝を含む6戦5勝の好成績を収め、年度代表馬には牝馬三冠ジャパンカップに優勝したジェンティルドンナが選出されたものの、満票で最優秀3歳牡馬に選出された[39]。陣営からは2013年シーズンは国内に専念し、春は阪神大賞典から天皇賞(春)、宝塚記念のローテーションで臨むことが発表された[40]

4歳(2013年)

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古馬初戦となる阪神大賞典は少頭数9頭立てとなった[41]。ゆったりとしたスタートから道中後方を追走し、2周目の3、4コーナーからベールドインパクトと併せる形で徐々に位置を押し上げて最後の直線で早々と先頭に立つと、追い込んでくる他馬を問題にせず、単勝1.1倍の圧倒的支持に応えた[41]

続く天皇賞(春)も単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に推された[42]。スタートから2周目の3コーナーまでは15番手前後で後方待機し、3コーナー坂の途中付近から鞍上内田が手を動かして、前を捲りに進出して行った[42]。しかし伸びが悪く、4コーナーで既にムチが入り5、6番手で直線を迎えたものの、直線半ばで進路がとれず外に持ち出して体勢を立て直すなど直線で伸びを欠き、フェノーメノが勝利し5着に敗れた[42]。レース後は滋賀県信楽町にある吉澤ステーブルWESTへ放牧に出された[43]

宝塚記念

宝塚記念ではファン投票2位に推された[44]。投票1位のオルフェーヴル[44] は運動誘発性肺出血で回避したが[45]、同世代のジェンティルドンナ(ファン投票3位)[44]、フェノーメノ(同4位)[44] と共に「3強」位置づけられ[46]、単勝はゴールドシップが単勝2.9倍、ジェンティルドンナが単勝2.4倍、フェノーメノが単勝3.2倍と人気を占めた[47]。11頭立てでの発走となったレースは[47]、スタート後に鞍上の内田が気合を入れて4番手に付け1コーナーを迎えた[46][注 5]シルポートがハイペースで大逃げし、各馬の位置取りが3コーナーまでほとんど変わらない展開の中、4番手のまま道中を進んだ[46]。残り800メートル付近で仕掛け始め、3、4コーナーから直線にかけジェンティルドンナと併せて上がっていき、ややジェンティルドンナにぶつかるものの、直線中程までの叩き合いから残り200メートル手前で一気に伸びてジェンティルドンナを突き放すと、前で粘るダノンバラードも捉え、そのまま3馬身半差をつけて勝利しGI4勝目を挙げた[46][48]

秋は京都大賞典から始動し、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に推された[16]。スタートはあまり良くなかったものの押して5番手付近を確保し道中を進み、3、4コーナーでさらに位置を押し上げ最後の直線で抜け出しを図るも、後ろから追い込んで来たヒットザターゲット等に交わされ5着に敗れた[49]

その後天皇賞(秋)を回避し、前年5着に敗れた東京優駿と同じ東京競馬場芝2400メートルで行われるジャパンカップに出走した[16]。前年の同レース優勝馬のジェンティルドンナに次ぐ2番人気に推されたレースでは、スタート後は無理に位置を押し上げることはせず最後方からのレースとなる[50]。3コーナーに入ってから東京優駿とは異なり早めに動きロングスパートをかけ、後方4番手付近で直線入口を迎えるが直線に入ってから全く伸びず、初の連覇を達成したジェンティルドンナとは対照的に15着と大敗[50]。自身初の二桁着順を喫し、初めて掲示板を外すこととなった。

ファン投票では3位となった有馬記念[51] では、ジャパンカップの結果を受けて調教師とオーナーサイドが協議した結果騎手がライアン・ムーアに乗り替わり、更にはブリンカーを着用することとなった[52]。当日は本レースでの引退を表明し、ゴールドシップとは最初で最後の対戦となったファン投票1位[51] のオルフェーヴルに次ぐ2番人気に推された[53]。レースでは後方5番手付近を追走し3、4コーナーから徐々に進出を開始するも、後ろから大外を捲って来たオルフェーヴルに軽くかわされると、直線入口ではさらに後ろからウインバリアシオンにも前に入られ、そこから着差を詰めることができず1着のオルフェーヴルから9馬身半差、2着に1馬身半差の3着に敗れた[53]

結局春は2勝を挙げたものの秋は3戦全敗となり、当年を6戦2勝で終えた。大敗を喫したジャパンカップから短期間での立て直しにはある程度成功したものの、海外挑戦を明言している翌年以降に向けて課題を残す一年となった。

5歳(2014年)

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年明けしばらくは次走の予定、鞍上とも発表されなかったが、前年と同じく阪神大賞典から天皇賞(春)のローテーションで臨むことが3月に発表され、阪神大賞典では岩田康誠との初コンビを組むこととなった[54]

阪神大賞典

前年秋未勝利とは言え、実績の違いから阪神大賞典では単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推された[16]。前走同様にブリンカー着用で臨んだこのレースでは、まずまずのスタートから前目の位置を取りに行こうと押して促すと、珍しく行きたがる素振りを見せたが、逃げるバンデの後ろで落ち着かせ道中2番手で追走する[55]。先頭から縦長の隊列のままレースは進み、2周目の3、4コーナー中間付近で後続が一気に差を詰めて来るとそれに合わせて先頭との距離を詰め、その勢いのまま直線入口で早々と先頭に立つと後続との差を更に広げ、2着に3馬身半差を付ける完勝で本レース2連覇を達成し、区切りの10勝目を飾った[55]

大きく出遅れるゴールドシップ(左)
大きく出遅れるゴールドシップ(左)
最後尾を追走(右)
最後尾を追走(右)

