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ヒブナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フナ属 Carassius
野生のヒブナ(緋鮒)、沖縄島
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : コイ亜科 Cyprininae
: フナ属 Carassius
和名
ヒブナ
英名
Hibuna

ヒブナ(緋鮒)は、コイ目コイ科フナ属Carassius)の突然変異で黒い色素を欠き赤変した個体あるいは個体群である。黄色素胞は有しているため、黄色およびオレンジ色をしている。

ギベリオブナの変種

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野生のヒブナ(緋鮒)
野生のヒブナ(緋鮒)、沖縄の離島にて。

約1700年前、中国で発見されたフナの突然変異で誕生した。その後、更なる突然変異などでキンギョとなった。ただし、フナ属のどの種がキンギョの野生種であるかは特定されていなかったが[1]、2008年にDNA分析の結果ギベリオブナが直接の先祖にあたる事が判明した[2]。海外では、中国で大量に生産された黄色およびオレンジ色の個体がヒブナまたは、イエローゴールドフィッシュ、イエローコモンゴールドフィッシュとして売られている[3]

ギンブナの変種

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北海道春採湖に生息しており、1937年(昭和12年)12月21日に国の天然記念物に指定されている(春採湖のヒブナ個体群/釧路市)。孵化時は普通のフナと同様に銅黒色だが、約1年してから赤くなりはじめる。

春採湖のヒブナの起源は、1985年から1987年染色体調査でギンブナの突然変異であることが報告[4]されていた[5]が、2022年京都大学や釧路市立博物館などの研究チームが「約100年前に放流された金魚が野生のフナと交雑してヒブナが誕生した」とする研究成果を纏め上げ、発表した。論文は国際学術誌に掲載された[6]

魚類の遺伝に詳しい長浜バイオ大学の教授でゲノム科学を専攻する大森義裕は「天敵が少ない閉鎖的な環境に大量の魚が放流されたことで、一気に交雑が進んだと考えられる」としており、「データから導いた妥当な結論といえる。」と述べている。

脚注

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  1. ^ キンギョが雌性発生でないことから、雌性発生のギンブナである可能性は極めて低いことは明らかとなっていた。
  2. ^ Komiyama T, Kobayashi H, Tateno Y, Inoko H, Gojobori T, Ikeo K. (2009). “An evolutionary origin and selection process of goldfish”. Gene 430 (1-2): 5-11. doi:10.1016/j.gene.2008.10.019. PMID 19027055. 
  3. ^ Pet Goldfish. “YELLOW COMMON GOLDFISH”. 2011年6月22日閲覧。
  4. ^ 針生勤, 山代昭三「ヒブナとフナ、ワキンとの外部形態の比較」『釧路市立博物館紀要』第11巻、釧路市立博物館、1986年、53-60頁、doi:10.24484/sitereports.118595-67241 
  5. ^ 国土交通省河川局 (2006年9月8日). “河川整備基本方針>釧路川水系『第2章 流域及び河川の自然環境』” (PDF). 2022年10月22日閲覧。
  6. ^ 天然記念物のヒブナ、100年前に金魚との交雑で誕生…遺伝子解析で突然変異説を覆す”. 読売新聞 (2022年10月22日). 2022年10月22日閲覧。

関連項目

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