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アメリカンボス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アメリカンボス
第74回中山記念出走時(2000年2月27日)
欧字表記 American Boss[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1995年4月7日[1]
死没 2018年6月(23歳没)
登録日 1997年9月25日
抹消日 2002年12月27日
Kingmambo[1]
Redeemer[1]
母の父 Dixieland Band[1]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
生産者 Candyland [1]
馬主 (株)畔蒜不動産[1]
調教師 田子冬樹美浦北[1]
競走成績
生涯成績 39戦8勝(中央競馬
2戦0勝(地方競馬
[1]
獲得賞金 4億3028万5000円[1]
勝ち鞍
GII AJCC 2001年
GII 中山記念 2001年
GIII エプソムC 1999年・2000年
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アメリカンボス(欧字名:American Boss1995年4月7日 - 2018年6月)は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍に1999年2000年エプソムカップ2001年中山記念アメリカジョッキークラブカップ

出走した39戦全てで江田照男が騎乗。2001年の有馬記念では出走馬中最低人気にもかかわらずマンハッタンカフェの2着となり、いわゆる「テロ馬券」で知られる波乱を起こした。

競走馬時代

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デビュー当初は芝・ダート兼用で使われるが、1999年頃より芝レースにほぼ専念する形となり同年6月、11番人気という低評価に反発しエプソムカップを制し重賞タイトルを獲得。また数多くの道悪馬場をこなし、江田騎手も「この馬は道悪はホントにうまい」と同馬を評価[2]、翌2000年のエプソムカップでは開催最終週の荒れ馬場の最内を進路にとり優勝している。

2001年初頭にはさらにアメリカジョッキークラブカップ中山記念と2つの重賞を制覇、同馬を管理する田子調教師も「丈夫になって実が入ってきた」と成長を認め、GI競走への本格参戦を明言。暮れの有馬記念では出走馬中最低人気の13番人気ながら2着入線、有馬記念の配当記録を更新[注 1]する波乱を演出している。

同馬の適距離は1800-2200m前後と評価されていたが、輸送競馬に弱く結果が出せないため[3]関西圏への出走は殆ど行われず宝塚記念へは未出走、外国産馬のため天皇賞(秋)への出走には制限があり[注 2]、これらの競走には使われることはなかった。