天皇賞(春)では、前走騎乗した岩田がウインバリアシオンに騎乗予定であったため[注 6]クレイグ・ウィリアムズに乗り替わり[58]、前哨戦の大阪杯エピファネイアメイショウマンボとの3強対決を制した前年の東京優駿優勝馬・キズナ[59] に次ぐ2番人気に支持された[60]。他馬の本馬場入場に先駆けてパドックから1頭先に入場し落ち着いた様子でゲート入りするも、ゲート入り後に突如立ち上がってうなり声をだすほど怒りだし、その影響でスタートでは大きく出遅れた[60][注 7]。そのまま道中は最後方を追走し、2周目の3コーナーからウインバリアシオン、キズナの進出に合わせるように得意の捲りを見せ、最後の直線でしぶとく伸びを見せたものの、優勝したフェノーメノから離れた7着に敗れた[60]。レース後に脚元に異変を感じたウイリアムズが下馬したが、検査を行った結果、骨に異常はなく、右の首筋から肩にかけての肉離れと診断された[63]

宝塚記念

幸いにも大事には至らなかったため、放牧によるリフレッシュを経て予定通り宝塚記念に向かうことになった[64]。ファン投票では51,366票を集め、ウインバリアシオン、ジェンティルドンナらを抑えて初めて1位に支持された[65]。鞍上にはオーナーサイドの要望で新たに横山典弘を迎え[66]、ブリンカーに加えシャドーロールも着用し臨んだ本レースは、12頭立てと頭数こそ少ないものの、ファン投票上位3頭がいずれも出走するなど近年では珍しいハイレベルな戦いとなった[67]。そのような中、前年優勝の実績[68]阪神競馬場という舞台との相性の良さ[68] といった点を評価されて、ファン投票同様、単勝2.7倍の1番人気に推された[16][69]。外枠からまずまずのスタートを切った後は一旦最後方になるも、最初のホームストレッチを利用して自らスピードに乗り、1コーナー手前までには一気に4、5番手につけてレースを進める[67]。4コーナー手前から徐々にエンジンをかけて直線に入り残り200メートル付近で先頭に立つと、追い込みを図る後方の実力馬達を突き放して2着に3馬身差の完勝、宝塚記念連覇を達成した[67][注 8][注 9]。鞍上の横山にとっては、1991年のメジロライアン以来となる宝塚記念優勝となった[69]

次走以降のローテーションについては、既に出走登録を済ませている凱旋門賞も視野に入れて関係者間で調整が行われた結果、札幌記念をステップに、僚馬のジャスタウェイと共に凱旋門賞に挑戦することが7月23日に正式に発表された[72]

札幌記念

札幌記念に向けて放牧先から帰厩後は、一旦函館競馬場に移動して調整を行った後[73]、札幌競馬場に入った。GI勝ち馬が4頭出走し、中でも同じく凱旋門賞挑戦を表明している当年の桜花賞優勝馬・ハープスターとの2強対決と目された札幌記念では1番人気に支持された[74]。レースでは、まずまずのスタートを決めたが行き足が付かず、道中は離れた最後方からの競馬となった。向こう正面の残り1000メートル付近から追い出し始め、前を進むハープスターが3コーナーで仕掛けたとほぼ同時にじわじわと進出[74]。2頭併せで他馬を捲る形で直線入口を迎え、最後は先に抜け出したハープスターとの一騎討ちの形となったが、3/4馬身及ばず2着に敗れた[74]

レース後、厩務員の今浪隆利はレース当日だけで6キロの馬体減があったことを明かし、栗東に戻った後は、本番に向けて馬体回復にも気を配りながらの調整が行われた[75]。その甲斐もあり、9月13日からの検疫期間中に行われた日本における最終追い切り後には、馬体は512キロまで回復した[76]。その後、9月20日午前10時28分にジャスタウェイ、ハープスターと共に成田国際空港から出国し[77]、9月20日午後2時51分(現地時間、以下同)にオランダアムステルダム・スキポール空港に到着[78][注 10]。スキポール空港からは陸路で約8時間移動し、9月21日午前1時25分に現地滞在先であるシャンティイ小林智厩舎に到着、入厩した[78][注 11]

入厩後はシャンティイ調教場のリヨン坂路を中心に調教が行われた[81]。調教は順調に進み、10月2日シャンティイ競馬場での芝コース追い切り後には、横山から「これまでで最高の調教」[82]、須貝から「何も言うことがない」[83] という言葉が出るほどであった。

凱旋門賞

10月5日第93回凱旋門賞には、有力馬が引退、出走回避をする中[84][85]、最終的に20頭が登録を行った[86]。札幌記念後には馬具を全て外すという話もあったが[87]、結局前2走と同様ブリンカー・シャドーロールを付けての出走となった。2番ゲートから五分のスタートを切るもいつものように行き足が付かず、最後方からのレースを強いられる[88]。1000メートル通過が60秒程度と凱旋門賞としてはペースが流れる展開の中、3コーナーを回り終えフォルスストレートに入ってから進出を開始すると、直線入口では大外に持ち出して直線勝負に賭けた[88]。残り400メートル付近でチキータに内から寄られて若干スピードを落とした後もしぶとく伸びを見せたが、後方の馬をかわすのが精一杯。隣の3番ゲートからスタート後、道中は中団から前目に付け、直線では内からスムーズに突き抜けるという本馬と対照的なレース運びで連覇を達成したトレヴからは約8馬身差の14着と大敗を喫し、海外初挑戦は苦い結果に終わった。レース後のインタビューで須貝は「世界は甘くない。厳しい競馬だった。応援してくれた皆さんには申し訳ない気持ち」と語り、横山も「馬は頑張ってくれた。結果はしかたない。そんなに世界は甘くない」と振り返った[89]。レース後、オーナーの次男小林正和は「(前目で)競馬ができるようなら、また(凱旋門賞に)挑戦することを考えます」と語り、翌年以降の現役続行と凱旋門賞再挑戦を示唆した[90]

