ルリユール
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ルリユール(フランス語: Relieur[1])は、主にフランスで製本・装幀を手作業で行う職人を指す言葉である[2]。また、その工程自体もルリユールと呼ぶことがある[3]。
内容
[編集]現在、ヨーロッパの製本術の正しい伝統は、主にフランスやフランス語圏においてのみ受け継がれている[4]。フランス・パリ市内でも、今でも約50軒のルリユール製本の工房が現存している[5]。
多いものでは60余もの工程があるルリユールも存在する[6]。
17世紀末に、活版印刷の発明によって出版・印刷・製本の境界が曖昧になった状況を背景に、フランス国王のルイ14世が下した「出版・印刷・製本業者は互いの職分を越えてはならぬ」という勅令により、製本の権利を失った出版・印刷業者により仮綴じ本を作られるようになった。この仮綴じ本や希少本の購入者が装丁や製本を依頼するのがルリユール職人である[7]。
日本でも栃折久美子が「ルリユール工房」を開くなどして技術自体は広まってきている[8]。
その影響もあって、日本でも「伊藤篤」などを始めとして、数は少ないものの、ルリユール職人自体は存在している[9]。
作品
[編集]ここでは「ルリユール」がタイトルに使われている本、又は内容にルリユールが関係してくる本を取り扱う。
- 栃折久美子『ルリユール』(1975年)[10]
- いせひでこ『ルリユールおじさん』(2006年)[11]
- 村山早紀『ルリユール』(2013年)[12]
- 野村悠里『書物と製本術 : ルリユール/綴じの文化史』(2017年)[13]
脚注
[編集]- ^ “Définitions : relieur”. ラルース. 2020年7月28日閲覧。
- ^ 香川朋子, 工藤絵理子, 片岡真「図書館員の原点とは?」『情報管理』第52巻第6号、科学技術振興機構、2009年、377-379頁、doi:10.1241/johokanri.52.377、ISSN 0021-7298、NAID 130000126428。
- ^ “製本工芸の世界ルリユール工房”. www2.odn.ne.jp. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “ルリユールという仕事 | 京都大学図書館資料保存ワークショップ”. 活版印刷研究所 (2017年5月15日). 2020年7月27日閲覧。
- ^ “ルリユールとは - VANBEE”. vanbee-book.com. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “おしはく情報館 | おしごとはくぶつかん” (jp). おしはく情報館 | おしごとはくぶつかん. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “心を正しくもっていないと、正しいものはできないんです。| ヒトコト・モノコト”. hitokoto-monokoto.jp. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “ルリユール工房講座案内”. www2.odn.ne.jp. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “ルリユールワークショップ - 伊藤篤”. www.institutfrancais.jp. 2020年7月27日閲覧。
- ^ 東京都古書籍商業協同組合『栃折久美子 ルリユール(栃折久美子/編集・レイアウト ウラジミル・チェケルール、ミシュリーヌ・ド・ベルフロワ/序 寿岳文章、白井晟一、小川国夫/執筆) / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」』 。
- ^ “ルリユールおじさん - 国立国会図書館リサーチ”. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “ルリユール = Reliure - 国立国会図書館リサーチ”. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “書物と製本術 : ルリユール/綴じの文化史 - 国立国会図書館リサーチ”. 2020年7月27日閲覧。