また、2001年中山記念当日には江田のもう1頭のお手馬であるGI馬ダイタクヤマト阪急杯に出走していたが、「いつもお世話になっているから」という理由でアメリカンボスを選ぶなど出走41レース全てに江田が騎乗した。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[4]およびJBISサーチ[5]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
kg
距離馬場 タイム
上り3F
タイム差 勝ち馬/(2着馬)
1997 11. 29 中山 3歳新馬 12 5 5 1.7 (1人) 3着 江田照男 54 ダ1800m(重) 1:58.6(40.9) 1.0 トウカンビリーフ
12. 21 中山 3歳新馬 10 6 6 2.6 (2人) 1着 江田照男 54 ダ1800m(良) 1:58.5(39.8) -0.1 (アイムアラジン)
1998 1. 17 中山 黒竹賞 500 15 6 11 6.5 (3人) 2着 江田照男 55 ダ1200m(不) 1:10.8(36.4) 1.0 トキオパーフェクト
2. 7 東京 4歳500万下 16 7 14 9.4 (4人) 3着 江田照男 56 芝1600m(良) 1:35.0(34.9) 0.2 ディヴァインライト
3. 2 中山 4歳500万下 15 8 15 3.8 (2人) 3着 江田照男 55 芝1800m(不) 1:51.4(36.7) 0.1 コンキスタクラウン
3. 29 中山 山桜賞 500 14 4 6 4.6 (2人) 7着 江田照男 55 芝1800m(良) 1:50.8(36.7) 1.0 マコトタイタン
12. 7 浦和 マルチホース特別 B2B3 12 5 6 (1人) 4着 江田照男 56 ダ1400m(重) 1:27.7 0.6 アジアワールド
12. 20 中山 4歳上500万下 15 4 7 3.5 (2人) 4着 江田照男 55 ダ1800m(良) 1:56.8(41.1) 1.8 スチュードベーカー
1999 1. 9 中山 5歳上500万下 15 3 6 4.4 (3人) 1着 江田照男 56 ダ1200m(良) 1:11.6(37.4) -0.5 (ジョンカラノテガミ)
1. 31 東京 テレビ埼玉杯 900 14 5 8 2.9 (2人) 1着 江田照男 54 芝1400m(良) 1:22.2(34.7) -0.6 (トーシンクラウン)
3. 14 中山 オーシャンS 1600 16 5 9 2.6 (1人) 3着 江田照男 55 芝1200m(良) 1:09.6(35.0) 0.3 イズミサクセス
3. 27 中山 船橋S 1600 15 6 12 2.3 (1人) 5着 江田照男 56 芝1600m(重) 1:37.4(37.1) 0.3 インターライセンス
4. 24 東京 晩春S 1600 18 8 18 4.0 (1人) 1着 江田照男 55 芝1600m(不) 1:37.5(37.8) -0.1 (シンコウシングラー)
5. 15 東京 京王杯SC GII 18 7 14 103.6 (13人) 16着 江田照男 56 芝1400m(良) 1:21.6(34.2) 1.1 グラスワンダー
6. 5 東京 エプソムC GIII 18 6 11 46.6 (11人) 1着 江田照男 57 芝1800m(良) 1:46.0(35.2) -0.3 (シグナスヒーロー)
2000 2. 5 東京 白富士S OP 11 7 8 18.0 (7人) 4着 江田照男 57 芝2000m(良) 2:00.7(34.9) 0.4 クリスザブレイヴ
2. 27 中山 中山記念 GII 14 4 7 7.0 (4人) 2着 江田照男 57 芝1800m(良) 1:46.9(36.0) 0.1 ダイワテキサス
3. 26 中山 日経賞 GII 10 8 10 17.4 (5人) 5着 江田照男 57 芝2500m(良) 2:36.2(36.1) 0.8 レオリュウホウ
5. 14 福島 新潟大賞典 GIII 16 7 13 4.0 (1人) 2着 江田照男 56 芝2000m(稍) 2:01.2(36.5) 0.2 タヤスメドウ
6. 11 東京 エプソムC GIII 15 6 11 2.5 (1人) 1着 江田照男 57 芝1800m(不) 1:49.5(36.7) -0.2 ダイワテキサス
10. 8 東京 毎日王冠 GII 11 8 10 3.7 (1人) 5着 江田照男 57 芝1800m(良) 1:46.4(34.2) 0.3 トゥナンテ
11. 5 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 16 7 14 8.9 (4人) 8着 江田照男 57 芝2500m(良) 2:34.6(34.9) 0.7 マチカネキンノホシ
11. 25 京都 京阪杯 GIII 18 7 15 7.8 (4人) 13着 江田照男 57.5 芝1800m(良) 1:46.1(35.1) 0.9 ジョウテンブレーヴ
12. 24 中山 有馬記念 GI 16 8 15 131.4 (15人) 6着 江田照男 56 芝2500m(良) 2:34.7(37.5) 0.6 テイエムオペラオー
2001 1. 21 中山 AJCC GII 13 7 10 4.6 (2人) 1着 江田照男 57 芝2200m(良) 2:13.8(36.5) -0.4 (ロードプラチナム)
2. 25 中山 中山記念 GII 13 2 2 5.8 (2人) 1着 江田照男 58 芝1800m(良) 1:47.7(36.4) -0.2 (ジョウテンブレーヴ)
4. 1 阪神 産経大阪杯 GII 14 3 4 7.1 (2人) 9着 江田照男 58 芝2000m(良) 1:59.1(35.9) 0.7 トーホウドリーム
6. 3 東京 安田記念 GI 18 7 13 33.9 (12人) 6着 江田照男 58 芝1600m(良) 1:33.6(36.0) 0.6 ブラックホーク
9. 23 中山 オールカマー GII 7 3 3 5.9 (4人) 6着 江田照男 58 芝2200m(良) 2:14.4(35.2) 0.5 エアスマップ
10. 7 東京 毎日王冠 GII 12 5 5 7.0 (4人) 8着 江田照男 58 芝1800m(良) 1:45.9(35.4) 0.6 エイシンプレストン
10. 31 大井 JBCクラシック GI 15 4 7 (5人) 11着 江田照男 54 ダ2000m(稍) 2:07.3(39.0) 2.1 レギュラーメンバー
11. 25 東京 ジャパンC GI 15 2 2 117.8 (14人) 10着 江田照男 57 芝2400m(良) 2:25.6(36.9) 1.8 ジャングルポケット
12. 23 中山 有馬記念 GI 13 1 1 116.9 (13人) 2着 江田照男 57 芝2500m(良) 2:33.3(34.7) 0.2 マンハッタンカフェ
2002 6. 2 東京 安田記念 GI 18 2 4 68.9 (16人) 13着 江田照男 58 芝1600m(良) 1:34.3(36.0) 1.0 アドマイヤコジーン
7. 7 福島 七夕賞 GIII 14 8 13 5.8 (2人) 7着 江田照男 58.5 芝2000m(良) 2:00.3(37.3) 1.1 イーグルカフェ
8. 25 新潟 新潟記念 GIII 15 7 13 10.9 (6人) 7着 江田照男 58.5 芝2000m(良) 1:58.7(34.2) 0.7 トーワトレジャー
9. 22 新潟 オールカマー GII 13 6 9 12.2 (6人) 10着 江田照男 58 芝2200m(良) 2:12.1(35.7) 0.4 ロサード
10. 6 中山 毎日王冠 GII 9 8 8 19.9 (5人) 3着 江田照男 58 芝1800m(良) 1:46.5(34.8) 0.4 マグナーテン
11. 3 中山 アルゼンチン共和国杯 GII 11 8 12 7.3 (4人) 8着 江田照男 58.5 芝2500m(良) 2:32.1(36.0) 1.5 サンライズジェガー
11. 24 中山 ジャパンC GI 16 3 5 70.6 (14人) 14着 江田照男 57 芝2200m(良) 2:13.8(37.4) 1.6 ファルブラヴ
12. 22 中山 有馬記念 GI 14 5 7 62.7 (11人) 13着 江田照男 57 芝2500m(稍) 2:34.7(36.8) 2.1 シンボリクリスエス