その後、現地にしばらく滞在した後、ハープスター、ジャスタウェイと共に10月11日午前6時42分に成田国際空港に到着、午前9時45分に輸入検疫のため千葉県白井市競馬学校に入厩した[91]。着地検疫のため吉澤ステーブルWESTに移動した後は、そのまま同地で調整が行われた[92]。帰国後の一戦にはレース間隔やコース適性を考慮してジャパンカップは回避し、有馬記念を選択[93]。宝塚記念以降手綱を取って来た横山は主戦を務めるワンアンドオンリーに騎乗予定であったため、5走前の阪神大賞典以来となる岩田と再びコンビを組むことも併せて発表された[93]

有馬記念

史上初の枠順公開抽選会の実施[94]、GI馬10頭が集まった第59回有馬記念では、66,796票を獲得して宝塚記念に引き続きファン投票1位[95]、単勝3.5倍の1番人気に推された[16]。14番ゲートから久しぶりに好スタートを決めるとまず前方を伺うが、1周目のスタンド前を迎える頃には後方5、6番手に収まり、中団後方でレースを進める[96]。1000メートル通過が63秒とスローペースとなる中、2周目の3コーナーから徐々に進出を開始[96]。直線入口では先頭を捉える位置に付けてそこから抜け出しを図ったが、坂の途中で内から先に抜け出したジェンティルドンナには届かず、ゴール手前でトゥザワールドにもハナ差で差し返され、2年連続の3着となった[96]。レース後岩田は、前方有利と言われるスローペースで中団からの競馬になってしまったことに対し、「スタートから4コーナーにかけて位置を取りに行けば良かった」と反省を口にし[97]、須貝からは翌年春シーズンの最大目標を史上初の3連覇が懸かる宝塚記念と定め、改めて現役続行が明言された[98]

史上初の宝塚記念連覇、初の海外遠征、前年と同じく6戦2勝で当年を終えた。

6歳(2015年)

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有馬記念後は疲労が少ないことから放牧には出さず、引き続き岩田とのコンビでアメリカジョッキークラブカップに向かうことになった[99]。1週前追い切りでは栗東CWコースで併走馬に大差を付ける好タイムをマークする等、好調さをアピール[100]。中山での強さ[101] や出走馬中唯一のGI馬であることも評価されて、当日は1.3倍の1番人気に推された[16]。8番ゲートからまずまずのスタートを切ると、1コーナーに入る頃には後方4、5番手に付け、2コーナーでは自ら上がっていこうとするが鞍上は途中で手綱を抑え、中団に収まる。4コーナーから本格的に追い出し始めるも反応が鈍く、先団を捉えるには厳しい位置取りとなってしまい、直線でしぶとく伸びを見せるも勝ったクリールカイザーからは約4馬身差の7着に敗れた[16]。この結果を受け、出走する可能性を残していたドバイシーマクラシックは回避し、阪神大賞典に向かうことになった[102]

阪神大賞典

阪神大賞典では、単勝オッズ1.6倍の圧倒的な1番人気に支持された[103]。道中では中団につけ、早めにスパートをかけて直線では先頭集団に加わり、最後は追走するデニムアンドルビーを1馬身抑えて勝利し、同レース3連覇を達成した[103]。重賞3連覇は史上9頭目であるが、すべて1番人気であったのは3頭目、グレード制導入後では初の記録となった[103]。また、この勝利により、ゴールドシップは史上7頭目となる重賞10勝に到達した[103]

天皇賞(春)では前年の有馬記念以来手綱を取ってきた岩田がアドマイヤデウスに騎乗することになり、凱旋門賞以来となる横山の騎乗で出走することとなった[104]。ゲート入りを嫌がり、目隠しされた状態でのゲート入りとなり、スタート後は1番人気のキズナに並んでの最後方でのレースとなった[105][106]。2周目の向正面で横山がゴーサインを出すと馬群の外から少しずつ前方へとまくっていった[105]。最後の直線で先頭に立っていたカレンミロティックを抜くと、追走してきたフェイムゲームをクビ差で抑え、3度目の挑戦でついに天皇賞を制覇、6度目のGI勝利となった[105]。4年連続でのGI勝利はJRA史上6頭目[107]で、古馬GⅠを4年連続で制したのはアグネスデジタルに続く12年ぶり2頭目の快挙だった。なお、枠入り不良で発走時刻を4分遅らせたため、発走調教再審査が科せられた[105]。その後行われた再審査は一度で合格している[108]

宝塚記念の出遅れ

宝塚記念では前年に続きファン投票1位を獲得[109]。「JRA同一平地GI競走3連覇[注 12][注 13]」という空前の記録を目指して出走したが、発馬直前に隣のトーホウジャッカルがうるさくしたため、ゲート内でトーホウジャッカルを威嚇するように立ち上がるなどして落ち着きを失い、さらにゲートが開けられた瞬間にも立ち上がってしまったため[112][注 14]大きく出遅れて最後方からの追走となった[113][114]。3コーナーで馬群にとりついたものの[114] ゴール直前の勝負所でも追い上げることができず、15着の大惨敗を喫し[113]、3連覇の記録達成はならなかった。なお、発走直前の行為が枠内駐立不良と判定されたため再び発走調教再審査が科せられた[113]

8月2日、翌2016年から10億円のシンジケートが組まれ、ビッグレッドファーム種牡馬入りすることが決まった[115]。ゲート再試験後に臨んだジャパンカップでは[116] 2013年の有馬記念以来となるブリンカー・シャドーロールを外しての素顔で出走し[117]、前走の宝塚記念のような出来事が起こった場合は有馬記念への出走ができなくなる可能性があったものの[118]、特に問題なくゲートを出たが、10着と凡走に終わった[119]

