コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

とね (護衛艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
とね
洋上を往く「とね」
基本情報
建造所 住友重機械工業 浦賀工場
運用者  海上自衛隊
艦種乙型護衛艦(DE)
級名 あぶくま型
母港
所属 護衛艦隊第12護衛隊
艦歴
計画 平成元年度計画
発注 1989年
起工 1991年2月8日
進水 1991年12月6日
就役 1993年2月8日
要目
排水量 基準 2,000トン
満載 2,500トン
全長 109.0m
最大幅 13.4m
深さ 7.8m
吃水 3.8m
機関 CODOG方式
主機 三菱 S12U-MTKディーゼルエンジン × 2基(4,650PS
川崎/ロールス・ロイス スペイSM1Aガスタービンエンジン × 2基
出力 27,000PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大27ノット以上
乗員 120名
兵装 62口径76mm単装速射砲 × 1基
ハープーンSSM4連装発射筒 × 2基
74式アスロックSUM8連装発射機 × 1基
高性能20mm機関砲(CIWS) × 1基
68式3連装短魚雷発射管(HOS-301) × 2基
搭載機 なし
VERTREPHIFR可能
C4ISTAR MOFシステム
レーダー OPS-14C 対空
OPS-28C 低空警戒/対水上
OPS-20 航海用
81式射撃指揮装置2型-22E
ソナー OQS-8
SFCS-8 水中攻撃指揮装置
探索装置・
その他装置
OAX-1B赤外線暗視装置
電子戦
対抗手段
NOLR-8Y ESM+OLR-3 ジャミング
Mk.137 デコイ発射機 × 2基
テンプレートを表示

とねローマ字JS Tone, DE-234)は、海上自衛隊護衛艦あぶくま型護衛艦の6番艦。艦名は利根川に由来し、この名を持つ日本の艦艇としては、旧海軍の「利根(I)」、利根型重巡洋艦利根(II)」に続き3代目にあたる。 あぶくま型護衛艦の中では後期型(小改正型)であり、マストにフラットを追加し、OPS-20航海用レーダーが搭載されている。 2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[1]

本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはあぶくま型護衛艦を参照されたい。

艦歴

[編集]

「とね」は、中期防衛力整備計画に基づく平成元年度計画1,900トン型乙型護衛艦1234号艦として、住友重機械工業浦賀工場で1991年2月8日に起工され、1991年12月6日に進水、1993年2月8日に就役し、佐世保地方隊第39護衛隊に編入された。

1997年3月24日、佐世保地方隊第26護衛隊に編入。

1998年5月29日6月1日、福岡を訪問したカナダ海軍フリゲート「バンクーバー」と交歓する。

1999年8月2日から4日にかけて護衛艦「しらね」、「せとゆき」とともに韓国釜山を訪問、4日から5日にかけて東シナ海において初の日韓共同訓練を実施した。

2001年5月19日5月20日に実施される鹿屋航空祭で護衛艦「せんだい」、「さわかぜ」、輸送艦「おおすみ」とともに志布志港で一般公開される予定であったが、福江島沖を航行中の中国海軍延氷型情報収集艦を追尾監視のため、中止となった。

同年10月2日、佐世保を出港後、アメリカ海軍強襲揚陸艦「エセックス」の警戒監視活動に従事する。

2008年3月26日自衛艦隊の大改編により第26護衛隊が第16護衛隊に改称され、護衛艦隊隷下に編成替え。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣される。

2011年3月16日、第16護衛隊が廃止となり第12護衛隊へ編入、定係港が佐世保からに転籍。

2016年2月16日午後5時30分頃、種子島東北東85kmを太平洋から東シナ海に向け西に航行する中国海軍旅滬型駆逐艦「哈爾浜」、江凱Ⅱ級フリゲート「煙台」、東調級情報収集艦「天狼星」、福池級補給艦「洪澤湖」を、第5航空群所属のP-3C及び多用途支援艦「げんかい」と共に発見した[2]。その後4隻は大隅海峡を西に進んでいる。

同年12月25日防衛省統合幕僚監部は同月24日午後4時ごろ本艦が東シナ海中部の海域で中国海軍の航空母艦遼寧」1隻と、ミサイル駆逐艦フリゲート艦各3隻、補給艦1隻を目視にて確認したと発表した。海上自衛隊が中国海軍の空母を目視にて確認するのは今回が初めて[3]

2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[1]

2023年11月29日屋久島沖米軍オスプレイ墜落事故に伴い自主派遣。墜落から約1時間25分後の16時4分に寄港中であった佐世保基地を出港[4]。翌11月30日の深夜1時43分に現着[5]し、以後、同じく自主派遣された艦艇や自衛隊部隊、海上保安庁などと共に12月4日まで捜索救難活動に従事。機体の一部などを発見揚収するなどした[6]