種牡馬時代

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8歳時の2003年より日高軽種馬農協門別種馬場で種牡馬入りし、初年度は45頭に種付けを行った。2007年より太平洋ナショナルスタッドに移動[6]2020年10月1日付で、用途変更により供用停止となった[7]が、競走馬のふるさと案内所によると、2018年6月に死亡したとされている[8]。23歳没。死亡年と供用停止の申告のタイムラグ、及び死亡ではなく用途変更として申告されたことに関する詳細は不明。

産駒は2006年に競走馬としてデビュー。同年7月23日川崎競馬場で行われた新馬戦をロイヤルボスが制し、中央・地方を通じての産駒初勝利を挙げた。同馬は11月8日ハイセイコー記念を制し、産駒の重賞初勝利も記録している[9]

2021年10月24日には、2022年現在産駒唯一の現役馬であるキーパンチが新潟競馬場4Rの障害3歳以上未勝利戦を勝利。19戦目にして初勝利を挙げ、また熊沢重文騎手の障害競走最多となる255勝に貢献した[10]

主な産駒

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エピソード

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  • 2001年の有馬記念では2着に入ったことで、勝ったマンハッタンカフェと共に『マンハッタン+アメリカン』と同年に起きたアメリカ同時多発テロ事件の時事問題に掛けた名前の馬2頭でサイン馬券だと話題となり[11]、翌年の有馬記念の予想でもこのことが大きく取り上げられていた。また、3着にはトゥザヴィクトリーが入っており、これを含めてサインであると考える人もいた。

血統表

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アメリカンボス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Kingmambo
1990 鹿毛
父の父
Mr. Prospector
1970 鹿毛
Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
父の母
Miesque
1984 鹿毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Pasadoble Prove Out
Santa Quilla

Redeemer
1986
Dixieland Band
1980 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Mississippi Mud Delta Judge
Sand Buggy
母の母
Printing Press
1981
In Reality Intentionally
My Dear Girl
Wealth of Nations Key to the Mint
Admiring
母系(F-No.) (FN:1-s) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×3=18.75%、Native Dancer 4×5=9.38%、Graustark 5×5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [12]
  2. ^ [13]
  3. ^ [12]
  4. ^ [12]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 当時発売されていた券種のうち単勝以外の全ての券種(複勝・ワイド・馬連・枠連)で最高配当を記録している。
  2. ^ 2001年天皇賞秋に出走を表明した外国産馬(出走可能枠2頭)はメイショウドトウアグネスデジタルクロフネエイシンプレストン(表記は取得賞金順)らがおり過去1年間の取得賞金の関係からアメリカンボスの出走はほぼ難しいものであった。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o アメリカンボス(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月21日閲覧。
  2. ^ 2000年6月12日日刊スポーツ
  3. ^ 京阪杯・大阪杯レース後の江田騎手コメント
  4. ^ アメリカンボスの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月21日閲覧。
  5. ^ アメリカンボス(USA) 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月21日閲覧。
  6. ^ サラ系供用種牡馬一覧|トピックス|JBISサーチ 2021年10月25日閲覧
  7. ^ 2020年の供用停止種雄馬一覧 - 軽種馬登録ニュース(2021/08/03) - 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル 2021年10月25日閲覧
  8. ^ 馬・牧場・施設 検索 アメリカンボス(USA) - 競走馬のふるさと案内所、2022年6月28日閲覧。
  9. ^ アメリカンボスの産駒成績|競走馬データ- netkeiba.com 2021年10月25日閲覧
  10. ^ 熊沢重文騎手、障害最多255勝 しぶとさ全開「憧れ」星野超え/新潟4R - 極ウマ、2022年6月28日閲覧。
  11. ^ スポニチバックナンバー
  12. ^ a b c 血統情報:5代血統表 アメリカンボス(USA)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2020年5月8日閲覧。
  13. ^ アメリカンボスの血統表”. netkeiba.com. 2019年4月17日閲覧。

外部リンク

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