引退レースとなった12月27日の有馬記念では横山がこの年の菊花賞を制したキタサンブラックに騎乗するため[120]、2013年のジャパンカップ以来となる内田博幸が騎乗することが報じられた[121]。第60回有馬記念では、2011年のブエナビスタ以来となる10万票超え、前年の1.8倍、120,981票を獲得した[122]。レースでは1番人気に支持され、残り1000mの地点でロングスパートを仕掛けて見せ場を作ったものの[123]、直線で伸びを欠いてゴールドアクターの8着に敗れた[124]。騎乗した内田は「最後の最後でしたし、何とかしたいと思いましたが、現実は厳しかったです」と悔しがった[124]。中山最終レース後に、調教師の須貝、これまで騎乗した内田、横山、岩田などが出席した引退式が行われた[5][125]。同日付けで、競走馬登録を抹消された[3]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.comの情報に基づく[16]

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
(kg)
1着馬(2着馬)
2011.07.09 函館 2歳新馬 芝1800m(良) 10 5 05 07.0(2人) 01着 R1:51.2 (34.9) -0.0 秋山真一郎 54 (コスモユッカ)
0000.09.10 札幌 コスモス賞 OP 芝1800m(良) 08 4 04 01.2(1人) 01着 R1:53.6 (36.5) -0.1 秋山真一郎 54 (ニシノカチヅクシ)
0000.10.01 札幌 札幌2歳S GIII 芝1800m(稍) 13 5 06 04.5(2人) 02着 R1:50.9 (35.6) -0.1 安藤勝己 55 グランデッツァ
0000.12.24 阪神 ラジオNIKKEI杯2歳S GIII 芝2000m(良) 16 2 03 05.9(3人) 02着 R2:02.6 (35.3) -0.2 安藤勝己 55 アダムスピーク
2012.02.12 東京 共同通信杯 GIII 芝1800m(良) 11 3 03 04.1(2人) 01着 R1:48.3 (33.3) -0.3 内田博幸 57 ディープブリランテ
0000.04.15 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 7 14 07.1(4人) 01着 R2:01.3 (34.6) -0.4 内田博幸 57 ワールドエース
0000.05.27 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 3 06 03.1(2人) 05着 R2:24.0 (33.8) -0.2 内田博幸 57 ディープブリランテ
0000.09.23 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2400m(良) 15 8 14 02.3(1人) 01着 R2:25.2 (34.5) -0.4 内田博幸 56 (ロードアクレイム)
0000.10.21 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 1 01 01.4(1人) 01着 R3:02.9 (35.9) -0.3 内田博幸 57 (スカイディグニティ)
0000.12.23 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 7 13 02.8(1人) 01着 R2:31.9 (34.9) -0.2 内田博幸 55 オーシャンブルー
2013.03.17 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 09 7 07 01.1(1人) 01着 R3:05.0 (36.8) -0.3 内田博幸 57 (デスペラード)
0000.04.28 京都 天皇賞(春) GI 芝3200m(良) 18 4 08 01.3(1人) 05着 R3:15.1 (37.0) -0.9 内田博幸 58 フェノーメノ
0000.06.23 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 11 8 10 02.9(2人) 01着 R2:13.2 (35.2) -0.6 内田博幸 58 ダノンバラード
0000.10.06 京都 京都大賞典 GII 芝2400m(良) 13 8 12 01.2(1人) 05着 R2:23.2 (34.8) -0.3 内田博幸 58 ヒットザターゲット
0000.11.24 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 17 7 13 03.4(2人) 15着 R2:27.5 (34.7) -1.4 内田博幸 57 ジェンティルドンナ
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 7 14 04.4(2人) 03着 R2:33.8 (37.8) -1.5 R.ムーア 57 オルフェーヴル
2014.03.23 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 09 1 01 01.7(1人) 01着 R3:06.6 (34.5) -0.6 岩田康誠 58 アドマイヤラクティ
0000.05.04 京都 天皇賞(春) GI 芝3200m(良) 18 4 08 04.3(2人) 07着 R3:15.6 (34.2) -0.5 C.ウィリアムズ 58 フェノーメノ
0000.06.29 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 12 8 11 02.7(1人) 01着 R2:13.9 (35.2) -0.5 横山典弘 58 カレンミロティック
0000.08.24 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 14 4 05 01.8(1人) 02着 R1:59.2 (35.3) -0.1 横山典弘 57 ハープスター
0000.10.05 ロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m (bon[注 15] 20 06 14着 横山典弘 59.5 Treve
0000.12.28 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 7 14 03.5(1人) 03着 R2:35.4 (33.9) -0.1 岩田康誠 57 ジェンティルドンナ
2015.01.25 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 17 4 8 01.3(1人) 07着 R2:14.1 (34.4) -0.5 岩田康誠 58 クリールカイザー
0000.03.22 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 10 7 8 01.6(1人) 01着 R3:05.9 (35.5) -0.2 岩田康誠 58 デニムアンドルビー
0000.05.03 京都 天皇賞(春) GI 芝3200m(良) 17 1 01 04.6(2人) 01着 R3:14.7 (35.0) -0.0 横山典弘 58 フェイムゲーム
0000.06.28 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 16 8 15 01.9(1人) 15着 R2:15.6 (35.1) 1.2 横山典弘 58 ラブリーデイ
0000.11.29 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 18 6 12 04.7(2人) 10着 R2:25.1 (34.5) 0.4 横山典弘 57 ショウナンパンドラ
0000.12.27 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 18 8 15 04.1(1人) 08着 R2:33.3 (35.2) 0.3 内田博幸 57 ゴールドアクター
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す

種牡馬時代

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引退式後にビッグレッドファーム鉾田で静養ののち、2016年1月6日にビッグレッドファームに到着[126]。種付け料は受胎条件で250万円に設定された[127]。供用初年度の2016年は109頭の繁殖牝馬に種付けを行い、翌2017年に79頭が誕生した[127]。同年7月のセレクトセール当歳部門では、そのうちの1頭であるマイジェンの2017が里見治によって5000万円で落札される[128]。同年9月2日には札幌競馬場に来場し、当日の全レース終了後にパドックでお披露目された[129]

