オニユリ
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オニユリ(APG III) | |||||||||||||||||||||
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オニユリ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Lilium lancifoliumThunb. | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
tiger lily |
オニユリ(鬼百合・学名Lilium lancifolium)とは、ユリ科ユリ属の植物。
自生地
[編集]グアム東部、中国、朝鮮半島、日本に自生する。日本では北海道から九州の平地から低山で普通に見られ、一説には中国からの渡来種と言われている。
一般的にオニユリは三倍体であるが、朝鮮半島や済州島そして対馬には二倍体が分布している[1][2]。対馬のオニユリの75%が二倍体である[3]。
変種に対馬に自生するオウゴンオニユリ(Lilium lancifolium var. flaviflorum)がある[3]。
特徴
[編集]草丈は1~2m程となる大型のユリ[4]。葉は互生し、小さめの披針形で先端はゆるく尖る。茎は紫褐色で細かい斑点がある。花季は7月から8月で、花弁はオレンジ色、濃褐色で暗紫色の斑点を生じる[4]。花弁は強く反り返る。種子は作らないが、葉の付け根に暗紫色のムカゴを作る[4]。鱗茎はヤマユリと同様、ユリ根として食用となる。
近縁種
[編集]近縁に同属のコオニユリ (Lilium leichtlinii) があり、こちらは山地の草原や低地の湿原に生育する。オニユリによく似ているが、植物体が一回り小さく、ムカゴを作らず、種子を作る。
オニユリとコオニユリは交雑が可能であり、コオニユリとの交配により異なる遺伝子型のオニユリが生み出されることが確認されている。大韓民国でも二倍体のオニユリが分布していない地域では見られない遺伝子型の三倍体オニユリが存在することから、オニユリとコオニユリの交雑が起きている可能性が考えられる[5]。
参考文献
[編集]- ^ “オニユリ :: おすすめコンテンツ ≫ 植物図鑑 :: 筑波実験植物園(つくば植物園) Tsukuba Botanical Garden”. tbg.kahaku.go.jp. 2023年9月12日閲覧。
- ^ “オニユリとは|ほぼふつうの植物図鑑 ヤサシイエンゲイ”. yasashi.info. 2023年9月12日閲覧。
- ^ a b 岡部虎男「オウゴンオニユリ発見の歴史と栽培」『ヒトツバタゴ』第7巻、1990年、1-9頁。
- ^ a b c 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日、430頁。ISBN 4-7980-1485-0。
- ^ 比良松道一 (2008年). “三倍体オニユリにおいて発現する高い有性繁殖能力の進化的背景と遺伝機構の解明”. KAKEN. 2023年9月5日閲覧。
外部リンク
[編集]- ユリの王国[その4] オニユリ 東アジア植物記 小杉波留夫 2020/08/11
- ユリの王国[その5] コオニユリとSinomartagona 東アジア植物記 小杉波留夫 2020/08/18