日本の私塾一覧
日本の私塾一覧(にほんのしじゅくいちらん)では、江戸時代半ばから幕末にかけて、当時の教育の一翼を担った代表的な私塾および近代と現代日本の私塾の一覧である。
江戸時代
[編集]日本の江戸時代における教育機関は、おそらく、「昌平黌」、「藩校」、「郷校」、「教諭所」、「心学舎」、「私塾」、「家塾」、「寺子屋」などがあった。「私塾」は、幕府や藩が設置した教育機関とは異なり、一定の枠にはまらず、塾主の個性と、有志者の自発性を基盤として発展した教育機関である。特に、江戸時代後期に活発な活動が見られ、多くの有能な人材を世に送り出している。[要出典]
「私塾」には、咸宜園(大分・廣瀬淡窓)、鳴滝塾(長崎・シーボルト)、松下村塾(山口・吉田松陰)、適塾(大阪・緒方洪庵)、洗心洞塾(大阪・大塩平八郎)、梅花塾(大阪・篠崎小竹)等があり、世に知られている。また、江戸・京・大坂を中心に、無名ながらも高度な教育内容を誇った個性的な私塾が数多く存在した。
江戸時代の教育水準は国際的にみても高かったと考えられており、武士はもちろん、商人や農民の間にも読み書きなどを学ぼうとする教育への関心が高かった。僧侶や浪人らが子どもに読み書きそろばんを教える寺子屋から、名の通った学者が指導し人材を輩出した著名な塾まで、さまざまな私塾が存在していた。さらに幕末に近くなると蘭学塾、兵学塾、医学塾など多様な学問の私塾も見られるようになった。塾として教育を行った期間は短いが後代に大きな影響を残したものや、また明治以降も、近代教育制度の中にその伝統が続いていったものなどがある。緒方洪庵門下である福沢諭吉の福沢塾(慶應義塾)が日本最大の組織体として現在に至る(アメリカ合衆国のニューヨーク市にもあった)。[要出典]
一覧
[編集]漢学
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
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蘐園塾 | 江戸 | 荻生徂徠 | |
心学講舎 | 石田梅岩 | ||
桃夭女塾 | 下田歌子 | 現・実践女子大学 | |
菁莪書院 | 塩谷宕陰 | ||
清河塾 | 清河八郎 | ||
藤樹書院 | 近江国青柳 | 中江藤樹 | |
明倫舎 | 京都 | 手島堵庵 | |
古義堂 | 伊藤仁斎、伊藤東涯 | ||
含翠堂 | 大坂 | 土橋友直 | 平野郷 |
懐徳堂 | 中井甃庵、中井竹山等 | 現・大阪大学文学部 | |
泊園書院 | 藤沢東畡 | 現・関西大学 | |
青山社 | 頼春水、頼山陽 | 大坂江戸堀 | |
洗心洞 | 大塩平八郎 | ||
南明堂 | 行田義斎 | ||
雙松岡塾 | 松林廉之助、松本奎堂、岡鹿門 | ||
仁寿山黌 | 播磨国姫路 | 河合道臣 | |
青谿書院 | 但馬国宿南 | 池田草庵 | |
牛麓舎 | 備中国松山 | 山田方谷 | |
虎口渓舎 | 三島中州 | ||
黄葉夕陽村舎 | 備後国福山 | 菅茶山 | 郷学「廉塾」の前身 |
松下村塾 | 長門国萩 | 吉田松陰、玉木文之進 | 現・山口大学等 |
自遠館 | 豊前国 | 恒遠醒窓 | 後に蔵春園に改称 |
百道社 | 筑前国福岡 | 亀井南冥、亀井昭陽 | |
咸宜園 | 豊後国日田、大坂、江戸 | 広瀬淡窓、広瀬旭荘 | |
晩香堂 | 豊前国 | 白石照山 | |
長善館 | 越後国長岡 | 桂湖村、鈴木虎雄等 | |
三餘堂 | 越後国南条 | 藍澤南城 | |
景山塾 | 伯耆国 | 景山粛、景山龍造 |
国学
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
---|---|---|---|
和学講談所 | 江戸 | 塙保己一 | 現・東京大学史料編纂所 |
気吹舎 | 平田篤胤 | ||
洞津谷川塾 | 伊勢国津 | 谷川士清 | |
鈴屋塾 | 伊勢国松坂 | 本居宣長 | |
審神舎 | 京都 | 富士谷御杖 | |