2019年から産駒がデビューし、7月14日の函館競馬場における新馬戦においてマイジェンの2017ことサトノゴールド[130]武豊を鞍上に勝利し、これが産駒初勝利となった[131]。サトノゴールドは父と同じ須貝厩舎の管理馬であり、担当厩務員も同じく今浪隆利である[132]

2019年8月31日の札幌2歳ステークスブラックホールが制して産駒の重賞初勝利を達成[133]。2着にはサトノゴールドが入線した[134]

2021年5月23日の優駿牝馬ユーバーレーベンが制して産駒のGI級競走初制覇を果たした[135]

主な産駒

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太字はGI競走を示す

GI級競走優勝馬

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グレード制重賞優勝馬

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特徴

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本節では、ゴールドシップの特徴を、身体面や気性面などから記述する。

身体面

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ゴールドシップの馬体は後肢の繋ぎ[注 16] が顕著に緩く、高速回転が苦手[138] で、スタート時や勝負所でゴーサインを送られた時もこの緩さが災いして、ダッシュが利かないという馬体の構造から先行策が難しく後方からのレースが多かった[139]。また、レコード決着をするようなレースにも不向きだった[138]。コースでも東京競馬場で行われたレースで勝利したのは3歳時の共同通信杯のみと同競馬場でのレースを苦手としたが、これも馬体や繋ぎの緩さからトップスピードになかなか乗れず、勝負所で置かれてしまうため、東京や京都競馬場でのここ一番のレースで勝ちきれなかった[139]。反対に中山競馬場阪神競馬場では残り200メートル地点での急坂で他馬が失速することが多い中、ゴールドシップは強靭で柔らかく収縮力のある筋力を持ち、大きなストライドで加速できた[138][140] ため、直線でもバテずに末脚を伸ばすことが可能[138] となり、中山においても追い込みや捲りが届いた[139]

岡田繁幸(ゴールドシップが種牡馬入りした繋養先のビッグレッドファームのグループ代表)は、次のように述べている[140]

故障しなかったのは身体能力の高さだと思いますよ。とにかく柔らかい。全身がショックアブソーバー(自動車や建造物に使用される振動を減衰する装置のこと)になっていて衝撃を吸収してくれた。だから長持ちしたのだと思います。体が柔らかいと力のない馬も多いんですけど、父のステイゴールドから受け継がれているもので『柔らかくても筋肉に力(収縮力)がある』んです。なかなかそんな馬はいません。『筋力は強いが硬い馬』、『柔らかいけどパワーが(推進力)が足りない馬』はいます。それが自然界なんですよ。サンデー(サイレンス)系の特徴でもある『柔らかくても筋力がある』。それはアスリートとして根本的に求められている素質なんです。ディープインパクトもそうでしたが、柔らかくて瞬発力がある。それがサンデー系の凄さなんです。
(中略)古馬になってからのイメージは『長くいい脚を使う』長距離馬のような評価をされたかもしれませんが、加速するときの“エンジンのかかり”が他の馬とは違うわけですよ。ギューンと加速する。あれは筋力がないとできないんです。種牡馬は柔らかくなければならない。どういうことかというと、柔らかければピッチ(脚の回転)が速まらないとスピードが出ない。ピッチを速めるためには筋肉に収縮力がないといけない。全身運動でいいストライドで走り、さらにピッチが上がるだけの筋肉があれば名馬になれるのです。それをゴールドシップには感じました。 — 岡田繁幸、週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ 『INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表』pp76 - 77[140]

さらに、岡田は、体形やパーツを見ると決して長距離向きではない。脚先のスナップを利かせて筋肉の力を借りなくても推進できるのが長距離向きだが、ゴールドシップはスナップを利かせて走れないつくりをしている[138]。それでも勝てたのは、持って生まれた身体能力と基礎体力の高さに他ならず、得意でもない距離で勝つのが名馬であると述べている[138]。現役時代の起伏の激しい競走成績につながった身体的な一因は、道中の位置取りやコース形態、後肢の繋ぎの緩さなどの要因が重なった結果だった[139]

気性面

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この節では、ゴールドシップの父ステイゴールド譲りの気性の激しさについて、関係者からの証言や出走競走の距離・間隔・頭数から記述する。

関係者からの証言

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ゴールドシップは、所属する須貝厩舎に入厩した当時は大人しくしていたが、3歳の共同通信杯を前に荒々しさが目覚めた[141]。最終追い切り後厩舎へ戻る途中、調教助手の北村浩平を振り落として右肩脱臼の大怪我を負わせ、手綱を引く厩務員の今浪隆利を何度も振り回した[141]。さらに、管理調教師の須貝によく噛みつき、須貝はシャツを破られたり肩にを作ったこともあった[142]。これらについて、引退後の雑誌のインタビューで須貝は「真面目な時もあるかと思えば、変なことをして…。気が休まることがなかった。最後の年(2015年)は円形脱毛症になってしまったよ。在厩している頃は、色々と考えさせられていたんだろうね」と証言している[141]。また、全28戦の中で印象に残っているレースは、という問に対して真っ先に挙げたのが、スタートで大きく出遅れて15着に惨敗した2015年の宝塚記念を挙げた。須貝は「『まさか、ここでやるか?』しかなかったね。この馬だけは本当に分からない。そう思ったよ」と述べている[141]

今浪によるとゴールドシップはデビュー時の函館滞在時から他の馬を蹴りに行くことで有名だったといい[142]、4歳春の時点で行われたインタビューで「3歳の春までは僕が乗って厩舎周りでも運動できたけど、今はとてもできません。曳き運動中も神経質で、他の馬を警戒しながら歩いています」と証言している[142]。また、今浪は「3歳になって共同通信杯を使う前に、何があったか分からないけどすごく暴れた。その日からだね、シップとの闘いが始まったのは」と証言した[143]。さらに、今浪は「危ない目には何度も遭いましたよ。大きな怪我をしていないのが不思議なくらいだけど、手綱を持っていて暴れたらぶら下がっているだけだから、下手に反抗するより黙って振り回されれば、怪我することは少ない。馬は1万馬力というけれど、こいつは10万馬力くらいのパワーを持っていたね。とにかく、放馬させないことだけに専念していました」とも証言している[143]

