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「代用電荷法」の版間の差分

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という制約を追加して構成する手法である{{Sfn|室田|1993}}。
という制約を追加して構成する手法である{{Sfn|室田|1993}}。


ラプラス方程式の解は座標系のスケール変換{{math|'''''x''''' &rarr; <i>a</i>'''''x'''''}}と境界条件の平行移動{{math|''f''('''''x''''') &rarr; ''f''('''''x''''') + ''c''}}に対して不変だが、通常の代用電荷法で構成される近似解は不変にならない。室田の不変スキームで構成される近似解は、この不変性を満たす点に特徴がある。
ラプラス方程式の解は座標系のスケール変換{{math|'''''x''''' &rarr; ''a'''''''x'''''}}と境界条件の平行移動{{math|''f''('''''x''''') &rarr; ''f''('''''x''''') + ''c''}}に対して不変だが、通常の代用電荷法で構成される近似解は不変にならない。室田の不変スキームで構成される近似解は、この不変性を満たす点に特徴がある。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2024年10月29日 (火) 00:10時点における版

代用電荷法(だいようでんかほう、: charge simulation method)または電荷重畳法数値解析手法の一つである。基本解近似解法: method of fundamental solutions)ともいう。構造力学や電界計算の分野で広く使われている。偏微分方程式に対するメッシュフリー法であり、有限個の基本解を境界条件が満たされるように重ね合わせて近似解を構成する。誤差が境界で最大値に達する性質があり、誤差評価を容易にしている。原理が簡単で、プログラムが容易、高速、高精度であるが、非線型問題には適用できない。1969年に西ドイツのSteinbiglerが高電圧工学の問題に応用したのが最初で[要検証]、その後日本で大きく研究が進んだ。宅間董により種々の電界計算に応用され、村島定行により汎用の解析法として確立された。

導入

例として、ディリクレ境界条件の2次元ラプラス方程式 に代用電荷法を適用する。ただし、Ω2上の有界な単連結領域とする。

代用電荷法は解を基本解の重ね合わせ(線型結合)で近似する。2次元ラプラス方程式であれば対数ポテンシャル を重ね合わせて とすることが多い。式中のsiは電荷点(charge point)と呼ばれ、Ωの外部から適当に選ばれる。

Qiの値は選点法により決定される。すなわち、境界∂Ωから拘束点(collocation point)と呼ばれる点xk1 ≤ kN)を適当に選び、これらの点において近似解が拘束条件 を満たすようにする。このとき、Qi線型方程式系 の解となる。

代用電荷法の特徴として、境界における誤差で内部における誤差を評価できることが挙げられる。問題の解u(x)が存在し、さらにu(x)が閉包cl(Ω)において連続ならば、調和関数の最大値原理から誤差に関する等式 が成立する[1][2]

変種

室田の不変スキーム

室田の不変スキームは、対数ポテンシャルの線型結合に定数項Q0を加えた近似解 を、拘束条件に という制約を追加して構成する手法である[3]

ラプラス方程式の解は座標系のスケール変換xa''xと境界条件の平行移動f(x) → f(x) + cに対して不変だが、通常の代用電荷法で構成される近似解は不変にならない。室田の不変スキームで構成される近似解は、この不変性を満たす点に特徴がある。

脚注

参考文献

  • 村島定行、加藤三三男、宮近詠史「代用電荷法における誤差の性質について」『電気学会論文誌A』第98巻第1号、電気学会、1978年、39-46頁、doi:10.1541/ieejfms1972.98.39 
  • 村島定行『代用電荷法とその応用 : 境界値問題の半解析的近似解法』森北出版、1983年。ISBN 4627730608https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12669400 
  • 室田一雄「代用電荷法におけるスキームの「不変性」について」『情報処理学会論文誌』第34巻第3号、情報処理学会、1993年、533-535頁、CRID 1050845762818004096ISSN 1882-7764 
  • 杉原正顕「調和関数の近似について」『数理解析研究所講究録』第676巻、京都大学数理解析研究所、1988年、251-261頁、hdl:2433/100958 

関連論文

関連項目

外部リンク