現在は護衛艦隊第12護衛隊に所属し、定係港は呉である。

歴代艦長

[編集]
歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
01 上田勝恵 1993.2.8 - 1994.3.24 防大17期 とね艤装員長 海上自衛隊幹部学校
02 野口 均 1994.3.25 - 1995.3.23 防大21期 第2護衛隊群司令部幕僚 海上幕僚監部人事教育部人事課
03 石橋啓志 1995.3.24 - 1996.7.31 防大19期 海上自衛隊幹部学校付 統合幕僚会議事務局
第4幕僚室長中期班長
1996.7.1
1等海佐昇任
04 大鶴 章 1996.8.1 - 1997.7.31 防大25期 海上自衛隊東京業務隊 海上幕僚監部防衛部防衛課
05 畑中孝行 1997.8.1 - 1998.8.2 防大23期 第3護衛隊群司令部幕僚  
06 渡邉英夫 1998.8.3 - 1999.8.19 防大21期 海上幕僚監部防衛部装備体系課 海上自衛隊第1術科学校生徒隊長
07 依光道洋 1999.8.20 - 2000.7.31 防大24期 情報業務群司令部幕僚  
08 大塚海夫 2000.8.1 - 2001.8.19 防大27期 海上幕僚監部防衛部防衛課 海上幕僚監部防衛部防衛課
兼 海上自衛隊幹部学校
09 佐伯泰啓 2001.8.20 - 2002.8.5 防大24期 ちょうかい副長 はるさめ艦長
10 千代野正 2002.8.6 - 2004.2.24 防大24期 海上幕僚監部防衛部防衛課 3等海佐
11 飯塚洋文 2004.2.25 - 2005.8.21 日大
37期幹候 
あまぎり航海長 兼 副長   2005.7.1
1等海佐昇任
12 森下治彦 2005.8.22 - 2006.8.21   あまぎり砲雷長 兼 副長  
13 泉 博之 2006.8.22 - 2008.3.25 早大
41期幹候 
おおなみ船務長 兼 副長 海上幕僚監部人事教育部補任課
14 黒木一博 2008.3.26 - 2009.3.24 防大34期 はまぎり砲雷長 海上自衛隊第1術科学校教官 就任時3等海佐
2008.7.1、2等海佐
15 中村正三 2009.3.25 - 2010.3.23 防大32期 しもきた運用長 兼 副長 さざなみ艦長 就任時3等海佐
2010.1.1、2等海佐
16 齊賀裕一 2010.3.24 - 2011.3.24 防大34期 海上幕僚監部防衛部防衛課
17 富松智洋 2011.3.25 - 2012.4.8 防大36期 佐世保地方総監部管理部
18 松山秀夫 2012.4.9 - 2013.3.31 防大34期 呉海上訓練指導隊 さみだれ艦長  
19 西田敏志 2013.4.1 - 2014.3.23 防大37期 佐世保地方総監部管理部
20 前久保一彦 2014.3.24 - 2015.3.29 曹候7期 第2ミサイル艇隊司令 護衛艦隊司令部幕僚
21 吉福俊彦 2015.3.30 - 2016.3.13 海上幕僚監部防衛部装備体系課 護衛艦隊司令部
22 飯ケ谷孝広 2016.3.14 - 2017.4.4 防大38期 いずも船務長
23 朝田 修 2017.4.5 - 2018.12.2 呉基地業務隊本部補充部付 艦艇開発隊開発部第1科長
24 橘 大史 2018.12.3 - 2019.7.31 すずつき砲雷長 兼 副長
25 下條裕史 2019.8.1 - 2020.8.2 防大45期 きりしま砲雷長 兼 副長 海上幕僚監部防衛部装備体系課
26 安冨 学 2020.8.3 - 2021.8.26 防大46期 はまぎり
27 奥村健二 2021.8.27 - 2023.2.19 海上幕僚監部防衛部防衛課 さみだれ艦長
28 佐藤大志 2023.2.20 - むろと副長

ギャラリー

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 防衛力整備計画の概要
  2. ^ 中国海軍艦艇の動向について” (pdf). 統合幕僚監部 (2016年2月17日). 2022年12月21日閲覧。
  3. ^ 中国海軍艦艇の動向について” (pdf). 統合幕僚監部 (2016年12月25日). 2022年12月21日閲覧。
  4. ^ 鹿児島県屋久島沖における米軍オスプレイの捜索救難活動について”. 統合幕僚監部 (2023年11月29日). 2023年12月6日閲覧。
  5. ^ [公表]鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年11月30日). 2023年12月7日閲覧。
  6. ^ 鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年12月5日). 2023年12月7日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)