オーナーの小林英一は「全く手がかからない馬で、後々話題になるような気性の悪さは全く見せていませんでしたね」と、生まれ故郷の出口牧場でゴールドシップを見た時に、そう証言している[144]。放送作家でフリーライターの島田明宏が雑誌に掲載したエッセーで、2014年宝塚記念勝利後に騎乗した横山典弘が「馬の気持ちを大切にすることを一番に考えました。最後まで『頑張ってください』とお願いしながら乗りました」と述べたことを聞き、私はこの馬の本当の難しさを知ったように思ったと掲載した[145]。また岡田は、ゴールドシップの気性について次のように述べている[146]

この馬は頭が凄く良くて繊細なんです。あまりにも繊細すぎて好不調に波がある。いかなる状況でも常に精神が安定している、というわけではないのですよ。レースでも、あるときはとてつもないパフォーマンスを見せるのに、隣で気分を害することをされると過敏に反応したり、道中の位置取りが悪くなる。折り合いを欠くとレースをやめてしまうこともある。種牡馬になった今でも繊細で扱い方を間違えると気分を害する。でも、ちゃんと理解して人を信頼すると分かり合える。『頭が良すぎるからあんなレース(行動)をしていたのだ』と、うちに来てから分かりましたね。 — 岡田繁幸、週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ 『INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表』p76[146]

その後岡田は、父・ステイゴールドとの相違点について聞かれ、やはり悍性(気が強くてたけだけしいさま)が強い点は似ているけど、ステイゴールドの方がわがままで、ゴールドシップは激しいだけじゃなくて『頭がいい』。自己中心的なステイゴールドとは違い、ゴールドシップは『深く物事を理解している』。それは母の父・メジロマックイーンから来るのだと思うと述べ[146]、さらに、2015年の宝塚記念でスタート直前にゲート内で立ち上がって大きく出遅れたことについては、隣の馬(トーホウジャッカル)が騒いだことに怒って立ち上がった、普通の馬はそんなことしないが「自分が王者」だと思っているから、こうしたことをする。けんかを売られたと思い、それに応じたのは、感性が鋭い故のことで、これもゴールドシップの個性だと述べている[138]

出走競走の距離・間隔・頭数から

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ゴールドシップの気性の難しさについては、後年井崎脩五郎が雑誌に掲載したエッセーで、出走競走の距離・間隔・頭数から分析している[147]。その中で井崎は、芝良2000 - 2500メートル戦のレース中のペース、デビュー戦後のレース間隔、芝2500メートル以内の出走頭数から、それについて分析をしており(下記の【】内の数字は左から、1、2、3着、4着以下)、

芝良2000 - 2500メートル戦(フランス凱旋門賞を除く)15戦の1200メートル通過タイム別成績[147]
  • 1分13秒6以内…7戦して【3 1 1 2】勝率.429
  • 1分13秒8以上…8戦して【1 1 1 5】勝率.125[注 17]
デビュー戦後27戦のレース間隔別成績[147]
  • 3 - 4週間…5戦して【1 1 1 2】勝率.200
  • 6 - 8週間…12戦して【5 1 0 6】勝率.416
  • 2ヶ月以上…10戦して【6 1 1 2】勝率.600
芝2500メートル以内21戦の出走頭数別成績[147]
  • 8 - 12頭…5戦して【5 0 0 0】勝率1.000
  • 13 - 15頭…4戦して【1 2 0 1】勝率.250
  • 16頭以上…12戦して【2 1 2 7】勝率.166

となっている。

ゴールドシップが好成績を収めたのは、芝2500メートル以内では(良馬場で)1200メートル通過タイム1分13秒6以内かつ、レース間隔が2ヶ月以上かつ、出走頭数が8 - 12頭以内ということになる。また、上記に当てはまらないデビュー戦から4戦目のラジオNIKKEI杯2歳ステークスを除いた1800メートルのレース4戦は、3勝2着1回とパーフェクト連帯で、この頃はまだ優等生な成績[148]。また、3000メートル以上のレースでは、5勝着外2回[注 18]で、比較的鷹揚に構えていられるのか、多頭数だった菊花賞(18頭)や2015年の天皇賞(春)(17頭)は、破天荒なレース振りを発揮して勝利を収めている[148]。なお、3連覇した阪神大賞典は全て10頭以下[注 19]だった[148]

ところが、同条件で1200メートル通過タイム1分13秒8以上[注 17]になると、レース間隔が3 - 4週間になると、出走頭数16頭以上になると、途端に成績が悪くなっている。これについて井崎は、「イライラしたり、不平不満を噴出すタイプ」だと述べている[147]。また、井崎は分析した3項目に対するゴールドシップの気持ちについて、ペースが遅いと「どうしてこんな遅いペースに俺が付き合わなきゃいけないんだ!もっと思いっきり自由に駆けさせろ!」と、レース間隔が短いと「この前頑張ったばかりなのに、なんでこんなに、すぐまた走らなきゃならないんだよーっ!」と、出走頭数が多く道中、前や周りにいっぱい馬がいると「ああ、ごちゃごちゃしてんなあ…」と表現している[147]。さらに、井崎はゴールドシップについて、勝つレースは3コーナーからロングスパートをかけ、直線先頭に立ってから、二枚腰を使って後続をさらに突き放す。こんな豪快な勝ち方をする馬は滅多におらず、そんなに強いのに時折ポカをする馬、言ってみれば、ディープインパクトのロングスパートと、オルフェーヴルの時折ポカが混じったタイプなのかもしれないと表現している[147]