報本学舎 | 大国隆正 | ||
神習舎 | 六人部是香 | ||
梅廼舎塾 | 出雲国杵築 | 千家俊信 | 梅の舎塾、梅舎塾とも |
古義軒 | 土佐国 | 鹿持雅澄 |
西洋医学
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
---|---|---|---|
鳴滝塾 | 長崎 | シーボルト |
東洋医学
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
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啓迪院 | 京都 | 曲直瀬道三 | |
衆芳軒 | 小野蘭山 | ||
成章堂 | 松原一閑斎 |
蘭学・蘭医学
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
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成秀館 | 長崎 | 吉雄耕牛 | |
観象堂 | 吉雄常三 | ||
青嚢堂 | 吉雄権之助 | ||
稽古堂 | 豊後 | 帆足万里 | |
天真楼 | 江戸 | 杉田玄白 | |
芝蘭堂 | 大槻玄沢 | ||
風雲堂 | 宇田川玄真 | ||
安懐堂 | 坪井信道 | 深川三好町 | |
日習堂 | 坪井信道 | 深川三好町 | |
好生堂 | 坪井信友 | ||
蘭馨堂 | 吉田長淑 | ||
象先堂 | 伊東玄朴 | ||
迎翠堂 | 土生玄碩 | ||
氷解塾 | 勝海舟 | ||
膺懲館 | 下曽根金三郎 | ||
象山書院 | 佐久間象山 | 別名・五柳精舎 | |
鳩居堂 | 大村益次郎 | ||
慶應義塾 | 福澤諭吉 | 現・慶應義塾大学 | |
和田塾 | 佐藤泰然 | ||
江川塾 | 江川太郎左衛門 | ||
縄武館 | 伊豆 | 江川英龍、高島秋帆 | |
好蘭堂 | 美濃国大垣 | 江馬蘭斎 | |
順正書院 | 京都 | 新宮凉庭 | 現・南禅寺順正 |
学館医学院 | 畑黄山 | ||
蓼莪堂 | 吉雄元吉 | ||
究理堂 | 小石元俊、小石元瑞 | 現・医療法人究理堂、小石医院 | |
素珍館 | 小森桃塢 | ||
絲漢堂 | 大坂 | 橋本宗吉 | |
思々斎塾 | 中天游 | ||
適塾 | 緒方洪庵 | 現・大阪大学 | |
昭淵堂 | 高良斎 | ||
春林軒 | 紀伊 | 華岡青洲 | |
名塩蘭学塾 | 摂津国名塩 | 伊藤慎蔵 | |
五岳堂 | 伊予国宇和島 | 高野長英 | |
順天堂 | 下総国佐倉 | 佐藤泰然 | 現・順天堂大学 |
英蘭塾 | 摂津国三田 | 川本幸民 |
和算
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
---|---|---|---|
音羽塾 | 江戸 | 本多利明 | |
瑪得瑪第加塾 | 内田五観 | 「瑪得瑪第加」は「マテマティカ」の意 | |
真空館 | 大阪 | 武田真元 |
天文学
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
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斉政館 | 京都 | 土御門家 | |
先事館 | 大阪 | 麻田剛立 |
書道
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
---|---|---|---|
楽群堂 | 江戸 | 亀田鵬斎 | |
蕭遠堂 | 巻菱湖 | ||
小山林堂 | 市河米庵 | ||
須静堂 | 京都 | 貫名菘翁 |
画
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
