亜硝酸ブチル
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亜硝酸ブチル Butyl n-nitrite | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 544-16-1 |
特性 | |
化学式 | C4H9NO2 |
モル質量 | 103.12 |
外観 | 液体 |
匂い | 特異臭 |
密度 | 0.9114(25℃) |
融点 |
-13℃[1] |
沸点 |
75℃[1] |
水への溶解度 | 1120mg/L |
有機溶媒への溶解度 | エーテル、アルコールに混和 |
危険性 | |
引火点 | 10℃ |
半数致死量 LD50 | 83mg/kg(ラット) |
関連する物質 | |
関連物質 | 亜硝酸イソブチル |
出典 | |
製品安全データシート 職場のあんぜんサイト | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
亜硝酸ブチル(あしょうさんブチル、英: Butyl n-nitrite)は、亜硝酸エステルの一種である。
製造
[編集]従来は亜硝酸塩とn-ブタノールとの反応により製造していたが、副生成物として金属塩が生じる問題があった。これを解決すべく、三酸化二窒素とn-ブタノールとの反応による方法が開発された[2]。
用途
[編集]希土類アジド化合物の合成、食肉の保存料、ペプチド合成やニトロ化における試薬などに使用される[3]。多幸感をもたらすことからラッシュ系ドラッグに使用されるが、日本の法令では2007年2月28日に指定薬物となり[4]、医療用および人体に危害を及ぼすおそれのない用途以外での製造・輸入・販売等は禁止されている[5]。
安全性
[編集]日本の消防法では危険物第4類・第一石油類、毒物及び劇物取締法では毒物に指定されている。摂取により、亜硝酸エステル類特有のめまいや虚脱感などの神経症状、免疫力低下などが生じる。反復曝露により、メトヘモグロビン血症が生じる[3]。
脚注
[編集]- ^ a b 『窒素酸化物の事典』p192
- ^ 亜硝酸エステルの製造方法(ekouhou.net、特開2009-57370(P2009-57370A))
- ^ a b 製品安全データシート 職場のあんぜんサイト
- ^ 指定薬物一覧(厚生労働省)
- ^ 指定薬物について(厚生労働省)
参考文献
[編集]- 鈴木仁美『窒素酸化物の事典』丸善、2008年。ISBN 978-4-621-08048-1。