人気と異名

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ゴールドシップは、その名の通りの「黄金船」[149] や、父・ステイゴールド、母の父・メジロマックイーンからくる自身の血統から「黄金配合」[150] という異名があった。後年島田が前述のエッセイ[151] で、デビュー戦から4歳時の阪神大賞典までと、天皇賞(春)で一度不沈艦は沈んだが、次走の宝塚記念で蘇った姿が『不沈艦ゴールドシップ』、圧倒的な強さと、信じがたい惨敗の繰り返し、4歳夏までの優等生振りが一転して、浮き沈みの日々を送ることとなった4歳秋以降を「猛獣ゴルシ」と表現[注 20] している[151]。デビュー戦から4歳時の宝塚記念までは、13戦して【9 2 0 2】(【】内の数字は左から、1、2、3着、4着以下)[2][148] なのに対し、4歳秋の京都大賞典から引退レースとなった6歳時の有馬記念までは、15戦して【4 1 2 8】[2][148] という成績を残している。これについて、島田は前述のエッセーの冒頭と文末に次のように掲載している。

(冒頭)「ゴールドシップ」から「ゴルシ」
「不沈艦」と呼ばれていたころのゴールドシップ。道中一気に動く常識破りのレースで天皇賞・春を勝ち、次走の宝塚記念で「歴史的出遅れ」をやらかしたゴルシ。どちらの印象が強いかと訊かれれば、ほとんどの人が後者のゴルシと答えるだろう。今改めて成績表を見直すと、ゴールドシップは2頭いたんじゃないかと思えてくる。それくらい、4歳夏までと、秋以降の成績には隔たりがある。
(文末)「不沈艦ゴールドシップ」は「猛獣ゴルシ」となって走り続け、芦毛馬最多のGI6勝という記録と、忘れ得ない数々の記録を残し、ターフを去った。競馬の常識をあっさり打ち壊す強さと面白さは、この馬だけのものだった。 — 島田明宏、週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ 『不沈艦のち猛獣』p4・p9[151]

また、圧倒的な強さで勝利した姿と、その反面信じがたい惨敗した姿を見せたことで、出走したレース28戦中1番人気が15回、2番人気が10回[148][152] と高い人気を誇り、有馬記念後の引退式には、4万人もの観客が残り、多くのファンに愛された[5][125][153]

競走馬を引退してから6年後の2021年12月、ドワンゴピクシブが共同企画している「ネット流行語100 2021」の第5位にゴールドシップが選ばれた[154]。これは、2021年2月に配信開始されたスマートフォンPC向けゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」に、本馬をモチーフとしたキャラクター(ウマ娘と呼ばれる)が登場したことで再注目されたことによる[155]

血統表

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ゴールドシップ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
北海道白老町
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
アメリカ
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
北海道白老町
*ディクタス
Dictus
Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ

ポイントフラッグ
1998 芦毛
北海道門別町
メジロマックイーン
1987 芦毛
北海道浦河町
メジロティターン メジロアサマ
*シェリル
メジロオーロラ *リマンド
メジロアイリス
母の母
パストラリズム
1987 黒鹿毛
北海道静内町
*プルラリズム
Pluralisme
The Minstrel
Cambretta
トクノエイティー *トライバルチーフ
アイアンルビー
母系(F-No.) 星旗系(FN:16-h) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5、Princely Gift 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [156]
  2. ^ [157]
  3. ^ [156]
  4. ^ [156]


スイートフラッグ

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小林英一は、スイートフラッグという競走馬に魅了された[158]。スイートフラッグは1964年に下総御料牧場で生産され、シンボリ牧場和田共弘が所有した。1969年の牝馬東京タイムズ杯や1970年の金杯(東)など7勝、1967年の桜花賞で優勝したシーエースに次ぐ2着、優駿牝馬(オークス)では3着の成績を残した。主戦騎手は、野平祐二である[158]

1988年に馬主資格を取得した小林は、付き合いのある石栗龍雄調教師を通じて、スイートフラッグと同じ系統の馬を探した[159][160]。すると静内町の岡田牧場にて、パストラリズムという牝馬が見出された。スイートフラッグの母、風玲を曾祖母(3代母)に持っており、小林はすぐに購入を決意[160]。石栗のもとに預けられ、1990年に競走馬としてデビューした。函館競馬場で横山典弘を背に未勝利戦、500万円以下と連勝し19戦2勝で引退、門別町の出口牧場で繁殖牝馬となった[160]。小林は以後、多くの繁殖牝馬を所有することなく、パストラリズムの系統に傾倒していった[161]

1998年3月23日、出口牧場でポイントフラッグが誕生した。競走馬として須貝彦三厩舎に属し、小林が所有。2000年に京都競馬場でデビューし、チューリップ賞GIII)で2着、桜花賞、優駿牝馬、エリザベス女王杯と牝馬GIに出走するなど15戦1勝で引退[162]。繁殖牝馬となった。

