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記事ジャンプ用ドナルド・マクドナルド・ハウス


ドナルド・マクドナルド・ハウス（Donald McDonald House）とは、日本では公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン[1]により設置・運営されている、病児とその家族のための宿泊施設（ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス）。日本とそれ以外では正式名称に一部違いがあるので、分けて説明する。

日本国外のロナルド・マクドナルド・ハウス

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フィラデルフィアのロナルド・マクドナルド・ハウス

ロナルド・マクドナルド・ハウス（Ronald McDonald House [注釈 1]）とは、難病の子供とその家族を支援すべくアメリカのフィラデルフィア[2]小児病院で誕生した宿泊施設で、ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスの中でも最初期に発足した組織である。

アメリカンフットボール選手であったフレッド・ヒルが、娘の白血病治療の付き添いで病院内での生活を経験した際、患者の家族が休息や睡眠を取るためのスペースが病院やその近隣に無く、また多くの家族が同様に困っていることを知った[3]。このためフレッドは患者の家族が利用しやすい宿泊施設を病院の近くに作ることを思い立った。発端となった施設は、フィラデルフィア新聞社が提供した家を改造し[3]、ファーストフードチェーンのマクドナルドの店長らが支援したことからキャラクターのロナルド・マクドナルドの名前が付けられた。

2024年3月現在、48の国と地域に388か所[2]のハウスが設けられており、各地のマクドナルド法人が運営を支援している。

沿革

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日本のドナルド・マクドナルド・ハウス

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全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
ドナルド・マクドナルド・ハウスとちぎ

日本では、ハンバーガー店のキャラクターの名称の違いから、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」が正式名称となっている（違いについてはキャラクター記事「ロナルド・マクドナルド」を参照）。

ハウスの理念は、Home away from home[3][6] （家庭から離れたところにある家庭）という言葉で代表され、家庭から離れていても家庭的な雰囲気のある場所を病院の近くに提供しようとしている。すなわち、ハウスでは食事も自炊可能で、掃除や洗濯も宿泊者が行えるようになっており、それをボランティアが支援するという運営方法をとっている。これにより人件費の圧縮がなされ、また、一般の人や企業などの寄付をハウスの建設や運営費にあてているため、宿泊者からは1000円/泊[3][7]とリネンなどの実費（数百円/泊）で宿泊できるようになっており、長期入院が必要な病児の家族を経済的な面からも支援している。なお、ボランティアは、宿泊者の生活面での支援以外にも、精神的な支援も行っている。

前述の国外と同様、日本でも日本マクドナルドが主体的に支援を行っており、社内募金等の実施[要出典]や店舗に募金箱を設置する[2]、モバイルオーダー[2]、2017年[8][6]初実施のマックハッピーデー(2022年[9]からは「青いマックの日」[注釈 2]に改められた)といった活動のほか、ハッピーセットの売り上げ1点につき1円を支援金に充てている[要出典]。また、開始時期及び具体的な金額は不明なものの、2016年[10]以降は「プラチナスポンサー」として毎年[注釈 3]1000万円以上の支援を行っている。さらに、日本プロ野球選手会[19]を肇め、趣旨に賛同する個人・団体からの支援も受けている[20]。

経緯

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入院患者の世話は、従来、家族や家族によって雇われた付き添い人（職業介護人）によって行われていたが、1950年（昭和25年）に「完全看護制度」（1958年（昭和33年）に「基準看護制度」に改称）が施行され、看護は看護職員（現在[いつ?]では看護師）が行う、という職業分離が導入された。しかし、看護職員数の不足から院内での家族や職業介護人による看護が続いていた。1994年（平成6年）に「新看護体系」が創設されると、1997年（平成9年）には全病院で家族・職業介護人の看護が廃止された。しかし、看護師不足によって病児看護の家族負担はなくならず、結果、院内で簡易ベッドや病児のベッドで添い寝して無料で宿泊しながら看護していた家族・職業介護人が、看病のために病院周辺の有料施設に宿泊しなくてはならなくなり、病児の医療費の他に、宿泊のための多大な出費を強いられることになった。

