技術士建設部門
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技術士 建設部門(ぎじゅつし けんせつぶもん)は、技術士国家資格のうちの1つ。文部科学省管轄。
この資格を得るには、まず認定された教育機関を修了するか、技術士一次試験を受験して合格し(部門は何でも良い)、修習技術者となる必要がある(技術士補登録を行う必要はない)。その後、実務経験を4年(もしくは7年、ただし大学院修了者は2年間短縮される)を行った後で技術士2次試験を建設部門で受験し、合格して、技術士 (建設部門)の登録を行う。
試験科目
一次試験
- 基礎科目
→詳細は「技術士国家試験」を参照
- 適性科目
→詳細は「技術士国家試験」を参照
- 共通科目
→詳細は「技術士国家試験」を参照
- 専門科目
二次試験
- 筆記試験
- 必須科目
- 建設一般
- 選択科目
- 土質及び基礎:土質、地盤並びに土構造物及び基礎に関する事項
- 鋼構造及びコンクリート:鋼構造、鉄筋コンクリート構造、コンクリート構造、建設材料その他の鋼構造及びコンクリートに関する事項
- 都市及び地方計画[1]:国土計画、都市計画(土地利用、都市交通施設、公園緑地及び市街地整備を含む。)、地域計画その他の都市及び地方計画に関する事項
- 河川、砂防及び海岸・海洋:治水・利水計画、治水・利水施設、河川構造物、河川情報、砂防その他の河川に関する事項/地すべり防止に関する事項/海岸保全計画、海岸施設、海岸及び海洋構造物その他の海岸・海洋に関する事項
- 港湾及び空港:港湾計画、港湾施設、港湾構造物その他の港湾に関する事項/空港計画、空港施設、空港構造物その他の空港に関する事項
- 電力土木:電源開発計画、電源開発施設、取放水及び水路構造物その他の電力土木に関する事項
- 道路:道路計画、道路設計、道路構造物、道路管理、道路情報その他の道路に関する事項
- 鉄道:鉄道計画、鉄道施設、鉄道構造物、モノレール鉄道その他の鉄道に関する事項
- トンネル:トンネル計画、トンネル施設、地中構造物、トンネル工法その他のトンネルに関する事項
- 施工計画,施工設備及び積算:施工計画、施工管理、施工設備・機械その他の施工に関する事項/積算及び建設マネジメントに関する事項
- 建設環境:建設事業における自然環境及び生活環境の保全及び創出並びに環境影響評価に関する事項
- 口述試験
→詳細は「技術士国家試験」を参照
二次試験選択科目の出題概要
建設環境
- 環境立国戦略、循環型社会、地球温暖化、戦略的環境アセスメント、環境影響評価制度、環境影響評価法、美しい国づくり
- ISO14001、環境マネジメントシステム
- 都市緑地法、都市公園法、緑化、緑地の果たす役割 、集約型都市構造 景観を誘導するための規制・誘導措置、ヒートアイランド、都市公園法、自然公園法、公園緑地計画、都市景観 歴史的建造物の活用
- 建設発生土利用率 、建設リサイクル法、建設副産物リサイクル、
- 道路の大気汚染、騒音、 鉄道と自動車と飛行機の比較 温暖化対策
- 新幹線、騒音規制法・振動規制法、高速鉄道の騒音
- 石炭・火力・水力・原子力などの発電
- 火力発電所、原子力発電所、発電所の建設
- 河川法、河川の維持管理、多自然型川づくり、自然再生推進法、流砂系の問題と具体的現象
- 公共用水域、底質、ダイオキシン類、環境ホルモン、湖沼の水質対策 、底質汚染、水質汚染
- 藻場や干潟の回復・再生 港湾の自然環境の保全 海岸域の自然環境の保全
- 湿地帯、干潟の自然環境 海岸域の自然環境保全の意義
技術士資格の特典
建設部門の技術士の配置が求められる業務、および業務上の特典は技術士#資格への評価を参照。
建設業法に基づいて建設業を営む場合、土木一式工事業、とび・土工・コンクリート工事業、舗装工事業で、鋼構造物工事であれば、選択科目は「鋼構造及びコンクリート」であるが、営業所ごとに置く専任技術者になることができる。
脚注
- ^ 蓑茂寿太郎, 石川幹子、「都市及び地方計画」 『ランドスケープ研究』 1994年 58巻 3号 p.290-296, doi:10.5632/jila.58.290