主な近親

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2敗のうちラジオNIKKEI杯2歳ステークスは2着であり、連対率88.9%。
  2. ^ 鞍上の内田は菊花賞オウケンブルースリ)、東京優駿エイシンフラッシュ)を過去に制覇しており、この皐月賞制覇によってJRA牡馬クラシック三冠競走の完全制覇を達成した[24]
  3. ^ 前年のオルフェーヴルに続き、2年連続で父にステイゴールド、母の父にメジロマックイーンを持つ馬が優勝した[24]
  4. ^ オグリキャップは1988年の4歳(現3歳)時にも有馬記念を制覇している[38]
  5. ^ これは内田の「調教の動きが良く、馬にやる気もあった。押していけば前につけられる」という思惑があった[48]
  6. ^ その後、岩田は4月27日の東京10Rでの斜行により騎乗停止処分となりアンドレアシュ・シュタルケに乗り替わり[56]、さらに天皇賞(春)当日の京都5Rでシュタルケが落馬により負傷したため武幸四郎に再度乗り替わりとなった[57]
  7. ^ この出遅れについては須貝によると、係員に後ろを触られたことで馬が反応したことによるものだとしている[61][62]
  8. ^ 宝塚記念における連覇、2回目の優勝とも史上初[70]
  9. ^ この勝利により、オグリキャップメジロマックイーンが持っていた芦毛馬の中央競馬GI最多勝利数(4勝)、およびメジロマックイーンが持っていた芦毛馬の最多獲得賞金額(10億1465万7700円)を塗り替え、それぞれ歴代トップとなった[71]
  10. ^ 出典中では日本時間で書かれているが、オランダは夏時間を導入しているので、3月の最終日曜日の深夜2時から10月の最終日曜の深夜3時まで現地時間は日本時間より7時間遅れる[79]
  11. ^ 当初は最短ルートであるシャルル・ド・ゴール国際空港からシャンティイへの移動を予定していたが、9月15日にエールフランスパイロット労働組合によるストライキが発生したため、経路を変更[80]
  12. ^ 障害競走では、カラジ中山グランドジャンプを3連覇している[110]。また、グレード制導入以前には、バローネターフ中山大障害(秋)を3連覇している[111]
  13. ^ 年2回開催の天皇賞ではテイエムオペラオー2000年春・秋と2001年春の3連覇を達成しているが、ここでは春と秋の競走をそれぞれ独立したものとみなしている。
  14. ^ 裁決委員の福田正二審判部長によれば、最初に立ち上がった際、横山から「(開けるのを)待ってくれ」と声がかかり、その後、横山が「いいですよ」という合図で速やかにゲートを切ったが、開くと同時に再度立ち上がってしまったという[112]
  15. ^ 日本での「良」に相当。
  16. ^ 蹄から球節の間の部分のこと。
  17. ^ a b このタイムのレースで1勝しているが、それは2014年宝塚記念で、発表は良馬場だが、夜来の雨でその日の6レースまで稍重で、直前10レースのスタート前に強いシャワーのような通り雨があり、いわゆる乾いたパンパンの良馬場ではない状態であり、これは例外扱い[147]
  18. ^ 着外2回は、2013年天皇賞(春)5着と、2014年同レース7着[148]
  19. ^ 2013年と2014年は9頭、2015年は10頭が出走[148]
  20. ^ 「黄金船」や「黄金配合」、「不沈艦」、「ゴルシ」といった異名は、現役時代からファンの間では少なからず浸透していた。
  21. ^ 当時騎手だった須貝尚介にも騎乗経験があり、唯一の勝利はこの須貝が挙げたものである[164]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r ゴールドシップ”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ゴールドシップ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年12月28日閲覧。
  3. ^ a b ゴールドシップ引退、種牡馬に”. ラジオNIKKEI (2016年1月4日). 2016年4月1日閲覧。
  4. ^ a b c d “重賞ウイナーレポート 共同通信杯 G3”. 競走馬のふるさと案内所. (2012年2月12日). http://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_62545 2016年4月1日閲覧。 
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  6. ^ 2012年度ワールドサラブレッドランキング(WTR) (PDF)
  7. ^ 2013年度ワールドベストレースホースランキング(WBRR) (PDF)
  8. ^ 2014年度ロンジンワールドベストレースホースランキング(WBRR) (PDF)
  9. ^ LONGINES WORLD'S BEST RACEHORSE RANKINGS 2015”. IFHA. 2021年10月9日閲覧。
  10. ^ “阪神巧者デニムアンドルビー◎/宝塚記念”. 日刊スポーツ. (2015年6月28日). https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1498901&year=2015&month=06&day=28 2023年2月13日閲覧。 
  11. ^ 重賞ウイナーレポート 神戸新聞杯 G2 競走馬のふるさと案内所
  12. ^ 第72回皐月賞特別レポート 須貝尚介調教師 競馬ラボ
  13. ^ 競走馬、小松に疎開 震災で福島の30頭 北國新聞 2011年4月4日
  14. ^ a b “ステイ×マック配合のゴールドシップがレコードV”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ). (2011年7月10日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=57108 2015年11月7日閲覧。 
  15. ^ “人気のゴールドシップがデビュー2連勝/コスモス賞”. netkeiba.com. (2011年9月10日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=58381 2015年11月7日閲覧。 
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  18. ^ ホープフルS レースガイド”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年2月24日閲覧。
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参考文献

[編集]
  • 発行人 片山雅文、編集人 吉川達郎、編集長 加藤隆宏『週刊Gallop臨時増刊 21世紀の名馬 VOL.1 ゴールドシップ』2016年12月14日号、産業経済新聞社、2016年11月14日。 
    • 島田明宏『不沈艦のち猛獣』、4-9頁。 
    • 『INTERVIEW 内田博幸騎手』、12-14頁。 
    • 『INTERVIEW 須貝尚介調教師』、15-17頁。 
    • 『INTERVIEW 今浪隆利厩務員』、18-19頁。 
    • 『Gold Ship Profile』、22頁。 
    • 『Gold Ship 黄金船航海期 全28戦PLAYBACK』、23-71頁。 
    • 『ゴールドシップの故郷で口牧場』、72-75頁。 
    • 『INTERVIEW ビッグレッドファームグループ・岡田繁幸代表』、76-79頁。 
    • 井崎脩五郎『僕のはなしを聞きなさい リターンズ』、80-81頁。 
  • 吉川達郎 編「2015 GIレース回顧 第151回天皇賞(春)【GIレース回顧録】岡田繁幸(ビッグレッドファームのグループ代表)」『Gallop 2015 JRA重賞年鑑 金杯から有馬記念まで全重賞を完全収録』 2016年1月28日号、発行人 片山雅文 編集長 鈴木 学、産業経済新聞社〈臨時増刊号〉、2015-12-82、60頁。 
  • 河村清明『ゴールドシップ―黄金の航海を支えた「人の和」と新たな船出の物語』(Kindle版)株式会社CLAP、2019年2月20日。 

外部リンク

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