この家族・職業介護人の宿泊市場には、1990年前後からホスピタル・ホスピタリティ・ハウスが各地で参入する[4]一方、一般のホテルも進出した。例えば、聖路加国際病院が隣接地に聖路加ガーデンを建設し、東京新阪急ホテル築地（現ホテル名は銀座クレストン）が入居して1994年（平成6年）9月1日に開業している。

このような中、国立成育医療センター（2002年3月1日設置）が東京の国立大蔵病院の敷地内に建設されるのを契機に、当時の国立大蔵病院長、開原成允[21]がハウスを同センター近くに設置したいと考え、1996年（平成8年）12月に日本マクドナルド社の当時の社長であった藤田田に要請した。同社は、1999年（平成11年）4月の認可を得て財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン・デン・フジタ財団を設立し[22]、同財団が運営する形で第1号のハウスが東京都世田谷区に建設された。なお、2006年（平成18年）1月[5]に同財団は現称に改められた。

一覧

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指定された病院に入院または通院の20歳未満の患者と付き添い家族が利用可能。

日本国内のハウス
名称 所在都市 位置 設置日 部屋数 指定病院
さっぽろハウス[3] 北海道 札幌市手稲区[23] 北緯43度7分39.1秒 東経141度12分37.2秒 2008年12月[5][24] 10[3][23] 北海道立子ども総合医療・療育センター[23]他
せんだいハウス[3] 宮城県 仙台市青葉区[25] 北緯38度16分25.9秒 東経140度47分11.1秒 2003年11月[5] 16[3][25] 宮城県立こども病院[25]他
とちぎハウス[3] 栃木県 下野市[26] 北緯36度23分49.1秒 東経139度51分38.4秒 2006年09月[5] 10[3][26] 自治医科大学とちぎ子ども医療センター[26]他
さいたまハウス[3] 埼玉県 さいたま市中央区[27] 北緯35度53分28.3秒 東経139度37分56.4秒 2016年11月[5] 7[3][27] 埼玉県立小児医療センター[27]
東大ハウス[3] 東京都 文京区[28] 北緯35度42分46.5秒 東経139度46分0.7秒 2011年12月[5] 12[3][28] 東京大学医学部附属病院[28]
せたがやハウス[3] 世田谷区[29] 北緯35度38分3.4秒 東経139度36分48.6秒 2001年12月01日 23[3][29] 国立成育医療研究センター[29]他
ふちゅうハウス[3] 府中市[30] 北緯35度41分33.4秒 東経139度27分54.2秒 2010年03月[5] 12[3][30] 東京都立小児総合医療センター[30]、
東京都立神経病院[30]他
にいがたハウス[3] 新潟県 新潟市[31] 2022年10月01日[32][33] 10[3][31] 新潟大学医歯学総合病院[31]他
なごやハウス[3] 愛知県 名古屋市昭和区[34] 北緯35度9分34.1秒 東経136度55分19.5秒 2013年11月[5] 12[3][34] 名古屋大学医学部附属病院[34]他
京都ハウス
(2026年秋頃オープン予定)[35]		 京都府 京都市上京区[36] 2026年秋予定
(2024年04月現在)		 10[36] 京都府立医科大学附属病院[35][36]、
京都大学医学部附属病院[35][36]
おおさか健都ハウス[3] 大阪府 摂津市[37] 北緯34度46分49秒 東経135度32分35.16秒 2019年06月 20[3][37] 国立循環器病研究センター[37]他
神戸ハウス[3] 兵庫県 神戸市中央区[38] 北緯34度39分42.9秒 東経135度13分5.2秒 2016年05月[5] 16[3][38] 兵庫県立こども病院[38]
こうちハウス 高知県 高知市[5] 北緯33度31分48.8秒 東経133度35分14.8秒 2005年02月
（2019年03月[5]廃止）		 16[5] 高知医療センター他
ふくおかハウス[3] 福岡県 福岡市東区[39] 北緯33度39分40.9秒 東経130度25分2.9秒 2015年5月[5] 21[3][39] 福岡市立こども病院[39]他