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春暢学舎 | 古河 | 奥原晴湖 | |
勝川塾 | 江戸 | 狩野雅信 | |
写山楼 | 谷文晁 |
明治時代
[編集]一覧
[編集]名称 | 所在地 | 創設者 | 備考 |
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戴星義塾 | 札幌 | 佐藤勇 | 農学校予科受験のための中等教育機関 |
北海英語学校 | 大津和多理 | 現・北海高等学校・北海学園大学など | |
酔経学舎 | 秋田 | 狩野旭峰 | |
格知学舎 | 天童 | 本沢竹雲 | |
幸魂教舎 | 久喜 | 中島撫山 | 皇漢学を講じる |
三叉学舎 | 東京 | 箕作秋坪 | |
同人社 | 中村正直 | ||
北門義塾 | 柳田藤吉(校主:山東直砥) | ||
済美黌 | 高谷龍洲 | ||
紹成書院 | 岡松甕谷 | ||
二松學舍 | 三島中洲 | 現・二松學舍大学 | |
女子英学塾 | 津田梅子、山川捨松、A・ベーコン | 現・津田塾大学 | |
長流画塾 | 川合玉堂 | ||
余力学舎 | 新楽金橘 | ||
攻玉塾 | 近藤真琴 | 現・攻玉社中高 | |
巣園学舎 | 遠藤隆吉 | 現・巣鴨学園 | |
成蹊園 | 中村春二 | 現・成蹊大学 | |
浩々洞 | 清沢満之 | ||
聖公会立教学校 | C・ウィリアムズ | 現・立教大学 | |
商法講習所 | 森有礼 | 現・一橋大学 | |
哲学館 | 井上円了 | 現・東洋大学 | |
共立学舎 | 尺振八 | ||
称好塾 | 杉浦重剛 | ||
研数学館 | 奥平浪太郎 | 現・一般財団法人研数学館 | |
文友館 | 伊庭想太郎 | ||
共慣義塾 | 南部利恭 | ||
耕余塾 | 神奈川 | 小笠原東陽 | |
冀北学舎 | 掛川 | 岡田良一郎 | 現・静岡県立掛川西高等学校 |
蒙軒塾 | 山梨 | 近藤喜則 | 蒙軒学舎とも。前身は私塾「聴水堂」。 |
研成義塾 | 安曇野 | 井口喜源治 | |
小諸義塾 | 小諸 | 木村熊治 | |
斎藤女学館 | 長岡 | 斎藤由松 | 現・中越高等学校 |
私塾立命館 | 京都 | 西園寺公望 | 現・立命館大学 |
順天堂求合社 | 大阪 | 福田理軒 | 現・順天中学校・高等学校 |
鳳鳴義塾 | 兵庫 | 青山忠誠 | 現・兵庫県立篠山鳳鳴高等学校 |
春靄学舎 | 岡山 | 現・岡山県立総社高等学校 | |
磨鍼塾 | 岩国 | 宮川視明 | 現・高水高等学校 |
忠誠塾 | 香川 | 大久保彦三郎 | 現・尽誠学園 |
自彊舎 | 愛媛 | 鷲尾勘解治 | |
海南私塾 | 高知 | 山内豊範 | 現・高知県立高知小津高等学校 |
興志塾 | 博多 | 高場乱 | 通称は人参畑塾、門下に頭山満、平岡浩太郎ら玄洋社員 |
猶興書院 | 平戸 | 松浦詮 | 現・長崎県立猶興館高等学校 |
大江義塾 | 熊本 | 徳富蘇峰 | |
新川義塾 | 名和童山 | ||
支那語研究会 | 北京 | 後に興亜会支那語学校、北京興亜学院 | |
桂芳女塾 | 西脇立樹 | 塾生に鳩山春子など[1] |
大正時代以降
[編集]大正時代以降の私塾
[編集]- 育英舎
- 玄谷塾学校
- 私塾青善学舎学校
- 進文学社
- 私塾国士舘
- 武庫中学
- 玉川塾 - 小原國芳の創立した玉川学園の初期、小学部から大学まで全寮制で寝食ともにした教育形態。
- 小野女塾 - 京南家政女學校(現:品川翔英中学校・高等学校)の前身。本郷に学舎を有し、英語、数学、家政を教えていた。
現代日本
[編集]現代日本の私塾
[編集]- やすくに活世塾
- 自由民主党中央政治大学院
- 維新政治塾
- 一新塾
- 糸山政経塾
- 大隈塾
- 鳩山友愛塾
- 小沢一郎政治塾
- 表現者塾(発言者塾)
- 松下政経塾
- 大工育成塾
- NEC社会起業塾
- 新風党学校
- 日本新党政治スクール
- その他