関連項目

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脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^ 英語発音: [ˈrɑnəld məkˈdɑnəld ˈhaus]　ラ（ー）ナルドゥ・マクダ（ー）ナルドゥ・ハウス
  2. ^ この日はハッピーセット1つにつき50円が財団に寄付される[8][9]。
  3. ^ 2017年[11]、2018年[12]、2019年[13]、2020年[14]、2021年[15]、2022年[16]、2023年[17]、2024年[18]

出典

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  1. ^ “公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン”. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  2. ^ a b c d e f “ドナルド・マクドナルド・ハウス支援”. www.mcdonalds.co.jp/. 日本マクドナルド. 2024年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab “ドナルド・マクドナルド・ハウスとは”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月28日閲覧。
  4. ^ a b c “ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスの歴史”. jhhh.jp/. 日本ホスピタル・ホスピタリティ・ハウス・ネットワーク. 2023年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月28日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ハウス生誕20年の歩み”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  6. ^ a b “～10月22日（日）「マックハッピーデー」を日本で初実施！～ 病気と闘うご家族の支援に。 募金総額 40,361,395円 たくさんのハッピーセットご購入および店頭募金にご協力いただき、誠にありがとうございました。”. www.mcd-holdings.co.jp/. 日本マクドナルドホールディングス (2017年11月13日). 2024年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  7. ^ “マクドナルド店舗が青一色に 病気と闘う子供たちとそのご家族への支援活動 11月6日(日)「青いマックの日(マックハッピーデー)」 募金総額74,415,783円*1 マクドナルドとお客様・ハウスご利用者様が心を通わせた1日、ご協力・ご支援ありがとうございました”. www.mcdonalds.co.jp/. 日本マクドナルド (2022年12月20日). 2024年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  8. ^ a b “～世界数カ国で実施しているチャリティ活動、日本で初実施～ ハッピーセットの50円が、病気と闘う子供への支援に。 10月22日（日）は「マックハッピーデー」 ハッピーセットお買いあげ1つにつき50円を「ドナルド・マクドナルド・ハウス財団」に寄付させていただきます。”. www.mcd-holdings.co.jp/. 日本マクドナルドホールディングス (2017年10月6日). 2024年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  9. ^ a b “赤と黄色のマクドナルドが、青に染まる!？ 今年のテーマは“青いマックの日” 11月6日(日)に「マックハッピーデー」を実施 ハッピーセット®の購入一つにつき50円が、病気と闘う子供とその家族の支援に”. www.mcdonalds.co.jp/. 日本マクドナルド (2022年9月22日). 2024年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  10. ^ “year2016 サポーターリスト”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  11. ^ “year2017 サポーターリスト”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  12. ^ “year2018 サポーターリスト”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  13. ^ “year2019 サポーターリスト”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
  14. ^ “year2020 サポーターリスト”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
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  19. ^ “2023シーズンのドナルド・マクドナルド・ハウス支援について”. jpbpa.net/. 日本プロ野球選手会. 2024年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月28日閲覧。
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  21. ^ 高橋基文. “国立大蔵病院の歩み”. www.hospi.ne.jp/. 旧・国立大蔵病院. 2024年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月31日閲覧。
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  33. ^ 新潟大学 病院経営企画課 (2023年10月25日). “ドナルド・マクドナルド・ハウス1周年記念セレモニーが実施されました”. www.niigata-u.ac.jp/. 新潟大学. 2024年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月28日閲覧。
  34. ^ a b c “なごやハウス”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  35. ^ a b c “「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都」 開設に向けた寄付金の受付開始のお知らせ”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン (2024年4月1日). 2024年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月28日閲覧。
  36. ^ a b c d “世界48の国と地域で展開する小児患者の付き添い家族向け滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都」開設に向けた寄付を４月１日(月)より受付開始 ～目標金額4億円。病気と向き合う子どもとそのご家族のために、全国から支援を募集～”. prtimes.jp. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン (2024年4月1日). 2024年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月28日閲覧。
  37. ^ a b c “おおさか健都ハウス”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  38. ^ a b c “神戸ハウス”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。
  39. ^ a b c “ふくおかハウス”. www.dmhcj.or.jp/. 公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン. 2024年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月29日閲覧。

外部リンク

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